« SF本購入:ソラリスの陽のもとに | メイン | ネコ写真の難しさ »

2005年06月10日

●SF本読了:復活の日

ブックリスト更新。「復活の日」(小松左京)読了。またまた古い作品だが不覚にも電車の中で泣いてしまった。タイトルからわかる通り、希望のあるラストなので「渚にて」のような人類完全滅亡モノではないが,ほとんどそれに近い悲壮感がある。もう40年も前にこれほどわかりやすい形で警鐘が鳴らされているというのに、人類は未だに核兵器の全廃すら出来ずにいる(それどころか新たに開発している国すらある有様だ)。世界中の軍事予算を医学や宇宙進出に振り向けることができたら、人類はずっと短期間に遥かな高みに達することができるだろう。逆にそうしなければいつまで経っても一瞬で自分達の滅亡を招く危険性と共に暮らしていくことになる。何度も同じようなことを書いている気がするが、子供が悪いことをして叱る親御さんは、その子から「なぜ核兵器が必要なのか?」「大人だって殺し合いをしているじゃないか?」と問われたらなんと答えるつもりだろうか。子供にはわからない大人の世界とでも言うのか。果たしてそんな世界に子供たちは夢を抱けるのか…。それはともかく風邪に罹るのが怖くなる作品である。
復活の日(小松左京)

コメント

考えさせられます。
とりあえず、子供に「なぜ戦争をするのか」と問われれば、「どの歴史を見ても悲しいことがいっぱいなのに、きちんと勉強をしない人達が過ちを繰り返すんだよ」とでも言うしかないですね。
少なくとも、プロパガンダに踊らされて侵略戦争の肩を持つような言動はしない子供に育てたいものです。

とはいえ,完全なユートピアでは人間は呆けてしまうという話もあり,なかなか難しいのが現実ですよね。

コメントする