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2013年07月04日

●ミステリ読了 ブラッド・スクーパ

「ブラッド・スクーパ - The Blood Scooper」(森博嗣)を読了。Kindle版。

ヴォイド・シェイパシリーズの2作目。主人公は人を斬る。理由はどうあれ現代では認められないことだけれど,時代劇なら「あり」の展開。森氏の作品はSFっぽいところが好きだと思っていたけれど,これはこれで大変面白い。続きが楽しみ。

Kindleの読書にもだいぶ慣れてきた。Kindle Paperwhite3Gの電池は,スペック通りの8週間は厳しいとしても,1日1〜2時間程度の利用なら2週間くらいは充分使えそう。うっかり充電を忘れていて外出中にバッテリーが切れても,Kindle本はiPhoneでも読めるので安心感はある。

こうなってくると新刊がKindle化されているかはけっこう重要な問題で,読みたい新刊が複数あるときには,どうしてもKindle化されているものから買ってしまう。今でもまだKindle化されないアンソロジーなどはけっこうあるけれど,確実に客を逃していると思う。


2013年06月03日

●ミステリ読了 ヴォイド・シェイパ

「ヴォイド・シェイパ」(森博嗣)を読了。Kindle版。

新シリーズ。ヴォイド・シェイパシリーズということで良いのかな。装丁が美しいという評判だけれど,残念ながら単行本を並べておく場所はないのでKindleで。

ミステリというジャンルに入れていいものかどうかわからないが,SFかミステリか,と言ったらミステリかなぁ。侍が主人公の時代小説風。とても面白かったので,続きが楽しみ。


2013年05月13日

●ミステリ読了 目薬αで殺菌します

「目薬αで殺菌します」(森博嗣)を読了。文庫版。

Gシリーズ第7作。続きが楽しみだけれど,一方で早く読んでしまうともったいない,という気持ちもある。


2013年04月27日

●SF本読了 フランケンシュタイン 野望

「フランケンシュタイン 野望」(D.クーンツ)を読了。

瀬名秀明さんの本を読んでいると必ず目にするD.クーンツの名前だけれど,ホラーっぽいのかなと思って敬遠していて,読んだのは初めて。

けっこうSF系の話で素直に楽しめた。日本だと伝奇という感じのジャンルかも。かなり長いシリーズもののようで,紙の本で買い続けるか,Kindle版が出るのを待つか迷うところ。Kindle化の予定などもわかると便利なんだけど(紙の買い控えが起きるから無理かな?)。


2013年04月20日

●映画鑑賞 名探偵コナン 絶海の探偵

恒例のコナンくん映画。17作目になるのかな。

公開初日の初回上映で,席は30%ほど埋まっていたかな。かなりガラガラの印象。

昨年のサッカーものに比べたら大変良かったと思う。とにかく前作はサッカー選手に演技させたのがマズかった。

「電波」がひとつのキーになっていたわけだけど、最後のあれはちょっとどうなんでしょう。ネタバレになるので詳しく書けないけれど。少なくとも阿笠博士は電波法違反ということで。

18作目も制作決定ということで、また来年かな、と思っていたらその前の12月にコナンものの映画があるそうで。こちらも観に行くことになりそう。

参考リンク:劇場版名探偵コナン公式サイト

2013年03月22日

●SF本読了 量子怪盗

「量子怪盗」(H.ライアニエミ)を読了。Kindle版。

かなりボリュームがあったように思うけれど,Kindle版だと「厚み」というものがないのでよくわからない。

文庫縛りのために今までは読めなかった新しい作品が読めるのは嬉しい。ものすごく面白い,というほどではなかったけれど,デビュー作だそうなので今後に期待かな。


2013年03月04日

●ミステリ読了 日本ミステリー名作選(III)

「日本ミステリー名作選(III) (お風呂で読む文庫 87)」を読了。

お風呂で読む文庫シリーズでミステリーっぽいものは読んでしまったかな。IIIはI,IIと比べるとイマイチだったかも。

【収録作品】
失楽園殺人事件(小栗虫太郎)
絶景万国博覧会(小栗虫太郎)
謎の街(松本泰)
宝石の序曲(松本泰)
彼は誰を殺したか(浜尾四郎)
夢の殺人(浜尾四郎)


2013年02月03日

●ミステリ読了 日本ミステリー名作選(II)

「日本ミステリー名作選(II) (お風呂で読む文庫 86) 」を読了。

お風呂で読む文庫シリーズももう4冊目かな。著作権切れの作品ばかりなので古いのだが,その古さが逆に新鮮で面白い。

「月にいくらあったらやっていけるもんかなあ?」
「いくらもかからないと思うのよ。間借りでもしてゆけば」と光子はうつむきながら答えた。
「三十円位なら僕でも出せるがなあ。君さえかまわなければ」
「だってそんなことをしていただいちゃすまないわ」
----山吹町の殺人(平林初之輔)より

「山吹町の殺人」の初出は昭和2年(1927年)。その頃の三十円が現在のどの程度の価値に相当するかは,日銀の企業物価指数でだいたいわかる。昭和2年の企業物価戦前基準指数は1.099,2011年は686.4。なので昭和2年の三十円は現在の一万九千円くらいに相当するだろうか。

【収録作品】
悪魔の舌(村山槐多)
殺人行者(村山槐多)
愚人の毒(小酒井不木)
恋愛曲線(小酒井不木)
山吹町の殺人(平林初之輔)
地図にない街(橋本五郎)


2013年01月02日

●ミステリ読了 日本ミステリー名作集[I]

日本ミステリー名作選 (お風呂で読む文庫 85)を読了。

大阪圭吉も甲賀三郎も初めて知って読んだけれど,戦前の暮らしなどの描写が面白かった。

【収録作品】
デパートの絞刑吏(大阪圭吉)
幽霊妻(大阪圭吉)
ニッケルの文鎮(甲賀三郎)
血液型殺人事件(甲賀三郎)


2012年12月31日

●写真って楽しいねっ〜2012年総括〜

3.11の東日本大震災から1年9ヶ月。波はあるものの余震は続いていて,今月も一回津波注意報が出たりした。原発事故の放射線は,2012年12月末現在で0.055〜0.060uSv/hくらい。昨年の半分以下,1/3近くに下がってきている。事故前に比べると2倍くらいの値。

トピックスとしてはアマチュア無線関係が多かった。開局した当初は災害時に安心かな,という程度だったのが,うっかりCW(モールス通信)を試してみたところが,これがけっこう面白くてハマってしまった。オールモードの無線機FT-817を買ったり,ハムフェアにも出掛けてみたし,コンテストに参加して海外とも交信することができた

新しいことに挑戦するのは楽しいし,これからもアマチュア無線は少しずつ続けていければ良いと思っている。ただし,1年間やってみてそんなにのめり込むようなことはないだろうと踏んでいる。なぜかといえばアマチュア無線は所詮「金がないと極められない/金さえあればそこそこ極められる」趣味だとわかったから。もちろんCWをはじめとしてPhoneでもオペレートのスキルに依存する部分はあるし,アンテナだとか電波伝搬を勉強することは必要だ。でも,いくらスキルを磨いたって無線機が買えなければ交信できないし,アンテナを建てる場所だって要る。そして無線機や道具類はいちいち高価。お金のない人は私のようにQRP(低出力)と移動運用で慎ましくやるのが精一杯。この1年で無線関係に20万円くらい使っても,だ。

そういう意味ではアマチュア無線というのは楽器やスポーツよりも,車だとかカメラに近い趣味ではないだろうか。そしてつぎ込んだ金額で満足度が変わるような趣味にはそれほど夢中になることはできない。これから続けていくにしても,投資は最小限に,スキルと知識を伸ばす方向で楽しみたいと思っている。

アコースティックギターの弾き語りは,無線とは対照的に90%はスキル依存であり,こっちの方こそ末永く楽しめる気がしている。とはいえスキルに依存するということは常に練習していないと上達はないということで,忙しいとなかなか厳しいのが実態。かろうじて年2回の発表会()だけは参加するようにしている。

猫のピートは7歳デルタは5歳になった。今年はいつものフォトコンテストで,かんなさんの撮った写真が特別賞を受賞した。日々の写真はアメブロの方に載せている。

読書は年末になってついにKindleが発売され,私も早速PaperWhite 3Gを購入した。今後紙の本と電子書籍の読書比率がどのように変わっていくのかは予測できないけれど,1年後の総括ではある程度方向性が見えてくるかもしれない。保管場所のことを考えるとKindle優位なので,購入を迷っている本が複数ある場合はKindle版が出ている方を優先する可能性は高い。

ということで今年読んだ本は下記。

【SF】
キリストのクローン/新生(上・下)(J.ボーセニュー)
キリストのクローン/真実(J.ボーセニュー)
南極点のピアピア動画(野尻抱介)
希望(瀬名秀明)
連環宇宙(R.C.ウィルスン)
天冥の標6 宿怨 PART1(小川一水)
白鹿亭綺譚(A.C.クラーク)
銀河ヒッチハイク・ガイド(D.アダムス)
拡張幻想 ー年刊日本SF傑作選ー(大森望・日下三蔵 編)
宇宙の果てのレストラン(D.アダムス)
機龍警察 自爆条項(上・下)(月村了衛)
天冥の標6 宿怨 PART 2(小川一水)
宇宙クリケット大戦争(D.アダムス)
去年はいい年になるだろう(上・下)(山本弘)
フェッセンデンの宇宙(E.ハミルトン)
さようなら、いままで魚をありがとう(D.アダムス)
ほとんど無害(D.アダムス)
小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団(瀬名 秀明, 藤子 ・F・不二雄)

【ミステリ】
工学部・水柿助教授の逡巡(森博嗣)
工学部・水柿助教授の解脱(森博嗣)
四季 春(森博嗣)(再読)
タカイ×タカイ(森博嗣)
朽ちる散る落ちる(森博嗣)(再読)
シャーロック・ホームズ作品集(I) お風呂で読む文庫(C.ドイル)
シャーロックホームズ作品集(II) お風呂で読む文庫(C.ドイル)

【ご参考】
2011年総括
2010年総括
2009年総括
2008年総括
2007年総括
2006年総括
2005年総括

2012年12月04日

●ミステリ読了 シャーロックホームズ作品集(II)

「シャーロックホームズ作品集(II) お風呂で読む文庫」(C.ドイル)読了。

お風呂で読む文庫シリーズで2冊出ているホームズものの2冊目。青空文庫で無料で読めるお話だけれど,お風呂でフニャフニャになるのを気にせずに読めるのは助かる。Kindleをジップロックに入れてお風呂で読むこともできるらしいけれど,もしも壊れたら痛いよなぁ。

【収録作品】
グロリア・スコット号
黄色な顔
株式仲買店店員
入院患者
白銀の失踪


2012年11月06日

●ミステリ読了 シャーロック・ホームズ作品集(I)

「シャーロック・ホームズ作品集(I) お風呂で読む文庫」(C.ドイル)読了。

入浴中の過ごし方については人それぞれ流儀があると思う。寮住まいの頃は風呂は共同だったし、結婚してからもアパート住まいではゆっくりくつろげるほど広いお風呂ではなかったので、せいぜい防水スピーカーを持ち込んで音楽を聞く程度だった。マンションに移って、わりと快適なお風呂になったので、最近は旅行のパンフレットやら家電のカタログやらCQ誌など、濡れてフニャフニャになって捨てても構わないものを持ち込んで読むのが習慣になっている。

どうせなら小説でも読んだらいいのではないかと、検索して見つけたのがこのシリーズ。古典を中心に100冊ほど揃えているようだ。ミステリとしてはシャーロックホームズ、日本のミステリが何冊か。SFだと海野十三とかタイムマシン,ガリバー旅行記くらいかな。

塩ビで出来ているので、濡れてもふにゃふにゃになったり滲んだりせず、やはり専用のものは違う。

もっとホームズを読みたかったのだが、今のところ2冊しか出ていないようだ。

【収録作品】
ブルー・カーバンクル
ノーウッドの建築家
悪魔の足
チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン


2012年05月17日

●ミステリ再読 朽ちる散る落ちる

「朽ちる散る落ちる」(森博嗣)を再読了。5年ぶりかな。

震災の片付けで納戸に押し込んでしまって見当たらなかったものを,なんとか発掘した。

さすがに5年ぶりに読むといろいろと忘れている。


2012年05月04日

●ミステリ読了 タカイ×タカイ

「タカイ×タカイ」(森博嗣)を読了。

Xシリーズ3作目。マジシャンものということで,過去の作品とも関係がありそうだけれど,記憶力が悪くてどこがどう関係していたのか思い出せない。


2012年02月16日

●ミステリ再読 四季 春

「四季 春」(森博嗣)を再読了。

天才もの,というサブジャンルはありそうな気がする。アルジャーノンとか。これまでで一番感銘を受けたのはやっぱりT.チャンの「理解」かな。と,初読のときと同じことを書くあたり,完全に凡人である。


