さて,先日買ってきたダークレス。夏休みのレジャーにと思っていたが,やはり気になってしまい,夏休み前に実験してみることになった。
まずはWebで情報を集めて,ダークレスキット以外に必要なものを100円均一で揃える。
写真を見てもらえればわかる通り,たいしたものは買っていない。キッチンタイマー(2個あると便利)とかフィルムクリップ代わりの普通のクリップ(おもりのマグネット付き)とか温度計(現像液の温度を調節する),ガーゼ(水洗い後のフィルムを拭く)など,一般のご家庭ならわざわざ買わなくても揃っているものばかりだ。本当はフィルムクリップくらいは専用品を買おうと思っていたのだが,近所のキタムラには置いていなかった。フィルムクリップはおろか,自家現像用品は何一つ置いていない。まあそういう時代である。
とりあえず1本目は失敗するかもしれないし,外は暑いしで,撮影はすべて自宅で。当然ピートの写真が多くなる。
24枚を撮り切ったところで,いよいよ現像開始。説明書を熟読し,必要なものをすべて手元に揃える。作業場はすぐに水が使える浴室。説明書には「ハンドルは3秒で10回転の速度で回す」「2分30秒切れ目なく続ける」「現像から定着に移るときはできるだけ素早く」など,緊張を煽る言葉が並んでいる。実際,他の人のページを読んでも,現像から定着に移る動作の素早さが出来上がりを決めると書いてあり,もの凄い緊張感である。ちなみに水温がちょっと高め(26℃くらい)だったので,保冷剤を使って薬剤の温度を調節した。
一旦作業をはじめたら,何があっても途中で動作を止めることは許されない。しかし現像液での高速回転中に,残り1分のところでフタが外れてしまい,もう半泣き状態である。「素早く...素早く...!」と唱えながらフタの外れたパトローネを苦労してタンクから出して,可能な限り急いで定着液での作業に移る。たぶん1分はかからなかったと思うが,自信がない。
定着作業が終わったら,30分流水で洗って,水分を拭き取って吊るして乾燥。この時点で何か写っているのがわかるので,かなり感動。乾燥後に6コマずつハサミで切って,現像作業はすべて終了。
スキャナを持っていないので,自宅で出来ることはここまで。この後現像済みのフィルムを近所のカメラ店に持ち込んで,プリントとCD書き込みをお願いした。通常,黒白フィルムの現像を頼むと外注に出すので3日ほどかかるのだが,今回のように現像済みフィルムを持ち込めば,1時間ほどでプリントとCD書き込みをやってもらえる。
結果だが,意外とちゃんと出来たという感じ。もちろん現像ムラのあるコマもあるが,レジャーとして楽しむならこの程度で充分満足である。今回は途中でフタが外れるトラブルがあったが,これに気をつければもう少しマシになるのではないか。
とにかく,生まれてはじめての自家現像は,日頃ちょっと味わえないドキドキワクワク感があって,大変楽しかった。
ASAHI Pentax SP / SuperTakumar 1:1.8/55 / NEOPAN SS