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2009年02月28日

●今日見た景色 偕楽園

偕楽園の梅祭り。茨城に住んでずいぶん経つけれど,梅の季節に行ったのは初めて。

平時の偕楽園のガラガラ具合からすると信じられないほどの人出だったが,JRと路線バスを使ったので駐車場に困ることもなかった。

最近は本当にデジイチで撮っている人が増えた。以前は一眼レフなんて構えているだけでちょっと一般人とは違うぞ,という空気だったけれど,今はちょっとこだわっているアダルト層はLレンズ(赤帯)でキットレンズ組,社外レンズ(シグマ,タムロン)組との差別化をはかっているようだ。

今回持っていったのはフィルムEOS用にはじめて買った交換レンズのEF24-85mm f3.5-4.5 USM(1998年購入)。画角が1.6倍になるのでちょっと望遠よりのズーム域として使える。キットレンズと比べると手ぶれ補正が付いていないが,USMでAFが快適だし開放F値が明るい。

梅と好文亭
かんなさんと梅偕楽園の梅偕楽園の梅

Canon EOS Kiss X2 / EF24-85mm f3.5-4.5 USM

2009年02月26日

●SF本読了 シュレディンガーのチョコパフェ

「シュレディンガーのチョコパフェ」(山本弘)読了。

未読本の在庫が切れた状態なので,書店に寄ったときはSFの棚をチェックするようにしている。なんとなくタイトルが目に留まったのが本書。

この人の作品は読んだことがないな,と思っていたが,先日読んだアンソロジー「虚構機関」に収録された「七パーセントのテンムー」の人だった。

本書は短編集で,〜テンムーも収録されている。むしろテンムーよりも好みの作品が多くて良かった。「メデューサの呪文」「奥歯のスイッチを入れろ」あたりが個人的な好み。

長編では「MM9」が気になっているけれど,まだ文庫化はされていないようだ。先に「神は沈黙せず」を読むべきかな?

【収録作品】
・シュレディンガーのチョコパフェ
・奥歯のスイッチを入れろ
・バイオシップ・ハンター
・メデューサの呪文
・まだ見ぬ冬の悲しみも
・七パーセントのテンムー
・闇からの衝動


2009年02月23日

●ギターの音を比較する

新しく買ったYAMAHA FS720S(定価3.7万円,新品)と,先生に借りているMorris MD-507(定価2.5万円,推定15年モノの中古品),その音の違いはどれほどのものだろう?

弾いたときの主観的な印象としては,MD-507の方は低音が豊かで残響がやや大きい。FS720Sの方は低音は痩せているが高音弦(1,2弦)の音がきらびやかな感じ。と言っても正直なところブラインドテストをやったら聞き分けられるかどうか自信がない。

FS720Sはこれからじゃんじゃん弾いて育っていく(はず)。なので買ったときの状態を記録しておくという意味で,MD-507と比較した録音を公開しておこう。

しかしこういうとき,どんな音の出し方をすれば良い比較ができるのだろう。開放弦を一本ずつ弾いてFFTをかけて周波数特性を見る?なんかそれも違うような気がする。どうせ複雑な弾き方をするスキルはないので,とりあえずC-G7-Cのコードを順番にシャラーンと弾いてみる。

上がMorris MD-507,下がYAMAHA FS720Sで,録音方法はXA-C110をサウンドホールから1mくらいの場所に置いて,Audacityで不要部分の削除をしている。録音レベルが少し小さかったので同じ割合で持ち上げているが,エフェクトなどはかけていない。

