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2013年02月03日

●ミステリ読了 日本ミステリー名作選(II)

「日本ミステリー名作選(II) (お風呂で読む文庫 86) 」を読了。

お風呂で読む文庫シリーズももう4冊目かな。著作権切れの作品ばかりなので古いのだが,その古さが逆に新鮮で面白い。

「月にいくらあったらやっていけるもんかなあ?」
「いくらもかからないと思うのよ。間借りでもしてゆけば」と光子はうつむきながら答えた。
「三十円位なら僕でも出せるがなあ。君さえかまわなければ」
「だってそんなことをしていただいちゃすまないわ」
----山吹町の殺人(平林初之輔)より

「山吹町の殺人」の初出は昭和2年(1927年)。その頃の三十円が現在のどの程度の価値に相当するかは,日銀の企業物価指数でだいたいわかる。昭和2年の企業物価戦前基準指数は1.099,2011年は686.4。なので昭和2年の三十円は現在の一万九千円くらいに相当するだろうか。

【収録作品】
悪魔の舌(村山槐多)
殺人行者(村山槐多)
愚人の毒(小酒井不木)
恋愛曲線(小酒井不木)
山吹町の殺人(平林初之輔)
地図にない街(橋本五郎)