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2005年10月30日

●SF本読了 ディアスポラ

ブックリスト更新。ディアスポラ(G.イーガン)読了。待望のグレッグ・イーガン新作長編。むさぼるように読んでしまった。急いで読んでもったいなかったのでじっくり味わいながら再読を始めたところである。巻末の大森望氏の解説に付け加えることは何もない。これぞハードSFの中のハードSF。ウルトラ・スーパー・ハードSFである。

あらゆる文学形式の中で,SFだけが与えうる深い感動。そのもっとも純粋なかたちがここにある。(巻末解説より)

ディアスポラ(G.イーガン)

2005年10月27日

●猫のピート生後6ヶ月 まとめ

【猫のピート生後6ヶ月】つづき

ここまで何回かに分けて生後6ヶ月を迎えるピートの生態を紹介してきたがいかがだろうか。問題行動(噛み癖)も見られるものの,甘えてくるときはそれはもう可愛くて,Kinoppy(奥様)と2人でメロメロになっている。よく散歩に連れて行くのだが,いくら内弁慶で外面がいいピートでも,外出先でゴロゴロと甘えることはマレで,ピートの真の可愛らしさを周りの方に見ていただけないのは少し残念である。

ピートと出会う前は,血統書付きのブランド品種猫をブリーダーさんから買うことも検討していた。ブランド品種は種類によって大まかな性格が予想できるし,可愛さも保証付きだ。しかしその一方,すべての猫を愛するKinoppyは野良猫,捨て猫問題に心を痛めており,無責任な飼い主のせいで保健所で処分される猫がいるのに,そのような問題を助長する安易なブランド品種信仰に疑問を感じてもいたようだ。結局,ブランド品種を10万円で買うくらいだったら,その金を野良猫の不妊手術の援助をしている団体にでも寄付した方がいいのでは,という結論になった。(まだ寄付はしていないが...)

しかしそのおかげで,愛すべきピートや,ピートを可愛がってくださるたくさんの人々と出会うことが出来たので感謝している。

好奇心旺盛で怖いもの知らずな捨て猫出身のピートはボス猫気質と言っていいだろう。従順で飼い主に反抗しないペットも捨てがたいが,飼い主といえども対等な相手(というより下僕?)として接するのはネコならではの魅力ではないだろうか。

生後6ヶ月の記事を書いている間にも体重は4キロを突破し,去勢手術も済ませた。去勢後の変化など,引き続きレポートしていきたいと考えている。

【ご参考】今までのピート関連記事はこちら

2005年10月26日

●去勢手術

【猫のピート生後6ヶ月】つづき

牡ネコの適切な去勢時期については諸説あるらしいのだが,いずれの説も生後4ヶ月から12ヶ月という範囲に収まっているようだ。未成熟なうちに去勢してしまうのも支障があるし,あまり遅くなると去勢後もスプレー行動(臭い付けのためにいろんなところにオシッコを引っ掛ける)が治らなかったりするらしい。あとは飼い主とかかりつけの動物病院の主治医の判断ということになる。ピートの場合はどうかとKinoppyが先生に診せたところ,「もう充分に成長しているので(去勢しても)大丈夫でしょう」とのことだったので,早速お願いすることにした。

本当ならピートに心の準備をさせてやりたいところだが,説明しても解ってもらえないのが辛いところ。今思いついたが,ニャウリンガルに逆変換機能を付けて,人語をネコ語に翻訳するというのは無理だろうか(たぶん無理)。

去勢される気分というのはどういうものだろう。メスの避妊手術(入院が必要)に比べれば去勢手術は簡単(手術自体は5分で終わる)ということだが,自分のこととして想像すると身が縮む思いである(去勢手術に反対するのは男性が多いらしい)。性欲や攻撃性が失われるといったって,RPGでキャラクタの特定パラメータを調整するのとはわけが違う。それらの形質を含むすべての要素が揃って人格(猫格)が決まっているのである。去勢されても自分は自分でいられるのだろうか。それとも本能的な部分をどんどん削っていくと意識の不変量が見えてくるとか...。

話がそれた。手術前の麻酔まで立ち会ったKinoppyによると,ピートは麻酔注射でかなり暴れたそうだ。可哀想だと思うが,ブリードしないと決めている以上,飼い主の責任は果たさなければいけない。

手術後がまた試練だ。ピートの場合注射による麻酔が(暴れて)出来なかったのでガス麻酔をかけられたわけだが,その影響なのか,術後16時間後くらいまでは,1~2時間毎に嘔吐を繰り返した。もちろん手術前は12時間以上絶水・絶食しているので吐しゃ物は胃液しか出ないのだが,それがまた切ないのである。昼に手術を受けて,翌朝4時頃まで嘔吐が続いた。ピートは眠れぬ夜に疲れ果てた様子で,自慢の毛並みにもツヤがない。

