●SF本読了:ウォー・ゲーム
ブックリスト更新。「ウォー・ゲーム」(D.ビショフ)読了。1983年公開の同名映画の原作というかノベライズだろうか。表紙には映画のシーンが使われているが詳しい経緯はわからない。ストーリーは映画も小説も同じ。
映画はテレビ放映されたものを観ただけだが,気に入ってしまいビデオに録って何度も見返した記憶がある。DVDも出ているがまだ買っていない。Webmasterは人間と会話を交わすことの出来るコンピュータ(人工知能)が出てくる作品が好きで,ウォー・ゲームでは北米防空司令部(NORAD)で核戦争の戦略を練っているWOPRというスーパーコンピュータがいい味を出している。
ネタバレになるがコンピュータWOPRはラストで戦争の無益さを悟る。心のないコンピュータですら理解できることを,互いを思いやる能力を持った人間がいつまでたっても理解できないとはなんとも悲劇的である。まあこの小説(映画)の楽しみはそういう道徳的な部分ではなくて,主人公の少年ハッカーが音響カプラを駆使して学校のコンピュータをハッキングして自分の成績を書き換えたり,電話会社の課金を無効にしつつ,ゲーム会社のモデムが応答するまでその地区の電話番号に総当りをかけるプログラムを走らせる(大迷惑!)場面だろう。日本でパソコン通信「ニフティーサーブ」のサービスが開始されたのが1987年だから,かなり時代を先取りした作品だったと思う。というよりアメリカが進んでいたのか。