どうだろう。差は感じられるだろうか?最後のCと残響の部分の波形の比較がこちら。(上段:MD-507,下段:FS720S)

code_md507

code_fs720s

まず明らかにFS720Sの音量が小さい。しかしこれは弾き方が違っていたという可能性も高い。まったく同じ強さで弾くというのは素人には難しいのだ。だとしても残響はMD-507の方が厚い感じは確かにある。同じ部分にFFTをかけて周波数成分(リニアスペクトル)を見るとこんな感じ。(上段:MD-507,下段:FS720S)

fft_md507

fft_fs720s

グラフの見方だが,横軸が周波数(音の高さ)で,縦軸がレベル(音量)。右側に行くほど高い音になる。

しかしこれを見てもどう判断すればいいのか難しい。例えばこれがどう変化したら,良い音になった/よく鳴るようになった/成長したと判断できるのだろう?聴感上違いがあるということは必ず計測に差が表れるはずで,そのナゾが今後解明される日はくるのであろうか。

もし,こんな弾き方で比べれば違いがよくわかる,というような方法をどなたかご存知でしたらご教示頂ければ幸いです。

2009年02月22日

●今日の買い物 アコースティックギター

かんな氏とギター教室に通いはじめてもうすぐ2ヶ月。ギターは持っていないので,毎回先生からギターを2本借りて受講し,帰るときは家での練習用にと1本借りていたのだが,「そろそろギターを用意しては?」とやんわりフォローされてしまった。教室も新しい生徒さんだって入ってくるし,貸出し用のギターをいつまでも占有するわけにもいかないということで,とりあえず1本だけでも手当することにした。

家での練習用に借りていたMorrisのギターをハードケース付きで2万円で譲っても良いよ,と言われてはいたものの,せっかく買うなら何もわからずに先生のギターを譲ってもらう前に,店でいろいろと弾いてみて考えることにする。

ギターの品揃えは水戸のS楽器店が良いのだが,フルートの修理で一度酷い目に合っているので,歩いて行ける近所のお店で見ることにする。このE楽器店は小さいお店でアコースティックギターの品揃えも少ないが,スタジオを持っていて,バンドの人がよく出入りしているしギターにも詳しいようだ。

先生のMorrisは元は安物だが,15年くらい弾き込んで育っており,よく鳴るというのが先生のお言葉。でもケースはタバコ臭い。

そこでこのMorrisもお店に持ち込んだ上で弾き比べてみることにする。かんな氏は体が小さいので,このMorrisのような大きなタイプ(ドレッドノート/ウェスタンというのか?)だとかなり違和感がある。そこで小ぶりなタイプということで出してもらったのが,YAMAHAのFS720Sというオーディトリアム/フォークタイプのギター。定価は36,750円。

ギター

他のギターもいくつか試奏させてもらって,当然値段の高いものは良い音がするというのはわかったし,容積と育成の差で鳴り自体は先生のMorrisの方が良いけれど,自分で持つならやはり好みを重視したい。同じ価格帯ではこのFS720Sが一番好みだったし,抱えた感じも良いということで,これに決定。

ギター

金欠のWebmaster家では3万円の出費でも痛いけれど,正直な感想は「ギターって安いな」ということ。フルートの場合は初心者でも最低20万のモデルを薦められるけれど,ギターの場合は3万円でも中級者くらいまでぜんぜん問題ないみたいだし,大事にすればずっと使える。逆に初心者で「国産の15万のギターください」と言ったら「それは止めておいたほうが...」と諭されるらしい。良い意味で庶民の楽器なんだな,とあらためて感じた。


2009年02月20日

●今日の病気 花粉症

昨年,目が痒いのでアレルギー検査をしてもらったところ,スギ花粉症の反応が出て,Webmasterも現代人の仲間入りを果たした。

今年はくしゃみはまだこないが,目が痒くなってきたので薬を出してもらった。

処方は昨年同様ジルテック錠(第二世代抗ヒスタミン薬)とリザベン点眼薬(抗アレルギー薬)。そういえばジルテック錠は眠くなるんだった。

花粉症の薬

2009年02月19日

●SF本再読 万物理論

「万物理論」(G.イーガン)を再読。

未読本のストックがなくなってしまったので,「困ったときのイーガン頼み」。

順列都市ディアスポラと比較すると最初読んだときの印象は少し地味(※)だった万物理論だが,読めば読むほど心に染みるという感じ。イーガン作品で共通するのはとにかく情報量が多すぎて,一回読んだだけではお腹いっぱいでゲップが出るだけで,時間をかけて徐々に消化しながら何度も読むうちに,その素晴らしさがわかる(ような気がする)ことだろう。

