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2007年10月30日

●クルマの未来

東京モーターショーの時期だが,前回見に行ったのでまだしばらくは行くつもりのないWebmasterである。2年くらいではそれほどドラスティックな変化があるとは思えないため。

日産のGTRも話題らしいが,全体としてエコに向かうのは避けられない流れだと思う。注目される技術としてはプラグイン・ハイブリッドだろうか。

これは現在のハイブリッドカーの電池容量を増やして,電気だけで数十km走ることができるようにしたもの。電池は家庭用のコンセントから(プラグインで)充電できるようになっている。通勤や買い物に使う程度なら,往復で10〜20kmも走れば充分で,その程度ならエンジンを使わずにモーターだけで走ることができる。帰ってきたらコンセントにつないで,夜のうちに充電するわけだ。

完全な電気自動車と違って,エンジンも積んでいるので途中でバッテリーが切れて動けなくなる心配もない。さらに,充電で使う電気代はガソリンを買うよりもはるかに安いし,電化プランで深夜電力が割引になればさらにオトク。余っている深夜電力を使ってもらうことで昼夜の負荷が平均化され,原発を造る口実もできて電力会社もハッピーという,すばらしい技術だ。

課題としては,今までより余計に電池を積まなくてはいけないので,スペースも必要だし重くなるし高くなる。インフラ面として,例えばマンションや月極駐車場に停めている場合はコンセントがない。

まあインフラの話をするなら,まずは渋滞をなんとかした方がいい。あのノロノロ運転の車が全部エアコンをかけている上,通勤時はワンボックスに一人乗車だったりするのだから,渋滞によるエネルギーの無駄は計り知れない。

自家用車以外に交通手段のない勤め先は別として,少なくとも役所や学校などの公共施設にお勤めの公務員は公共交通機関での通勤を義務付けるべきではないか(そういうところには必ずバス路線があるはずなので)。民間企業でも鉄道やバス,自転車・徒歩通勤の社員に「環境手当て」を出すとか。企業のCO2排出の削減量に社員の自家用車通勤削減分がカウントされるとなれば,効果も見込めるのでは。

2007年10月27日

●ミステリ読了 四季 夏

「四季 夏」(森博嗣)読了。

四季シリーズ第2弾。事件が起きてその謎を解く,というスタイルではないのでミステリとは言えないかもしれないが,四季嬢の謎に満ちた過去を解き明かすという意味でのミステリィということで。

S&MシリーズとVシリーズに関わるかなり重大なネタバレがあって,内容に関してはほとんど何も書けない。両シリーズが好きな人にとってはたまらない内容。逆に,先に本書を読んでしまうと両シリーズの楽しみは半減してしまうかもしれない。全体としては,「すべてがFになる」で少しだけ描かれた四季嬢が起こした過去の"事件"についてのお話となっている。

森氏の文庫で出ているシリーズものについては,読書のペースがもう少しで最新の出版に追いついてしまうため,四季シリーズと未読の短編集をクリアしたらS&Mシリーズを再読してみるのも悪くないな,と思っている。

2007年10月25日

●今日の買い物 ペリカーノ

小学生のとき先生に「おまえの字はミミズがのたくったようだ」と評されたWebmasterは手書きが嫌いである。しかし,道具としての万年筆には興味があった。機械式カメラや自動巻の腕時計と同じような「アナログな香り」がするではないか。

だが,字がヘタクソで最近は手書きの書類もほとんどないというのに,何万円もする万年筆を買うのはさすがに気が引ける。

数百円から買える安物万年筆もあるけれど,なんとなく風情がない。そんなときネットで見つけたのが「ペリカーノ」というドイツの万年筆。説明を読むとドイツの子供が最初に持つ,小中学生向けの万年筆という位置付けらしい。ペリカーノJrというのもあるが,これはさらに低年齢向けでクリップがない。

値段も手頃なので早速1本買ってみた。万年筆を持つのは生まれて初めてで,ペン先をどっちに向けて書くのかもわからない。ペリカーノは人差し指を置く位置に渦巻き模様があるので親切。さすがは子供向けである。

かなりの太字(M)でインクも多めに出るので,手帳などに細かい文字で書き込むのは不可能な太さ。普段手書きするのは,手帳への書き込みがほとんど唯一の機会なので,それに使えないとなるとあまり活躍の場はないかもしれない。まあ,デザインはかわいいので胸に刺しておくことにしよう。

