●科学スポット探訪 とうかいアトムワールド〜アトムレンズの放射線を測る!衝撃の後玉編
まさか続くことになるとは思っていなかったが,前回からのつづきである。
アトムレンズSuperTakumar 1:1.8/55の後玉(フィルム側)の放射線量を計測すべく向かったのは,とうかいアトムワールド。
げんでんテラパーク,原子力科学館と比べると来館者も多く,小学生以上くらいの子供が遊べる展示が多い。
サイクル館の4Fでお目当ての放射線計測器を発見。しかし測定単位が見慣れない「C/M」で,レンジも触れないように固定してある。これで大丈夫だろうか?早速ペンタSPからレンズを外し,後玉にセンサを当てて測定。
・・・針が振り切った。バックグラウンドレベルでは100[C/M]前後だったのが,300[C/M]を軽く振り切って,普段は弱々しく「ピッ...ピッ...」と鳴っているビープ音も「ピーーーー」と賑やかだ。撮影係のかんな氏が動揺して写真が手ぶれしてしまっているのはご容赦願いたい。
しかし重要な単位の説明などがないのはこの手の施設では問題ではないか?あとで調べたら[C/M]という単位は粒子放出率[cpm]とも呼ばれ,相対的な放射線数を測定する目的で使われるらしい。ただ一般的なシーベルトとは簡単に単位変換できないようだ。レンジも振り切ってしまったし後玉の放射線量を測ることは今回もできなかった...。
というのはやっぱりスッキリしないので,すぐ近くの原子力科学館に寄って測ってみることにした。ここでは放射線メーター「はかるくん」でμSv/h単位で測ることができる。
まずは昨日も測ったレンズ前玉だと,0.28[μSv/h]。やはりバックグラウンドレベルより1ケタ高い。
いよいよ後玉を測定・・・3.368[μSv/h]!バックグラウンドレベルの約100倍だ。はかるくんもビープを精一杯鳴らしている。この後玉を体に密着して1年間過ごすと3.368×24×365=約30[mSv]となる。CTスキャンを一回受けると6.9[mSv],放射線業務従事者の線量当量限度が50[mSv]ということだが,いかがだろうか。
まあ,実際には体から数センチ離して使うわけだし,年にフィルム数本を撮るくらいなら問題になるようなことはないだろう。ただ,ガイガーカウンタのビープが鳴りっぱなしになるのを見るとちょっと動揺してしまうのは事実だ。
これで東海村に3つある原子力PR施設を制覇したわけだが,これから行く人の参考になるかもしれない情報を書いておこう。入館は3施設ともすべて無料である。
【原子力科学館】
クラウドチェンバーあり。「はかるくん」は手続きすればレンタルも可能。子供が遊べる展示は少ない。入館時記帳ありだが受付はやる気なしなので無視できる。JCO臨界事故の展示が見たい人はここ。
【げんでん東海テラパーク】
スパークチェンバーあり。ALOKAの本格的なガンマ線量計が自由に使えるようになっている。屋外の公園など幼児〜小学生くらいの子供が遊べる施設が充実している。基本的に東海原発の敷地内なので警備は厳重。入館時記帳あり。無料のティーサーバあり。クイズに答えると記念品がもらえる。施設はキレイでオススメ。
【とうかいアトムワールド】
スパークチェンバーあり。ガイガーカウンタは[C/M]単位のよくわからない機械が置いてある。小学生以上の子供が遊べる展示が多い。入館時記帳なし。
【参考リンク】
社団法人 茨城原子力協議会 原子力科学館
げんでん東海テラパーク
JAEAとうかいアトムワールド
nekocame :放射能レンズ