万物理論もまだ2回しか読んでいないので,まだまだ消化不良なところが多い。またしばらく時間を置いてからじっくり再読したい。

※あくまでも前2冊と比較して。恒星間空間に出たり永遠の仮想現実世界が出てきたりはしない,という意味において。


2009年02月16日

●掛け時計のスイープ運針の謎

しばらく前になるが,リビングの掛け時計を更新した。

その前に使っていたのはチェリークロックの安物レプリカで,新潟のビルボードプレイスの雑貨屋で見つけたもの。これはかんな氏が気に入っていたのだが,針がむき出しで,デルタがレンジやらトースターやらを足がかりに登って針を突っついて遊ぶものだから壊れてしまった。

新しく買ったのはちゃんと覆いが付いているタイプで,スーパーの雑貨屋で1,980円だった。

しかし,生意気なことにこの値段にしてスイープ運針なのである。

スイープ運針というのは連続秒針とかスムーズ秒針とも呼ばれていて,秒針が「スー」っと滑らかに動く機構のこと。それに対して1秒ごとにコチッ,コチッと動くのはステップ運針と呼ばれている。

スイープ運針とステップ運針,どちらが良いかは個人的な好みの問題なのだが,少なくとも腕時計の世界ではスイープ運針は超高級な機械式時計のみで実現できるメカニズムで,普及型のクォーツ式では未だに実現していない(セイコーのスプリングドライブはぜんまいの動力でスイープ運針させ,精度をクォーツで取っているが,これも超高級品)。Webmasterの持っている腕時計は機械式だが,1/6秒運針(21,600振動)で,よく見るとスイープではなくて細かくコチコチ動いている。

クォーツ腕時計でスイープ運針ができないのは消費電力の問題だとされていて,ステップ運針であればモータを駆動するのは針を動かす一瞬だけで良く,残りのほとんどの時間は駆動部を停めておけるので,電池の寿命を延ばすことができる。それに対してスイープ運針は常時モーターに電力を供給する必要があり,電池があっという間に切れてしまうし,今流行のソーラーパワーでは起電力が小さすぎてやはり常時モーターを動かし続けるだけの力はない。

ではなぜわずか1,980円の壁掛け時計でスイープ運針が実現できるのだろうか?

その答えはこのインターネット時代,googleで数回検索すれば容易に見つかるだろう,と楽観していたのだが,意外にもその疑問にズバリ答えているページはない。断片的な情報から推測すると,ステッピングモーターを高周波駆動させて連続回転に見せている,というような感じなのだろうか?

うーん,なんとも中途半端な感じでスッキリしないけれど,みなさん掛け時計とか目覚まし時計が安くてもスイープ運針なのに,腕時計がなんでステップ運針ばかりなのか,不思議じゃないですか?

掛け時計

2009年02月13日

●SF本購入 SFが読みたい! 2009年版

「SFが読みたい! 2009年版—発表!ベストSF2008国内篇・海外篇 (2009)」(SFマガジン編集部編)を購入。

いつものことだが上位を占めているのは単行本ばかり。今回ありがたいのは1997年以降のランキングが再掲されていること。ランキング上位の作品が文庫化されるのは3年後とかなので,最新のランキングよりもむしろ数年前のランキングの方が参考になる。過去の版もそのために保管していたが,これで処分できる。

何度も書いている気がするけれど,単行本と文庫本を同時発売にできないものかなぁ。単行本の方にだけ解説や著者あとがきでプレミアムを付ければ好きな人は買うだろう。せめてDVDの販売とレンタルくらいのタイムラグ(半年程度)にならないものか。現状だと「文庫読者は蚊帳の外」という感じで,せっかく作家や出版社を支えようという気があってもなんだか空しくなる。

