●アマチュア無線その後(7MHzフルサイズダイポールアンテナを作る)
6m(50MHz)のコンディションが良い時期はそろそろ終わりらしく,自宅のベランダに仮設している3バンドのGPアンテナ(VX1000)では,ローカルさん以外の交信はさっぱり聞こえなくなってきた。
そうなるとアパマンハムとしては移動運用しかない。移動用のアンテナとしては,ALL JAコンテストのときに買ったブロードバンドアンテナ(BB6W)と,車用のモービルホイップアンテナ(RHM5)がある。
RHM5は海岸などでたまに使っている感じとしては,そこそこ強く受信できている局にはこちらからも届くという印象。一方BB6Wの方は,受信はそこそこできるものの,こちらからの電波はなかなか拾ってもらえない場合が多いような気がする。ちなみに交信実績はRHM5が17局,BB6Wが12局。
もちろんロケーションや電波状態も違うので,この程度の実績で判断するのは早計だが,いずれにしても自分の中でのリファレンスとして,一番基本的なフルサイズダイポールアンテナを試してみたいという気持ちがあった。
そんなことをツィッターでつぶやいたところ,親切なローカルさんが,HF帯のバラン(Balun;平衡-不平衡変換器;ダイポールアンテナを作るのに必要な部品。買うと4000円くらいする)を貸してくださった。
早速ホームセンターで10mのビニール平行コードを買ってきて,それを裂いてダイポールアンテナの制作。両端を折り返して垂らすと聞いたので,目分量(両手を広げた長さ)で垂らして,かんなさんの実家に張ってみた。バランを中心に片側10mのエレメントを張るためにはかなり広い庭が必要で,かんなさんの実家でも敷地的にはかなり厳しく,建物と地面にかなり近いセッティングとなった。
それでもまあ,とりあえず測ってみるか,ということでこれまた借り物の通過型SWR計(無線機とアンテナの同調を調べる機械※)で測定してみた。その結果が次のような特性。
アンテナの実用的なSWRは1.5以下ということで,これを見ると特にエレメントを切ったりしなくても,CWで使う7.010MHz付近は充分にSWRが低い。受信している信号も強く,そのまま交信してみることにした。
もちろんコンディションの影響もあるのだろうが,CQを出している局に応答したら一発でコピーしてもらうことができた。こちらのパワーはいつも通りFT-817の5Wである。BB6Wで打っても打っても「?」が返ってきたのはいったい何だったのか,という感じ。そのまま1時間ほどで,神奈川,静岡,兵庫,福島の局と交信できた。パイルアップでなければ充分な性能ではないだろうか。
もちろん本格的な調整と評価はこれからだが,やっぱり基本は大事,ということが今回よくわかった。短いアンテナでいろんなバンドに無調整で出られて,しかも電波が良く飛ぶ,なんてうまい話はないのである。
※本当は定在波比を測る機械。参考:Wikipedia--SWR(定在波比)