手術から20時間ほどして,ようやく食欲が戻り始めてほっとする。ただ,傷口が気になるようでしきりに毛繕いしている姿がちょっと痛ましい。とりあえず,猫生最大(たぶん)の試練を乗り切ったピートに拍手したい。

「室内飼いで外猫との接触がないなら,無理に去勢する必要ないのでは?」という意見もあると思う。しかし,成熟してサカリが付いたときに本能を無理やり押さえ込んでガマンさせるのは,それこそ拷問に等しい行為だとWebmasterは思う。もちろん理性のある人間の場合は本能のままに行動してはならないが。

ご参考:pyon*weblogのピート去勢関連記事

今までのピート関連記事はこちら

2005年10月22日

●第39回東京モーターショー

第39回東京モーターショーに行ってきた。前回行ったのが1995年の第31回だったので,ちょうど10年ぶりとなる。自動車技術の定点観測という意味で,10年というのはちょうどいい間隔かもしれない。

前回は車で連れていってもらったのだが,今回は千葉マリンスタジアムのプロ野球日本シリーズと重なって渋滞が予想されたのでJRを利用した。相変わらず幕張メッセはだだっ広くて,予想通り歩いて見て回るだけでヘトヘトになってしまった。

各社ともハイブリッドやFC(燃料電池)車に力を入れているようだが,10年後の車社会はどのようになっているだろうか。

興味深い技術としては,日産PIVOシースルーピラーというのがある。フロントピラーをモニター画面にしてしまって,ピラーに隠れて死角になる部分の風景をカメラで撮影してピラーの画面に表示する。これを聞いてピンとこないだろうか。そう,これは原始的ではあるがガンダムと同じである。技術の進歩もあたりまえのように感じる世の中だが,このようなシステムはブラウン管モニタでは実現不可能だったと考えると,今はまだ荒唐無稽なSF的発想も無駄ではないと感じさせてくれる。

モーターショーというとキャンギャルとカメラ小僧のイメージだが,今回は自動車メーカーブースのキャンギャルは全体的に質素なコスチュームで,部品メーカーブースの方が露出が多くカメラ小僧(カメラおやじ)を惹きつけていたようだ。

2005年10月19日

●う○ちのときは砂を顔で掘る

【猫のピート生後6ヶ月】つづき

トイレに関しては独自の哲学を持っているようで,汚れたままになっていたり,砂が少しでも減っていると抗議する。うん○の前には,清潔な砂が充分にあるかどうか,顔でズボズボと砂を掘り進んで確認する。トイレはオマル式のものを使っていて,砂の飛び散りは少なくて助かっている。猫砂はトイレに流せてオシッコで色が変わる紙製のものを使用。消臭性も良好だが他のタイプよりだいぶ高価なのが難点。う○ちは朝と夜の1日2回と健康的。

1ヶ月ほど前から,用を足した後にその上に砂をかけて埋めることが出来るようになった。その前から砂をかく仕草はしていたのだが,用を足した場所とは関係のないところに砂をかけたりしていた。

KinoppyかWebmasterが在宅のときは,用を足した後すぐに砂をキレイにすることができるが,買い物などでピートだけが留守番するような場合はどうしてもトイレが汚れたまましばらく放置されることになる。それが判っているのか,留守番中は極力ガマンしていることが多いようだ。

【ご参考】今までのピート関連記事はこちら

2005年10月16日

●人の指図は受けない

【猫のピート生後6ヶ月】つづき

ネコはたいていそういう性格なのかもしれないが,甘えたいときには甘えるし,遊びたいときには遊ぶ。噛みつきたいときは噛みつくという具合。ネコといえば喉を撫でるとゴロゴロと喉を鳴らしてうっとりする...と思っていた(先入観)が,ピートの場合は喉を鳴らすかどうかは完全にピート自身の意思で,甘えたいときはひたすらゴロゴロ鳴らして膝に乗ったり床に寝そべったりするが,遊びモードのときにいくら頭や喉を撫でられてもゴロゴロするということはない。爪を切ろうとしたら寝ているか相当にまったりしているときしか出来ず,それ以外のときに切ろうとすると物凄い勢いで暴れて噛みつく。獣医さん泣かせのネコである。

観察していると,まったりモード→遊びモード→興奮・大暴れという遷移は比較的人為的に誘導しやすいが,逆の遷移を起こすのは大変難しい。今のところ放っておく以外の手段は見つかっていない。子猫は特に暴れる傾向があると聞くが,もう少しすればピートにも落ち着きというものが出てくるだろうか。