2012年01月23日

●ミステリ読了 工学部・水柿助教授の解脱

「工学部・水柿助教授の解脱」(森博嗣)読了。

Mシリーズ完結編。森氏の小説で現時点で文庫化されているものはだいたい全部読んでしまったかも。

SFの新刊も買っていないし,このままだとまた再読キャンペーンを始めなくてはいけない。

いっそのこと水柿君のように小説でも書くか。というのはフィクションです。


2012年01月02日

●ミステリ読了 工学部・水柿助教授の逡巡

「工学部・水柿助教授の逡巡」(森博嗣)を読了。

Mシリーズ第2弾。やはり須摩子さんあっての水柿君だな,という感じとでも言うのだろうか。あにはからんや。

「そんなものさ、小説のファンとのことを心配するんだったら、今までどうして、女子学生との不倫を疑わなかったわけ?」
「うっわ、いやらしい!」須摩子さん、明るく笑う。
「いやらしくないと思うよ。大学生って、四年生だったらもう立派な大人だし......」
「立派な大人」
「院生だと、三十近い子もいるんだから」
「歳をとっていれば、いやらしくないの?」


2011年12月31日

●写真って楽しいねっ〜2011年総括〜

2011年,やはり311の東日本大震災のインパクトは大きかった。幸い我が家は人的・猫的な被害はなかったし,マンションは揺れがひどくて家財はずいぶんダメになったが,住むところがなくなったわけではない。インフラが復旧するまで2週間に及ぶかんなさんの実家での避難生活も大変ではあったがとにかく家族がみな無事だったことを感謝したい。当時の日記を読み返すと,なかなか生々しい。給水車に3時間並んだこと,わずかしか品物のないスーパーに入店するのに2時間並んだこと,福島原発の状態を注視しつついざというときに逃げるためのガソリンを温存して徒歩で行動したこと,10日間シャワーも浴びられなかったこと,一日に何度も沢に水汲みに通ったこと…。できればもう二度と経験せずに済ませたいものだ。

我が家の被災状況

震災後も余震が続き,9ヶ月以上経った現在でも1日か2日に一回くらいは体感できる揺れがある。そんな状況なので狭い部屋の中は備蓄の水や食料品などが所狭しと並び,倒れたり落ちて危険なものはすべて撤去するか床置きにしてあり,とても人様にお見せできる状態ではない。こんな体制をいつまで続ければいいのか,難しいところだ。

原発事故の放射線だが,2011年の12月現在で,事故前の5倍くらいの値(0.14uSv/hくらい)で推移している。ちなみに5月は0.2uSv/hくらいだった。

震災以外の話題としては,iPod touchを買って日記(プライベートな方)をEvernoteに移行したこと盆栽を買ったこと,かんなさんのパソコン更新,そしてアマチュア無線の免許(3アマ)を取って無線局を開局したことなどがあった。

アコースティックギターの弾き語りは現在ほとんど教室には通っておらず,コードを忘れない程度に気が向いたときにちょっと弾くくらい。アコギは手軽な楽器ではあるが,本当に忙しいとやはり手が付かない。ただ,来年も発表会だけは出ようと思うので,何か課題曲を考えなければいけない。

猫のピートは6歳デルタは4歳になった。猫のネタはいちいち書いていないけれど,それは安定した日常ということで幸せなことだ。写真はアメブロの方に載せている。

読書は淡々と文庫新刊SFを読んだり再読したり。

【SF】
スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選(山岸真編)
さよならペンギン(大西科学)
ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成<S>(大森望編)
アンブロークンアロー戦闘妖精・雪風(神林長平)
青い星まで飛んでいけ(小川一水)
地球移動作戦(上・下)(山本弘)
天獄と地国(小林泰三)
天冥の標IV: 機械じかけの子息たち(小川一水)
ねじまき少女(上・下)(P.バチガルピ)
あなたのための物語(長谷敏司)
結晶銀河 ー年刊日本SF傑作選ー(大森望・日下三蔵 編)
プランク・ダイヴ(G.イーガン)
ZOKURANGER(森博嗣)
究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動(機本伸司)
冷たい方程式(T.ゴドウィン他)
天冥の標V 羊と猿と百掬の銀河(小川一水)

【ミステリ】
黒猫の三角(森博嗣) 再読
人形式モナリザ(森博嗣) 再読
月は幽咽のデバイス(森博嗣) 再読
夢・出逢い・魔性(森博嗣) 再読
魔剣天翔(森博嗣) 再読
恋恋蓮歩の演習(森博嗣) 再読
六人の超音波科学者(森博嗣) 再読
キラレ×キラレ(森博嗣)
捩れ屋敷の利鈍(森博嗣) 再読
赤緑黒白(森博嗣) 再読
工学部・水柿助教授の日常(森博嗣)

【その他】
吾輩は猫である(夏目漱石) 電子ブック

【ご参考】
2010年総括
2009年総括
2008年総括
2007年総括
2006年総括
2005年総括

2011年11月11日

●ミステリ読了 工学部・水柿助教授の日常

「工学部・水柿助教授の日常」(森博嗣)読了。

M(水柿君)シリーズ。ミステリのカテゴリか?とちょっと疑問は感じつつも,他のカテゴリは作っていないのでミステリで。

面白くて読んでいて楽しかったけれど,これって独身のときに読んだらちょっと辛かったかもしれない。おのろけ満載。


2011年10月24日

●ミステリ再読 赤緑黒白

「赤緑黒白」(森博嗣)を再読。

順番からすると「朽ちる散る落ちる」なのだが,311の震災で本棚が崩れてしまい,蔵書をすべて納戸に押し込んでしまった関係で,見つからない本があるのだ。まあ一度読んではいるので,順番が前後するのは問題ない。


2011年05月13日

●ミステリ再読 捩れ屋敷の利鈍

「捩れ屋敷の利鈍」(森博嗣)を再読。

3月11日の地震で本棚は倒れなかった(不十分ながら耐震対策をしていた)けれど,中の文庫本はほとんど飛び出して床に散乱してしまった。このままだとまた地震が来たら動線を塞いでしまって危ないということで,本棚は撤去して,大量にある文庫本はすべて納戸の隅に積み重ねてある。

しかしこれでは読みたい本がすぐ探せないし,とても不便。どうしたものか悩んでいるところ。そうこうしているうちにも新しい本を買ってしまったり...

「よくあるパズルだが、このメビウスの帯の中央、つまりセンタ・ラインにハサミを入れて、これを二つの細いリングに切り離そうとすると、どうなるか、という問題はご存じかな?」


2011年04月05日

●ミステリ読了 キラレ×キラレ

「キラレ×キラレ」(森博嗣)読了。

Gシリーズと並行していることもあって,なかなかシリーズの展開が見えてこない。まあそれは今後のお楽しみということかな。


2011年03月31日

●ミステリ再読 六人の超音波科学者

「六人の超音波科学者」(森博嗣)を再読了。

震災による物流の停滞もようやく改善しつつあり,アマゾンに頼んでいた新刊文庫も届きつつある。ということで次は久しぶりに新刊の読書に取りかかる。

「そうじゃなくて、ムーミンってさ、顔が恐くない? スヌーピーとかも、僕恐いなあ。なんかのっぺりしててさ、本当に生きてて、呼吸とかしてたら、むちゃくちゃ恐いと思うけど。あ、ペコちゃんも恐いよね」
「いんや。ただのカバとか犬コロやないの。ペコちゃんなぁ、あれは、首が据わってへんだけに、ちょいやばいかもしれん」


2011年03月16日

●ミステリ再読 恋恋蓮歩の演習

「恋恋蓮歩の演習」(森博嗣)を再読了。

3月11日の大地震とその後の状況については,ツィッターとアメブロ,かんなさんのブログの方に近況を書いているので参照いただきたい。

避難生活中の水汲みなどの合間に読書。マンションで本棚から崩れ落ちた文庫本の山から,次に読む本を一冊だけサルベージしてきた。

ツィッター(@hsohei)
アメブロ(ソウヘイ航宙記)
かんなさんのブログ(にゃんこーず)

「君もな、はよ、ちゃんとした相手を見つけてやね......」
「綺麗なドレス着て踊りたいなぁ」
「それは......、うん、ちゃんとした相手じゃ無理かもしれん」


2011年03月08日

●ミステリ再読 魔剣天翔

「魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge」(森博嗣)を再読了。5年ぶり。

森氏は模型飛行機のページを見ても判る通りのマニアなので,小説に飛行機の描写はたまに出てくる。スカイ・クロラもあるし。でも鉄道模型や鉄道はあまり出てこないですね。

「ほらあれ。今の、下から宙返りをすると見せかけて、ループの半分のところで、半ロールをしたでしょう。あのまま水平飛行をする。あれが、有名なインメルマン・ターンよ」
「インメルマン・ターンだよ」練無は紫子に顔を寄せて耳打ちする。「知ってる? 有名なんだって」
「隠元豆ロール? 知ってる知ってる」紫子が囁く。


2011年03月01日

●ミステリ再読 夢・出逢い・魔性

「夢・出逢い・魔性」(森博嗣)を再読了。

そうかそうか,こんなお話もありましたね。という程度の記憶力なのが悲しい。

「なんでヒヨコの形してなあかんのって、思わへん?」紫子が振り向いて練無に尋ねた。「可哀想やとか、思わへん?」
「じゃあ、ヒヨコの形をした石ころだと思えば?」練無がにこにことして言い返す。
「なんで、石ころなんか食わなあかんの? もっと嫌やん」
「じゃあね…、ヒヨコみたいな形の石ころのようなお饅頭だと思えば?」


2011年02月13日

●ミステリ再読 月は幽咽のデバイス

「月は幽咽のデバイス」(森博嗣)を再読了。ほぼ5年ぶり。

SFは結局アンソロジーをまた一冊注文したところ。それからテッド・チャンの中編が載っているというのでSFマガジン2011年1月号を図書館で借りてきた。雑誌の方で読んでしまうと,未読/既読の管理というかチェックが混乱するのであまり読まないようにしているのだが,中途半端な長さだといつ文庫本化されるかわからないので仕方がない。

「何の仕事?」紫子が眉を顰めてきく。
「骨董屋だよ」森川は答えた。
「そういう名前のスナックじゃなくて?」


2011年02月02日

●ミステリ再読 人形式モナリザ

「人形式モナリザ」(森博嗣)を再読了。

まだ新刊SFを買っていないので再読キャンペーンを継続。でもiPod touch用に青空文庫リーダーの「i文庫」を買ったので,古典の名作を挟むかもしれない。

「知らなかった?」保呂草は口もとを僅かに上げる。「僕ね、美大出てるんだよ。途中で出たんだけど・・・」
「うわぁ、それホンマに? お初お初」
「言わなかったかなあ」
「備中大学とかじゃなくて?」


2011年01月19日

●ミステリ再読 黒猫の三角

「黒猫の三角」(森博嗣)を再読。

S&Mシリーズを一通り再読したので,Vシリーズ。うちの猫デルタはこの作品に出てくる黒猫のデルタから名前を拝借した。黒猫ではないけれど,額の三角模様にちなんで。

「長いって、何がですか?」
「おつき合い」
「うわ、とんでもない」練無は首をふった。「あ、あの、そんなストイックな関係じゃありません、僕たち」

デルタ

2010年12月31日

●写真ってたのしいねっ〜2010年総括〜

2010年といえばSF読みにとっては意義深かったけれど,現実にはこれと言って大きなトピックのなかった年だったかもしれない。カメラ店のフォトコンテストで最優秀賞をもらったのと,5年ぶりにパソコンを買い換えたのがうれしかったかな。

日常のネタはツィッターでつぶやくことが多くなって,ブログの更新が停滞するようになったのも今年の特徴。これはネット界全体に共通する話で,何年も更新を続けてきた日記やブログが今年からぱったり更新されなくなったという人を何人も見ている。これが一過性の現象なのか来年以降も継続するのか,さらに新しい何かが出てくるのか注目である。

