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2006年06月27日

●断固阻止!

パソコンを開こうとすると,こんな感じ。
「たまたま撮れた決定的瞬間」ではなく,毎日いつでもこんな感じなので,パソコンでやろうと思っていることや勉強しようと思っていることがちっとも進まない。
以前強制排除しようとしたら,爪が引っかかってキートップがもげた。それ以来,パソコンのし過ぎも体に悪いよな,と思ってピートには逆らわないことにしている。

しかし閉じた状態でも6kgのピートが乗ると筐体がヘコむので,液晶が割れないか心配...

2006年06月24日

●クルマの馬力

自動車のパワーというのはすごい。今乗っている大衆向けコンパクトカーのキューブ(TA-AZ10)など,スポーツカーに比べれば屁のようなパワーしか出ないイメージであるが,それでもカタログ上は101ps(仏馬力)も出ることになっている。

まあこれは高いハイオクガソリンを入れて,実用域とはとても言えない6400rpmまでアクセルを踏んだときにこれに近い数値が出る(カタログ上は)という話で,実用的にはまあ,これの三分の一程度と考えて,だいたい30ps。それでも30psである。1ps(仏馬力)は0.735kWなので,約22kWだ。22ワットではなく,22キロワット

一般家庭で電力会社との契約が40Aの場合,そのお宅でめいっぱい電気を使うと4kWまで使えるということになる。テレビと冷蔵庫とエアコンと電子レンジとドライヤと洗濯機とパソコンと照明をいっぺんに点けて,ブレーカが落ちるギリギリまで使っても4kWあれば足りる。つまりキューブで発電機を回せば,5軒のお宅の全電力を賄うことが可能ということだ

そんな過剰とも言える性能を持った自動車を,Webmaster家ではレジャーのために維持しているのである。そう考えるとなんだか心苦しい。省エネだCO2削減だと叫ばれる昨今であるが,こういう事実はあまり宣伝されない。自動車が売れなくなっては困るからである。

ガソリン価格が高くなってきて,ハイブリッド車だとか燃料電池(FC)車だとか完全な電気自動車(EV)が注目されてきている。これらは出力をそのまま電力として取り出すことが可能なので,夜間などクルマを使わない時間帯にこれらを発電機として使うとか,大規模災害で停電したときの非常用電源として使うということがまじめに研究されていたりもする。

cars_ps.jpg

2006年06月22日

●ミステリ読了 夢・出逢い・魔性

「夢・出逢い・魔性—You May Die in My Show」(森博嗣)[bk1]読了。紅子さんとゆかいな仲間たちが活躍するVシリーズ第4弾。

Kinoppyに「タイトルが駄洒落なの」と指摘されて初めて気付いた。まったく頭が固いWebmasterである。

犯人の独白を交えながら進行するので,ストーリやトリックを推理して楽しむというよりは,保呂草氏や新登場の探偵仲間,稲沢氏の探偵ぶりや,練無くんのアイドルっぷりを楽しむ軽いノリの作品かもしれない。稲沢氏のキャラクタはけっこう好きなのだが,今後も登場するのであろうか。

2006年06月21日

●今日見た景色 秋葉原

出張で秋葉原に行く機会は多いが,物欲を刺激されると危険なので用事が済んだら脇目もふらず駅に直行である。

いつも寄る上野駅構内の書店,ダビンチなんとかの便乗本にスペースを占領されて,SFのコーナが縮小されてしまっていた。そういうことをするのは田舎の書店だけかと思っていたのに。悲しい。

2006年06月16日

●ミステリ読了 月は幽咽のデバイス

「月は幽咽のデバイス」(森博嗣)[bk1]読了。紅子さんとゆかいな仲間たちが活躍するVシリーズ第3弾。ある前提条件がバラせない以上,何を書いてもネタばれにつながってしまうので,何も書けない。ミステリの感想というのは本当に難しい。とりあえず面白かった。

2006年06月13日

●今日見た景色 波崎

銚子の近くの風力発電所。支柱の高さ60メートル,羽は1枚の長さが40メートルもある。回っているところを間近で見ると,風切り音がしてすごい迫力。

しかし現場周辺は砂浜と植林したばかりの松林と道路以外何もない。仮設トイレで用を足しても手を洗うところもない。梅雨時は海からの湿った風がべとついて,なかなか過酷な環境。

2006年06月12日

●告知☆お散歩猫ピート雑誌掲載

先日,「猫の散歩について特集したい」と雑誌「猫びより」さんより取材を受け,本日掲載誌が刊行された。WebmasterとKinoppyが写真付きで載っているので興味のある方はご覧頂ければと思う。