【ご参考】今までのピート関連記事はこちら

2005年10月13日

●恋は水色

Webmasterが働いている職場では,始業時や終業時,昼休みの始まりと終わりなど,一日に何度もチャイムが鳴る。チャイムはメロディーが流れるタイプで,毎回同じメロディーだ。今の職場で働き始めてからもうずいぶん経つが,先日Kinoppy(奥様)に指摘されて初めて,その曲が「恋は水色」だということに気付かされた。

ブログに書くような大層なネタか,とお思いになる読者も多いと思うが,Webmasterにしてみればまさに青天のへきれきという体験だったのである。「恋は水色」はポールモーリアのCDを持っているくらいなのでもちろん知っていた。しかし,Webmasterの脳では職場のチャイムは単なるチャイムとして処理され,それを「恋は水色」と結びつける回路が形成されなかったのである。

ちょうど「だまし絵」と同じような効果と言えばわかっていただけるだろうか。例えば10年間,それは老婆の顔を描いた絵だと信じていたのに,ある日突然,その絵には若い女性が振り返っている姿が隠されていたことに気付いたような衝撃,それが職場のチャイムに対して起きたわけだ。

一旦気付いてしまうと,もう何度聞いてもそのチャイムは「恋は水色」以外の何物でもなく,気付く前の脳内の配線に戻そうと思っても不可能である。

あなたの恋は何色だろうか。(内容とまったく関係ない引き...)

2005年10月11日

●顔馴染みの人間には噛みつく

猫のピート生後6ヶ月つづき

可愛いピートの最大の問題行動である。普通逆じゃないかと思うのだが,慣れない人に対しては指先をペロペロ舐める程度で大変おとなしい。なので初対面の人にはたいてい好印象を与えるようだ。が,少し慣れてくると手に噛みつく。本気噛みではないのだが,手の甲や腕を噛まれるとかなり痛い。Webmasterに対しては足にも噛みつく。ゴロゴロと喉を鳴らしながら噛みつくこともある。興奮してくると噛みついたまま前脚で腕をホールドして両後脚で猫キック(連打)をお見舞いされる。ピートのキバは結構立派になってきたので,Webmasterの腕や足は生傷が絶えない。Kinoppyは叱って噛みつくのを止めさせようと奮闘しているが,あまり効き目はないようだ。獣医さんにも相談したし本やWebで調べた「噛みつく時のしつけ方」はすべて試してみたのは言うまでもない。Webmasterは怒るのも疲れるし半ば諦めモードである。もうすぐ去勢できる時期だが,少しは変わるだろうか。

最近のパターンとしては,おもむろに床に寝そべってお腹を見せたり手足を伸ばしたりするポーズを取る。その姿はそれはもうめちゃめちゃかわいいのだが実は罠である,WebmasterやKinoppyがついフラフラと手を伸ばして撫でようとすると,ガブリっとやられる。確実に罠だとわかっているのだが,やはり今日も負けてしまうWebmasterである。

【ご参考】今までのピート関連記事はこちら

2005年10月10日

●水道の蛇口から直接水を飲みたがるピート

猫のピート生後6ヶ月つづき

カリカリを入れた餌皿の隣に,新鮮な水を入れた皿も置いているのだが,あまりお気に召さない様子。一日に何度も洗面台に上って「水を出せ」と要求される。水を出してやるととても旨そうに飲むが,普通の水道水である。逆に汲み置きの水の方が消毒臭などが飛んでいいと思うのだが...。

最初は蛇口から流れ落ちる水を直接ベロで受けて飲んでいたのだが,最近はそのパターンは減って,写真のように排水口で待ち構えて飲んでいることが多い。体が大きくなって写真のような体勢が楽に取れるようになったためだろう。

【ご参考】今までのピート関連記事はこちら

2005年10月09日

●猫のピート生後6ヶ月

猫のピートが家に来て約5ヶ月。来た時点で生後約1ヶ月と推定される(元々捨てネコなので正確には不明)ので,今は生後6ヶ月というところ。日々の成長はKinoppy(奥様)のブログに詳しいので興味のある方は参照いただきたい。

体調は約50センチ(顔からカギ尻尾の先まで)ほどだが,かなり自由に伸縮するので正確に測るのは難しい。体重は3.8キログラム。すでに抱えて歩くにはだいぶ重いが,まだまだ増えそうで不安である。餌はブランド品の子猫用ドライフードをベースに,機嫌をとりたいときやご褒美として高級ネコ缶を奢ることもある。安いフードもたくさん出ているが,ピートは自らの可愛さで賞金を稼ぎ出しているので,贅沢する権利はあるだろう。