アコースティックギターの弾き語りは継続して習っているが,2年目に入って多少音の違いが判るようになってきたというのか,弦やギターのパーツが気になった年でもあった。サドルを買って削ったりアンプを買ってピックアップを付けたりもした。ただこれは反省点でもあって,つい器材の方に興味がいってしまいがちになるのだが,いくら器材が充実しても腕が上がるわけではないので,演奏の練習に力を入れるべきだろう。

アメーバの猫写真ブログの方はとうとう惰性で今年も1年間毎日更新を続けてしまった。小さいサイズの写真をアップするようにしているので,無料の2GBを使い切るまでには50年くらいかかる計算である。忙しかったり旅行中でも毎日更新できるのは,事前に公開する日時を指定して記事を書いておける予約機能のおかげだ。

車(ポロ)のネタはあまり書いていないが,想像よりもトラブルが少ないためである。今後トラブルが増えてきたら記事にする機会が増えるかもしれない。(できれば増えないでもらいたいが)

読書も文庫新刊SFは低調で,なんだか最近はアンソロジーばかり出て食傷気味。商売的に売りやすいのだろうか?唯一の収穫は小川一水の「天冥の標」シリーズで,まあこのシリーズが始まったことだけでも2010年は価値があったかも。

【SF】
NOVA1(大森望 責任編集)
ZOKU(森博嗣) 再読
メシアの処方箋(機本伸司)
虐殺器官(伊藤計劃)
Self-Reference ENGINE(円城塔)
ラギッド・ガール(飛浩隆)
ゼロ年代SF傑作選(SFマガジン編集部編)
天冥の標<1> メニー・メニー・シープ(上・下)(小川一水)
天冥の標II 救世群(小川一水)
微睡みのセフィロト(冲方丁)
アードマン連結体(N.クレス)
機龍警察(月村了衛)
地球最後の野良猫(J.ブレイク)
パズルの軌跡 穂瑞沙羅華の課外活動(機本伸司)
MM9(山本弘)
NOVA2(大森望 責任編集)
天冥の標 3 アウレーリア一統(小川一水)
スペースプローブ(機本伸司)
量子回廊—年刊日本SF傑作選(大森望,日下三蔵[編])
アリスへの決別(山本弘)
神狩り2 リッパー(山田正紀)
天体の回転について(小林泰三)
ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選 (大森望編)
ディアスポラ(G.イーガン) 再読
ハーモニー(伊藤計劃)

【ミステリ】
Φは壊れたね(森博嗣) 再読
θは遊んでくれたよ(森博嗣) 再読
τになるまで待って(森博嗣) 再読
すべてがFになる(森博嗣) 再読
冷たい密室と博士たち(森博嗣) 再読
λに歯がない(森博嗣)
そして二人だけになった(森博嗣) 再読
笑わない数学者(森博嗣) 再読
詩的私的ジャック(森博嗣) 再読
封印再度(森博嗣) 再読
ηなのに夢のよう(森博嗣)
ゾラ・一撃・さようなら(森博嗣)
幻惑の死と使途(森博嗣) 再読
夏のレプリカ(森博嗣) 再読
今はもうない(森博嗣) 再読
イナイ×イナイ(森博嗣)
数奇にして模型(森博嗣) 再読
有限と微小のパン(森博嗣) 再読

【ご参考】
2009年総括
2008年総括
2007年総括
2006年総括
2005年総括

2010年12月04日

●ミステリ再読 有限と微小のパン

「有限と微小のパン」(森博嗣)を再読。

どういうわけか最近新刊の文庫SFがアンソロジーばかりで,ヘヴィ級のハードSF長編が読みたいと思っているのになかなか買いたい本がない。ということで再読キャンペーンが続いている。

「そんなの、知らない人なんていないわ」愛が澄まして言った。彼女のそのしゃべり方は、第三次キャット・カバー・モードである。エネルギィを消費するので滅多に使わないモードだった。


2010年11月17日

●ミステリ再読 数奇にして模型

「数奇にして模型」(森博嗣)を再読。

萌絵ちゃんのコスプレと,金子くんの活躍。
未読SFが底をついた状態なので,このまま再読キャンペーンを続けることにする。

「お前は見ていない」喜多が言った。「俺は見た。この際な、これをはっきりさせておこう。朝の借りは、これでちゃらだからな」


2010年10月23日

●ミステリ読了 イナイ×イナイ

「イナイ×イナイ」(森博嗣)読了。

新シリーズ(Xシリーズ)の開幕。文庫版しか読んでいないのでわからないが,元々Gシリーズと平行して出版されたのかな?


2010年10月14日

●ミステリ再読 今はもうない

「今はもうない」(森博嗣)を再読。

この作品などはまさに,初めて読んだときに受けた戦慄と感動を,二度と味わうことが出来ないという典型だと思う。もちろん何度読んでも楽しめるのだが,それは結末を知らずに読むあの幸せ感とは違うものだ。

と,いうような話は森氏の作品に関してはもう何度も書いた気がするなぁ...。

「君、歳を取ったね」
「先生。それ……、もう……。普通、女性に向かって言いますか?」
「成長したという意味だよ」
「じゃあ、そうおっしゃって下さいよ」
「誰でも歳を取れば成長する」
「酷い! 全然フォローになっていません」


2010年09月25日

●ミステリ再読 夏のレプリカ

「夏のレプリカ」(森博嗣)を再読了。

盲目の詩人,蓑沢素生が登場。

持っているのは文庫版の3刷だが,「茨城」のルビが「いばら」になっていた(P268)。これは茨城県民としては看過するわけにはいかない。

「先生、ホットコーヒーを頼みましょう。それとも、ビュッフェまで行きますか?」
「西之園君」
「はい?」
「おやすみ」犀川は目を瞑った。ノートパソコンのスリープより素早かった。

新幹線にまだビュッフェがあった時代のお話である。


2010年09月21日

●ミステリ再読 幻惑の死と使途

「幻惑の死と使途」(森博嗣)を再読。

すっかり忘れていたけれど,Gシリーズの加部谷恵美ちゃんが初登場。

「あの、どっちにしても、不幸な役回りですね、僕」
「確かに」
「先生、肯定しないで下さいよ」
「しかし、否定するような理由がない」
「先生……」


2010年09月13日

●ミステリ読了 ゾラ・一撃・さようなら

「ゾラ・一撃・さようなら」(森博嗣)読了。

天使の演習が登場するということで,他の森作品読者ならピーンとくるはず。おそらくいろいろと伏線がちりばめられているのだとは思うけれど...。いずれじっくり再読せねばなるまい。

未読本はこれで一旦すべて消化。しばらくは再読キャンペーンとなる。


2010年09月04日

●ミステリ読了 ηなのに夢のよう

「ηなのに夢のよう」(森博嗣)読了。

Gシリーズ第6作。いつものように内容については何も書かない。他の人のレビューも読まない。今回は裏表紙の作品紹介をつい読んでしまって後悔した。


2010年07月16日

●ミステリ再読 封印再度

「封印再度」(森博嗣)を再読。

S&Mシリーズ前半の山場と言えるかな。

ニフティーサーブのフォーラムというのは若いヒトには何のことだかわからないと思うけれど,今で言うSNSのようなもの。会員制の掲示板みたいな感じで,発言を監視して不適当なものを削除したりするシスオペがいたのが最近のインターネットとは違うところ。

「一度おききしたいと思ってたんですけど、先生は、どんな女性がお好きです?後学のために聞かせていただけないかしら」
「エンジニアリングのためかな? それともオプティクス?」


2010年06月27日

●ミステリ再読 詩的私的ジャック

「詩的私的ジャック」(森博嗣) を再読。

SFの未読本が落ち着いているときに,少しずつ再読を進めている。

「F1のドライバだってさ、ちょっとくらいマシンがいうことをきかなくなっても、騙し騙し走るだろう? それがプロというものだ。別に、君のコードにけちをつけているわけじゃない。それとも、あのマシンを捨てろというのかい?」
「そうです」国枝は答える。「たとえコードを直したって、エラーが出なくなるだけで、精度の保証はまったくありません。今から、パワーPC用に移植すべきです。新しいマックなら、ワークステーションよりフロートは高速です」

昔,マックにはPowerPCっていうCPUが使われていたんだよ,なんてそろそろ言われそう。


2010年06月07日

●ミステリ再読 笑わない数学者

「笑わない数学者」(森博嗣)を再読。

シリーズを通して読んでからまた再読すると,いろいろと伏線があって楽しい。


2010年06月05日

●ミステリ再読 そして二人だけになった

「そして二人だけになった」(森博嗣)を再読。

シリーズ外なので好き勝手やってるなぁ,というお話。相対性理論の引用が効果的。

”光を伝える媒質”に対する地球の相対的な速度を確かめようとして、結局は失敗に終ったいくつかの実験をあわせ考えるとき、力学ばかりでなく電気力学においても、絶対静止という概念に対応するような現象はまったく存在しないという推論に到達する.いやむしろ次のような推論に導かれる.すなわち、どんな座標系でも、それを基準にとったとき、ニュートンの力学の方程式が成りたつ場合、そのような座標系のどれから眺めても、電気力学の法則および光学の法則はまったく同じであるという推論である.

(動いている物体の電気力学/A.Einstein)


2010年04月23日

●ミステリ読了 λに歯がない

「λに歯がない」(森博嗣)読了。

例によって内容については何も書かない。何度も書くようだが森氏の本に関しては何の予備知識も入れずに読むことが最高の贅沢である。

森邸の新築工事はだいぶ進んでいる様子。ジャイロモノレールの研究も素晴らしい。

【参考サイト】Construction in Waterloo


2010年02月16日

●ミステリ再読 冷たい密室と博士たち

「冷たい密室と博士たち」(森博嗣)を再読。

4年半ぶりに読んだら,犯人もトリックもすっかり忘れてしまっていて,新鮮な気持ちで楽しめた。これってもう新しい本を買う必要はなくて,手持ちの本をぐるぐる再読すれば良いということ?

「二十四歳ぃ!」犀川は思わず大声になる。「だめだめだめだめ、十歳も違うじゃないか!けしからん!」


2010年02月06日

●ミステリ再読 すべてがFになる

「すべてがFになる」(森博嗣) を再読。

未読本も何冊か仕入れたけれど,平行してちょっとずつS&Mシリーズの再読を進めようと思っている。

この衝撃のデビュー長編で「はじめから完成していた作家」と評された森氏だが,改めて読み返すとキャラクタの性格などがまだ完全には確立されていないことがわかる。例えば犀川先生の口数が多いとか,国枝先生の言葉遣いなどの点で違和感がある(些細なことだが)。


2010年01月19日

●ミステリ再読 τになるまで待って

「τになるまで待って」(森博嗣)を再読。

出張先で読み終わってしまったので,最初に戻って続けて2度も読んでしまった。

Amazonで今年3月まで,代金に関わらず送料無料のキャンペーンをやっている。本1冊でも送料無料なので,気になる本がある方はこの機会にどうぞ。


2010年01月17日

●2010年初方針

当ブログでは種々雑多なネタを取り扱っており,タイトルと内容がマッチしないことも多くご迷惑をおかけしている。年初にあたり,各カテゴリ別に少し状況を整理しておきたい。

【写真部門】
EOS Kiss X2を買ってからは,新しいカメラの動向などはチェックしていない。今年も猫写真をメインに撮っていく方針で,たまに気が向いたらフィルムカメラ(ペンタSP,学研二眼レフ)で遊びたいと考えている。安いフィルムスキャナが出ていてちょっと食指が動いたが,冷静に考えてそんなにバンバン黒白フィルムを自家現像(ダークレス)するか疑問だったので,今のところ保留にしている。

【猫部門】
記事で紹介するのを忘れていたが,木工工作を少しやって猫ケージをグレードアップした。これはデルタが家族になってから2年越しの懸案だったので,ちょっとすっきりしている。理想を言えば作り付けの大型ケージ(というか猫部屋)が欲しいところだが,狭いマンションではなかなか難しい。かんな氏の猫ブログは更新が遅いので,猫たちの近況についてはソウヘイ航宙記の方を見てもらいたい。

【読書部門】
読書はこの1年くらい少し悩んでいる。SFの新刊で「これはぜひ読みたい」と思うものがほとんどないのだ。これは自分の嗜好が変わってきたのか,出版の傾向が変わってきたのか,まだ判断できないでいる。新刊の情報はハヤカワとAmazonから送られてくるメルマガを参考にしているが,その3行ほどの紹介記事だけで,なんだか読んでも仕方がないような気がしてしまうわけだ。「なんでも読んでやろう」という気力が衰えたのは認めるけれど,出版の傾向としてもソフトな冒険モノばかりで,バリバリのハードSFって最近少なくないですか?
ミステリの方も森博嗣氏が表舞台から降りてしまって文庫新刊のペースが落ちているので,今年も再読や図書館の利用が増えそうな気がする。
とはいえ,読書そのものはやめられない(移動中や空き時間に活字が読めないと落ち着かない)ので,何らかの本は常に読み続けると思う。

