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2006年11月22日

●ひーぽん

エアコンは不思議な機械だと思ったことはないだろうか。暖房はまだわかる。電球も触れば熱いし,電気を熱に変えるのは容易という気がする。だが冷房はどうだろう。確か熱というのは熱い方から冷たい方に一方通行で伝わると習ったような気がする。暑い部屋から熱を奪い去る冷房というのは自然の法則に反してはいないか?

もちろんエアコンは自然法則に反しているわけではない。井戸の底から水をくみ上げるように,熱を暑い部屋の中からくみ上げて,さらに暑い室外に捨てる巧妙なシカケがある。それがヒートポンプ(熱ポンプ)だ。

エアコンの室内機と室外機をつなぐチューブの中には,冷媒と呼ばれるガスが入っていて,室内機と室外機の間を循環している。ガスは圧縮すると温度が上がり,膨張すると温度が下がるという性質がある。

冷房の手順はこうだ。チューブの中の冷媒は,室内機を出るとコンプレッサ(電気で動く圧縮機)で圧縮されて温度が上がる(25℃→50℃)。高温になった冷媒は室外機の中で外気と熱をやり取りする。冷媒の方が外気より高温なので,冷媒は冷やされる(50℃→40℃)。冷やされた冷媒が室内機に戻るときに膨張弁というのを通って膨張し,温度が下がる(40℃→15℃)。低温になった冷媒は室内機に入り,部屋の空気と熱をやり取りする。今度は冷媒が室温よりも低温なので,室内に冷たい空気を吹き出して,冷媒の温度は上がる(15℃→25℃)。これを最初に戻って繰り返せば,最終的に室温は15℃まで冷えることになる。代わりに外気が温められることになるが,外は広いので気にしない。

暖房はこの手順をそのまま逆にすれば良い。寒い室外からさらに熱を搾り取って(?),室内に放出するわけだ。

ヒートポンプのエライところはその効率の良さで,使った電気エネルギーの5〜6倍もの熱エネルギーを得ることが出来る。「永久機関じゃあるまいしそんなバカな!」と思うかもしれないが,じつはエアコンで消費する電気というのはほとんどコンプレッサというモーターを動かす動力に使われ,熱エネルギーそのものは外気から頂戴しているためにこのようなことが起こる。

一方,同じ電気による暖房でも電気ストーブなどは,電気をそのまま熱(と光)に変えるため,効率は最大でも1となり,エアコンと同じくらい電気を食う割にはちっとも部屋が暖まらない,ということになる。

電気によるエアコンは上記の通りだが,もうひとつ,高温の熱源(熱湯とか)をエネルギー源にしたエアコンというのもあって,規模の大きな店舗や病院などで使われている。熱湯を使って冷房するなんて,電気を使うよりさらに不可解だが,こちらも巧妙な仕組みがある。が,長くなったのでこちらは宿題ということにしよう。

コメント

「ひーぽん」という呼び方に、微妙オタクの私は反応してしまうのでした。(^^;

とゆーわけで、唐突にオタク方向に話を展開してしまおう(なんてヤツだ)。

熱湯を使って空調・・・となると、5~6年前に巷で話題になった「エコアイス」でしょうか。
東北電力の商品ですが、その宣伝に使われたキャラクターが、通称「えここ」といい、ペンギンの着ぐるみを身にまとった10歳くらいの女の子でした。

最近では、Inspire the Nextさんが「エコキュート」という商品を出していて、その宣伝のためのHP”オイダキドットコム”が運営されていますが、そこではやはりオタク心をくすぐる女性キャラクター「リリコ」(30歳主婦)がFlashまでも駆使して縦横無尽に活躍しています。

年々、世界的にオタク人口が増加しているのは、一般報道でも分かる通りで、今やオタク文化を無視してはビジネスは(たぶん)成り立ちません。

最近では、PCのショップブランドとして、筐体に人気美少女ゲームのイラストをあしらった特別モデルが発売され、人気を博しています。
それにならって、エアコンにも美少女絵をあしらい・・・いやいや、家そのものを美少女化してしまったら・・・ん~、観光名所になってしまうかも知れない。

科学的考察ゼロの駄文、失礼致しました。

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