【ご参考】SFが読みたい! 2008年版

2009年02月12日

●ギターの録音と音量

せっかくなのでかんな氏のギターの録音もアップしておこう。練習不足のフルートがしょぼいが許して欲しい。

この演奏は先日ワゴンセールで買ったXA-C110で録音したものを,フリーソフトのAudacityでトリミングおよびレベル調整している。

実際に録音してみるとわかるが,ギターとフルートから等距離にマイクを置くと,フルートのレベル(音量)が大きすぎる。そこでマイクはギターの目の前(サウンドホールから50cmくらい)のところに置いて,フルートは部屋の反対側で吹くくらいでレベル的にはちょうどいい。

サックスなどさらに音量の大きい楽器と合奏すると,フルートは音が小さくて苦労するけれど,アコースティックギターはさらに小さい音しか出ていない(フィンガリングだと特に)ことがよくわかる。音量的に張り合うためにはピックを使って相当強めに弾くか,アンプ(エレアコ)を使う必要があるだろう。

Fl/Sohei, Gt/Kanna

●音楽鑑賞 ベルリン放送交響楽団

ベルリン放送交響楽団のコンサートを鑑賞。曲目はベートーベンの交響曲第5番(運命)と,ブラームスの交響曲第1番。

実はクラシックってあまり聴かないし,本格的なオーケストラの生演奏を聴くのも初めてかもしれない。

オーケストラというと主役はやっぱりヴァイオリンだけど,どうしても多少縁のあるフルートの方が気になる。オーボエ,クラリネットとの掛け合いがなかなかステキだった。

音楽ホール


2009年02月10日

●成長するギター

今回は人間(スキル)の成長ではなくて,ギター本体の成長の話である。

先生はどこからともなく古いギターを蒐集してくる。そして生徒の前でジャカジャカと弾いてみせて,「これは30年前のギター。すごく良い音になってきている」とおっしゃる。なんでも,合板の安物でも単板の高級品でも同様に,演奏をしたり「ギターに音楽を聴かせる」だけでもギターが年月を経るごとに「成長」して音が良くなるのだそうだ。

本当にそんなことがあるのだろうか?今まではなんとなく,ギターのように弦で常に張力(テンション)がかかる楽器は,比較的寿命が短いものだと思い込んでいた。たぶんピアノなんかはその強大なテンションのせいで徐々に劣化していくハズで,ギターも同様にあまり古いものは使えない(つまり一生モノの楽器ではない)と考えていたが,先生の説明だとギターは充分に一生モノの楽器なのだそうだ。むしろ古い方が「よく鳴る」のだということで,認識を新たにしたWebmasterであった。

科学的(化学的)には木材の吸湿と乾燥,温度変化(ヒートサイクル)による固有振動数の変化(安定化?)ということなのだろうか。音を聴かせた方が良い,というのはたぶんケースにしまっておくよりもたまには風を当ててやった方が良いというだけの気もするがどうなのだろう。

ギター

2009年02月09日

●ギターその後(1ヶ月経過)

フォークギターの教室に通いはじめて1ヶ月経った。開催は不定期なペースでインフルエンザなどもあったので,やっと3回。

今までに教わったコードはC,Em,Am,Dm,E7。いずれも3本以下の指で押さえられて,3フレットまでしか使わない簡単なコードだ.もちろん「簡単な」というのは一般的にはそうだろう,という話で,やっている当人にしてみればこれが非常に難しい。コードチェンジなんて本当にできるようになるのか?と不安だった。

それがまあ,忙しいときや病気のときはともかくとして,家でもちょっとずつ練習していると,なんとなく押さえられるようになってくるもので,前回の教室ではAm,Dm,E7だけで弾ける曲(四季の歌)の練習に入った。本当は1カ所B7が出てくるけれど,これは今のレベルではとんでもなく難しいので,無視する。