【音楽・楽器部門】
2年目に入ったギター教室通いがどうなるかが自分でも注目である。こういうものは始めたばかりの頃は上達が目に見えて楽しい。それが1年も経つと弾ける曲は増えているが,練習量に比較して上達のペースは遅くなるし,ちょっとサボるとすぐに弾けなくなる。モチベーションを維持し続けられるかどうかがポイントだろう。

【技術・工作部門】
猫部門のところに書いたように,猫ケージの改造をするのに木工をやった。これは大型のホームセンタで材料を買って,そのホームセンタ内にある工作室を借りて行ったもので,使うときに名前を書けば利用料はタダである。大雑把な切断は1カット50円で大型の切断機(?)でお願いして,その後は工作室で自分でやる。曲線のカットは電動ジグソーを使い,切断面と角の仕上げは電動サンダーでやった。ジグソーなんて久しぶりに使ったが,さほど精度を気にしないのなら糸鋸よりも速いし便利。
旋盤とフライス以外の電動/手動工具はたいてい揃っているので,ここを使えばたいていの木工はいけるんじゃないだろうか。自宅も汚れないし。
ということで,今年もまた何か思いついたら自作するかもしれない。

【車部門】
昨年末にキューブからポロに乗り換えたので,たまにポロ関係の記事を書きたいと思う。といっても改造とかをするつもりはないので,燃費とかトラブル関係のネタくらいしか書くことがないかも。

【パソコン・ネット部門】
長期計画では今年末にWebmasterのPowerBookG4のリプレースとなっている(購入後5年経過)。今のところMacにするかWindowsにするか決めていないし,本当に買い替えられるかどうかも直前にならないと判断できないだろう。

ピート

EOS Kiss X2 / EF50mm F1.4 USM

2010年01月11日

●ミステリ再読 θは遊んでくれたよ

「θは遊んでくれたよ」(森博嗣)を再読。

森氏といえば,欠伸軽便鉄道の次なるプロジェクトのブログがスタートしている。もしもお金持ちになったらこんな使い方ができたら素敵だ。

「すぐ迎えにきていただけますか?」
「メールを読んでからにしようかな」
「駄目です」


2010年01月09日

●ミステリ再読 Φは壊れたね

「Φは壊れたね」(森博嗣)を再読。

今のところ気になる新刊がないので,Gシリーズの再読を開始。ミステリの再読はネタがわかっているのでつまらないような気がするかもしれないが,これが意外と楽しめる。

「一度でいいから、私ね、海月君と膝を割って話がしたい」
「腹を割るか、膝を交えて、だね、普通は」


2009年12月31日

●写真って楽しいねっ2009年総括

2009年,何といっても大きなトピックはアコースティックギター弾き語りの教室(先生つきのクラブ)に通い始めたことだろう。上達のペースはゆっくりだが,なんとか1年間挫折せずに続けることができた。これに関連してかんな氏自分用のギターの購入や,音の比較の記事が多くなった。ブログのビジターも比較的ギター関係のキーワード検索で来る方が多いようで,多少なりとも参考になっていれば幸いである。

ギターを始めたのと引き換えに,フルートはすっかりサボりモードになってしまった。たまに音を出してみると,あっという間にくちびるが疲れて吹けなくなってしまうし,音も安定しない。今のところギターとフルートを両方とも練習する余裕はとてもないので,フルートはまだしばらくお休みすることになりそう。

5月には実験的な試みとして,アメーバブログの方に猫写真をメインにした軽いノリのブログを作った。1記事あたり写真1枚,本文1行として,1日1回以上の更新を目標とした。ケータイのメールによる更新が可能という利便性もあり,今のところ7ヶ月間毎日更新のペースを維持している。写真ってblogの長文がうざったい向きにはオススメである。が,いつまで続けるかは微妙なところ。

写真関係のトピックとしては,昨年末にEOS Kiss X2を買ってフィルムのEOS2台を処分したことなどがあった。逆に学研二眼レフカメラを作ってフィルムカメラが増えたりもした。Kiss X2で撮ったピートとデルタの写真がフォトコンテストで優秀賞を取ったことも素直に喜びたい。

車をキューブからポロに乗り換えたが,ポロについて独立したコンテンツを設ける計画は今のところない。何かあればこのブログで紹介していくつもり。

読書の方は興味を引くSFの新刊が最近あまりないので,再読が増えている。図書館でアガサクリスティーを借りて読んだりもするようになった。

【SF】
時間封鎖(R.C.ウィルスン)
虚構機関—年刊日本SF傑作選(大森望,日下三蔵[編])
万物理論(G.イーガン)(再読)
シュレディンガーのチョコパフェ(山本弘)
祈りの海(G.イーガン)(再読)
デカルトの密室(瀬名秀明)
フリーランチの時代(小川一水)
反逆者の月3ー皇子と皇女ー(D.ウェーバー)
スカイ・イクリプス(森博嗣)
ウォー・ゲーム(D.ビショフ)(再読)
ディアスポラ(G.イーガン)(再読)
神は沈黙せず(山本弘)
第九の日(瀬名秀明)
闇が落ちる前に、もう一度(山本弘)
アイの物語(山本弘)
無限記憶(R.C.ウィルスン)
超弦領域—年刊日本SF傑作選(大森望,日下三蔵[編])
レインボーズ・エンド(V.ヴィンジ)
犬は勘定に入れません—あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎(C.ウィリス)
猫語の教科書(P.ギャリコ)
サマーウォーズ(岩井恭平)
順列都市(G.イーガン)(再読)

【ミステリ】
どきどきフェノメノン(森博嗣)
探偵伯爵と僕(森博嗣)
レタス・フライ(森博嗣)
オリエント急行の殺人(A.クリスティー)
そして誰もいなくなった(A.クリスティー)
牧師館の殺人(A.クリスティー)
ハロウィーン・パーティ(A.クリスティー)
予告殺人(A.クリスティー)
εに誓って(森博嗣)

【ノンフィクション】
フェルマーの最終定理(S.シン)
暗号解読(S.シン)
脳のなかの幽霊、ふたたび 見えてきた心のしくみ (V.S.ラマチャンドラン)

【ご参考】
2008年総括
2007年総括
2006年総括
2005年総括

2009年12月26日

●ミステリ読了 εに誓って

「εに誓って」(森博嗣)読了。

Gシリーズ第4弾。前作から約1年ぶり。バスジャックというシチュエーションはなかなか新鮮だった。

今後の展開も楽しみ。この辺で一度Φから読みなおしておいた方が良いかな?


2009年12月01日

●ミステリ読了 予告殺人

「予告殺人」(A.クリスティー)読了。図書館で借りたもの。

マープルもので,タイトルどおり殺人を予告する広告が新聞に掲載されるのが面白いはじまり方。

屋敷の電灯が消えるところで,「ヒューズが飛んだ」という描写があるけれど,若い読者だとイメージがつかめないかもしれない。もちろん現在でもヒューズは使われているけれど(車など),少なくとも家庭の電灯線の過電流・漏電対策は小型の遮断器(ブレーカ)になっている。

ヒューズというのは普段は導体で,大きな電流が流れるとヒューズ自身の発熱(ジュール熱)により溶けて,電流を遮断するもの。溶けてしまうので一度作動すると復旧させるためには別のヒューズと交換しなくてはいけない。

どっちにしろ最近は停電時にはバッテリー内蔵の非常灯が自動的に点くご家庭も多いと思うし,人が集まるような建物なら間違いなくあるだろう。犯人はブレーカに細工するだけでなく,非常灯を無効にする手段も講じなくてはいけない。


2009年11月17日

●ミステリ読了 ハロウィーン・パーティ

「ハロウィーン・パーティ」(A.クリスティー)読了。図書館で借りたもの。

ポアロものでクリスティー79歳のときの作品だそうで,それだけでも驚き。

1969年の作品だが,ポアロの頭脳はコンピュータのようだという比喩が出てくる。ミステリのトリックに新しい科学理論や技術を取り入れるためには常に勉強が必要だ。そういう意味でもクリスティーはたいしたものだと思う。


2009年11月04日

●ミステリ読了 牧師館の殺人

「牧師館の殺人」(A.クリスティー)読了。

ミス・マープルものの長編では最初の作品(ということになるのかな?)。

アニメの影響というのは大きくて,それほど熱心に見ていたわけでもないのに,ミス・マープルの科白が八千草さんの声に変換されて頭に入ってきた。

おばさんがうわさ話と陰口好きというのは,いつの時代でもどこの国でも共通なのだろうか?

図書館にはアガサ・クリスティーの文庫本は比較的たくさん蔵書されているけれど,すべて揃っているわけではないので,読んでいく順番が難しいところだ。刊行順はあまり気にしないことにしよう。


2009年10月28日

●ミステリ読了 そして誰もいなくなった

「そして誰もいなくなった」(A.クリスティー)読了。

もうしばらく古典ミステリに親しんでみようと思う。この作品はポアロなどのシリーズ物ではないが,タイトルくらいは誰でも聞いたことがあるのではないだろうか。(原題が"Ten little nigger"というのはちょっと驚いた)

こいつがアヤシイ,と思った人は真っ先に殺されたりして,ミステリ脳への道はまだまだ遠い。

読みながら「おや?」と思ったのは殺人のトリックではなくて,電灯の描写。舞台は港から1マイル以上離れた小さな島で,島内には金持ちが建てた屋敷がひとつあるだけ。しかし照明は「電灯」とハッキリ書いてある。陸からの送電はないだろうし,どうやって電化しているのだろう。と思ったら中盤で召使いが「モーター」を回している描写があった。この場合のmotorは発動機のことだろうから,発動発電機による自家発電であることがわかる。1930年代の発発がどんなシロモノかわからないが,エンジニアでもない召使いがひとりでメンテ・維持できるようなものだったのだろうか?

というようなことが気になって謎解きに集中できなかった。というわけでもないのだが,古典作品のテクノロジィ描写を気にして読むとSFと同じような面白さが出てくると思う。


2009年10月21日

●ミステリ読了 オリエント急行の殺人

「オリエント急行の殺人」(A.クリスティー)読了。

最低限の教養として,アガサ・クリスティーくらいは読んでおかないとなぁ,と長年思いつつも,新刊を消化するのに手一杯でなかなか実現しなかった。今回ようやく未読本を一掃して,気になる新刊発行も一段落しているということで,図書館でオリエント急行の殺人を借りてきた。選んだ理由はポアロもので一番有名そうだったから。

いくら昔の作品でもミステリのネタバレはまずいと思うので内容については触れないが,なかなか面白かった。

元々謎解きをしながら読むのが苦手で,すぐに思考停止してしまうのだが,古典をもう少し読めばミステリ脳になるだろうか。図書館にはコナン・ドイルが少なくてそれがちょっと残念。


2009年10月11日

●SF本読了 犬は勘定に入れません−あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

「犬は勘定に入れません—あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎(上・下)」(C.ウィリス)読了。

この人の本も初めて読んだ。猫が出てくるタイムトラベルものということで,「夏への扉」が頭に浮かぶけれど,本作はもっとドタバタで楽しい感じ。大団円のラストも良かった。個人的には歴史が苦手なので,そういう意味ではタイムトラベルものの面白さが100%味わえていないなと自分で思う。

犬のシリルと猫のプリンセス・アージュマンドがとても良い味を出しているので,犬猫好きな人にはオススメ。

リンクはあえてプリンセス・アージュマンドが表紙の下巻を貼ってみた。

以下は内容とは関係のない話。ついにハヤカワ文庫のトールサイズを買うはめになってしまった。手持ちのブックカバーに入らないじゃないか。なんで勝手にこういうことするのかなぁ。以前トールサイズで出したダニエルキィス文庫は不評じゃなかったのか?

