●腕時計その後(2年経過)
今の腕時計に替えてから2年経った。この時計はセイコーの逆輸入品の21石自動巻き(ムーブは7S26A)で,通販で8千円ほどだった。中身はセイコー5と一緒だと思われる。
なんでわざわざ逆輸入かというと,機械式の安いモデルが国内では売っていないため。海外では電池が手に入りにくい地域もあり,まだまだ安価な機械式時計の需要がある。
精度は1週間に1分進む程度(日差+10秒)で,2週間に一度は時刻合わせをしている。
さすがに安物だけあって,文字盤のSEIKOのロゴが取れてしまったことがあり,このときは近所の時計屋で千円で修理してもらった。この時計屋には電池交換でもたまにお世話になるのだが,駅前通り沿いの店なのにいつも客がいない。スーパーでも時計が売っていて,電池交換はホームセンターでもやってもらえるし,駐車場のない街の時計・眼鏡・宝飾店の経営はさぞ厳しかろうと思う。機械式時計の分解修理ができる職人でありながら,それだけでは食べていくのは難しい時代なのだ。
一方で,ビジネス誌などを見ると時計の広告といえば舶来の超高級機械式(ブレゲとか)ばかり。機械式時計は定期的なメンテナンスとオーバーホールが必要だが,このクラスを買える富裕層はそもそも街の時計屋などに足を運ぶこともないだろう。
これだけ庶民の腕時計が廃れた中で,まだしつこく着けている人というのは,その人なりにこだわりを持っていることが多いと思う。男性で多いのは結納返しでもらったと思しきロレックスやオメガ,あるいはペアで買った宝飾ブランドのものだろうか。先日知人が高そうな時計(オメガのコーアクシャル)をしていたので聞いてみたら,いつか「親父の形見」として娘にあげられるように良いものを買ったのだとか。娘さんが果たしてその価値を認めてくれるだろうか。
年配の方には飾り気のない重そうなSEIKOクォーツを何度も電池交換して着け続けている人が多い。これはもはや体の一部になっていてそれなしでは腕が不自然に軽くて落ち着かないのだろう。
デジタル多機能腕時計というのは本当に見なくなった。携帯電話とカブる機能も多く,それなら多機能は携帯に任せて,腕時計はデザイン重視かステータスとして着けるスタイルなのだろう。腕時計型携帯電話なりPHSというのは試験的に出てきたりするが消費電力とか使い勝手の問題からなかなか定着しない。
この腕時計は基本的に毎日着けているが,週末などたまに忘れると月曜に止まっていたりするところがお茶目である。1秒間に6振動なので,1日518,400回,2年で3億8千万回ほどテンプが振動したことになる。この価格でこれだけの加工精度というのは本当にスゴイことではないだろうか。
コメント
社会人1年生の時に買った時計をつい半年前まで使ってました。
SEIKOのKINETICという『振動すると発電する時計』を約8年使ってました。
ベルトはゴム式バンドで1度切れてしまって純正ベルトを取り寄せてつけました。
たかがゴムベルトなのに3000円くらいしたのに驚かされました。
今は電波時計に変えちゃったけど、振ればずーっと止まらないのと赤ベルトがとても気に入ってました。
ちなみにその時計は仕事時に腕時計を忘れた時の非常用として会社に待機してます。
Posted by: non | 2008年06月26日 00:02
>>nonさん
キネティック,昔はAGSと言っていたやつですね。バッテリーではなくキャパシタを使っているので何年経ってもヘタらないのがエラいです。
最近はソーラー+電波がアナログクォーツのトレンドでしょうかね。
クォーツでもスィープ運針(滑らかに動く秒針)が 安価にできればわざわざ機械式なんて買わないんですが,なかなか実現しないですね。
Posted by: ソウヘイ | 2008年06月26日 20:38