« 今日の工作 フルレンジスピーカーユニット | メイン | SF本読了 ホミニッド »

2005年07月28日

●住宅に雨戸がない新潟のナゾ

地元に住んでいるときは不思議に思わないが,他県に移り住んで初めて気付く地元独特の風習や文化というものがある。Webmasterの育った新潟市では住宅に雨戸()がない。一方茨城県ではどのお宅にもたいてい雨戸が付いている。このことは茨城で生まれ育ったKinoppyから,新潟の住宅地を歩いているときに指摘されて初めて気付いた。

写真:雨戸の例

それまでは気にとめたこともなかったが,注意しながら歩いてみるとなるほど新潟には雨戸のある住宅がほとんどない。数えたら雨戸のあるお宅は数十軒に一軒あるかどうか,という割合(数パーセント程度)だ。

これは大発見!と思ったが同じことに気付いた人は多いらしく「雨戸 新潟」などのキーワードで検索するとけっこう引っかかる。しかしその理由については推測だけで明確な説明はないようだ。検索でわかったことをまとめると,

  • 日本サッシ協会の調査(2001年)によると、新潟県の雨戸の取り付け率は約4%で、全国平均69.4%に比べ極端に少ない
  • 雪国(北陸の日本海側,北海道)では雨戸があっても着雪・凍結で開閉できなくなるので付けない
  • 雨戸は台風のとき飛来物からガラスを保護するのが目的なので,台風の被害の少ない新潟では必要ない
  • 防犯意識の違い。(留守宅がバレる,寝起きの時間を知られるのを嫌う?)

ということで,新潟に雨戸が少ないのは統計的にも裏付けられているようだ。理由については雪のためという意見が多数派だが,決定的に裏付けの取れた資料などはないらしい。台風被害防止説については同様に被害の少ない茨城県の雨戸率が高いことを考えるとちょっと違う気がする。防犯意識に関連して面白かったのは,「朝,遅くまで雨戸を開けないでいると,あの家は怠け者だと陰口を叩かれるので,それを嫌って付けないようになった」という説。農業県として発達した新潟としては考えられる話だ。

いずれにしろ,近年建てられた住宅については,「周りで(雨戸を)付けているお宅がないから」「昔から無かったから」「雨戸?なにそれ?」ということだと思う。稀に付いているお宅については,雨戸が普通だった他県からの移住者と見てまず間違いないとWebmasterは思うがどうだろうか。お子様の夏休みの自由研究として近所に聞いて回ったり県庁あたりに取材に行くのも面白いと思う。

ただ,最近は全国的にも雨戸は減ってきているらしい。洋風建築が増えてきたから?あるいは窓サッシ自体の性能が上がっているため?

ご参考:トステムの窓シャッター・雨戸