現状で録音を公開するのはあまりにもヘタすぎていかがなものか,とも思ったけれど,せっかく先生からギターを1本借りてきたし(相変わらず自前のは買えない)。フルートのときは買って1週間の録音を公開するという暴挙をやってのけた前科があるので,まあ良いだろう。

これを聞いて「なんだヘタっぴ」と思う人は多いだろうが,おそらくこの段階まですら辿りつかずに挫折した人も同じくらい多いのではないだろうか?

Fl/Kanna, Gt/Sohei

ギター

2009年02月08日

●加湿器その後(スチーム式2シーズン目)

象印のスチーム式加湿器を買ってから,今年は2シーズン目となる。

エアコン暖房で放っておくとどんどん部屋が乾燥するので,加湿器はフル稼働状態。

インフルエンザのときなど,かんな氏にうつらないように,ほとんど24時間連続稼働させていた。そもそも自分が感染してるじゃないか,という話もあるけれど,1日の大半を過ごす職場は常に湿度30%以下で換気もしないので...

2シーズン使っていて,やはりありがたいのは(ほぼ)メンテナンスフリーという点。やることは水を注ぎ足すことだけ。フィルタの掃除とか交換とかそういった手間は一切ない。内部には汚れが析出してくるけれど,蒸発させるので衛生的には問題ない。気になる場合はクエン酸洗浄(ポット洗浄中の類いでOK)を雨天時など使用頻度の低いときを選んですれば良い(うちの場合は1シーズンに1,2回)。

マイコン制御なので耐久性の評価はもう少し使わないと何とも言えないけれど,非常に過酷な使い方でも今のところよく耐えていると思う。

猫が走り回ってマグネット式の電源コードを引っこ抜くことはたまにあるけれど,本体を倒したり,火傷したりといった事態は発生していない。

加湿器


2009年02月07日

●EOS Kiss X2その後(2000ショット)

EOS Kiss X2購入から1ヶ月。連番のファイル名から推定すると約2000コマ撮ったことになる。

こんなことはデジカメが普及して以来,いろんなところで何度も繰り返し言われていることなので,何を今更,という感じだが,1ヶ月で2000コマってフィルムでは考えられない数字である。24枚撮りフィルムを83本買って現像とCD書き込みをしたら12万円。このペースで1年間撮ったら,なんと144万円。

フィルムカメラを使っていた頃(別に引退したわけではないけれど)は,旅行などで1回に数本撮ることはあっても,平均すればせいぜい1ヶ月に2本程度,年間で20本(480枚)も撮れば良い方だった(それでもランニングコスト3万円)。もちろんこれは趣味で写真を撮ってます,というにはかなり少ないけれど,時間も金もたっぷりある熟年趣味人とは身分が違う。何しろポジフィルムなんて24枚撮り1本で700円とか800円とかいう世界だ。それはもう大事に大事に冷蔵庫に保管して,カメラにセットした後はその日のスケジュールを頭に思い描いて,「ここで3枚,あそこで4枚,予備が5枚として...」と計算して撮るというまことにケチくさい撮影をしていた。AEBなんて機能は知っていても一度も使ったことがない。EOS5の連写機能なんて,まさに100円玉を連射しているような感覚なので,もっぱら空シャッタ(フィルム抜き)でその感触だけを味わっていた。

それに対してデジカメである。コンパクトデジカメやFinePixS5000クラスを使っていたときは,そもそも撮れる写真の品質がぜんぜん違ったので,いくらたくさん撮ったって,ペンタSPで撮った会心の1枚と比較することなんてできなかったし,意味もなかった。

それがデジタル一眼レフになって事情が変わってきた。感覚としては,コンデジを高画質化した,というよりも従来のフィルムカメラからフィルム枚数やランニングコストという制約をなくした,と言えばいいだろうか?フィルムのときは怖くてできなかったAEBや連写が好きなだけできるし,気に入らなければ何百枚でも撮り直しが効く。

