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2009年01月27日

●宇宙羊羹

従来の羊羹(ようかん)には重大な欠点があった。1G重量下(地球上)で羊羹を固めると,重力によって小倉餡や栗が下側に偏ってしまうのである。製造技術の工夫によって多少は改善されたが,わずかな成分の不均一は必ず発生し,羊羹でもっとも重要な食感に悪影響を与えることは不可避だった。また,栗の分布の偏りによって,切り分けるときに人間関係にまで亀裂を生じさせ得る危惧もあった。

これを根本的に解決するために,金属材料の研究からヒントを得て考案されたのが「宇宙羊羹」である。羊羹の撹拌ならびに固化プロセスを地球周回軌道上の微小重力下において行うことにより,完璧に均質な羊羹の製造に成功したのである。

宇宙羊羹を開発したヤマザモ製パンの主任研究員S氏は開発の経緯について次のように述べている。

「ボクは塩羊羹が好物なんですが,今までの塩羊羹はどうも上と下でしょっぱさが違う気がして不満だったんです。あと,子供の頃栗羊羹を切るときに定規で測ってぴったり3等分にしたのに,ボクのにだけ栗が2コ入っていて兄さんに殴られたんです。そのときですね,ボクが完璧な羊羹の開発に生涯を捧げようと誓ったのは。今ですか?じつはプリンの濃度分布の不均一についてダリコさんから相談を受けてまして,宇宙プリンの開発を進めています。そのままやるとカラメルソースまで均質に混じってしまうので,羊羹よりも難しいですね」

【参考サイト】山崎製パン:宇宙日本食YOHKAN

宇宙羊羹