第一級アマチュア無線技士試験(以下1アマ試験) 受験記
◆2014年4月22日1アマ受験結果
工学:145点
法規:138点
まずは簡単に、1アマ試験の概要から
法規
1問5点のA問題が24問
1問1点のB問題が5×6問
全30問 105点以上合格/150満点
工学
1問5点のA問題が25問
1問1点のB問題が5×5問
全30問 105点以上合格/150満点
いずれもマークシートによる選択形式
午前の法規は09:30開始
午後の工学は13:00開始
・15分前までに入場
・席順自由
・試験開始1時間後に退室可
・係員の指定列毎に並び、受験票を見せ答案用紙を渡して退室
・試験問題は持ち帰り可
・3,4日後に日本無線協会より試験問題及び正答発表
試験3か月前から勉強開始
○2014年1月7日火曜日
アマゾンから、注文していた本が届く。
本の題名は”新・楽しくおぼえる1アマ攻略”。
その夜、主人に
「この本をざっと見て、やれそうだったら1アマ試験を受けるよ」
と伝える。
主人大うけ。これが噂のガルスカ本か!とちょっと喜ぶ。
ガルスカ本が届いてから1週間は、1アマを受験するかどうか、するならどう勉強するかを考えるため、1日2時間程あてた。
試しに2013年4月の工学の過去問をプリントアウトして、
どの程度、ガルスカ本から出題されているのかを検証することにした。
2013年4月の工学/GS本 |
2013/4の問題番号 |
GS本対応ページ |
出題有無(△は数字違い等) |
A-1 |
p19 |
○ |
A-2 |
無 |
× |
A-3 |
無 |
× |
A-4 |
p40 |
△ |
A-5 |
無 |
× |
A-6 |
無 |
× |
A-7 |
p59 |
△ |
A-8 |
p71 |
△ |
A-9 |
無 |
× |
A-10 |
p83 |
△ |
A-11 |
p82 |
○ |
A-12 |
無 |
× |
A-13 |
p90 |
○ |
掲載されていない問が結構あることに不安を感じ検証終了。
いよいよ1週間が過ぎ、2013年の工学の過去問を見せ、
「計算以外の問題を間違わなければ合格できるかも」
と、主人に説明。
「折角だからまた一緒に勉強しようよ」
と、言ってみた。
私は主人と週末にファミレス等で勉強するのが好きだ。
3年前の3アマ受験も、思いつきでCQ誌を買って帰り、
(2人とも無線とは縁の無い生活)
「無線、どう?」
と、突然の提案に爆笑しながらも、1か月間一緒に勉強。
共に満点合格という経緯がある。
(私は週末以外に延べ20時間を3アマ勉強にあてていた)
しかし、今回は3アマの時よりも少し顔が曇っていた。
理由は、私が工学音痴であるからだ。
コンデンサがなんなのかも分からない、オームの法則も怪しい。
きっと私の勉強は大変だろう。
主人自身も仕事が忙しく、両立には工夫が必要になってくる。
とはいえ、週末に一緒に勉強するのは主人も楽しかったようで、1アマ試験を受験する流れとなった。
1月の勉強時間は約20時間
ウェブで受験申請
○2014年2月1日土曜日
1・2アマ試験の申請書の受付開始。
受験の申込は、公益財団法人 日本無線協会のウェブサイト
無線従事者国家試験申請システム
を利用。入金したので後には引けない。
この時点で、JK1IQK氏のサイト
”国試シミュレーター”
2006年4月工学の正解率40%台。
大変危機感を感じて
”第一級アマチュア無線技士 合格精選400題 試験問題集”
に着手。避けてきた計算問題に、正面から向かうことになった。
この時期は、
・わからなくて当たり前。
・悩んでもわからないものには時間を掛けない。
・1問に時間をかけない。
以上を自分に言い聞かせ、問題集(工学のみ)を2週間で1回転する予定を立てた。
そうして予定通り1回転目が終了。
2月の3週目からは2回転目に入る。
1回転目に解けなかった問が少しだけ解けるようになった。