ミクシィのEOS Kiss X2のコミュニティなどを眺めていると,「初心者です」と言いながらびっくりするくらいキレイな写真を撮っている人が多い。それはカメラの性能によるところももちろん大きいけれど,フィルム時代の先達が何十年もの時間と,数十万円分のフィルム代を費やし,コツコツと試行錯誤しながら磨いてきたスキルを,デジイチの初心者はわずか1ヶ月で数千ショットという恐るべきサイクルでトライアルアンドエラーにより獲得してしまうわけである。

フィルムカメラを買って写真の勉強をはじめたきっかけは,写真というのは奥の深い世界で,知識・スキル・コレクション性と,続けていくには良い趣味だと思ったからで,ホームページのタイトルもそんな気持ちから付けたものだった。今写真はデジタル一眼レフの普及でまさに「マスの時代」に突入した。「写真を撮る」ということの意味は「フィルムに像を焼き付ける」ことから「データをパソコンで編集する」ことに変化した。今後結晶化が進んでいく中で,古い趣味人はどう立ち回るのが幸せだろうか。

まあ答えのでない哲学的な話はともかく,切実な問題としてはミラーとシャッタの耐久性が気になっている。数万ショットなんて,フィルム時代には(プロは別として)まあ考える必要はなかったが,デジイチではあっという間である。ヘビーユースを想定した1D系ならともかく,初心者向けのKiss X2で果たして何枚持つのだろう。シャッタを切る頻度はフィルムカメラと比べて感覚的に数百倍に増えていると思うが,フォーカルプレーンシャッタの耐久性がフィルム時代から劇的に向上したという話は聞かない。5Dでミラーが吹っ飛ぶという話もあったが,フィルムのときは充分な強度と思われた仕様が,デジタルになってメーカの想定以上に酷使されているということではないだろうか?気になるところだ。

写真は珍しくRAWで撮ったもの。補正は色温度のみで,あとはカメラで設定したまま。

ピート

EOS Kiss X2 / EF50mm f1.4 USM / 380EX

2009年02月06日

●パジェロその後(契約後10年)

パジェロ(V25W)をディーラで契約したのが,10年前(1999年)の今日だった。その後2003年まで乗って,手放している。

その当時でもRVブームは終わりかけていたのでパジェロは受注生産だったし,その後の衰退は今さらここで言うまでもない。三菱自工はついにダカールラリーからの撤退を決めた。ひとつの時代が終わったという感じだろうか。

富士重工のWRC撤退もショックが大きいニュースだった。

モータースポーツに憧れてそのメーカーの車種を選ぶという人が,昔は少なからず居たのだが,今はそんなことよりも燃費だとか居住性で車を選ぶ人が多いということだ。個人の趣味が反映するのはせいぜいデザインと色くらいなもので,機構がどうとか,動力性能がどうとか,なんてのはもはやどうでもいいことなのかもしれない。

パジェロの写真

2009年02月01日

●EOS Kiss X2にM42マウントアダプタでSuper Takumarを着ける

インフルエンザで家にこもっている。体調はあまり良くないが,一日中寝ているわけにもいかず,起きている間は退屈だ。そうだ,こんなときは気になっていたマウントアダプタを試してみよう。

ということで,楽天のジャパンバッテリーの通販でEOS-M42マウントアダプタを購入。電子接点がないタイプなので2,000円と安い(下のアマゾンのリンクはハンザのもので,ちょっと高い)。精度がどうとか,気になる人もいると思うが,ちょっと試すならこんなのでも充分ではないだろうか。金曜の14時頃に発注して,翌日土曜の夕方にはポストに入っていた。

