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2006年03月27日

●ミステリ読了 21世紀本格

「21世紀本格」(島田荘司編)[bk1]読了。2006年版「SFが読みたい!」で国内編2位の評価をされているがWebmasterは未読の「デカルトの密室」(瀬名秀明)という作品があって,本書にその前のお話である「メンツェルのチェスプレイヤー」が収録されているというので買ってみた。森博嗣のバーチャルリアリティーテーマの作品もちょっと期待していたのだが...久しぶりにハズレの読書をしてしまった感がある。

「21世紀的なミステリ」ということで,ライフサイエンスやコンピュータテーマなど,SFっぽい話が必然的に多くなっている。そこでこれをSFとして読んでしまうと,大変チープでSF的には時代遅れという感想を抱いてしまった。もしかしたらミステリばかり読んでいる人にとってはこういう話が新鮮なのかもしれないが,どうなのだろう。

肝心のメンツェル〜にしても,ロボットを小道具にした軽いミステリという程度で,突っ込みが足りずなんとなく物足りない。これは難解と評判のデカルト〜に期待するしかない。

「トロイの木馬」(森博嗣)は設定には萌えるモノがあるがこれはミステリ...なのか?

まったく21世紀的でない「交換殺人」(麻耶雄嵩)が素直にミステリを読む気で読んだためか,一番面白かったような気がする。
当然かもしれないが,SF読みとしては「ミステリ作家が書いたSFっぽい話」よりも「SF作家が書いたミステリっぽい話」の方が性に合うらしい,ということを確認できた1冊。

【収録作品】
神の手(響堂新)
ヘルター・スケルター(島田荘司)
メンツェルのチェスプレイヤー(瀬名秀明)
百匹めの猿(柄刀一)
AUジョー(氷川透)
原子を裁く核酸(松尾詩朗)
交換殺人(麻耶雄嵩)
トロイの木馬(森博嗣)