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2011年08月27日

●電子ブック読了 吾輩は猫である

「吾輩は猫である」(夏目漱石)の青空文庫版を読了。

リーダーのi文庫はiPod touchを買ってすぐに入れてあったのだが,普段はSFの文庫本を持ち歩いているし,気が向いたときに少しずつ読む程度だったので時間がかかってしまった。

SFじゃない古典作品なんてほとんど読んだことがなかったけれど,どうなんだろう。猫の視点,というのは面白いかもしれないけれど,ストーリーは淡々とした日常描写で,特に盛り上がりとかオチもなくて,文学作品というのはそういう中に何か(風刺とか?)を見いだしておもしろがるような読み方をしないといけないのかな。

とにかく青空文庫はすごい数があって,タイトルを眺めているだけでも圧倒されるけれど,使える時間は有限なのでなかなか思うようには読めない。

吾輩はこれで読心術を心得ている。いつ心得たなんて、そんな余計な事は聞かんでもいい。ともかくも心得ている。人間の膝の上へ乗って眠っているうちに、吾輩は吾輩の柔かな毛衣(けごろも)をそっと人間の腹にこすり付ける。すると一道の電気が起って彼の腹の中のいきさつが手にとるように吾輩の心眼に映ずる。

i文庫

2011年08月24日

●SF本読了 あなたのための物語

「あなたのための物語」(長谷敏司)読了。

この人の本は初読。なんというか,読んでるだけで体調が悪くなるような生々しい感じ。ちょうどラストを読んでいるときに本当に体調を崩してしまった。

このテーマでよく描ききったなと感心するけれど,個人的には何度も書いているようにSFはハッピーエンドが好きなので,ちょっとキツかった。


2011年08月11日

●夏休みの買物 クローズアップレンズ

カメラ関係の買物はマウントアダプターだとかおもちゃ二眼レフだとか,安物ばかり続いている。高い器材を使ってみたいという欲求も昔はあったけれど,安物の器材でフォトコンを受賞したりして,結局は被写体と腕だなと悟ってからはほとんどカメラに物欲を刺激されることもなくなった。

それでもマクロレンズは気になっていた。接写ばかりは腕でカバーというわけにもいかず,どうしても器材が必要となる。

しかしマクロレンズは高い。というか交換レンズは全般的に高い。なんとか一眼レフカメラは買ったものの,レンズが買えずにキットレンズだけで頑張っている方も多いのではないだろうか。

幸い私は独身時代に無理して買ったEF50mmf1.4USMという資産があるので単焦点も楽しむことができるが,このレンズは最短撮影距離45cmで最大撮影倍率は0.15倍と全然寄れない。

そこで気軽に接写が楽しめるクローズアップレンズはどうだろうと考えた。実はクローズアップレンズを着けたときの撮影倍率だとか詳しいことはよく知らなかった。それでもまあ,値段が安いので勉強も兼ねて買ってみることにした。

買ったのはキヤノンのClose-up Lens 250Dというもので,径は58mm。偶然だがEOS Kiss X2のキットレンズEF-S 18-55mmも,EF50mmf1.4もフィルタ径は58mmなのでどちらにも着けることができる。

まず,クローズアップレンズ250Dを装着した状態だと,被写体からレンズの距離がだいたい250mm以上離れるとピントが合わなくなる。つまり無限遠にしたときにピントが合うのが250mmということで,もちろんこれを着けたまま常用はできない。接写するとき専用ということ。

とりあえずベランダのフウセンカズラの花(直径5mmくらい)で試し撮りしてみたものを載せておく。撮影倍率などの用語については以前書いた記事を参照頂きたい。写真はすべてFlickrへのリンクで,リンク先でオリジナルサイズで見ることができる。

【EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS クローズアップレンズなし】
デジタルEOS専用のEF-Sレンズは,単体でもかなり接写性能が高く,25cm程度まで寄れる。最大撮影倍率は55mm端で0.34倍。
フウセンカズラ

【EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS クローズアップレンズ 250D装着】
クローズアップレンズを装着すると,10cmくらいまで寄れるようになって,撮影倍率は0.45倍。元々が0.34倍なので,それほど劇的な効果ではないように感じられる。
フウセンカズラ

【EF50mm F1.4 USM クローズアップレンズなし】
この単焦点レンズは最短撮影距離45cmで,最大撮影倍率は0.15倍なのでほとんど接写が効かない。
フウセンカズラ

