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2007年12月07日

●路線バスの観察3

この辺を走っている民間バス会社(1社しかない)ではバスカードという磁気式のプリペイドカードが10年あまり使われてきた。現金で乗ることもできるが,距離によって運賃が変わるので面倒だし,プリペイドカードは金額に応じて1割程度のプレミアムがつくので,定期を作るほどではないが頻繁にバスに乗る人はよくバスカードを使っていた。

近頃バスカードの読み取りエラーがよく出るな,とは感じていたが,やはり設備が老朽化していたらしく,最近「非接触ICカード型」のカードに大幅な設備の変更が実施された。

このICカードがなんとも中途半端なシロモノなのである。まず,完全独自仕様なのでSUICAやEdyといったメジャな電子マネーカードと共用させられない。つまり1枚余計にカードを持つ必要がある(しかも厚みが従来のプリカよりも分厚い)。

チャージがバス車内か営業所の端末でしかできない。従来の磁気カードは主要駅のキオスクでも買えたが,このICカードのチャージはできない。朝の急いでる時間に他の客を待たせてまでチャージするのは気が引けるし,数少ない営業所は土日が休みだったりする。SUICAと共通にしてくれたらどれだけ便利だったことか...

残額がわからない。テレカを使った人ならわかると思うが,磁気カードであればだいたいの残額がカード面への穿孔によってわかるようになっている。ICカードではこれがわからない。SUICAなら駅の端末にいれれば残額確認も簡単だが,バス専用のカードは端末のある車内でしか確認できないため,降りようと思ったら残額不足だった,ということになりかねない。毎日乗っている人ならだいたいの残額も覚えていられるだろうが,たまにしか乗らない人は困るだろう。

バス会社が挙げるメリットはこうだ。
・機械にかざすだけでOKなので手間がはぶける。しかし,定期入れのSUICAと干渉するのでこのカード単独でサイフから出さねばならず,実際の手間はほとんど変わらない。

・情報管理機能の向上により,乗り継ぎ割引が可能に!・・・しかし乗り継いだ場合の割引は一律たったの30円。

・使い捨てないので資源が節約できる。車内でチャージにもたついている間に排出されるCO2と乗客の時間的損失はどうなるの?

というわけで,バス会社と設備を納めた会社の自己満足的な変更であり,ユーザの利便性を無視した実質的な改悪であるとWebmasterは思っているのだが,他の地域にお住まいの方はどう感じるだろうか。

20071207.jpg

【参考記事】
路線バスの観察2
路線バスの観察1
Fast&First:横浜市バスの惨状

コメント

どうせ独自でやるなら、商店(シャッター通り)でチャージ可能!とか、ポイントがついてくる!とかやって、街の活性化→バスの利用者増計画みたいなことをしてみたら良いのにね。

バスカードはよく買ってたけど、新しいICカードになってからは買わなくなりました。
だってー、Suicaだけで常時2枚持っていなきゃならないし、今度の通勤先に行くのに定期をPASMOにしたもんだからICカードだらけになっちゃって…。
どれか必ずエラーカードになりそう。

…このバスカードってエラーカードになったらどうするんだろ?
(ふと思ってみたりして)

>>かんなさん
システム開発した会社のプレゼン資料(バス会社のHPで見れます)によると,まさにそのポイント制度も可能!みたいなことが書かれてるんですが,それを実施しなければ意味がないですよね。

>>nonさん
やはりICカードで敬遠する人は多いですよね。ただでさえ同じようなカードが多いのに。
私もエラーカードが心配です。5000円とかチャージしてあるのが無効とかってなったら泣きますね。

>ソウヘイさん
SuicaとかPASMOの場合は利用停止の措置を機械でして、翌日以降14日以内に持っているカードの発行元(SuicaならJR東日本、PASMOならPASMO発行会社)に持っていけば再発行の手続きが取れるのですが。
このバスICカードって同じようにできるのかなー?
そのあたりがね…。
多分Suica&PASMOを導入するにあたってのロイヤリティがペイできないからこのICカードになったんだろうと何となく推測するのですが…。

>>nonさん
サポートは激しく不安です。
単純にSUICA&PASMOにしてくれた方がどれだけありがたかったことか...。まあいろんなしがらみがあって独自仕様になったんでしょうけど,ユーザにはそんなの関係ないですよね。

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