いや,地デジみたいに「今後○年かけて文庫本はすべてこのサイズになります。他社もすべて同じです」というなら良いですよ。ブックカバーだって本棚だってその規格に合わせてすべて変わるだろうから。

そうじゃなくてハヤカワさんが勝手にやってるだけなんでしょう。他社の文庫本はこれからも従来サイズのまま。こっちは他社文庫用とハヤカワ文庫専用2つのブックカバーを用意しなけりゃいけない。本棚に並べた時の見た目だってデコボコ。

まあ,本屋でもらう紙のブックカバーを使うライトな読書家にはそもそも関係のない話だし,お気に入りのブックカバーをわざわざ買って使うような人は結局ハヤカワ用にブックカバーを新調するだけだろうから,ハヤカワの商売的には何も問題ないのかもしれないけれど...何となく釈然としない。

写真は陽だまり堂さんで新調したブックカバー。ハヤカワ文庫トールサイズもギリギリ入ります。あぁ,完全にハヤカワの思うツボだなこりゃ。

ブックカバー

2009年05月15日

●ミステリ読了 レタス・フライ

「レタス・フライ」(森博嗣)読了。

短編集。ファンタジィからシリーズものの話まで,ヴァリエィションに富んでいる。

【収録作品】
・ラジオの似合う夜
・檻とプリズム
・証明可能な煙突掃除人
・皇帝の夢
・私を失望させて
・麗しき黒髪に種を
・コシジ君のこと
・砂の街
・刀之津診療所の怪
・ライ麦畑で増幅して


2009年04月24日

●映画鑑賞 名探偵コナン 漆黒の追跡者

恒例のコナンくん映画。最近毎年観に行っている同じシネコンだが,今年はレイトショーがなかったので,平日朝のファーストショー(@1,200円)で鑑賞。通常料金で2人で観るのは結構高いと思う。

さすがにちびっこのお客さんは少なかった。空席90%ほど。

年々(劇中では1年以上は経過していないことになっているので「日々」か),蘭ちゃんの達人ぶりがアップしているような気がする。

そんなことよりも,最近気になって仕方がないのが黒の組織のメンバーの日常生活について。なんとなくウォッカは家に帰れば奥さんも子供もいて良いパパをやっている感じだし,ベルモットはハリウッド女優だ。ジンはどうだろう?独身だろうか?だとしたら一人暮らしか?仕事帰りには食事ついでにバーで一杯飲んでから帰るのか?いや,組織の呼び出しがいつあるか分からないから酒はやめておこう。スーパーで割引になっている総菜を買って帰ることにしよう。明日は久しぶりのオフだ。たまった洗濯物を片付けて,部屋の掃除をして,クリーニングに出していたトレンチコートを取りにいかなくては。...なんて。是非見てみたい「特別編 ジンの一日」。

ジン

参考リンク:劇場版 名探偵コナン漆黒の追跡者(チェイサー)

2009年03月02日

●ミステリ読了 探偵伯爵と僕

「探偵伯爵と僕」(森博嗣)読了。

シリーズ外(と決めてしまって良いのか,森氏の場合微妙だが)の長編。

何人もの「名探偵」を,そして度肝を抜くトリックを自分で生み出しておきながらなお,これが書けるというのが森氏のすごさだと思う。

そういえば「SFが読みたい〜」を買ったとき,横にあった「このミステリーがすごい」も立ち読みしてみたけれど,案の定森博嗣の作品はまったく取り上げられていないようだ。まあ世間の評価なんてそんなものである。自分が払った代金の一部が,欠伸軽便鉄道やその他森氏の工作に生かされることを喜びとして,これからも買っていきたい(文庫だけだけど)。

ネットで書評を読んだら,これって児童向け(ジュブナイル)なのか...ますますすごい。


2009年01月30日

●ミステリ読了 どきどきフェノメノン

「どきどきフェノメノン」(森博嗣)読了。

ミステリというかラブコメ。普段こういうジャンルは読まないけれど,森博嗣が理系に味付けすると読めてしまう。

でも個人的にこういう酒癖の悪い人はちょっと嫌だ。


2009年01月14日

●2009年初方針

当ブログでは種々雑多なネタを取り扱っており,タイトルと内容がマッチしないことも多くご迷惑をおかけしている。年初に当たり,各カテゴリ別に少し状況を整理しておきたい。

【写真部門】
デジカメを新調したので,しばらくはこのネタが増えそうである。ただ,撮っているのは猫ばかりなので【猫部門】とカブることが多いと思われる。ペンタSPに関しては露出計が不調なこともあって,出番が減りそうな予感がしているが,安売りのフィルムを仕入れてある(DNPのCENTURIA)ので,遠出する機会があったら持っていきたい。お遊びとして,マウントアダプタを買ってペンタSPのレンズをEOS Kiss X2に付けるというのも構想している。ただし,くれぐれも「道具揃えの沼」にはまらぬように注意したい。

【猫部門】
カメラが新しくなってかんな氏が(今のところ)やる気を出しているので,最近の猫情報に関しては「にゃんこーず」の方を参照願いたい。こちらではFlickrにアップした大きなサイズの写真(基本的に補正・トリミングなし)を紹介するので,壁紙に使うなりカメラの作例として細部を確認するなりして活用してもらえたらと思う。ブログで紹介しなかった写真についてもPhotostreamの画面からすべて見ることができる。

【読書部門】
読書の傾向は昨年同様に,SF文庫新刊と再読,森博嗣氏の文庫新刊が出たら読む,ということで変わりない。読みたいと思っていた未読の古典や既刊はあらかた片付いた感があるので,もう少し幅を広げたいという思いもあるが,ベストセラーは読む気がしないし,マイナーな良書を知る手がかりも今のところないので,今までのWebmasterの読書歴から「こんなのがオススメ」というのがあったら教えていただけると助かる。ただし,「薦められたから読んだけどつまらなかった」という結論になっても怒らないでほしい。

【音楽・楽器部門】
新しい試みとしてギター教室に通い始めたので,どの程度続くか(あるいは挫折するか)が自分でも気になっている。フルートを習う予定は今年もない。時間と月謝の関係でフルートは敷居が高いため。あまり良くないとわかってはいるが,自己流で続けていくつもり。長期間ブランクが空かないように意識して吹くようにしたい。消耗品や道具揃えとは無縁という点でフルートは偉いと思う。置き場所も取らないし。

【技術・工作部門】
長期プランとしては,「快適な猫ケージの製作」というテーマがあるが,正月休み中にはコンセプトを詰めきれなかった。素人のスキルで中途半端なものを作ってしまうと美観を損ねるし,材料を調達してしまうと後戻りもできないので,なかなか踏み出せない。
キット工作ものは今までいくつか作ったが,財政難の折,「簡単に作れてちょっと遊んだらおしまい」という刹那的なものについては出来るだけ手を出さないようにしたい。

【車部門】
車検も通したし,追加出費を最小化しつつキューブを維持する,というのが車部門の最大の使命である。

【パソコン・ネット部門】
とりあえずかんな氏のWindowsパソコンだけは手当できたし,写真保存用の外付けHDDも買ったので,WebmasterのPC新調はまだ先延ばしできそうである。固定費としてはレンタルサーバの1,500円/年と,Flickrの$24.95/年がかかっている。回線費用はマンションの共益費に含まれている。

デルタ

EOS Kiss X2 / EF50mm f1.4 USM

2008年12月31日

●写真ってたのしいねっ2008年総括

2008年はWebサイト開設10周年の記念すべき年だった。ブログの更新頻度も意識して多めにしたが,日記ではないので,さすがに毎日更新するのは難しい。Webサイト/ブログがらみでは写真データをFlickrに置くようになったのが大きな変化だ。Flickrの会費は当ブログ本体を置いているレンタルサーバの会費よりも高額である。

かんな氏のpyon*webも含めたcheb.sakura.ne.jpのアクセスは,1日平均約300ビジターというところ。検索エンジンのキーワードが月にだいたい2000〜3000件ヒットしている。12月時点でのキーワードの上位は"vb6 正規表現","グレイコード 変換","フルート 初心者","ミラコスタ ウェディング"という感じ。様々な言葉の組合わせを含めたトータルではやはりミラコスタウェディング関係と,パジェロ関係,あとはPowerBookG4のキーボード交換がかなり検索されているようだ。多少でも皆様のお役に立っていれば幸いである。

ネット以外のイベントとして,なんといっても嬉しかったのが和泉宏隆トリオのライブを生でしかも特等席でたっぷり拝聴できたことだ。

読書については再読を多めにしたこともあって,少しペースダウン。SF31作品(うち再読18作品),ミステリィ3作品。ミステリィは森博嗣氏の文庫新刊を待つ状況が続いている。ノンフィクションをぜんぜん読めなかったのは素直に反省したい。

【SF】
逆境戦隊バツ「×」<1>(坂本 康宏)
ディアスポラ(G.イーガン)(再読)
逆境戦隊バツ「×」〈2〉(坂本 康宏)
銀河北極〜レヴェレーション・スペース2〜(A.レナルズ)
記憶汚染(林譲治)
フラッタ・リンツ・ライフ(森博嗣)
順列都市(上・下)(G.イーガン)(再読)
反逆者の月2—帝国の遺産—(D.ウェーバー)
パンドラ(1〜4)(谷甲州)
ファウンデーション —銀河帝国興亡史〈1〉(I.アシモフ)(再読)
啓示空間(A.レナルズ)(再読)
ファウンデーション対帝国—銀河帝国興亡史〈2〉(I.アシモフ)(再読)
第二ファウンデーション—銀河帝国興亡史〈3〉(I.アシモフ)(再読)
宇宙叙事詩(上・下)(光瀬 龍,萩尾 望都)
鋼鉄都市(I.アシモフ)(再読)
ファウンデーションの彼方へ(上・下)(I.アシモフ)(再読)
都市と星(A.C.クラーク)(再読)
夜明けのロボット(上・下)(I.アシモフ)(再読)
ロボットと帝国(上・下)(I.アシモフ)(再読)
ファウンデーションと地球(上・下)(I.アシモフ)(再読)
ファウンデーションへの序曲(上・下)(I.アシモフ)(再読)
ファウンデーションの誕生(上・下)(I.アシモフ)(再読)
ファウンデーションの危機(上・下)(G.ベンフォード)(再読)
ファウンデーションと混沌(上・下)(G.ベア)(再読)
ファウンデーションの勝利(上・下)(D.ブリン)(再読)
量子真空(A.レナルズ)
神様のパズル(機本伸司)
黎明の星(上・下)(J.P.ホーガン)
クレィドゥ・ザ・スカイ(森博嗣)
ディファレンス・エンジン(上・下)(W.ギブスン,B.スターリング)
ZOKU(森博嗣)(再読)

【ミステリィ】
町でいちばん賢い猫(R.M.ブラウン,S.P.ブラウン)
θは遊んでくれたよ(森博嗣)
τになるまで待って(森博嗣)

【ご参考】
2007年総括
2006年総括
2005年総括

2008年12月21日

●密室トリックの傾向と対策

最近いい歳をして名探偵コナン(テレビシリーズ)のDVDを順番にレンタルして観ている。また,森博嗣氏のミステリはずいぶん読んだ。しかし,毎回毎回密室トリックがさっぱり解けずに途方に暮れるWebmasterである。コナンくんのように,あるいは犀川先生のように,もしくは紅子さんのように,はたまた海月くんのように,スマートに解決できないものであろうか。

せめて密室トリックの定石を頭に入れておいて,その可能性くらいは作中のキャラクタよりも早く検討したいところだ。密室トリックで思いつく手法としてはどんなものがあるだろう。

その前に密室の定義をしておいた方が良いかもしれない。「密室」とは初期の観察段階において次の要件を満たす状況である。

・明らかに他殺された被害者が(通常1名)おり,
・部屋の中には被害者以外に人間が存在せず,
・出入口や窓はすべて内側から施錠されており,
・それらの鍵(合鍵)は存在しないか部屋の中にあり,
・施錠された出入口や窓以外には人間が出入りできるルートがない。

こんなところだろうか。自殺の可能性を排除させるために,次のようなオプションが付く場合もある。
・上記部屋の中には凶器は存在しない(持ち去られている)。

密室トリックというのはつまり,上記の定義のいずれかが崩れる状況であると言える。
(1)他殺に見せかけた自殺である。
(2)瀕死の被害者が自分で施錠した後,絶命した。
(3)じつは隠し扉・通路などがある。
(4)犯人は入口が開けられるまで部屋の中に潜んでいる。
(5)窓・扉を細工して外部から施錠した。
 ー糸を使う,窓枠ごとはずす,蝶番をはずす,等。
(6)鍵を使って外部から施錠した後,鍵をどうにかして部屋の中に戻した。
(7)じつは施錠されていなかった。
 ー接着剤等を使って施錠されているように見せかける。
 ー施錠されていることを確認した人物が犯人あるいは共犯者である。
(8)外部から人間の通れない隙間を使って殺害した。
 ー毒ガスを流す,毒をもった動物を使う,等。
(9)犯人が部屋を出た後,時限式で作動する仕掛けで殺害した。
 ー毒入りの飲食物,タイマーやセンサで作動するメカニズム,等。

特定の作品を意識したわけではないけれど,だいたい思いついたのはこんなところ。まだあるかもしれない。だいたい(1)〜(3)の可能性は早々に除外されるケースが多いと思う(つまらないので)。(4)〜(8)はいろいろなバリエーションがあって,たいていこのどれかを集中的に考えることになる。(8)はホームズであまりにも有名になってしまった手口なので,あまり見かけない。(9)はいかに証拠を残さないか,という部分にセンスが問われる。

このあたりを考えながら見ると,もう少し楽しめるだろうか。いやむしろ早々にトリックが解けてしまったらつまらないかな?まあ今どきこの程度の可能性の列挙で解けるようなミステリはないかもしれないが...