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2007年10月24日

●SF本読了 遺跡の声

「遺跡の声」(堀晃)読了。

短編集「太陽風交点」を読んだのはずいぶん前で,太陽風交点がシリーズものだということは今回初めて知った。さらに文庫版出版を巡る裁判のゴタゴタもまったく知らず。出版社が利益追求するのは結構だが,まずは作家と読者の利益を考えてほしいものである。

この『宇宙遺跡調査員』シリーズというのはかなり渋くて地味な設定で,娯楽的な要素は少ないが,なんともいえない切ない味わいがあって好きである。

2007年10月20日

●猫のデルタ 生後5ヶ月

かんな氏が保護した子猫(オス)だが,里親募集をはじめてから1ヶ月が経過した。これまでの経験から子猫のもらい手が見つかる可能性は生後1〜3ヶ月くらいをピークに,それ以降は急激に低下する。ひとつには若い方が環境の変化に慣らしやすいということもあるし,見た目のかわいさが断然違う。

子猫は保護した時点で推定生後4ヶ月,そこからさらに1ヶ月経って生後5ヶ月というところで,里親探しはかなり厳しいと判断せざるを得ない。もちろん血筋がはっきりしているとか,よほどの美猫ならこの限りではないが,今回の子猫は取り立てて美猫でもなく(美猫度から言えばピートの方が数段上である),血筋に関してはノラなので言わずもがなだ。

従って,1ヶ月を経過した時点をもって里親探しは断念し,Webmaster宅で2匹目の猫として受け入れることを決定した。いや,正直に書くとこの子猫はものすごく甘え上手で,すっかり情が移ってしまっていたのだが。

この1ヶ月間,先住ネコのピートと少しでも仲良くなってくれればと思って見守ってきた。とりあえず,トイレと食餌は共用することで合意したらしい。ピートが子猫用,子猫が成猫用のカリカリを食べていることが多いような気がするが,その程度はまあ誤差範囲ということで。

子猫の方からピートにしがみついたりじゃれついたりすることが多いように思うが,ピートの方はかなり迷惑そうで,あまりにしつこいと「ウゥー」「シャー」と威嚇しながら逃げ出す。そう,ピートの方が逃げ出すのである。子猫相手に手加減しているのか,子猫の方が強いのか...

ピート,子猫に居場所を奪われる・・・(画:かんな氏)

名前だが,デルタ(Delta)に決まった。由来はデルタロケットから,ではなくて,ピートと同じく小説に登場するネコからの拝借である。無理矢理こじつけると,額と背中の模様が三角に見えなくもないということで。

1ヶ月で体重は400グラム増えて2.3kgに。予防接種は3種混合を1回済ませたが,ノラ生活だったことを考えて3週間隔であと2回受けさせる予定。その間に去勢手術をしてもらうということで考えている(生後6ヶ月が目安)。保護してすぐに猫エイズ,白血病の検査を済ませ(陰性),虫下しを2回,ノミ駆除を1回処方してもらっている。ノラを家ネコとして迎える段取りというのは結構めんどうだし金がかかるものなのである。

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2007年10月18日

●今日の妄想 1万年の恋

かんな氏がiTunesで買った歌を覚えようとしている。近々カラオケに行くつもりらしい。

横で聞いていると,1万何千年前から愛してるとか,そんな風な歌詞である。なんかのアニメの主題歌らしい。

現人類の寿命はせいぜい100年で,ひとりの人を愛することができる期間といったら80年くらいが限度だろう。1万数千年愛しているということは,

(1)異星から来た長命人種である。当然現人類は彼らの奴隷として設計された。ナディア風。

(2)ウラシマ効果による。つまり亜光速宇宙船内での恋愛を地球時間で語っている。トップ風。

(3)シミュレーションによる。つまり電脳空間へアップロードされ不死化した。イーガン風。

(4)機械知性の恋愛である。アシモフ,ラッカーあたり?

というようなパターンが思い浮かぶ。たった4パターンとは発想が貧困だが,このアニメはどれかに当てはまっているだろうか(たぶんいない)。

2007年10月14日

●ミステリ読了 今夜はパラシュート博物館へ

「今夜はパラシュート博物館へ」(森博嗣)読了。

四季シリーズを読み進める前にちょっと寄り道をして短編集。「どちらかが魔女」「双頭の鷲の旗の下に」がS&Mシリーズ,「ぶるぶる人形にうってつけの夜」がVシリーズの登場人物による短編で,ほとんどこの3編のために読んだようなもの。

国枝先生のだんな様登場の「双頭〜」と,S&Mシリーズとのリンクが垣間見える「ぶるぶる人形〜」はキャラ萌えの方は必読かと。

「ゲームの国」に登場するアナグラム,リリおばさんの事件簿の回文よりは簡単だが面白かった。(主人公の探偵の名前もアナグラムになっていたのは気付かなかった)

