かんなさんのギターFS720S用のピックアップをどうするかという話は,なかなか結論が出ないまま,秋の発表会が近づいてきた。
かんなさん曰く,「もうよくわからなくなってきたので,同じの(FISHMANのNEO-D Hum)で良い」とおっしゃっている。
まあNEO-D Humはお買い得だし音も悪くない。確かに発表会で音を出すなら同じのを2個買えばそれで充分だろう。
しかし,せっかく1万出してピックアップを買うのなら,後学のために違う種類のものを買って音の違いを試してみたいではないか。
そこでかんなさんにはNEO-D Humを使ってもらうことにして,自分のFG730S用のピックアップを改めて私が選ぶことにした。予算は1万円である。
はっきり言ってこの予算だとほとんど選択肢はない(特に大手メーカー品を買う場合)のだが,L.R.BaggsのiBEAMというピエゾピックアップのパッシブタイプなら,サウンドハウス価格で1.18万円とギリギリ許容範囲。
前置きが長くなったが,iBEAMを取付けるためには,エンドピン穴を広げてシールド用の端子(メス)を内蔵する加工が必要である。この木工工作用の工具を揃えたらそれこそ予算オーバーなので,ギター教室の先生に工具を借りた。
必要な工具は,プライヤ,リーマ(Φ12mmまでのもの),ハンドドリル(刃は最低12mmのもの1本。細い刃もあると楽),当て布,掃除機。
サウンドハウスで買うと安いのだが,直輸入品のためマニュアルが英語となる。そこで取付けにはピックアップの取付け < LR Baggs iBeam Active編 >を参考にさせて頂いた。パッシブの場合は電池とボリュームの取付けが不要なだけで,あとは同じである。
以降はYAMAHA FG730S特有の事情について中心に書いておこう。FG720S,FS720Sも同じだと思う。
元々付いているエンドピンの取り外し。当て布を使ってボディに傷が付かないように注意しながら,プライヤで引っこ抜く。接着剤で固定してあるので相当力を入れないと抜けないので注意。少し回しながら力を入れると外れやすい。(ネジになっているわけではない)
ちなみに作業前に弦をゆるめて,このように止めておこう。別に古い弦を切ってピックアップ取り付け後に新しい弦を張り直してもいいわけだが,ピックアップ取付け前後の生音の変化を比べるなら,同じ弦の方がいいだろう。(今回はまだ新しい弦だったのでケチっただけ)
FG730Sの元のエンドピン穴はΦ8mm。これをリーマとドリルで12mmまで広げる。木工工作に自信がない場合は素直にお店に頼もう。特に高いギターの場合はサイドも単板で割れやすかったりするので注意。FG730Sはサイド合板だし,最悪壊しても3万円なので自己責任でやった。
穴開けが終わったら,付属の専用ジグを使って位置合わせをして,両面テープでピックアップを接着。FG730Sはサドルの真下にちゃんとスペースがあるので,マニュアル通りの取付けでOK。
広げた穴にエンドピンジャックを挿して,表側からナットで締め付け,下の写真のようになる。このあとカバーを付ければ完成。サウンドホールから手を入れてエンドピンジャックを挿すわけだが,小柄な私でも狭くて苦労した。腕が太い(or長い)方は大変かもしれない。
長くなったので音についてはまた次回。