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2008年10月21日

●SF本読了 量子真空

「量子真空」(A.レナルズ)読了。

再読キャンペーンの途中から,寝る前にコツコツと読み進めてようやく読了。とにかくどういうわけかレナルズの長編は分冊されることがなく,超分厚い1冊の文庫本として出るため,ブックカバーも着けられないし重いので外出先に持って行くこともできない(しかし長編が出るたびに同じ文句を書いているな...)。今回は特に歴代最厚の1200ページである。

訳者あとがきによると,新開発の糊(のり)で閉じていて分厚くても装丁崩れがないとか,分冊にするよりも割安だと書いてあるが,文庫本の手軽さを完全にスポイルしていると思う。

お話はレヴェレーション・スペースもので,「啓示空間」の直接的な続編になる。短編集や「カズムシティ」からの登場人物や設定も多く,一通り読んでおいた方が良いかもしれない。

このシリーズは明確な主人公が決められていない。超光速航行が不可能という設定で,数十光年,数百年単位の物語なので当然といえば当然か。あとがきには続刊の情報は書いていないが,Amazonを見るとインヒビターものの完結編らしい"Absolution Gap"が出ている。どのくらいの分厚さになるのか少々不安だが,ここまで来たら是非読みたい。