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2012年11月26日

●アマチュア無線その後(CQ World Wide DXコンテストCW部門)

電気通信術というくらいで,電信は日々鍛錬が必要なのだそうだ。しかし寒さで移動運用もままならない季節となり,術を磨くことができない。

せめて受信だけでもと思い,世界中が賑わうらしいCQ World Wide ContestのCW部門の日に合わせて,ベランダにモービルホイップアンテナ(RHM5)を立ててみた。今までも何度かチャレンジしているベランダモビホだが,アースが悪いのか手すりより外に振り出さないのが悪いのか(たぶん両方),車でやるよりもかなり条件が悪いのはわかっている。それでも暖かい部屋の中でのんびりCWできるというのは憧れである。

21MHzを聞くことにして,ある程度エレメントの長さ調整でSWRを下げてから,先日買ったオートアンテナチューナZ-817を使ったら,FT-817の簡易SWRメーターでは完全にSWRが落ちた(一目盛りも振れない状態)。

すると,普段からは考えられないほどたくさん信号が聞こえる。今まで一度も聞いたことのないアメリカ西海岸(CQゾーン03)が明瞭に聞こえている。まあ呼んでもこのアンテナにFT-817の5Wでは厳しいだろうけれど,ダメもとでコールしたところ,一発でコールバックがあり,あっさりとQSOができてしまった。西海岸までだと距離は8,000kmほどだろうか。電波というのは不思議なものだ。

で,気を良くして強く入っている局をコールしてみる。やはり何度も「?」を返されたり,ミスコピーされたり,SRI(ごめんなさい)が返ってきたりと,こちらの信号が弱いというのは間違いないようだ。それでも相手の耳に助けられる感じで,西海岸,中国,東南アジア,ロシアなどと順調に交信。ミスコピーがあったりして,ちょっと自信がないけれど,南米ウルグアイからもコールバックがあったのは驚いた。距離はほとんど地球の裏側で18,000km以上。

電波の伝搬というのは面白いもので,時間とともに聞こえるゾーンが移り変わっていく。朝から11時頃までは西海岸,夕方までは中国,ハワイなど,そして夕方から19時頃にはヨーロッパが強く入るようになった。さすがにヨーロッパの局には何度コールしても取ってもらえず,なんとかヨーロッパロシアとルーマニアとは交信できた(と思う)。そして夜中には何も聞こえなくなった。

2日目も朝6時過ぎからまたワッチを始めて,聞こえ方は初日と同じような感じでまた朝は西海岸と交信。あとはオーストラリアとも交信できた。

特にヨーロッパに多いような気がしたのだが,やたらと高速な符号を使う局長さん。あまり速い符号だと,コールバックがあってミスコピーだったりしても,訂正もままならない。またものすごく急いで交信しているイメージがあり,実際上位を狙う局は一分一秒が勝負なのだが,そうすると弱い信号を何度も聞き返してもらうのが心苦しくて呼べなくなってしまう。

動画はモスクワの局に頑張ってコールしてみたところ。残念ながら完全にスルーされてしまっている。このときは無理して20wpmで送信しているが,自分が聞き取ることを考えると16wpmくらいが良い。たぶんこのモスクワの局は30wpmくらいで交信している。

それでもまあ,終わってみれば自信のないものも含めれば21局の海外局と交信することができた。これまでDXとは2局だけしか交信したことがなかった(All Asian DXのとき)ことを考えれば,素晴らしい結果と言えるのではないだろうか。

jh1cfv_cq_ww_cw

いつもいつもこんな風にいくとは限らないが,その不確実性もまたアマチュア無線の醍醐味として楽しめれば良いのではないだろうか。

KH2/のコールサインでグアムから出ている日本人の局長さんがいらっしゃった話をかんなさん(JH1CFW)にしたところ,せっかくグアムに行ったのに昼間から無線をするなんてもったいないとおっしゃっていた。一般の方の感じ方はそれが普通なのです。無線家の皆さん気をつけましょう。