ピートの体重変化

現在確認されているピートの特徴的な行動,習性をこれから何回かに分けて紹介していこうと思う。(ネタを小出しにする【実録】ネコ裁判で覚えたワザ)


【猫のピート生後6ヶ月特集 もくじ】

2005年10月03日

●今日の工作 ピンホール式プラネタリウム

棒テンプ式機械時計フルレンジスピーカユニットに続く今日の工作第3弾は,同じく大人の科学マガジン09号「ピンホール式プラネタリウム」である。

大人の科学マガジン09号

日本科学未来館メガスターを見に行く野望はまだ実現しないが,その大平貴之氏が監修したというこの付録は是非作ってみなければと,予告が出たときから思っていたのだ。

しかし不安もあった。業務用プラネタリウムと同等の10,000個の星を投影するといっても,わずか¥2,200の雑誌のふろくである。光源は豆電球だし,電源は単3電池2本だ。これで本当にまともなプラネタリウムが出来るのか?

とりあえず過度の期待は抱かないようにして,久々の工作を楽しむことにする。

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支柱を組み立てたところ。右は恒星球をセットするベース。単なるインテリアではない証しとして,どの地点のいつの星空を投影するかを決める,緯度と月,時間のシールを貼る。

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台座に支柱をセットしたところ。光源は先端の豆電球1個。明るい部屋で見ると何とも弱々しい光。

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恒星原版を組み立て始めたところ。恒星球は正12面体で,恒星原版の耳の部分を両面テープで貼り合わせて組み立てていく。表面には保護フィルムが貼られている。

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恒星球が完成。空いている1面に支柱とつながるベースをセットする。空いているところから覗き込むと,ちゃんと小さなプラネタリウムになっている。

planetarium_05.jpg planetarium_06.jpg

1時間半ほどで完成。結構立派に見えるから不思議だ。部屋を暗くして早速投影してみる。部屋の壁に映しているのでドームのようにはいかないが,なかなか雰囲気は出ている。光源が弱いし,投影面まで遠いと光が拡散するので,出来るだけ狭い空間で使うのがいいようだ。見本の写真にもあったが,トイレで映すのが一番良かった。星空の下で用を足すのも悪くない。豆電球を使っているので,どうしても黄色っぽい星になってしまうのと,解説にもあるようにフィラメントの形状を映して小さい星が半月状の形になってしまうのが惜しい。もう少し白くて強力な点光源を使えれば,段違いにキレイになる気がする。しかしまあ,¥2,200のレジャーとしては大満足の結果であった

planetarium_07.jpg

作ったプラネタリウムをトイレのタンクの上に置いたままにしておいたところ,翌朝見たらピートに蹴落とされて少し壊れていた...。食えもせず,転がして遊ぶことも出来ないプラネタリウムは,ピートにとって何の価値もなかったようだ。

【ご参考】「今日の工作ネタ」一覧

2005年10月02日

●ブログメンテナンスのお知らせ

当ブログに使っているMovable Typeを,3.17から3.2にアップグレードする作業を予定しています。メンテナンス作業中は一時的に接続できなくなる等の不具合があるかもしれませんので,ご了承ください。

追記:というわけで,無事にアップグレードが完了しました。デザインは相変わらず手抜きです。

2005年10月01日

●ミステリー読了 冷たい密室と博士たち

「冷たい密室と博士たち」(森博嗣)読了。こちらもKinoppyの蔵書の中から貸していただいたもの。S&Mシリーズを読むのはこれで2作品目で,発行の順番は無視して(しかも肝心な1作目「すべてがFになる」は未読だし...)読んでいるが,ストーリーは一冊ごとに完結しているし,レギュラー登場人物の紹介も毎回されるので致命的な不都合はない,と思うが,たぶん通しで読んでいればニヤリとさせられる演出が多数あるのだろう。

国立N大学というと名古屋大だろうか。工学部には研究会か何かで行ったことがあるので多少親近感が...あるほどでもない。しかし国立大の工学部には萌絵ちゃんみたいな子は居ないだろう,あれは自分の学生に萌絵ちゃんみたいな子が来たらいいな~という森氏の妄想ではないか,というのがWebmasterとKinoppyの共通した感想である(偏見?)。

冷たい~のトリックは論理的ではあるが複雑で,Webmasterには想像すらできなかった。ミステリ好きな人だと状況と途中までのヒントでトリックと犯人が判ってしまったりするのだろうか。今回は「まさかこの人が犯人ではないだろう」という(先入観・思い込みによる)除外すら出来なかったので,犯人が判ったときも衝撃は少なかった。

それにしても犀川先生はともかく,萌絵ちゃんまでタバコを吸うのはちょっとなぁ。イメージが...。

冷たい密室と博士たち(森博嗣)