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2006年12月19日

●SF本読了 ゴールデン・フリース

ゴールデン・フリース」(R.J.ソウヤー)[bk1]読了。

ソウヤーの処女長編をようやく読むことができた。SFミステリ(ミステリSF?)としての評価も高い本作品。文句なしに面白い。かなり特異な倒叙ミステリ(犯行方法も犯人も冒頭で明かされ,すべてが犯人による一人称の独白で進む)で,これはSFというジャンルでなければ絶対に書くことができない話だと思う。ボリュームもちょうど良く,程よいハードさ。

宇宙船の全機能を支配するAI,しかも人間に対して秘密を持っていて反抗までするというと,どうしても「2001年宇宙の旅」(A.C.クラーク)のHAL9000を連想してしまうが,その辺はソウヤーも充分承知しているところらしい。

今まで読んだソウヤー作品とは違いハッピーエンドとは言い切れない終わり方だった(殺人事件が起こっているのであたりまえだ)が,読後感は良く,ソウヤーにハズレなしの格言は今回も守られた。