●SF本読了 パンドラ4
「パンドラ4」(谷甲州)読了。
4分冊の最終巻。最後までまじめに,ファーストコンタクトの困難さを淡々と描いて終わってしまった。
考えさせられることが多いという点では収穫だったが,もう少し明るい方が個人的には好み。つかの間の休息すら許されない過酷な環境に主人公が立たされる展開がこれでもかと続くと気が滅入ってしまう。
小説を読んでいるときくらいは現実逃避したいのに,逃避した先が余計過酷だった,みたいな感じ。ドラマのERなんかもそうだったけれど,「面白いんだけど感情移入すると疲れる」系だ。
通して読んでみて,『ハードSFの極北』か?と言われたらやっぱり違うと思う。極北の定義は人それぞれだと思うが,Webmasterが読んだ中ではそれに相応しいのは今のところイーガンくらいではなかろうか。
これでとりあえず手持ちのSF未読本は全消化。読みたいと思う作品は結構あるけれど,いずれも単行本なので文庫化されるまで待ち。新刊は全部文庫でも同時発売してくれたらいいのに,といつも思う。電子出版(電子書籍)というのはしばらく前から実用化されているらしいけれど,まだまだ文庫本並みに手軽なものではないと思う(欲しい本が出てないし)。
OHPと同じように,「ああ,そういえば紙の本なんてもう何年も読んでないね」という会話ができるのは何年後になるのだろう。自分たちが生きている間にそうなるだろうか?出版業界はいろいろと因習がありそうだから難しいかな?