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2013年03月21日

●アマチュア無線その後(デジタルモードの変更申請 前編)

アマチュア無線の楽しみ方は人それぞれだが、できるだけ弱い電波でどこまで遠くと交信できるか、というのは興味深いテーマだ。

SSBなどの電話よりも、モールス信号(CW)の方がより弱い信号で遠くと交信可能ということから興味をもってCWを始めたという経緯もあって、さらに弱い信号で遠くと交信できるらしい、JT65というデジタルモードに興味を持った。

元々は流星痕反射通信だとか月面反射を使った交信(EME)用に開発されたモードということで、微弱な信号で交信するために誤り訂正などが工夫されたプロトコルのようだ。人間の耳ではノイズに紛れて聞こえないような微弱信号でも復調できるとか。

JT65の変調と復調はパソコンでフリーソフトを使ってできるようになっている。パソコンと無線機をつなぐインターフェースの話は前回書いた通り。

で、無線機単体ではできない変調方式(AFSK)の電波を出すことになるので、局免許の変更申請が必要になる。この際RTTYとかSSTVなど、使いそうなモードは全部申請しておくか、ということでこちらのサイトこちらのサイトを参考に、電子申請Liteで変更申請。

それにしても何でこんなに電子申請の入力はわかりにくいのだろう。その上MacだとFirefox、Chorome、Safariいずれのブラウザでも入力途中で落ちてしまう。嫌がらせとしか思えない。Firefoxはちゃんと使えると書いてあるのに。結局仮想環境のWinXPでIEを使ってなんとか最後まで入力できた。

入力していてよくわからないところは放置してそのまま出したら、案の定一週間ほどで不備の連絡が返ってきた。まあこれは想定内。指摘されたところを直して出せば良いわけなので。

不備理由
・16工事設計書の入力が不足しています。 付属装置を追加する場合は、技術基準適合証明の証明の範囲を外れるため、技術基準適合証明機器とはみなされなくなります。技術基準適合証明設備を使用のチェックをはずし、「発射可能な電波の型式及び周波数の範囲」「変調方式」「終段管」「定格出力」すべての入力をしてください。(必須)

このメールに従って工事設計書の記述を見直す。技適がはずれるので、使う周波数と電波形式を全部入れなくてはいけない。変調方式は無線機内蔵のもの以外はパーソナルコンピュータ変調方式で別紙に書いてあるので特に書かずに補正書を再提出。

で、待つこと1ヶ月。これだけ待たせてまた不備だったらガックリくるな、と思っていたら案の定また不備の指摘だった。前回の指摘を受けて入力した周波数と電波形式が軒並みおかしかったらしく、かなり手厳しい指摘である。

不備理由
・1.9M帯は占有周波数帯幅は100Hz以内です。 100Hz以内で運用できるソフトの型式のみ入力してください。
・各周波数帯で、その周波数を占有周波数帯幅に入力されていますが、運用できる帯幅をはるかに超える幅になっています。 電波法関係規則で定められている占有周波数帯幅以上の発射はできません。 規定内の場合、入力不要ですので、入力しないでください。
・運用については電波法関係告示等で定められていますので、その範囲内での運用になるようご確認下さい。
・また、HF帯でFM変調場合の型式が入力されているなど、諸元表と16工事設計書の内容が一致していません。ご確認ください。

占有周波数帯幅については、FAQに記入例が出ているのだが、じゃあどの電波形式がどれだけの周波数幅を占有するのかなんて、どこを見ても書いてない。なので1.9MHz帯なら1K90とか430MHzなら430Mとか書いて出した結果が上の指摘。まあ確かに変な記述をしたかもしれないけれど、「未記入で良い」なんてどこかに書いてありましたっけ?(書いてありましたね。はい,すみません...)

HFでFM変調があるというのはFMのトーン信号を使うF2A,F2B,F2Dは1.9MHzから24MHzまでのHF帯では使えませんよ、ということらしい。HF帯ではトーンをSSBに乗せるので、F1B,F1D,G1Bということになる。まあ言われてみれば確かに、ということもあるけれど、やっぱりビギナーが間違えずに入力するのは無理だよ、と思う。

せめて代表的な事例をいくつか挙げて、こういう場合はこういう風に入力せよ、という解説が必要ではないか。それができない理由でもあるのだろうか。今回の件でいろいろと検索して個人のブログを拝見したが、ベテランでも総通に電話して確認したりしていて、ご苦労されているのがよくわかった。

今はそれでも親切になったよ、昔なんて「書類不備」で突っ返されるだけでどこが悪いかなんてわからなかった、というご意見もOMさんから頂いた。

まあ昔よりはマシというのも、確かにそうかもしれないけれど、今の電子申請Liteが皆が満足するサービスになっているかと言ったら、とてもなってないような気がする。ハムフェアやハムの集いに行くと電子申請のPRブースが出ているけれど、使ってもらうためにはそれなりに親切なシステムにすることが必要じゃないですかね。「わからなかったら電話で聞いてね」では電子化とは言えないでしょう。

長くなったので、というか総通から返事が来ないので続きはまた後日。

後編につづく