「思考というのは、既に知っていることによって限定され、不自由になる」ーー「τになるまで待って」(森博嗣)より


2008年12月20日

●ミステリ読了 τになるまで待って

「τになるまで待って」(森博嗣)読了。

Gシリーズ第3弾。森氏は今後の長編執筆本数をすべて決めておられて,どのシリーズがあと何作出るかはもう決まっている。また,ブログなどで表に出るのは今年(2008年)で最後,ということでMORI LOG ACADEMYの更新を楽しみにしていたWebmasterはちょっと残念である。

ブログや近況報告は今年2008年で終了します。また、雑誌などの取材を受けるのも今年が最後です。来年からは、表に出ることはファン倶楽部関連のもの以外にありません。――浮遊工作室(近況報告)より引用


2008年10月26日

●ミステリ読了 θは遊んでくれたよ

「θは遊んでくれたよ」(森博嗣)読了。

Gシリーズ第2弾。例によって感想は書かない。ネットで評判を調べたりもしない。下にアマゾンへのリンクを貼っているが,自分ではクリックしないし,もしこれから森氏の小説を読もうとする人は,クリックしない方が良いだろう。出来る限り先入観を入れないで読むことが,最高の贅沢である。


2008年04月26日

●映画鑑賞 名探偵コナン 戦慄の楽譜

今年もかんな氏(奥様)が好きなコナンくんの映画。上映開始1週間後のレイトショー。大きなスクリーンでやる最終回で空席90%ほど(つまりガラガラ)。この後は一回り小さなスクリーンに移る。

ちょっと荒唐無稽という感じだった前作に比べると良かったと思う。

音楽ネタということもあって楽しめる部分も多かったが,それにしてもコナンくんと蘭ちゃんの才能のマルチなことには毎度驚くばかりである。

あと,ZARDは嫌いじゃないし追悼という意味もわからなくはないけれど,今回のエンディングにはちょっと合わないんじゃないかと。普通にアメージンググレースとかで良かったのではないか。

映画第13弾も製作決定だそうだ。始まったころ小学1年生だった子も大学生になっているし,そろそろ解毒剤を作って高校・大学生編とか...ダメですかそうですか。

参考リンク:劇場版 名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)

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2008年04月13日

●ミステリ読了 町でいちばん賢い猫

「町でいちばん賢い猫」(R.M.ブラウン,S.P.ブラウン)読了。

「トラ猫ミセス・マーフィ」というシリーズ物の第1作。ちなみに共著者のスニーキー・パイ・ブラウンはネコ。

何年か前の東京出張の際に,ネコ好きかんな氏のお土産にと買ってきた小説。ハヤカワ文庫なのでSFの棚と近くてたまたま目についたという感じ。

「しゃべる動物モノ」とでも言ったらいいのだろうか。動物は動物同士で人間並みの会話をしている(ただし人間にはニャオニャオとしか聞こえない)という背景設定のミステリ。なんともメルヘンだが,見た目的には物理法則を完全無視した某少年探偵のマンガほどには不自然ではない。

まあ設定を聞いただけでほぼストーリィは想像できると思うが,飼い主とペットが協力して殺人事件のナゾを解くというもので,ネコの言葉は人間に通じないので物を散らかして注意を引いたり,行動によってヒントというか考え方を伝えようとするわけだ。

やはり見所はネコのミセス・マーフィやピュータの仕草だろう。ネコ好きなら「あー,あるある」という感じではないだろうか。当たり前だが著者は無類のネコ好きに違いない。

SFと森博嗣以外の小説はものすごく久しぶりに読んだ気がする。ミステリはただでさえ登場人物が多いのに,それが外国人名になると3分の1くらい読み進めるまでは誰が誰だか把握できない。

2008年02月14日

●SF本読了 フラッタ・リンツ・ライフ

「フラッタ・リンツ・ライフ」(森博嗣)読了。

「 スカイ・クロラ」シリーズ第4作。2008年2月時点で読める文庫の最新刊。単行本とノベルスでは5作目が出ており,それで完結らしい。

ちょっとSF的なネタも出てくるけれど,それはこのシリーズの本筋ではないだろう。

2007年12月31日

●写真ってたのしいねっ2007年総括

このブログのスタイルに移行してから3年が経った。MovableTypeはバージョン4が出ているが,今のレンタルサーバのプランだとデータベース利用に制限がある関係で3.35のまま使い続けている。

コンテンツの更新は,今年もほとんどブログのみ。そのブログのネタに対して検索エンジンからのビジターが増えている。このブログはランキングサイトへの登録など,宣伝活動はまったくしていないのだが,それでも3年もするとある程度検索エンジンに認知されるということだろうか。

アクセスが多いネタは「VB6で正規表現を使う」で,2007年12月現在,googleで「VB6 正規表現」で検索するとマイクロソフトよりも上(というかトップ)に表示されてしまう。「グレイコード変換cgi」もかなりのアクセスがあり,技術系のネタが参考にされているのは名誉なことではあるものの,内容に気を使ってしまう。

肝心の写真ネタとしては,ダークレスによる自家現像に初挑戦したくらいで,あまりたいしたトピックはなかった。本当はデジタル一眼レフが欲しいと思っているが,予算的に厳しいという事情が第一で,現在使っているFinePix S5000も修理後は順調に動いているし,手軽に動画が撮れるのも便利(デジタル一眼は構造上ムービーは撮れない)だし,300万画素という解像度もファイルサイズ的に軽くて助かっている。

今年のはじめにフルートを買ったのも個人的には大きなトピックだった。ときどき公開している録音を聴いてもらえばわかる通り,1年経ってもあまり上達していない。いずれ教室にでも通って短期間でもちゃんと教えてもらえたら,という考えもあるが経済的・時間的に実現できるかどうかは微妙なところか。

あとは工作ネタがけっこうあったかもしれない。軽量かみねんどだとか,手作りスピーカ,そして年末の真空管アンプキットなど。

そして恒例の読書。SFは25作品(再読1冊を含む),ミステリ16作品,ノンフィクションが2作品。SFはゴールデンエイジ3部作が印象に残っている。反逆者の月も今後の展開が楽しみ。ミステリは森作品がVシリーズから四季シリーズときて,Gシリーズの文庫最新刊に追いついた。あとは森博嗣以外のミステリとして東野圭吾を初めて読んだ。

【SF】
ニュートンズ・ウェイク(K.マクラウド)
ゴールデン・エイジ 1 幻覚のラビリンス(J.C.ライト)
ひとりっ子(G.イーガン)
グラン・ヴァカンス 廃園の天使I(飛浩隆)
アイアン・サンライズ(C.ストロス)
反逆者の月(D.ウィーバー)
忘却の船に流れは光(田中啓文)
バビロニア・ウェーブ(堀晃)
ゴールデン・エイジ2 フェニックスの飛翔(J.C.ライト)
沈黙のフライバイ(野尻抱介)
スカイ・クロラ(森博嗣)
ナ・バ・テア(森博嗣)
天の向こう側(A.C.クラーク)
ZOKU(森博嗣)
ウェットウェア(R.ラッカー)
時をかける少女(筒井康隆)
フリーウェア(R.ラッカー)
ダウン・ツ・ヘヴン(森博嗣)
魔法使いとランデヴー 〜ロケットガール4〜(野尻抱介)
火星の長城 〜レヴェレーション・スペース1〜(A.レナルズ)
ウォー・サーフ(上・下)(M.M.バックナー)
遺跡の声(堀晃)
ゴールデン・エイジ3 マスカレードの終焉(J.C.ライト)
あなたの人生の物語(T.チャン)(再読)
時砂の王(小川一水)

【ミステリィ】
朽ちる散る落ちる—Rot off and Drop away(森博嗣)
赤緑黒白—Red Green Black and White(森博嗣)
女王の百年密室(森博嗣)
そして二人だけになった—Until Death Do Us Part(森博嗣)
虚空の逆マトリクスーINVERSE OF VOID MATRIX)(森博嗣)
迷宮百年の睡魔(森博嗣)
探偵ガリレオ(東野圭吾)
四季 春(森博嗣)
今夜はパラシュート博物館へ(森博嗣)
四季 夏(森博嗣)
四季 秋(森博嗣)
四季 冬(森博嗣)
予知夢(東野圭吾)
まどろみ消去—MISSING UNDER THE MISTLETOE(森博嗣)
地球儀のスライスーA SLICE OF TERRESTRIAL GLOBE(森博嗣)
Φは壊れたね(森博嗣)

【ノンフィクション】
ローバー、火星を駆ける—僕らがスピリットとオポチュニティに託した夢(S.スクワイヤーズ)
生物と無生物のあいだ(福岡 伸一)

【ご参考】
2006年総括
2005年総括

2007年12月28日

●ミステリ読了 Φは壊れたね

「Φは壊れたね」(森博嗣)読了。

Gシリーズ第1弾。文庫で既発刊のシリーズ(で読もうと思っているもの)を全部読んでしまったので,ここからは新刊を待つ体制となる。

これまでの教訓から,内容について何か書くのは控えよう。とりあえず続巻が楽しみである。

年内にあと1冊くらい小説が読めるだろうか。

2007年12月19日

●ミステリ読了 地球儀のスライス

「地球儀のスライスーA SLICE OF TERRESTRIAL GLOBE」(森博嗣)読了。

森氏の第2短編集。S&Mシリーズの完結後に出されたもの。「石塔の屋根飾り」「マン島の蒸気鉄道」の2編がS&Mシリーズ,「気さくなお人形、19歳」はVシリーズの練無ちゃんが登場する(Vシリーズとの発行順の関係については調べていないのでわからない)。

Webmasterとしてはやはり,上記の長編シリーズものと絡む作品以外は特にこれといった感想はない。

そうそう,解説はあの冨樫義博氏。この解説のためだけに本書を買った(冨樫氏の)ファンがかなりいるのではないかと予想。

【収録作品】
・小鳥の恩返し
・片方のピアス
・素敵な日記
・僕に似た人
・石塔の屋根飾り
・マン島の蒸気鉄道
・有限要素魔法
・河童
・気さくなお人形、19歳
・僕は秋子に借りがある

2007年12月09日

●ミステリ読了 まどろみ消去

「まどろみ消去—MISSING UNDER THE MISTLETOE」(森博嗣)読了。

短編集。文庫の発行順でいうとS&Mシリーズの「封印再度」と「幻惑の死と使途」の間になる。

「ミステリィ対戦の前夜」と「誰もいなくなった」の2編がS&Mシリーズ。これはまあシリーズ物のコンプリートという意味で外せないところ。犀川先生は相変わらずチラ見せでもシビれる。

残りの作品はまあ,意外性を楽しむということならいいけれど,とりたてて感動するとかそういった類いの内容ではない気がした。Webmasterは「森博嗣萌え」というわけではないので,全般的にシリーズもの以外の短編に対する評価は低い。

【収録作品】
・虚空の黙祷者
・純白の女
・彼女の迷宮
・真夜中の悲鳴
・やさしい恋人へ僕から
・ミステリィ対戦の前夜
・誰もいなくなった
・何をするためにきたのか
・悩める刑事
・心の法則
・キシマ先生の静かな生活

2007年11月27日

●ミステリ読了 予知夢

「予知夢」(東野圭吾)読了。

湯川助教授シリーズの連作短編集の第2弾。ちょうどドラマと同時進行で読んだ(ミーハーだ)ので,トリックの視覚的理解はしやすかったが,逆にイメージがドラマの方で固定されてしまうので,想像して楽しむという読み方はできなかったように思う。

ドラマのストーリーは少しアレンジしてあるが,視覚的インパクトを狙いすぎてちょっと不自然というか強引な展開が目立つかもしれない。

あとはいろいろなところで突っ込まれていると想像するが,あの「ひらめいた」ときに数式を書き散らす演出。いくらギャグとはいえ,ちょっとどうかと思う。確かに単なる決めゼリフ(じっちゃんの名にかけて的な)では今どきインパクトが弱い,というのもわからなくはないけれど...

