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2009年01月07日

●EF-Sレンズのラインナップと自動化の弊害

デジカメの話題が続いてしまうが,不満点はあるにしても事前の想定範囲内であり,EOS Kiss X2は値段の割に良いカメラだと感じている。

カタログでEF-Sレンズを眺めているが,ラインナップはズームレンズばかりで,単焦点レンズはEF-S60mmF2.8マクロしかないようだ。単焦点が使いたい場合はフルサイズ用のレンズ(EF)に,APS-C機で使ったときの焦点距離が併記されていて,例えば50mm相当の標準レンズが欲しければEF35mmF2などを使えと書いてある。

古来「写真は50mmに始まり50mmに終わる」と言われている。WebmasterもフィルムEOSを買った当初は,なんでわざわざ不便な単焦点なんて買うのか意味がわからずに,ズームレンズばかり使っていた。

しかし,完全マニュアル機のペンタSP(レンズは55mm)を使うようになって,その意味がなんとなくわかった気がする。

ズームレンズは確かに便利だが,ズームリングをクルっと回して簡単に画角が変えられるので,脚を使わなくなる。単焦点だと思ったような画角を得るためには自分の脚で距離を調整するしかなく,一枚一枚に対する思い入れが違ってくる。

一度単焦点の画角を体が覚えるまで使ってから,地形や会場や荷物の制約でズームレンズを使う,というなら良いと思うが,せっかく一眼レフを買ったのにズームレンズしか使わないと,結局写真の面白さは一部しかわからない気がする。

同じことは各種オートモードにも言える。デジタルカメラではISO感度をはじめホワイトバランスやシャッタスピード,絞りなどはカメラが自動的に設定してくれる。ピント合わせもカメラがやってくれるので,撮影者は撮りたいものをフレームに入れてボタンを押すだけだ。

これだと状況によって各種パラメータが目まぐるしく変化してしまって,初心者には何がなんだかわからないだろう。ペンタSPでは,どんな色味が欲しいのかや,撮る場所の明るさによってフィルムを選ぶところから始まって,意図する構図(風景なのかポートレイトなのか)で絞りを決めて,露出を考えてシャッタスピードを決め,目的の場所にピントを合わせて撮る,という撮り方が強制されるので,各種パラメータの決め方にはすべて意味があることがわかるようになっている。当然失敗も多くなるが,たいてい何の選択を間違えたのかは自分でわかる。デジカメでオートで撮っていると「まあ失敗写真ではないけれど,なんとなく思ってた写りと違う」となったときに,果たしてそれはホワイトバランスが悪いのか,ISO感度なのか,絞りなのか,ピントなのか,それとも複数の要因の組合わせなのか,判断が付かない。

シャッターチャンスを逃さないように,カメラを取り出して1秒でも速くシャッタを切らなければいけないようなシチュエーションでは,フルオートは強力な武器になる。しかし,そうではない普通の撮影のときは,せめてホワイトバランス,ISO感度くらいは手動設定にして,絞り優先AEあたりで撮ってみてはいかがだろうか。ISO感度によるシャッタスピードの違い,露出補正の効果などが実感しやすいと思う。

...と書いてみて,なんか偉そうなことを書いているなぁ,と恥ずかしくなってしまった。新しいものに対して「昔はこんな苦労があった。今は便利になったけどつまらないよね」などと言いはじめたらもう歳だと思う。新しいものの良さを認められる柔軟性をいつまでも持ち続けたいものである。

ピートの毛繕い

コメント

Aです。あけましておめでとうございます。

ついにデジ一買われたんですね。X2、良いんじゃないでしょうか。
フルサイズはまだ高いですしね。私も買えません。

僕も単焦点派でしたが最近はズームのほうが多いです。
αだと16-105mm(換算24-157mm)の便利ズームがあるので特に。

オートに関しては僕も同感です。※ホワイトバランスはオートでも良い様な・・・
あとはRAWで撮って色々弄るのがデジ一の醍醐味ですね。
なんと言っても買ってしまえばランニングコストは0みたいな物ですから(プリント以外)
すばらしい写真がたくさんあがる事を期待しています。

>>Aさん
今年もよろしくお願いします。デジ一はまるきり初心者なのでいろいろ教えてもらえると助かります。

倍率の大きいズームはやっぱり便利で使っちゃいますよね。屋外だといちいちレンズ交換も面倒だし。

ホワイトバランスは確かにオートでも賢いと思いますが,先日偶然見たNHKのデジカメ講座で,意図的にWBをずらして雰囲気を出す,ってテクニックを紹介していて,なるほどデジタルらしいなと思いました。露光間ズームとかも。

実はRAW撮りはまだ試していません。300万画素JPEGで猫ばかり撮っています。追々RAWも試してみたいです。まだまだ知らないことがあるってのはステキなことですね!

SDカード8GBで1.5千円でした。良い時代です。

Aです。

今はメディア安くなりましたよね。16MBを1万で買っていた時代が・・・って歳ですね。

ホワイトバランスわざとずらす場合はjpegでプリセットを微調整するよりRAWが良いと思います。
屋内人工光の下や屋外でも色が偏ったシーン(紅葉、花等)もRAWなら間違いないです。
昨年妹の結婚式を撮った時、現像が手間でしたが全てRAW撮りで正解でした。

RAWは現像ソフトでも大きく変わりますのでこっちも拘ると追加投資が必要です。
僕は純正とフリーソフトしか使いませんが・・・

>>Aさん
撮り直しが効かない大切な場面ではRAWで撮っておけ,というのはよく聞く話ですね。
追加投資する余裕はないので,せめて純正ソフトで試してみたいと思います。

妹さん結婚されたんですね!おめでとうございます♪

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