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2007年02月08日

●少子化問題と地球温暖化

時事ネタに触れるのは珍しいが,一言書いておこう。どこかの大臣が「女性は生む機械」だとか放言して物議を醸しているらしい。

この発言そのものは失言という他なく,腹の中でなんと思っていようと,皆が見ている前でこのようなことを口走ってしまう大臣はちょっと資質を疑われても仕方がないと思う。

この大臣が気にしているのはいわゆる「少子化問題」というやつだ。

一方,この冬は暖かく,記録的に雪が少ないなど,こちらも話題になっていて,こうなると昨年の大雪のことはケロっと忘れて「地球温暖化問題」と騒ぐ人が大勢いる。

さて,多くの方はとっくにお気付きだと思うが,少子化問題と地球温暖化問題は二律背反の関係にある。つまり,人口が増えれば消費エネルギーも増えて温暖化は加速してしまうし,温暖化を食い止めるためには人口の抑制(少子化の推進)が必須だ。少子化も温暖化も盛んに報道される割には,この当たり前の関係がズバリ指摘されるのを見たことがない。何か差し障りがあるのだろうか。

しかも少子化問題というのは日本をはじめ先進国の一部だけの話で,地球規模で見れば人口も消費エネルギー(炭酸ガス放出量)も増える一方である。

日本の少子化問題というのは詰まるところ,税金や年金を払ってくれる財源の不足という問題であって,件の大臣でなくとも,政治家はそういう目でしか問題を捉えていない。

「将来のために」と政治家はおっしゃるが,政治家の望むように人口が増え続けたとしたら,土地も資源も有限なのだから破綻するというのは子供でも判ることだ。本当に人類社会の将来を考えるなら,途上国も含めた人口抑制,カーボンフリーエネルギーやCO2固定化などの研究や食料の安定供給にこそ,もっと資源を投入すべきだろう。

先進国で少子化が進むというのは,生活スタイルの多様化だとか何とかいろんな説があるだろうが,じつは多くの人たちは(政府が何と言おうと)これ以上人口が増えてはマズいと,無意識に感じて子供を減らしているのでは,なんて考えてしまう今日この頃である。

コメント

全くその通りだと思います!

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