「素敵な模型屋さん」はしんみりするファンタジィ。「自分には無理だ」「どうせ出来ない」と,いかに多くの夢を忘れて(諦めて)生きてきたことか。そんなことを考えさせられてしまった。

【収録作品】
・どちらかが魔女
・双頭の鷲の旗の下に
・ぶるぶる人形にうってつけの夜
・ゲームの国
・私の崖はこの夏のアウトライン
・卒業文集
・恋之坂ナイトグライド
・素敵な模型屋さん

2007年10月13日

●プラネタリウム番組鑑賞 宇宙エレベータ

近所のプラネタリウムで「宇宙エレベータ 〜科学者の夢見る未来〜」という番組が始まったので,早速鑑賞。

以前観て良かった「銀河鉄道の夜」と同じシステム(リブラのHAKONIWA)を使っての全天周映像ということで,迫力は満点。没入感がありすぎて酔いそうだった。

宇宙エレベータ(軌道エレベータ)を代表とする夢のような技術が実現した未来社会の描写。技術的なブレークスルーがあったとしても,ここで描かれているような理想社会への道は遠い気がする。本当に全人類がこんな明るい未来に暮らすことができれば最高だが,今の人口増加率ではとても厳しいのではないか。あれはあくまでも地球でごく一部の超上流階級の人の暮らしであって,他の大部分は酷い生活を強いられているとしたら...

とはいえ,思い描く未来はもちろん明るい方がいい。子供たちがこういう未来を指向して,実現するように努力してくれれば不可能ではないはずだ。ただ,土曜の昼間だというのにプラネタリウムはガラガラ。やはり未来は暗いのだろうか....

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【参考リンク】日本科学未来館の「宇宙エレベータ」紹介ページ

2007年10月08日

●ミステリ読了 四季 春

「四季 春」(森博嗣)読了。

S&Mシリーズで宿敵として登場した真賀田四季の活躍(?)を描く「四季」4部作の1作目。S&MシリーズとVシリーズの橋渡しとしても重要な位置付けとなりそうな感じ。

フィクションに登場する「天才」はたくさんいるだろうが,四季嬢はかなりのハイレベル天才と言えるのではないか。SFだと「アルジャーノンに花束を」(D.キイス)のチャーリーとか,「理解」(T.チャン;あなたの人生の物語収録)の主人公などが思い浮かぶが,彼らは後天的,人為的に造られた天才であった。四季嬢は生来の天才ということで,その思考の描写(文字を書いたことがない,等)はなかなか興味深い。

ということで,ミステリというよりもSFっぽいシリーズと言えるかもしれない。


2007年10月05日

●ミステリ読了 探偵ガリレオ

「探偵ガリレオ」(東野圭吾)読了。

東野圭吾という作家はずいぶんたくさん本が出ているが,まったく知らなかった。SF以外興味がないのがバレバレだ。

八戸駅の小さな書店で本を物色中に,平積みしてあったのが本書。どうやらドラマ化されるとかで話題になっているようだ。ガリレオというタイトルが気になって紹介文を読んだら,天才物理学者が探偵役で不可思議な事件を科学で解決〜,的な内容らしい。

かんな氏も読んでみたいとご所望だったので買ってみたという次第。

スタイルは連作の短編なので,科学ネタを使ったトリックのアイデア一発勝負という感じ。犯人が誰か,という推理よりも,どんな物理現象,道具を使ってそのトリックを実行したか,という部分に重点が置かれている。

学部は違えど国立大の助教授という意味では同じ設定の犀川先生(森博嗣 S&Mシリーズ)とどうしても比べてしまう。淡白さという点では似ている部分もあるが,やはり別物。湯川助教授(ガリレオ)の方が多少人間くささがあるように思う。が,大学での日常が描かれておらず,刑事に見せる面白い実験をいつも準備していたりして,「こんな先生はいないだろう」という感じでリアリティがないのも事実(短編なので仕方ないかもしれないが)。

やはり長編を読んでみないと評価できないな,というのが感想だが,探偵ガリレオについてはギャグとして読むのが正解ではないだろうか。おそらくドラマもコメディタッチになるのでは?