しかし何ステップか必要な計算や、覚えられない公式問題は、やはり解けないまま。
気にはなるけれど、試験は解けるところから確実に当てたいので、意識して気にしないことにした。
この時期は、大雪が降ったり、両親とバスツアーに行ったり、体調を崩したりで、2回転目は3週間程掛かってしまった。
2月勉強時間は約30時間
過去問正解率たまに7割程度
○2014年3月1日土曜日
3月からの毎週土日は、過去問1回分を主人と一緒に時間を計ってやるようになった。
工学はたまに7割取れるかどうかという感じで、A問題があと1問あれば合格という結果が続いていた。
3月といえば、雛コンテスト。
数少ないYL局ということで、ローカル局へのサービス。当の自分は他のYL局を捕まえられずログは出せない。
雛コンの合間に、JK1IQK氏のサイト
”国試シミュレーター”
で工学のみ3回分やった。
結果は
2007年12月 68%
2007年08月 70%
2007年04月 79%
問題集の2回転目が終わったのは7日頃だった。
10日から14日は、土日に解いた過去問4回分の復習に充てた。14日にやった2010年12月工学の国試シミュレーター正解率は88%だった。
これから法規
○3月17日月曜日
これまで無視していた法規の勉強開始。
既に土日に過去問をやっているが、問題集を解いていないので法規は酷い結果だった。1月にガルスカ本を軽く眺めてはいるが、各種の”記載する事項”など覚えているわけがない。直前期で少し焦る気持ちを感じつつ、法規に取り掛かった。
工学とは違い、1問あたりにかかる時間は半分以下。間違えた問や、ごろ合わせ等をノートに書き入れながらやっても1日で1回転できた。
法規は2回転だけ
○3月18日火曜日
2日連続で集中してやったのが良かったのか、随分頭に入った。このまま抜け落ちないことを祈って法規は2回転で終わりにした。
工学3回転目に
○3月19日水曜日
工学3回転目に突入。
ここからは、丁寧に問題を解くことに徹した。問題集の間違った問に付箋紙を貼り、問題文をノートに書き写した。土日にやった過去問の間違えた問も同様に書き写した。
そして、Radio-GXK氏のサイト
”無線工学の基礎”
の解説を参考に、自身が何度見ても解るように、図入りで解法も書き入れるようにした。
それから毎朝、このノートを見ることから始めるようになった。
いつものノートだと印象付けて、試験前にノートを見たときに、緊張を紛らわせようという狙いもある。
3月の勉強時間は約80時間
いよいよ最終週。過去問正解率8割以上に
○2014年4月1日火曜日
過去問で間違えた問を、数字を変えて何度も解いた。
試験直前の4日間の勉強時間は約15時間。
過去問の復習も並行してやったので、問題集3回転目が終わったのは、試験2日前の4月3日だった。
試験前日に振り返る
○2014年4月4日金曜日
遠方からの参戦の為、東京晴海の会場近くのホテルに前泊。
17時にホテル近くのコンビニで夕飯を調達し、ジュースで乾杯。
「兎に角、今日まで良くやった。試験前の工学音痴から工業高校生くらいにはなった。」
と、主人から少し褒めてもらい、ウルリとくる。
一緒に受かりたい。
試験勉強期間は3カ月。
2月の始め頃は、工学の正答率40%。
法規に至っては3月の中旬まで略無着手という状態から、両科目の正答率は80%になった。
余程の問題が出なければ、何とかなるだろうという気持ちが半分、今日までやってきたことを、今晩眠ったら忘れてしまうのではないかという不安が半分。
寝不足は試験の敵だとわかっていながらも、予定していた21時には寝付けず、23時まで工学の公式の復習をしていた。
試験当日
○2014年4月5日土曜日
朝5時起床。あまり熟睡できず。
7時、ホテルでゆっくり朝食。
できるだけリラックスするように努めた。
私はお腹を壊しやすいのだ。
