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2011年07月30日

●SF本読了 ねじまき少女

「ねじまき少女(上・下)」(P.バチガルピ)読了。

SF賞総なめと聞くと,どうしても「あ,これは自分の好みではないな」と判断してしまう。

今回もまあほぼその予想通り。ただ,石油枯渇後の世界ということで,エネルギーの描写は興味深かった。今はとにかく便利なので何にでも電気が使われるけれど,確かにぜんまいとかフライホイールというのはもっと見直されても良いエネルギー蓄積手段かもしれない。


2011年07月23日

●盆栽その後(富士桜剪定とサツキの経過観察)

盆栽について検索すると,通販業者かあるいは達人級の方のハウツー記事がヒットするばかりで,初心者の体験談というのはめずらしいようだ。盆栽を嗜む年齢層の関係もあるかもしれない。

そういう事情も影響したのかしないのか,過分にも某新聞社様より盆栽について取材を受けたりもした。実名でネットに記事が掲載されているので,知り合いの方は探してみてほしい。もっともソウヘイの本名でエゴサーチすると,某有名スポーツ選手ばかりヒットするのでかなり苦労すると思う。

bonsai kijibonsai kiji

さて震災を生き延び,無事に花を咲かせた富士桜だが,梅雨明け前からニョキニョキと新しい枝が伸びて,最近は2週間に一度くらい伸び過ぎた枝を切っている。

富士桜の盆栽

せっかく元気に伸びた枝を切ってしまうのは忍びないけれど,狭いベランダで育てる都合上,あまり野放図に伸びてもらうのは困る。できれば枝の広がりは今くらいで,幹が太くなって古木感(?)が出てくれたらうれしい。が,思ったように育たないのがまた面白いところでもある。

富士桜の盆栽

実家から引き取ったサツキは,結局花を付けなかった。慎重に,といっても具体的にどうすれば良いのかわからないが,経過を見守っているところだ。

葉っぱは緑だし,どんどん枯れていくようなことはないけれど,かといって新しい枝が伸びてくるわけでもなく,富士桜と比べるとやはり元気がないのかな,と思う。

固形の肥料(かんなさんが買ってくれたもの)を置いているが,これも量が多過ぎては逆効果らしいし,なにせ経験がまったくないので加減がわからず,少しだけ置いて様子をみている。水やりは暑い日は朝と晩に2回。

せっかく取材までしていただいた思い入れのある鉢なので,なんとか枯らさないようにしたいけれど,こればかりは自信を持って大丈夫とは言えない。

猫なら言葉がわからなくとも,大まかな感情と快・不快くらいは読み取れる。しかし植物は表情すらないし,行為の影響が現れるまでに時間がかかるので難しい。達人は植物の感情まで読み取れるのかもしれないが,あと10年経ったら少しでも植物の気持ちがわかるようになるだろうか。道は険しく,そして育て甲斐がある。

2011年07月22日

●MacBookProその後(OSX Lionにアップグレード)

MacBookPro15インチ(Mid2010; MC371J/A)を買って7ヶ月ほど経った。1ヶ月前にはメモリを最大の8GBに増設している。

このたびMacOSXの最新版10.7(Lion)が出たので,早速導入した。10.6(Snow Leopard)でも特に不満はなかったけれど,Tigerの頃からの経験で,Appleの場合はハードのスペックが不足しない限り新しいOSを使った方が良いと思っている。逆に例えば5年後とかに新OSが出た場合はアップグレードしない方が良いだろう。

アップグレードの方法は,AppStoreで1クリック。3.49GBのデータを16Mbpsの回線でダウンロードに30分,インストールに30分かかったが,非常に簡単。OSの入れ替えにDVDなどのメディアがいっさい要らないというのは初めての経験。33kbpsのアナログ回線でつないでいた頃から考えると信じられないような贅沢。

スクリーンショット

OSの名前にネコ系を使っているのは素晴らしいけれど,ライオンがあまりかわいくないと思っている方のために下の壁紙を作成した。一部ではライオンより迫力があるという説もある。

ピート壁紙_lion

Amazonのリンクを貼ろうと思ったら,AppStoreのみの扱いなのかパッケージ版がない。便利は便利なのだけれど,この過剰なまでの囲い込みというかクローズな商売はいかがなものかと思う。iOSのようにMacでもフリーソフトなどが使えなくなってしまう(AppStoreの審査が必須になってしまう)ような方向なのだろうか...。

2011年07月10日

●発電方法の謎

福島の原発事故を受けて,普段意識しなかった電力事情について,一般の方もずいぶん詳しくなったのではないだろうか。

莫大な核エネルギーを解放する原子力が実は,お湯を沸かしていただけだったと,はじめて知った方もいたかもしれない。

原子力発電や火力発電は,核分裂反応や燃焼で発生した熱でお湯を沸かし,発生した水蒸気でタービンという風ぐるまのおばけみたいなものを回す。そしてその回転エネルギーで発電機を回して電気を起こす。この水蒸気を使った発電方法のことを,汽力発電と呼んでいる。お湯が沸かせさえすれば,元の熱源は何でも良い。地熱発電というのは地下のマグマの熱でお湯を沸かすわけだ。

火力発電の仲間に,燃料の燃焼ガスで直接タービンを回すガスタービン発電や,燃焼のエネルギーで回るエンジン(ディーゼルエンジン,ガソリンエンジン)で発電機を回す方法もある。

水力発電や風力発電は,水の落ちるエネルギーや風のエネルギーで直接タービンを回して,そこから先は汽力発電と同じく発電機で電気を起こす。

ここまでの方法はとにかく発電機を回して,機械的なエネルギーを電気に変える方法。ところで発電機というのはどんなものかイメージできるだろうか?

一番身近な発電機としては自転車のライトを点けるダイナモというのがあるのだが,最近の自転車には付いていないものもある(車軸に内蔵されてしまっている)。あとは震災後に注目されている,手回し式の懐中電灯やラジオ,あれも発電機だ。磁石が作る磁界の中を,電線を横切らせる(あるいは,電線のそばで磁石を動かす)と,電線に電流が流れるという,電磁誘導の法則を利用している。

では発電機を回すとか面倒なことをせずに,もっと直接的に電気を発生させることはできないのか。

ひとつは最近風力発電と共に注目されている太陽電池。これは光を当てると電気を発生させる半導体を使っている。

それから化学反応で電気を生み出す電池の仲間。これは一次電池,二次電池,燃料電池などたくさん種類がある。共通するのは化学反応を利用しているということ。電気というのは電子の流れなので,化学反応によって物質から電子(e-)を取り出すことができれば,電池になる。

化学反応の仲間になるが,生物も電気を発生させている。神経の信号の伝達はそもそも電気を使っているし,巧妙に電気をためて放電するデンキウナギなどもいる。

他には摩擦で静電気を発生させる(雷)だとか,熱を直接電気に変えるゼーベック効果(熱電対),圧力を加えると電気が起きる圧電効果(100円ライター)あたりでだいたい網羅できただろうか。あ,磁場とプラズマを使うMHD発電というのもあった。

皮肉なことに,熱>水蒸気>タービン>発電機と,いろいろな段階を経由して効率が悪そうに思える汽力発電が,もっとも大規模に,そして安定的に電気を起こすことができる。