でも,そんな福山氏がちょっとカッコよく見えてしまうので,Webmasterもとっさのときに難しげな数式のひとつもスラスラと書けるようにしておいた方がいいだろうか。二次方程式の解の公式なんてのは誰でも知っていてすぐバレてしまうから,特殊相対性理論の一定加速度運動する物体の式なんてどうだろう。いや,どうせなら偏微分とか重積分の記号がちりばめられていた方が絵面的に見栄えがするか...

2007年11月03日

●ミステリ読了 四季 冬

「四季 冬」(森博嗣)読了。

わかった。森氏の作品について,読み終わった感想をブログに書こうなどと思うのがそもそも間違いである。

これから森作品を読もうとする人も,あるシリーズを読んで次は何を読もうか迷っている人も,事前にネットで書評やネタバレサイトは見ない方が良い。自分ももう森作品についてネットで調べることはしないようにしよう。あらゆる事前情報は邪魔であり有害と言える。予備知識はいっさい排除した状態から読み始めることこそが最高の贅沢だ。オビや裏側のあらすじもできれば見ない方が良い。

読む順番については,森氏は「どんな順番で読んでも構わない」と言っているが,やはり発行順に読むのがお勧めかと思う。が,それは自分の経験の話であって,新しいものから順に古い作品に遡って読んでいくことでのみ得られる感動というのもあると思うので,確かに「どんな順番で読んでも構わない」が真なのかもしれない。

文庫化がまだされていない未読シリーズはあるが,ここまででも充分に驚愕すべき読書体験であった。非常に月並みな感想で恐縮だが,森氏の頭の中ではどのようにストーリィが構築されているのか,それを覗いてみたい。

2007年11月02日

●ミステリ読了 四季 秋

「四季 秋」(森博嗣)読了。「有限と微小のパン」の後のお話...くらいは書いても大丈夫だろうか。面白かった,満足した,驚いた,感動した,とか抽象的なことしか書けない。

2007年10月27日

●ミステリ読了 四季 夏

「四季 夏」(森博嗣)読了。

四季シリーズ第2弾。事件が起きてその謎を解く,というスタイルではないのでミステリとは言えないかもしれないが,四季嬢の謎に満ちた過去を解き明かすという意味でのミステリィということで。

S&MシリーズとVシリーズに関わるかなり重大なネタバレがあって,内容に関してはほとんど何も書けない。両シリーズが好きな人にとってはたまらない内容。逆に,先に本書を読んでしまうと両シリーズの楽しみは半減してしまうかもしれない。全体としては,「すべてがFになる」で少しだけ描かれた四季嬢が起こした過去の"事件"についてのお話となっている。

森氏の文庫で出ているシリーズものについては,読書のペースがもう少しで最新の出版に追いついてしまうため,四季シリーズと未読の短編集をクリアしたらS&Mシリーズを再読してみるのも悪くないな,と思っている。

2007年10月14日

●ミステリ読了 今夜はパラシュート博物館へ

「今夜はパラシュート博物館へ」(森博嗣)読了。

四季シリーズを読み進める前にちょっと寄り道をして短編集。「どちらかが魔女」「双頭の鷲の旗の下に」がS&Mシリーズ,「ぶるぶる人形にうってつけの夜」がVシリーズの登場人物による短編で,ほとんどこの3編のために読んだようなもの。

国枝先生のだんな様登場の「双頭〜」と,S&Mシリーズとのリンクが垣間見える「ぶるぶる人形〜」はキャラ萌えの方は必読かと。

「ゲームの国」に登場するアナグラム,リリおばさんの事件簿の回文よりは簡単だが面白かった。(主人公の探偵の名前もアナグラムになっていたのは気付かなかった)

「素敵な模型屋さん」はしんみりするファンタジィ。「自分には無理だ」「どうせ出来ない」と,いかに多くの夢を忘れて(諦めて)生きてきたことか。そんなことを考えさせられてしまった。

【収録作品】
・どちらかが魔女
・双頭の鷲の旗の下に
・ぶるぶる人形にうってつけの夜
・ゲームの国
・私の崖はこの夏のアウトライン
・卒業文集
・恋之坂ナイトグライド
・素敵な模型屋さん

2007年10月08日

●ミステリ読了 四季 春

「四季 春」(森博嗣)読了。

S&Mシリーズで宿敵として登場した真賀田四季の活躍(?)を描く「四季」4部作の1作目。S&MシリーズとVシリーズの橋渡しとしても重要な位置付けとなりそうな感じ。

フィクションに登場する「天才」はたくさんいるだろうが,四季嬢はかなりのハイレベル天才と言えるのではないか。SFだと「アルジャーノンに花束を」(D.キイス)のチャーリーとか,「理解」(T.チャン;あなたの人生の物語収録)の主人公などが思い浮かぶが,彼らは後天的,人為的に造られた天才であった。四季嬢は生来の天才ということで,その思考の描写(文字を書いたことがない,等)はなかなか興味深い。

ということで,ミステリというよりもSFっぽいシリーズと言えるかもしれない。


2007年10月05日

●ミステリ読了 探偵ガリレオ

「探偵ガリレオ」(東野圭吾)読了。

東野圭吾という作家はずいぶんたくさん本が出ているが,まったく知らなかった。SF以外興味がないのがバレバレだ。

八戸駅の小さな書店で本を物色中に,平積みしてあったのが本書。どうやらドラマ化されるとかで話題になっているようだ。ガリレオというタイトルが気になって紹介文を読んだら,天才物理学者が探偵役で不可思議な事件を科学で解決〜,的な内容らしい。

かんな氏も読んでみたいとご所望だったので買ってみたという次第。

スタイルは連作の短編なので,科学ネタを使ったトリックのアイデア一発勝負という感じ。犯人が誰か,という推理よりも,どんな物理現象,道具を使ってそのトリックを実行したか,という部分に重点が置かれている。

学部は違えど国立大の助教授という意味では同じ設定の犀川先生(森博嗣 S&Mシリーズ)とどうしても比べてしまう。淡白さという点では似ている部分もあるが,やはり別物。湯川助教授(ガリレオ)の方が多少人間くささがあるように思う。が,大学での日常が描かれておらず,刑事に見せる面白い実験をいつも準備していたりして,「こんな先生はいないだろう」という感じでリアリティがないのも事実(短編なので仕方ないかもしれないが)。

やはり長編を読んでみないと評価できないな,というのが感想だが,探偵ガリレオについてはギャグとして読むのが正解ではないだろうか。おそらくドラマもコメディタッチになるのでは?

2007年07月04日

●ミステリ読了 迷宮百年の睡魔

「迷宮百年の睡魔」(森博嗣)読了。

仕事ばかりしていて読書ネタくらいしか書くことがない。「女王の百年密室」を読んだときに,読み切りの長編と書いてしまったが,じつは誤りで,本作が続編となる(じつはシリーズもの?)。

舞台が22世紀ということで,SFミステリと言えるだろう。ロボット(ウォーカロン)の活躍も見逃せない。特に主人公のパートナであるロイディはいい味を出している。

SF全般に共通する点だが,エネルギー問題を解決している未来社会において,変圧器などの送変電機器がどうなっているのかが気になる。発電はまあ,太陽電池なり核融合なりのブレークスルーで事実上無尽蔵に使えるようになったとして,基本的に電力を使うという点は現代と変わらないわけだ。

電力を使うとすれば,当然輸送(送電)と変換(変圧)の必要が出てくるわけで,送電線だとか油の入った巨大な変圧器というような機器は,電磁気学が変わらない以上は必ず必要になると思うのだが,その点を詳しく書いたSFというのは読んだことがない。

作品によっては,各家庭や機械そのものに,超高効率な太陽電池(と何らかの電力貯蔵装置)を内蔵してしまうケースもあるが,今回読んだ作品では「世界のエナジィ問題は解決した」としながらも,ロボットのエナジィは「コンセントにつないで充電」する必要があるとされている。仮に街単位である程度の規模の発電設備があるとしても,各家庭まで電力を引く配電網は必要なわけで,その辺の描写がきちんとされているSFを読んだら,(本筋とは関係ないところで)ちょっと感動するかもしれない。


2007年06月28日

●ミステリ読了 虚空の逆マトリクス

「虚空の逆マトリクス(INVERSE OF VOID MATRIX) 」(森博嗣)読了。

手持ちの未読SF本が品切れのため,しばらく森作品が続く。これは短編集。

最初に出てくる「トロイの木馬」はアンソロジー「21世紀本格」にも収録されていた,SFっぽいお話。かんな氏は「同じ本をまた買っちゃったかも〜」と慌てていた。何しろ二人とも,すでに持っているのを忘れてもう一冊同じ本を買った前科があるので気をつけないといけない。

この短編集で脱帽なのは何といっても「ゲームの国(リリおばさんの事件簿1)」だろう。リリおばさんの披露する「回文」がとにかく凄い。ほのぼの感も好みである。

あとはやはりS&Mシリーズの短編「いつ入れ替わった?」。久しぶりに犀川先生と萌絵ちゃんの掛け合いが読めて大満足。

【収録作品】
・トロイの木馬
・赤いドレスのメアリィ
・不良探偵
・話好きのタクシードライバ
・ゲームの国(リリおばさんの事件簿1)
・探偵の孤影
・いつ入れ替わった?

2007年06月25日

●ミステリ読了 そして二人だけになった

「そして二人だけになった—Until Death Do Us Part」(森博嗣)読了。

冒頭の引用がA.Einsteinの「相対性理論」ではじまるあたり,SF読みとしてはかなりシビれる。舞台も極秘裏に建造された超凝った構造の核シェルタだったりして,理系要素満点である。

ラストについては賛否あるようだが,森氏のブログを読んでいて思うのは,氏は「こんな風に書いたら読者の何割かは怒るだろう」「こんな書き方をすれば何割かが勘違いするはず」というようなことをすべて計算して書いており,本書のように賛否分かれる結末も,当然計算の上だろうということだ。

森氏の作品を読む上で大切なのは,そういった「手の上で踊らされる感」を楽しめるかどうか,という点である。

あと,本書では森作品にしては(たぶん)珍しいベッドシーンが描かれている。


2007年05月16日

●ミステリ読了 女王の百年密室

「女王の百年密室」(森博嗣)読了。読み切りの長編。シリーズものと違って,読み切りの場合は何が起きるかわからない(自由度が高い)ので,かなり身構えて読み進めなくてはいけない。

つまり,シリーズものなら当然の前提条件やお約束といった制約が一切ないわけである。もっとも森作品の場合はシリーズものでもそれは怪しいことが多いのだけれども。

本作に関しては,未来が舞台のSFであるため,最後に残された大ネタなどはSF読みの人なら途中から予想がつくだろう。

なかなか面白かったが,冒頭に書いたように読み切りは疲れる。SFなら読み切りでも平気なのに不思議だ。

2007年03月23日

●ミステリ読了 赤緑黒白

「赤緑黒白—Red Green Black and White」(森博嗣)読了。紅子さんと愉快な仲間たちが活躍するVシリーズの完結編。感想はもう何を書いてもネタバレになってしまうので,何も書けない。結構衝撃的だったので,しばらくSFでも読んで冷却しよう。

2007年03月18日

●ミステリ読了 朽ちる散る落ちる

「朽ちる散る落ちる—Rot off and Drop away」(森博嗣)読了。紅子さんと愉快な仲間たちが活躍するVシリーズ第9弾。

未読SFの消化が進んできたので,ちょっと気分を変えて久しぶりに森ミステリィ。六人の超音波科学者と同じ超音波研究所が舞台で,続編という位置付け。

Vシリーズも終盤で,終わり方が気になってきた。読み進めるに連れてシリーズの行方が気になってしまう,優良読者のWebmasterであった。

2006年12月31日

●写真ってたのしいねっ2006年総括

2006年は完全にブログの更新のみに終始してしまった感がある。その他のコンテンツは検索エンジンからのビジター用に残してあるような状態。検索して来てくれた方がわずかでも有用だと感じてくれれば幸いである。