朝食後、1時間程昨晩の復習をして過ごす。
9時、徒歩で試験会場へ。
ホテルから会場へは徒歩5分で着く。
9時30分開始の試験には余裕があるくらいだろう。
・・・はずだった。
会場の試験室に入室すると、なんと満席状態。
ここにきて初めて、席が受験番号順に配置されているわけでは無いことを知る。
後ろの方の空いてる席を探してなんとか着席。
10分程ノートを眺めた後、受験票、鉛筆、シャーペン、消しゴムを並べて開始まで目を閉じて待つ。
試験開始からは早かった。
20分程で解き終わり、マークシートにゆっくり記入。
それから30分程、問題を勘違いしていないか、マークシートのずれは無いか、問題用紙から解答用紙への書き写しミスは無いかを2回確認した。
残りの5分は目を閉じて過ごし、試験開始1時間後の10時30分、退室可能時間になったので係員に従って退室。
徒歩5分程のところにある晴海トリトンスクエア2Fのカフェ、セガフレード・ザネッティ・エスプレッソで最後の工学問題確認。
主人に出そうな問を選んでもらい数問解いた。
珈琲を飲んでサンドウィッチをつまみ12時まで過ごした。
試験会場へ戻り、着席して10分間、ノートと問題集を眺めた後は、頭を疲れさせないように試験開始の合図があるまでは目を閉じて過ごした。
頭を休めた甲斐あって、午後も集中して解くことができた。
30分程で解き終わり、マークシートにゆっくり記入、25分程かけて問題を勘違いしていないか、マークシートのずれは無いか、問題用紙から解答用紙への書き写しミスは無いかを2回確認した。
今回から工学の記号が変わっていたが、記号の説明も併記されていたので不都合は感じなかった。
これまでやってきた過去問と比べて一番優しかったのではないかと思う。
試験開始1時間後、退室可能時間になったので係員に従って退室。
問題及び正答発表
○2014年4月8日火曜日
日本アマチュア無線協会より試験問題及び正答を発表
工学は、A問題を1問。頻出の並列共振回路の説明の問を違えてしまった。勉強開始時には計算問題を捨てるつもりで始めたはずが、最終的には計算問題よりも文章問題に苦労させられる結果となった。
法規は、A問題2問、B問題2問。なんとなくで覚えていたところを間違えていた。
合格発表
○2014年4月22日火曜日
主人と共に合格
1アマ試験勉強時間 計145時間
免許証が届く
○2014年5月9日金曜日
合格通知の翌日に、無線従事者免許申請書を発送。16日程で第一級アマチュア無線技士 無線従事者免許証が手元に届いた。
使用テキストと問題集とお世話になったサイト
◇テキスト
新・楽しくおぼえる1アマ攻略
大泉早智子・河津いづみ 共著 CQ出版社
俗にいう”ガルスカ本”。
本格的な問題集に取り掛かる前に目を通した本。
勉強開始時の、工学問題が全く解けないのではないかという不安から救ってくれた本。収録問題数と計算問題の説明はとても少ないけれど、この本の良いところは、暗記する項目が表形式になっているところだ。
A5・20ポケットのクリアファイルを法規・工学用の2冊用意し、表のあるページのみをコピー、収納。お風呂で湯船に浸かりながら眺めていた。人前ではちょっと恥ずかしい可愛い女の子の挿絵も、湯船で見る分には癒しになる。附属のモールスCDは、語調法(チーズケーキ・ドーナツ等)で覚える前に出会いたかった。
◇問題集
第一級アマチュア無線技士 合格精選400題試験問題集
吉川忠久 著 東京電機大学出版局
1番お世話になった本。問題のページと、解説・解答のページが別になっている点が良い。全問3回転。更に、何度もやらないと忘れてしまいそうな問には付箋紙を貼り、何度も解いた。
◇お世話になったFBなサイト
・Radio-GXK氏 ”無線工学の基礎”
無線工学をわかりやすく解説している、親切なサイト。外出先で気になった時、図書館の自習室などで勉強するとき等、スマホがあれば手軽に見ることができる。勉強期間全期に渡り利用した。
