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カーナビのある生活 〜 DVDカーナビ DV2000T使用レポート 〜

苦労して取り付けたカーナビ,DV2000Tの使用感などをレポートします。以下の内容は,1999年当時の新型カーナビの話ですので,現在と比べると内容が大変古くなっております。

ナビ機能の紹介と独断と偏見による感想

ボイスコントロール(音声認識)
音声認識

リモコンを使わず,声で命令すると各種機能を実行してくれるとても便利な(ように見える)機能。全国の主要な施設(東京ディズニーランドとか,八景島シーパラダイスとか)は,マイクに向かって「東京ディズニーランド」と言うだけで検索してくれる。目的地の検索には,その他に地名を言って絞り込んでいく方法(「新潟県」「新潟県のどこですか?」「新潟市」「新潟市主要部を表示します」などなど)や,「近くのコンビニ」「近くのファミレス]などと命令する方法もある。

目的地の検索以外でも,たとえば地図の縮尺を変更したいときには「広域」「詳細」あるいは「25m」「400m」などと言えば良いし,およそリモコンでできる操作は音声でも入力可能となっているようだ。

これだけ書くといかにもすばらしい機能のようだが,使うのは物珍しい最初のうちだけ(あるいは人を乗せてDVDカーナビの機能を自慢したいときなど)で,しばらくすると専らリモコンしか使わなくなる(少なくとも作者はそう)。なんでかというと,第一に音声認識させるためには,「これから声で命令しますよー」というのをリモコンの発声ボタンを押して,カーナビを音声認識モードに切り替えなくてはいけない。これは各機能を命令するたびに必要な操作であり,とても煩わしい。どうせリモコンのボタンを押す必要があるのだから,簡単な操作(縮尺切り替えとか)はそのままリモコンでやってしまった方が早いのだ。

第二に,地名などの認識精度が低いこと。これは発音の仕方や周囲の雑音などによって違うのだろうが,作者の場合,地名の検索が音声認識で一発でうまくいったためしがない。カーナビが聞き取れなくて「なんですか?もう一度お話ください」などと聞き直してくればまだ良いが,何をどう勘違いするのか,近所の地名を検索しているはずなのに1000kmも離れたどことも判らない施設がヒットすることもあり,リモコンによる入力に比べて早いとか便利だと感じたことはない。

とはいっても,面白い機能には違いないので,上記欠点を改善すれば便利に使えるかもしれない。将来的には「2001年宇宙の旅」のHAL9000や,「ナイトライダー」のK.I.T.T.のように自然な会話が可能になるかもしれない。(2002/3/4追記:今のところ,そんなに進歩していないようだ)

ピンポイント検索
ピンポイント検索

DVDの大容量をいかして,住所や電話番号によって目的地の建物まで一気に検索してしまう優れた機能。住所による検索では,「○丁目□番地△号」まで指定でき,25m縮尺の最詳細地図と合わせれば建物の形まで識別できてしまう。電話番号検索は登録されている店舗や施設に限られるが,施設名や住所を入力するよりも手間が少ないので重宝する。

建物の形まで表示される25mの詳細地図は,同乗者をびっくりさせるのにも効果的である。ただし,小さな町や村では100m縮尺までしかデータがないので,田舎に住んでいる方はご注意ください。

バーチャルシティーマップ
バーチャルシティーマップ

最近発売されるDVDナビにはだいたい似たような機能が搭載されている。要するに,主要な都市の主要部をビルの高さや見た目まで含めて画面に表示してやろうという機能である。DV2000Tの場合,鳥瞰図の詳細地図を1枚の絵(ラスタ・グラフィックス)としてデータを持っており,通常の地図(ベクトル・グラフィックス)と比較して細部まで詳細に再現されることになる。例えば,ビルの見た目であるとか,公園の噴水や階段などまで描写されている。

しかしこの機能,見た目は確かにすばらしいのだが,上述のように地図データを一枚絵として持っているため,地図の回転ができない(地名やビル名まで絵に描き込まれているため)。つまり,通常のナビ画面のように進行方向を上に表示することができないのである。これでは不便だ。普通に25m詳細縮尺の地図を表示させておいた方がナビとしては役に立つと思う。ただこれも,同乗者が驚くのを見て楽しむという効果は充分に期待できる。

ナビの精度(高精度自律航法,マップマッチング,D−GPS)
gps

地図がより詳細になるDVDナビでは,当然自車位置精度が重要になってくる。25mスケールで地図が表示されても,自車位置が100mずれた位置を示していては意味がないからだ。DV2000TではGPS(Global Positioning System;全地球測位システム)の他に,衛星の見えないトンネル内や山間部,立体駐車場内などで精度を保つための車速パルスとレーザージャイロ加速度センサを利用した高精度自律航法システムをもち,さらにGPS衛星の出す位置情報が含む誤差(20〜100m)の影響を極力なくすためのD−GPS(Differential-GPS;FM多重放送を利用したGPS誤差除去の仕組み)をオプションで使用可能としている(D−GPSプログラムディスクは\6,000)。最終的には地図上で道路から外れると,道路上に自車位置を補正するマップマッチング機能によって,25mスケール地図上でもかなり正確な自車位置を確定することができるのだ。

・・・というのがカタログ上のタテマエであるわけだが,実際に使用した感じでも,かなり自車位置の精度は高い。特に茨城県内ではD−GPS信号を発信しているFM放送局がなく,D−GPSが利用できない状態なのだが,それでも起動から数分走ってマップマッチングによる補正が完了する頃には,20m以内程度の誤差で走ることができる。しかし,50m程度以内の間隔で平行した道路などがあると,隣の道を走っていることがあるなど,碁盤の目のような街は苦手のようである。まあこれはどこの製品でも似たようなものであろう。ナビが間違いに気付いて慌てて自車位置を隣の道に移す様子は見ていて微笑ましい。

VICS情報(FM多重のみ)

渋滞情報を地図上に表示したり,それをもとに迂回路を設定するなど,先進のインテリジェンス機能VICSであるが,サービスを提供している地域はごく一部であり,作者は未だにその恩恵を享受したことがない(2002/3/4追記:いまだにその状況は変わっていない)。よって,VICS機能が便利なのかどうか判らない。ちなみに,DV2000TではVICSはFM多重放送により提供される情報しか利用できないが,上位機種のDV2020Tでは最先端のVICS3モードに完全対応している(DV2000Tを3モード対応にするためのオプションは\45,000)。

しかしこれだけは言える。作者の住んでいる日立市でVICSが利用できたとしても,幹線国道は常に渋滞しており,効果的な迂回路も存在しないため,ほとんど意味をなさないであろう。

最終更新: 2006年01月03日11時23分
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