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2006年05月16日

●ラジオドラマ

NHK-FMの青春アドベンチャーで「太陽の簒奪者」をやっているというので,何年ぶりかでラジオドラマを聴いてみた。

ラジオドラマというのはSF向きのメディアという点で小説と似ていると思う。あまりにもスケールが壮大すぎてテレビドラマや映画では映像化不可能か,莫大な予算が必要な作品でも,「音だけ」ならなんとかなる(映像はリスナが頭の中で創造する)からだ。

もう10年以上前になるが,青春アドベンチャーは欠かさず聴いていた時期があって,SFに限らず名作が多かったという記憶がある。内容は忘れてしまったが「皇帝の密使」なんていうタイトルだけ記憶に残っている。マージャン合体ロボ「サンバイマン」なんていうのもあった。

青春アドベンチャーは平日夜の15分番組で,2週間で10話というのが多かったと思うが,土曜にはFMシアターという1時間番組もあって,こちらもたまに聴いていた。今でも気になっているのは,「宇宙船で金(キン)の採掘に出掛けて,長い年月の末に帰還してみたら金が化学合成出来るようになっており,せっかく採掘してきた金が無価値になり途方に暮れていたが,なぜか大量に積んでいた昔のビール瓶が物凄い価値になっていて...」というような話。うろ覚えでタイトルもわからないが,面白かったという記憶がある。ラジオドラマになったということは,小説などの原作が存在すると思うので,ご存知の方がおられたらご一報いただきたい。

たまにだが,ダミーヘッド録音の番組もあった。これはヘッドフォンで聴くと大変豊かな臨場感が得られる技術で,夏の夜に必ずやる怪談話など,まさに身の毛もよだつ恐ろしさだった。当時はダミーヘッド録音が何のことかわからなかったが,なんのことはない,マネキンの頭部(つまりダミーヘッド)の耳の中にマイクを仕込んで録音するということだった。バイノーラル録音と言ったりもする。最近は多チャンネルのソースとスピーカで臨場感を演出する映画も多いが,肝心の画が正面にしか見えない点で違和感が大きい。臨場感という点ではダミーヘッド録音+ヘッドフォン+暗い部屋(or目隠し)には敵わない。アミューズメントのオバケ屋敷等でこれを応用しているところもある。

今はどうか知らないが,実力派の声優さんが出ていることも多く,声フェチの人にもオススメである。