●路線バスの観察
通勤にバスを使うのは長いことためらっていた。時刻表通りにバス停に行っても渋滞で大幅に遅れたり,どうせ遅れるだろうと思っていると時間通りに来て乗り遅れたりする。バス停に着いたとき,狙いのバスがまだ来ていないのか,もう行ってしまったかの判断も難しい。鉄道ならそんなリスクも少なくなるので欧州などでは環境性の面からも路面電車が見直されているという。にも関わらずWebmasterの住んでいる地域では乗る人が少なくて廃線になってしまった鉄道がある。おかげで自家用車通勤する人がますます増え,渋滞に拍車がかかる。人が乗らないから廃線にするのではなく,たくさんの人に使ってもらい,環境にもやさしくなるようにと市街地まで路線を延長するくらいの心意気が行政にも欲しかった。バスに話を戻そう。駅の近所に住んでみると,駅始発のバスに乗れるので時間が狂う心配は少ない。渋滞も時間と路線を選べば気になるほどではないということが解ったので,最近はバスで通勤することもあるWebmasterである。バスに乗ったら運転席や運転操作を観察することを子供の頃からの楽しみにしている。ずいぶんボロく見える路線バスだが,たいていはフィンガーシフトというハイテクを装備している。これはシフトレバーとトランスミッションを電気的に結び(バイワイヤ),文字通り指先でも軽くシフトチェンジできるようにした機構である。しかも単純なスイッチではなく,回転数差によって「ギアが入りにくい」といったアナログ的な情報を反力として手元のレバーにフィードバックする仕掛けまで付いている(らしい)。昔のように床からニョキっと生えている長いシフトレバーを見かけることはほとんどなくなった。フィンガーシフトはクラッチペダルもあるマニュアル(MT)車だが,最近はAT(オートマ)のバスまで見かけるようになった。バスのAT機構は昔のAT乗用車のように変速ショックが大きく,熟練した運転手が操るMTバスのスムーズな乗り心地にはまだ及ばない。徐々にハイテク化が進む路線バスであるが,今朝はバスカードの読み取り装置がエラーを起こし,40円得したWebmasterであった。