●SF本読了 超弦領域
「超弦領域—年刊日本SF傑作選」(大森望,日下三蔵[編])読了。
「虚構機関」に続く年刊日本SF傑作選の2年目。普段なかなか手に取らない作家の作品が多く,新しいお気に入りを探す手掛かりになるので助かっている。できれば長く続いてほしいものだ。
気に入ったのはノックスの十戒(探偵小説のルール)をネタにした「ノックス・マシン」(法月綸太郎),A.C.クラーク追悼の「青い星まで飛んでいけ」(小川一水),007パロディの「From the Nothing, With Love.」(伊藤計劃)あたり。やっぱり自由意志を否定するリベットの実験は多くの作家にインスピレーションを与えているようだ。
バカバカしいけれど「アキバ忍法帖」も楽しめたし,マンガの「全てはマグロのためだった」も良かった。
伊藤計劃氏の訃報は同年代なだけにショック。ご冥福をお祈りしたい。
【収録作品】
・ノックス・マシン(法月綸太郎)
・エイミーの敗北(林巧)
・ONE PIECES(樺山三英)
・時空争奪(小林泰三)
・土の枕(津原泰水)
・胡蝶蘭(藤野可織)
・分数アパート(岸本佐和子)
・眠り課(石川美南)
・幻の絵の先生(最相葉月)
・全てはマグロのためだった(Boichi)
・アキバ忍法帖(倉田英之)
・笑う闇(堀晃)
・青い星まで飛んでいけ(小川一水)
・ムーンシャイン(円城塔)
・From the Nothing, With Love.(伊藤計劃)