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2006年11月08日

●アナログカメラの基本

最近Kinoppy氏(奥様)がフルマニュアル操作の銀塩一眼レフ,ASAHI PENTAX SPOTMATIC(ペンタSP)を使ってくれる機会が多く,ランニングコストはかかるが写真を撮る喜びを知ってくれたようで,Webmasterもうれしい。サイト開設後8年を経て,ようやくタイトルに内容が追いついてきたというべきか。

もちろん写真を楽しむにはリクツをこねるよりも,とにかくたくさん撮った方がいいのだが,専門用語が解るようになると楽しさも倍増すると思うので,大それた企画だがカメラにまつわる専門用語について簡単に説明したいと思う。

もちろん上級者にはこんな説明は蛇足でしかないので読み飛ばしてほしい。また定義や説明が適当な部分もあると思うが,厳密さよりもわかりやすさを重視してのことである。ただ明らかな間違いがあれば指摘いただければ幸いである。

▼フォーカス
ピントのこと。自動で合わせてくれるカメラはオートフォーカス,ペンタSPは手動なのでマニュアルフォーカスとなる。

▼シャッタースピード

シャッターボタンを押すと,レンズとフィルムの間にあるシャッター幕が開いて光がフィルムに当たる。幕が開いてから閉じるまでの時間のこと。数値は1/n秒で表される。125なら125分の1秒(0.008秒)という具合。数値が大きい(シャッタースピードが速い)とフィルムに光が当たる時間が短く,暗い写真になり,数値が小さい(シャッタースピードが遅い)と光が当たる時間が長く,明るい写真になる。屋外の晴天の場合は,光が入りすぎるのでシャッタースピードは速く,逆に曇りや屋内の場合は光が不足するのでシャッタースピードは遅くしてやる。シャッタースピードが遅いと手ぶれしやすいので,三脚が必要になる。

▼絞り(しぼり)

レンズに内蔵されている羽根で,光が通る穴の直径を変える働きがある。数字が小さい(絞りを開ける)方が直径が大きくなり,数字を大きく(絞りを絞る)すると直径が小さくなる。絞りを開けると光がたくさん入って明るい写真になるが,ピントの合う奥行き(被写界深度という)が狭くなる。逆に絞りを絞ると光があまり入らず暗い写真になるが,ピントの合う奥行きが広くなる。遠くが見辛いときに,目を細めたり,小さいスキマから覗くと見やすくなるのと同じ。

▼シャッタースピードと絞りの関係(露出)

上述のように,シャッタースピードと絞りはフィルムに入る光の量を調節するという同じ働きをする。光の加減とシャッタースピード,絞りが適切に合った状態を「適正露出」という。光が足りなくて暗い写真になってしまったときは「露出アンダー」,逆に光が多すぎて明るすぎる場合は「露出オーバー」であると言う。適正露出を得るための組合わせはたくさんあり,例えば「シャッタースピード500,絞り2.8」という組み合わせと「シャッタースピード60,絞り8」という組み合わせがどちらも適正露出であったとしよう。前者は絞りが開いているので,ピントの合う範囲が狭い。その特性を利用して,花の写真や人物のアップなど,背景をボカす効果が期待できる。またシャッタースピードが速いので,手ぶれが防げるし,速い被写体の動きを止めるという効果がある。一方,後者は絞りを絞っているのでピントの合う範囲が広い。従って手前に立った人物と,背後の風景の両方にピントを合わせたい記念写真,あるいは遅いシャッタースピードを利用して滝の水が糸のように写る効果が期待できる。

▼フィルムの感度

100とか400とか800など,フィルムに書いてある数字のこと。数字が大きい方が値段が高いので,大きい数字のものを買えばキレイに写ると勘違いされるが,じつは逆で,画質は100が一番良い。数字が大きいのは高感度フィルムといい,少ない光でも写る代わりに,解像度の低いザラついた画質になる。高感度フィルムはフラッシュ撮影が禁止されている屋内や,少しでも速いシャッタースピードを使いたいという場面でのみ威力を発揮する。晴れた屋外では感度は低い方が良いのである。ただ最近はフィルムの性能が良くなり,高感度でも高画質になってきている。

▼ネガフィルムとリバーサルフィルム

スーパーでも売っている普通のフィルムはカラーネガフィルム。現像したフィルムは色が反転(黒いところが白く,白いところが黒く)しているので,フィルムを眺めても何が写っているのかよくわからない。現像したフィルムが見たままの色になっているのがカラーリバーサルフィルム。ポジフィルムとも言う。そのままスライド上映に使える。ネガフィルムは適正露出が得られる範囲が広く,失敗が少ない。リバーサルフィルムは鮮やかな色が得られる反面,適正露出の範囲が狭く,難しいしフィルムが高価。デジカメでは「クロームモード」などと言ってリバーサル風の色合いが得られるモードがある機種も。

▼上等なカメラ,レンズ

マニュアルカメラの場合,カメラ本体の良し悪しはファインダーの見易さとか,シャッターを押したときの感触,音などに現れるが,好みの問題もあり写りにはあまり関係がない。レンズは「55mm/f1.8」などと書いてあった場合,前の数字が画角で,数字が50mmより小さいと広角レンズ(広い範囲が写る),大きいと望遠レンズ(遠くのものをアップで写す)を表す。50mm前後は標準レンズと呼ばれ,人間の視野に近い自然な画角となる。ズームレンズというのは画角を可変できる構造のもの。デジカメはたいていズームレンズが付いている。そのレンズが上等かどうかを判断するには後ろの数字を見れば良い。これは開放f値といい,「そのレンズで絞りが最大どこまで開けるか」を表す。絞る方はどんなレンズでもいくらでも小さく絞れるが,開く方はレンズの大きさで物理的に決まってしまう。開放f値が小さい方がレンズの直径が大きく上等なレンズである(少々乱暴な決めつけ)。

いかがだろうか。これでもまだ解りにくいかもしれない。あとは実地にシャッタースピードや絞りを変えて自分なりに考えながら撮ると自然と身に付いてくると思う。デジカメでもオートの機能を切ってこれらのことを考えながら写すと,一味違った写真が撮れると思う。

コメント

Marinoです。

全ての事には理論がありますが、結局理論というのは、現実の現象を人間の知性の及ぶ範囲内でのみ勝手に定義したものに過ぎません。

何事も実践あるのみで、理論はまあ参考程度と言うことですね。と、勝手に思いました。

ではでは~。

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