2007年10月04日

●猫のピート2歳半

早いものでピートも2歳半(生後30ヶ月)だ。年に一度の三種混合ワクチン接種も済ませたし,特に病気をすることもなく毎日元気いっぱいである。

体重は5.8kgで,1年前から変わっていない。かかりつけの獣医からは無理にダイエットさせることもないでしょう,と言われているので食餌は今までどおり。

窓辺に来るハトの観察を楽しみにしていたピートだが,さすがにフン害が看過できない状態になってきたので,実績のあるテグス対策を施したところ,ハトは来なくなりピートはつまらなそうである。

代わりというわけではないが,かんな氏が仔猫(オス)を拾ってきて保護している。最初の2,3日はピートが「シャー」とか「ウゥー」と威嚇してケージから出せなかったのだが,2週間経った今ではお互いが居ることには慣れたようで,ケージに入れなくても普段どおり生活している。

仔猫の方は愛想が良く,ピートと遊びたいのか追いかけたりしているが,ピートの方はちょっと迷惑なようで,仔猫が近寄ってくると逃げてしまう。まだどう接していいのかよくわからないようだ(ピートは生まれてすぐ捨てられたので,親兄弟と遊んだ経験がない)。

お店に里親募集のポスタを貼らせてもらったりしているが,推定生後4ヶ月とのことで,もらい手を探すなら限界に近いかもしれない。

同じオスなのに,ピートと違ってものすごく甘え上手で,人のあとをついて歩くし,ひざに乗せるとおなかを見せて完全にリラックスモードである。逆に寂しいのがダメらしく,ケージに隔離しておいたら悲痛な声で鳴いて,涙を流していた。元はノラだったはずだがこの人懐っこさはどこから来たのだろう。

母ネコも人懐っこかったという話だが,交通事故で亡くなってしまったらしい

保護した者の責任として,里親が見つからなければ自分で飼うしかない。2頭飼いはいろいろと大変なことも増えてしまうが,何より先住ネコのピートとの関係が良好になってくれないと困る。

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【ご参考】

pyon*weblog お散歩猫ピート--最近やってきた小さい生き物が・・・・

【関連記事】

2007年10月03日

●ダークレス現像3回目

暗室不要の簡易現像キット「ダークレス」を使った現像も3回目である。最初に買ったセットは3回分のアンプル(現像液,定着液)が入っていたので,これが最後だ。一応,アンプルだけ6回分入りの物を追加で買ってある。

前回調子の良かったフィルムの「ベロ出し法」を今回も実践し,QWとドライウェルも使った。デジカメ接写による適当なデジタイズではよくわからないが,酷い現像ムラなどはなかったと思う。

この簡易デジタイズ,金がかからないのは助かるが,元々接写があまり得意なデジカメではないので,ピントも甘いし,コントラストの幅が狭く,補正をかけてもなんだかザラっとした感じになってしまう。

これでは現像が悪いのか,接写によるデジタイズが悪いのか,元々がピンボケだったのか,判断が難しい。何本かフィルムがたまったら,店にCD書き込みを頼んだ方がいいかもしれない。

現像作業自体はだいぶ慣れてきたが,時間がかかるのは始める前の準備である。いったんフィルムを現像液に浸けてしまったら,あとは定着終了までの7分ほどは何があろうと手を止めることは許されない。従って,必要になるものをすべて手の届くところに用意しておく必要があるし,手順を頭の中でシミュレーションし,ある程度暗記しておかなくてはいけない。

そして,失敗したらフィルム1本と撮った写真がすべて「おしゃか」になるというプレッシャに打ち勝つための精神統一も必要だ。この緊張感はデジカメではもちろん,お店現像でも味わうことができない,自家現像の醍醐味と言えるだろう。

今後試してみようという方にひとつアドバイス。説明書には書いてないが,ピンセット(先のとがったもの)を是非手元に置いておいた方が良い。現像から定着に移るときに,フィルムが容器から抜けなくなるので,これをピンセットで引っ張りだすのである。細いマイナスドライバなどでも代用可能だろう。

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ASAHI Pentax SP / SuperTakumar 1:1.8/55 / NEOPAN SS

【ご参考】
ダークレス現像2回目
ダークレス現像初挑戦

2007年10月01日

●SF本読了 ウォー・サーフ

「ウォー・サーフ(上・下)」(M.M.バックナー)読了。

八戸に行ったときに読む本がなくなって,八戸駅の書店で調達したモノ。品揃えのない店だったのであまり選択肢はなかったのだが,そういうときに買った本というのはやはり今ひとつ。

アメリカの新鋭女流作家だそうだが,この中身で上下分冊は冗長という感じ。訳の問題もあろうが,全編田舎方言の会話が続くのもちょっとアレだ。これだけ引っ張ってラストの盛り上がりもたいしたことがなかったように思う。

ぶつぶつ言いつつも途中で投げ出さずに読めたので,並というところか。