ホームページやブログなど,Webの情報は公的な保存制度が未だに存在せず,いつ消えるかわからない流動的なもの。一方,紙媒体の雑誌として刊行されたものは納本制度により国立国会図書館で(少なくとも政府が機能する限りにおいて)未来までの保存が保証される。

そんな雑誌に自分の撮った写真が掲載されたことは,素直に喜びたい。
もちろん功労者はピート自身とせっせとブログを書いたKinoppy(奥様)であって,Webmasterはたまにピートのリードを持ったり,写真の撮り方を少しだけアドバイスした程度である。

ご参考:pyon*weblog 今日は猫びより7月号の発売日〜

pete_nekobiyori.jpg


2006年06月11日

●昨日見た景色 梅雨の晴れ間とあぶくま洞

梅雨の間のわずかな青空と,あぶくま洞

鍾乳石はたった1cm成長するのに100年もの時間がかかるという。それに比べれば人間の営みなど瞬きほどの時間スケールでしかない。



2006年06月10日

●真のハッカー

日経ビジネス2006年5月1日号より

気象予報,宇宙開発などの研究に欠かせないスーパーコンピュータ(スパコン),世界の技術者たちが,スピード競争にしのぎを削る世界で,1人の日本人が脚光を浴びている。後藤和茂氏,37歳。米テキサス州立大学のアドバンスト・コンピューティング。センターに勤務する研究者だ。彼の開発したソフトウェアをスパコンに組み込むと,まるで魔法でもかけられたかのように,スパコンの性能が上がる。

(中略)

スパコンは年2回,米調査機関によって実効性能のスピードを競う「トップ500」が発表される (中略) 世界トップ11のうち,4つに後藤のソフトが組み込まれた。いずれも5〜10%,性能を向上させている。

ソフトウェアでハードウェアの性能を極限まで引き出すという話を聞いてピンとくる人はパトレイバーを読んでいる(か劇場版を観ている)と思うが,まあそれはさておき。

もうずいぶん前(10年以上かも)のことだが,「日本人には真のハッカーと呼べる人は居ない」というようなことを何かで読んだ。当時コンピュータ(プログラム)の先端は米国であり,日本人のレベルはそれほど低かった,ということだろう。

現在の日本のレベルがどれほどのものかわからないが,少なくともこの後藤氏は真のハッカーと呼ぶに相応しい人物ではないだろうか。何しろ,性能調査の締め切り間近になると,自分たちのスパコンの性能を上げたい技術者たちが後藤氏に「SOS」メールを送ってくるので,後藤氏は世界約100台のスパコンにアクセスできるIDを持っているのだ。まさにクールである。

まがりなりにも仕事でプログラムを書くこともある立場としては,一生のうち一回くらい,人から「クールだ」と言われるようなコードを書いてみたいものである。

2006年06月07日

●ミステリ読了 人形式モナリザ

「人形式モナリザ」(森博嗣)[bk1]読了。紅子さんとゆかいな仲間たちが活躍するVシリーズ第2弾。

メインの殺人事件は関係する登場人物が多くて,考えるのが面倒だったので流して読んでしまったが,それ以外のところで度肝を抜かれる展開があって,「黒猫の三角」と同様楽しめたし,シリーズの今後も気になってきた。

2006年06月06日

●SF本再読 宇宙消失

「宇宙消失」(G.イーガン)[bk1]を再読。最初読んだときはあまり感じなかったのだが,イーガンの一連の作品を読んだ後に再読すると,本作にも「自分とは何なのか」というテーマが強く現れている。波動関数が収縮する際に,拡散中の自分たちが消滅するという概念は「順列都市」序盤の思考実験にも似ている(ような気がする)。

クライマックスの盛り上がりは個人的には今ひとつ(ブラッドミュージックっぽくないですか?)で,後の作品の方が好みだが,本作の魅力はやはり近未来の目くるめくようなナノテク,特に脳のニューロンを再結線して任意のソフトウェアとして機能させる「モッド」の描写であろう。

最近,新刊/既刊に関わらず新しいSF本を買っていない。いくつかシリーズ物で続編待ちという作品はあるが,買ってまで読みたいと思うSFがなかなか無い。最近第3部が出たニーブンの「リングワールド」シリーズや,超有名な「ハイペリオン」シリーズなど,気になるものがいくつかあるにはあるが,新たなシリーズ物に挑むのはかなりの気合が必要だ。ハードSFに関してはもう,イーガンさえ読んでいれば幸せという感じで,「イーガンよりつまらないだろうことが判っている,未読のSF作品」を読むモチベーションをいかに高めていくか,というのが現在の課題である。