【EF50mm F1.4 USM クローズアップレンズ 250D装着 f=4.5】
これにクローズアップレンズを着けるとけっこう接写が効くようになって,最大撮影倍率は0.35倍まで。
フウセンカズラ

クローズアップレンズを使うと,被写界深度がかなり浅くなるので,ピント合わせは結構難しい。AFは一応使えるが,取説にはピントは固定してカメラを前後させて合わせろと書いてある。参考までに,絞りを変えたときの写りもご紹介。f=1.4開放だとソフトフォーカスレンズみたいな描写になる。

【f=1.4開放】
フウセンカズラ

【f=2.8】
フウセンカズラ

【f=8】
フウセンカズラ

という具合で,感想としては値段の割になかなか使えて面白いというところ。最近そういう人は少ないだろうけれど,最短撮影距離の長いEFレンズしか持っていない場合には,簡易マクロとして充分使えるのではないだろうか。これ以上の例えば等倍まで欲しいという場合は,マクロレンズを買うしかない。

盆栽の苔


2011年08月10日

●夏休みの工作 RGガンダムを作る

昨年(2010年)はガンプラ30周年だったそうで,それを記念して登場したRG(リアルグレード)というガンプラはそれまでの技術の集大成ということで気になっていた。

私が最後にガンプラを作ったのはたぶん小学校6年から中学に入った頃だったと思う。かなり記憶が怪しいが,ダブルゼータか何かだったかな。そもそもその頃はラジコンの方に夢中だったので,ガンプラはそんなに興味がなかった。その後高校に入る頃までは戦車とかお城とか,あれこれ手を出したが続かなかった。

当時のプラモデルは自分で塗装するのが前提で,組み立てただけではあまり見栄えがしなかったように思う。そしてお小遣いの少ない中学生くらいでは塗装のための器材を揃えるのも難しく,なけなしのお小遣いをはたいて買ったタミヤカラー10色くらいを無理やり使い回して筆で塗るものだから,当然ひどい仕上がりだった。

思い出話はこれくらいにして,RGを作ろう。接着剤が要らないというのは何かで読んで知っていた。そして細かく色分けされたパーツと細かいデカールにより,塗装なしでも高い完成度というのが売りらしい。ガンプラ作りのために新しく買った道具は,プラスチック用のニッパーとデザインナイフ。これだけでプラモ本体より高くついたが,電工用のニッパーやハサミではかなり厳しいと感じた。

RGを作っていて一番不思議だったのが,アドバンスドMSジョイントという技術。ランナーに成形された段階で可動部分が作り込まれており,切り離しただけでモビルスーツの骨組みが完成する。一体成形のランナーでどうしたらこんなことが可能なのだろう...。確かにこの30年でガンプラは素晴らしい進化を遂げていた。

組み立て途中の写真は撮らなかったが,詳しい解説はいくらでも丁寧なサイトがあると思うのでばっさり省く。私がガンダムを,かんなさんがシャア専用ザクを作った。所要時間は二人ともほぼ同じで,組み立てに2日,シール貼りに1日。猫たちに邪魔されないよう,かんなさんの実家にこもって作業した。組み立てている間は無心になれるし,夏休みのレジャーにはちょうど良かった。

パーツは細かいけれど,組み立て自体はゆっくり丁寧にやれば特に難しいところはなかったと思う。ガンプラ作りが初めてのかんなさんも全く問題なく作ることができた。ただ,リアリスティックデカールが難関。かなり薄いシールではあるが,やはり凹凸のある部分に貼ると浮いてしまう。キット自体の完成度の高さを考えると,デカールにももう一段の進化を期待したいところ。

ポージングと写真撮影がなかなか難しいところで,以前自作した簡易撮影ブースを引っ張りだした。プラモを撮るならもっと工夫したいところだけれど,これ以上深入りするつもりもないのであっさりと。

ガンプラ

これは失敗写真の例。ブースの外側が写ってしまった。この距離だとかなり絞ってもビームライフルから顔までピントを合わせるのは難しい。

ガンプラ

そういえば盆栽にフィギュアを置いて楽しむ,マン盆栽というのがあるらしいので,うちの盆栽にはガンプラを置いてみた。ガンダム盆栽。

ガンプラ盆栽

ガンプラ盆栽

ガンプラ30周年は満喫したということで,次回はガンプラ40周年か50周年時にまたサンプリングしたいと思う。そして老眼鏡をかけて組み立てるのだ。