ブログでは音楽・楽器ネタが急速に増えたのが大きな変化だった。関連してmixiからのお客様も増えた。

写真ネタは,ペンタSPでの撮影とメンテナンスが大きなイベントと言えるのではないか。携帯電話にもそこそこ写るデジカメが付いてくる時代,「写真ってたのしいねっ」などと大それたタイトルを冠して続けていくにはマニュアル機械式カメラのペンタSPの活用は必須とも言える。

読書ネタは相変わらず大部分を占めた。例によって今年読んだ本を以下にまとめておく。ノンフィクションを全然読まなかったのは猛省に値する。代わりに楽器練習など,他の趣味に割く時間が増えたということで自分を納得させている。SFは19作品(再読2冊を含む),ミステリィ(森博嗣のみだが)16作品ということで,森博嗣をずいぶん読んだ年でもあった。

【SF】
マジック・キングダムで落ちぶれて(C.ドクトロウ)
マッカンドルー航宙記(C.シェフィールド)
ハル(瀬名秀明)
太陽レンズの彼方へ(C.シェフィールド)
老ヴォールの惑星(小川一水)
象られた力(飛浩隆)
タウ・ゼロ(P.アンダースン)[再読]
宇宙消失(G.イーガン)[再読]
フレーム・シフト(R.J.ソウヤー)
シンギュラリティ・スカイ(C.ストロス)
火星縦断(G.ランディス)
竜の卵(R.L.フォアード)
スタープレックス(R.J.ソウヤー)
コラプシウム(W.マッカーシイ)
リングワールド(L.ニーヴン)
神の目の小さな塵(L.ニーヴン&J.パーネル)
敵は海賊・海賊版(神林長平)
カズムシティ(A.レナルズ)
ゴールデン・フリース(R.J.ソウヤー)

【ミステリィ】
笑わない数学者(森博嗣)
詩的私的ジャック(森博嗣)
封印再度(森博嗣)
幻惑の死と使途(森博嗣)
夏のレプリカ(森博嗣)
21世紀本格(島田荘司編)
今はもうない(森博嗣)
数奇にして模型(森博嗣)[再読]
有限と微小のパン(森博嗣)
人形式モナリザ(森博嗣)
月は幽咽のデバイス(森博嗣)
夢・出逢い・魔性(森博嗣)
魔剣天翔(森博嗣)
恋恋蓮歩の演習(森博嗣)
六人の超音波科学者(森博嗣)
捩れ屋敷の利鈍(森博嗣)

【ご参考】2005年の総括

2006年12月19日

●SF本読了 ゴールデン・フリース

ゴールデン・フリース」(R.J.ソウヤー)[bk1]読了。

ソウヤーの処女長編をようやく読むことができた。SFミステリ(ミステリSF?)としての評価も高い本作品。文句なしに面白い。かなり特異な倒叙ミステリ(犯行方法も犯人も冒頭で明かされ,すべてが犯人による一人称の独白で進む)で,これはSFというジャンルでなければ絶対に書くことができない話だと思う。ボリュームもちょうど良く,程よいハードさ。

宇宙船の全機能を支配するAI,しかも人間に対して秘密を持っていて反抗までするというと,どうしても「2001年宇宙の旅」(A.C.クラーク)のHAL9000を連想してしまうが,その辺はソウヤーも充分承知しているところらしい。

今まで読んだソウヤー作品とは違いハッピーエンドとは言い切れない終わり方だった(殺人事件が起こっているのであたりまえだ)が,読後感は良く,ソウヤーにハズレなしの格言は今回も守られた。

2006年10月29日

●ミステリ読了 捩れ屋敷の利鈍

「捩れ屋敷の利鈍—The Riddle in Torsional Nest」(森博嗣)[bk1]読了。

Vシリーズ第8弾だが保呂草さん以外のいつものメンバーが登場しない。代わりにS&Mシリーズの萌絵ちゃんと国枝先生が参加。両シリーズを橋渡しする意味合いの話ということか。ページ数も少なく文字も大きいので番外編的な位置付けかもしれない。

犀川先生もチラっと登場するが,久しぶりにシビれた。シリーズの今後が気になるところだが,そろそろSFも読まなくては。


2006年10月20日

●ミステリ読了 六人の超音波科学者

「六人の超音波科学者—Six Supersonic Scientists 」(森博嗣)[bk1]読了。

紅子さんとゆかいな仲間たちが活躍するVシリーズ第7弾。保呂草さんの車のバッテリーが上がったときは「きたきた!」と思ったが,意外な展開でまんまと著者の術中にハマっているという感じ。

見取り図付きで動きが把握しやすいし,ロジックもスマートで良かった。

2006年08月30日

●ミステリ読了 恋恋蓮歩の演習

「恋恋蓮歩の演習—A sea of deceits」(森博嗣)[bk1]読了。紅子さんとゆかいな仲間たちが活躍するVシリーズ第6弾。

謎解き役は一応紅子さんだが,保呂草さんの活躍が目立っている(保呂草さんによる「演出」だと作中で書いてあるくらいなので当然と言えば当然だが)。

保呂草さんの「秘密」を巡って,このシリーズはどの辺に着地するのだろうか。それが気になるところである。

2006年07月02日

●ミステリ読了 魔剣天翔

「魔剣天翔—Cockpit on knife edge」(森博嗣)[bk1]読了。紅子さんとゆかいな仲間たちが活躍するVシリーズ第5弾。

保呂草さんの活躍(?)がカッコ良い。また飛行機の描写が生き生きしていて,それだけでも楽しい。

茨城には航空自衛隊の百里基地というのがあって,近くまで行くと戦闘機が編隊飛行しているのを見ることができる。戦争のために作られた物騒な機械だが,皮肉なことにそういったモノの持つカタチというのは洗練されていて美しい。

それにしても最近本当にSFを読んでいない。そろそろ禁断症状が出そうだ。

2006年06月22日

●ミステリ読了 夢・出逢い・魔性

「夢・出逢い・魔性—You May Die in My Show」(森博嗣)[bk1]読了。紅子さんとゆかいな仲間たちが活躍するVシリーズ第4弾。

Kinoppyに「タイトルが駄洒落なの」と指摘されて初めて気付いた。まったく頭が固いWebmasterである。

犯人の独白を交えながら進行するので,ストーリやトリックを推理して楽しむというよりは,保呂草氏や新登場の探偵仲間,稲沢氏の探偵ぶりや,練無くんのアイドルっぷりを楽しむ軽いノリの作品かもしれない。稲沢氏のキャラクタはけっこう好きなのだが,今後も登場するのであろうか。

2006年06月16日

●ミステリ読了 月は幽咽のデバイス

「月は幽咽のデバイス」(森博嗣)[bk1]読了。紅子さんとゆかいな仲間たちが活躍するVシリーズ第3弾。ある前提条件がバラせない以上,何を書いてもネタばれにつながってしまうので,何も書けない。ミステリの感想というのは本当に難しい。とりあえず面白かった。

2006年06月07日

●ミステリ読了 人形式モナリザ

「人形式モナリザ」(森博嗣)[bk1]読了。紅子さんとゆかいな仲間たちが活躍するVシリーズ第2弾。

メインの殺人事件は関係する登場人物が多くて,考えるのが面倒だったので流して読んでしまったが,それ以外のところで度肝を抜かれる展開があって,「黒猫の三角」と同様楽しめたし,シリーズの今後も気になってきた。

2006年05月09日

●ミステリ読了 有限と微小のパン

有限と微小のパン—THE PERFECT OUTSIDER(森博嗣)[bk1]読了。S&Mシリーズ完結編。とうとう読み終えてしまった。これでもう犀川先生と萌絵ちゃんの楽しい掛け合いが読めなくなると思うと寂しい。

感想は何を書いてもネタバレになりそうなので難しいところだが,「そうきたか」「やられた〜」感はけっこう強い。1作目「すべてがFになる」と並んでSFっぽい話になっている。

2006年04月27日

●ミステリ再読 数奇にして模型

数奇にして模型—NUMERICAL MODELS(森博嗣)[bk1]読了。S&Mシリーズ第9弾。

じつは初めて読んだ森作品である。結婚前にKinoppyがオタクっぽいあなたにはコレがオススメ と言って貸してくれたのだ。

S&Mシリーズのことなどまったく知らずに読んだそのときも,なかなか面白いと感じた記憶があるので,今回S&Mシリーズを1〜8作まで順に読んできたあとに再読したらどんな気分だろうと,なかなか楽しみだったのである。

そうして読み始めたらトリックから何からすっかり忘れてしまっていた。Kinoppyにも言われたが,まったくお得な体質と言えよう。たぶん現時点で持っている蔵書を順番に読んでいって,最初に戻って再読する頃には記憶がリセットされているから,いつまでも新鮮な気分で読書が可能である。素晴らしい!

というわけで本書も面白かった。特に萌絵ちゃんのコスプレがいい! この良さは確かにシリーズを読んできていないと解らないものだ。

2006年04月05日

●ミステリ読了 今はもうない

今はもうない—SWITCH BACK(森博嗣)[bk1]読了。S&Mシリーズ第8弾。

清々しい読後感。殺人事件が起きているのに清々しいという感想はいかがなものかと自分でも思うが,この「やられた〜」感はなかなか心地良い。

一作目でこの話を書くことはできないし、シリーズ未読の人がいきなり本書を読んでも,面白さは半減以下だろう。そういう意味でシリーズものの特性を最高に上手く生かした傑作だと思う。SFでしか得られない感動がある,と書いたことがあるが,シリーズものミステリでしか味わえない感動もまた,ある

2006年03月27日

●ミステリ読了 21世紀本格

「21世紀本格」(島田荘司編)[bk1]読了。2006年版「SFが読みたい!」で国内編2位の評価をされているがWebmasterは未読の「デカルトの密室」(瀬名秀明)という作品があって,本書にその前のお話である「メンツェルのチェスプレイヤー」が収録されているというので買ってみた。森博嗣のバーチャルリアリティーテーマの作品もちょっと期待していたのだが...久しぶりにハズレの読書をしてしまった感がある。

「21世紀的なミステリ」ということで,ライフサイエンスやコンピュータテーマなど,SFっぽい話が必然的に多くなっている。そこでこれをSFとして読んでしまうと,大変チープでSF的には時代遅れという感想を抱いてしまった。もしかしたらミステリばかり読んでいる人にとってはこういう話が新鮮なのかもしれないが,どうなのだろう。

肝心のメンツェル〜にしても,ロボットを小道具にした軽いミステリという程度で,突っ込みが足りずなんとなく物足りない。これは難解と評判のデカルト〜に期待するしかない。

「トロイの木馬」(森博嗣)は設定には萌えるモノがあるがこれはミステリ...なのか?

まったく21世紀的でない「交換殺人」(麻耶雄嵩)が素直にミステリを読む気で読んだためか,一番面白かったような気がする。
当然かもしれないが,SF読みとしては「ミステリ作家が書いたSFっぽい話」よりも「SF作家が書いたミステリっぽい話」の方が性に合うらしい,ということを確認できた1冊。

【収録作品】
神の手(響堂新)
ヘルター・スケルター(島田荘司)
メンツェルのチェスプレイヤー(瀬名秀明)
百匹めの猿(柄刀一)
AUジョー(氷川透)
原子を裁く核酸(松尾詩朗)
交換殺人(麻耶雄嵩)
トロイの木馬(森博嗣)

2006年03月14日

●ミステリ読了 夏のレプリカ

「夏のレプリカ—REPLACEABLE SUMMER」(森博嗣)[bk1]読了。S&Mシリーズ第7弾。第6弾の「幻惑の死と使途」と時系列的に重なっている事件だが,特に内容が絡んでいる部分はなく,独立した話として読むことができる。この章とこの章の間にはこんな出来事があったのね,的な楽しみ方は出来ると思うが,それには2冊を交互に読む必要があるだろう。

話としては度肝を抜かれる大ドンデン返し系だったと思うが,すでに犀川先生と萌絵ちゃんのやり取りが楽しみになってしまっている(今風に言うとキャラ萌え?の)Webmasterにとっては,中盤までほとんど2人が出てこないので不満である。

2006年03月04日

●ミステリ読了 幻惑の死と使途

「幻惑の死と使途—ILLUSION ACTS LIKE MAGIC」(森博嗣)[bk1]読了。S&Mシリーズ第6弾。第7弾の「夏のレプリカ」と対になっているらしく,章立ても奇数章のみになっていたりと凝っているが,この作品はこの作品で終始一貫していて,どの辺が次に絡んでくるのか楽しみなところ。

犀川先生の新車選びが楽しい。ルノーの安い車で1997年(単行本出版時)頃というと,トゥインゴだろうか。渋いと言えば渋い・・・かな。