EOS-M42マウントアダプタ

モノは写真のような金属のワッカがひとつ。これでねじ込み式のM42マウントを,EOS用のEFマウントに変換することができる。

EOS-M42マウントアダプタ

ペンタSPに着いていたSuper Takumar 1:1.8/55に,マウントアダプタを取り付けたところ。

EOS-M42マウントアダプタ

普段EOS Kiss X2に着けて使っているEF50mm f1.4 USMと並べたところ。タクマーがずいぶん小さいけれど,金属の高密度感があってズシっと重い。下に付いているのは保護カバー。

EOS-M42マウントアダプタ

EOS Kiss X2に装着したところ。ちょっとアンバランスな感じ。

EOS-M42マウントアダプタ

さて撮影方法だが,このレンズの場合は自動絞り(オート)と手動絞り(マニュアル)の切り替えができる。絞りリングよりカメラ側にある自動絞り解除レバーがその切り替えで,下側に動かすとオート,上側にするとマニュアルになる。オートの時は絞りリングの位置に関係なく開放(f1.8)で,撮影時だけ自動的に絞り込まれる。マニュアルの時は常に絞りリングの設定に絞り込まれることになる。ちょっとややこしいけれど,この自動とか手動というのはペンタSPに着けたときに自動になるという話で,完全コンピュータ制御のEOSではもちろん自動絞りは働かない。

なのでどうするかというと,ピント合わせの時はオート(開放)にしておいて,その後マニュアルに切り替えて撮影,という手順になる。もちろん絞り込んだままピント合わせをしても良いけれど,レンズから入ってくる光量が減るのでファインダが暗くなる。

EOS-M42マウントアダプタ

EOS側の設定だが,必ずAv(絞り優先AE)か,M(マニュアル)にする。画面表示は写真のようになって,レンズ情報がもらえないので絞りは「F00」と表示され,変更もできない。当たり前だがオートフォーカスも動作しない。

ただし測光はちゃんと動作するので,Avモードにしてピントを手動で合わせ,絞りをマニュアルにして絞り込んでやると,そのときにレンズから入ってくる光に応じて適正露出となるようにシャッタスピードをEOSが決めてくれる。Mモードの場合は露出計の表示を見ながら手動でシャッタスピードを設定する。

あとはシャッターボタンを押せば写る。

デルタ

EOS Kiss X2 / SuperTakumar 1:1.8/55 (EOS-M42 Mount adapter)

とまあ,手順としてはそれほど難しくはない。普段絞り優先AEやマニュアルフォーカスを使ったことがある人なら,すぐできるだろう。

ただし,である。あらためて思い知らされたがEOS Kiss X2のファインダではマニュアルフォーカスが恐ろしく難しい。よっぽど明るくてエッジの立った被写体(文字とか)か,絞り込んで風景を撮るならともかく,1m以内に近づいて猫を撮るのは至難の業。「なんとなく合ったかな?」と思ってもボケボケばかりで,最初はアダプタが不良品なのかと疑ったくらいだ。

ライブビューで拡大すれば合わせることができるが,猫を撮るときにいちいち構図を決めて,画面を拡大して,ピントを微調整して...なんてやっているヒマはない。やはりEOS(というよりKiss系?)というのはオートフォーカスでの使用が大前提だな,というのを再確認。

確かにEOSのオートフォーカスは速いし優秀だけれど,それに頼らないとまともに撮れない,っていうのは趣味のカメラとしてはちょっと問題があるような気もする...。

まあ,せっかく買ったマウントアダプタなので,タクマーはもう少し遊んでやりたい。しかし,一言で言って「使い勝手がとても悪い」ので,ジャンクのロシアレンズなどを買い漁ることはないだろう(たぶん...)。同じマウントアダプタでも,電子接点付きでフォーカスエイド(合焦判定)が効くものだったら,それを頼りにできるかもしれない。が,そういう製品は1万円くらいする。

たぶんこの最新式のEOS本体よりも,40年前のタクマーレンズの方が長生きすることになるだろうな...。