ありがとうございました。
・JK1IQK氏 ”国試シミュレーター”
PCで気軽に試験問題を解くことができ、最後に採点してくれるので便利。勉強期間の中期に利用した。
ありがとうございました。
・JH3KCW氏 ”1級及び2級アマチュア無線技士国家試験の過去問題一覧”
試験1カ月前からは、実際に試験を受けている気持ちになれるように、こちらのサイトから、試験問題をプリントアウトして解くようにしていた。1カ月間の土日で2013,12,11年の3年分(計9回分)を解いた。
ありがとうございました。
・JG5WLV氏 BLOG ”1アマ合格までの道”
国試シミュレーターなるものをこちらのブログで知る。
”許容偏差=チュウワリダイトッキ”のゴロも素晴らしい。
ありがとうございました。
・資格取得応援サイト! 過去問分析で陸特絶対合格
”デシベル計算の覚え方”
”深夜4時にいちご”(真数)と
”クロウさんのオンナはデブ”(dB)は覚えておいて損はないかと。
詳しくはサイトへどうぞ。
ありがとうございました。
◆おまけ
自分用のノート画像を少々。
ゴロ合わせ等もあるけれど、参考になるのかどうか…
というレベルなので、期待しないで見ていただきたい。
電波法8条
”8時ダヨ!ヨビコウシンガタシュウデンジカン!”
8時ダヨ!←電波法8条
ヨビ ←予備免許
コウ ←工事落成の期限
シン ←識別信号(呼出符号)
ガタ ←電波の型式及び
シュウ ←周波数
デン ←空中線電力
ジカン ←運用許容時間
電波法19条
”19になったらシンガタシュウデンジカンは特に必要だよ!”
19 ←電波法19条
シン ←識別信号(呼出符号)
ガタ ←電波の型式及び
シュウ ←周波数
デン ←空中線電力
ジカン ←運用許容時間
特に必要だよ←混信の除去、その他特に必要と認めるときは指定を変更できる。
電波の型式 |
型式 |
信号 |
情報 |
A:シリ |
1:デジ単 |
A:聴 |
C:シザン |
2:デジ単副 |
B:自動 |
F:カシュウ |
3:アナ単 |
C:FAX |
G:カイ |
7:デジ2 |
D:データ |
H:シゼン |
8:アナ2 |
E:電話 |
J:シヨク |
9:複合 |
F:TV |
型式は”シリシザン、カシュウカイ、シゼンシヨク”
信号は”デジ単デジ単副アナ単、デジ2アナ2、複合”
情報は”チョウジドウ、FAXデータ、デンテレビ”
という感じで。
無線局の再免許申請に記載する事項
”サイバンシキメンボウ内容は1年を超えない”
サイ ←再免許申請
バン ←免許の番号
シキ ←識別信号
メン ←免許の年月日及び、有効期間満了の期日
ボウ ←希望する免許の有効期間
ナイヨウ ←無線局事項書及び工事設計書の内容
1年を超えない←1か月以上1年を超えない期間に行わなければならない。
”許容偏差”ときたら
中・割・大・特・基 ”チュウワリダイトッキ”
(JG5WLV氏のBLOG引用)
工学のノートは計算以外ほとんど書き込んでいないけれど、参考にどうぞ(何の参考か…)
以下は工学での数少ないゴロ合わせ。
周波数弁別器は周波数の変化を振幅の変化に変換する回路。
周波数弁別器はFM波の復調に用いられており、代表的なものにフォスターシーリー回路がある。
↓
という問題に対して
↓
”FMフォスターシーリー弁当の焼売は満腹に変換”
弁当 ←周波数弁別器
焼売 ←周波数
満腹 ←振幅
(新・楽しくおぼえる1アマ攻略より 一部引用)
苦手な送受信機構成図が貼られたトイレの壁。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでもお役に立てたら幸いです。
皆様に幸あらんことを願って 73&33
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