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2006年03月13日

●SFが読みたい!2006年版

SFが読みたい! 2006年版 発表!ベストSF2005[bk1]購入。2001年版からは毎年買うようにしている。ランキング上位の作品が自分にとっても高評価となるわけでは必ずしもないが,自分の好みが世間(といってもSFファンダムだが)の評価とどの程度ズレているかの目安にはなる。もちろん紹介記事は今後読む本を決めるときの参考にもなる。

今年は海外編1位が「ディアスポラ」,国内編1位は「老ヴォールの惑星」。その他の上位作品は文庫化されていない関係で未読のものも多く判断を保留したいところだが,国内外とも1位に関しては文句なく同意のWebmasterである。ディアスポラはWeb上の感想を読むと「絶賛の嵐」か,「難しすぎて読み進めることすら苦痛」かという両極端な評判が目立つが,これはそのまま読者のハードSF耐性を示していると思う。ディアスポラのハードさは飛び抜けているので,正直SFファンダムが対象のランキングでも評価が分かれるのではないかと想像していたWebmasterである。しかし1位になったところを見ると,読者の平均的な好みがハードSF寄りになってきた,ということかもしれない。

これでディアスポラには「海外編1位!」の新しい帯が付いて重版が書店に並ぶことと思うが,ハードSFと聞いてピンとこない読者の方は,手に取る前に覚悟が必要である。ハードSFを求めている読者にとってこの作品は全ての欲求を満たし,さらに想像すらしていないレベルに到達させてくれる極上の一冊だが,そうでない読者にはまるで情報理論か数学の教科書でも読んでいるように感じられるかもしれない。

ディアスポラに比べれば老ヴォールの惑星は万人にオススメできる作品。タイプの違う中篇が収められているので,どの作品が気に入るかで,自分好みのSFのサブジャンルが見えてくるのではないだろうか。

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