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2012年08月29日

●EX-ZR200その後(ファーストインプレッション)

初めて買ったコンパクトデジカメのカシオHi-Speed EXILIM ZR200,荷物のある移動のときに使うつもりで買ったけれど,一番撮るのはやっぱり猫だろう。

小さい撮像素子と暗いレンズでは画質に期待はできないよ,とかんなさんには説明したけれど,そうは言ってもスペック上は常用ISOは3200までになっているし,EOS Kiss X2を買ってもう4年になるので,技術の進歩でけっこう写ったりして。という密かな期待もあった。

と思って買って帰ってきてまずは薄暗い室内で猫を写す。

Delta

EX-ZR200/f4.3/ISO800

うーん,まあ自分で言ったことだけど,やっぱりこんなもんか。という感じ。ISO感度は「上げて撮ることができる」というだけで,キレイに写るという意味ではなかった。そこそこ見られる画質はISO400までかな。

EOSで使い慣れている絞り優先AEは,コンデジではあまり意味がないかもしれない。開放と全絞りの二通りしか選べないし,開放にしてもセンサーが小さいのでほとんど背景がボケない。まあ余計な機能をサクっと無効にするという使い方としてはこれで良いのかも。

ベストショット(BS)というモードで,撮りたいシーンごとに適切な設定に自動的にしてくれる機能があり,そのシーンにぴったり合ったシチュエーションならば簡単で良いかもしれない。ペットを撮るモードもあるけれど,どうかなぁ。ちょっと撮っただけだと絞り優先AEとどう違うのかよくわからない。

前々から感じているのだが,1600万画素は必要ないと思う。取説には「ポスター印刷向け」だと書いてあるが,そんな大判プリントをコンデジユーザーがするだろうか?仮にポスターに出せたとして,とても満足のいく画質にはならないだろう。無駄にファイルが大きいし。ここは思い切って600万画素程度に抑えて,低ノイズ化なり高感度化に振った方が良い結果になるのでは。まあ今更「画素数を減らして高画質化しました」とは言いづらいのはわかるけれど…。

動画とハイスピードムービーも少しずつ試しているところ。屋内では光量不足がかなり厳しく,120fpsくらいが限度かな。でも面白い。デルタがピョンピョンジャンプしていた子猫の頃にこれがあったら面白かったと思う。蛍光灯だとフリッカが出てしまうので注意。電球型蛍光灯はインバータ点灯のような気がするけどチラツキが映る。

で,一番困っているのは画質ではなくてパソコン(Mac)へのデータ取り込み。元々EOS用のユーティリティを使っていて,これはそのままZR200のSDカードを挿したときにも動作するのだが,動画ファイルは無視される。カシオのユーティリティソフトはWindows用しか提供されないようだ。なので動画はFinderでフォルダを開いて手動でコピーしている。

かんなさんの方はWindows7で,ValueStarに付属してきた写真ユーティリティを使ってみたところ,取り込みの途中でフリーズしてしまった。PCメーカーの純正アプリがOSを巻き込んで固まるのはマズいだろう。

とまあ,ちょっと不満の多い記事になってしまったけれど,売りである「サクサク感」は評判通りと思うし,今後クセを理解してしまえば便利に使えるだろう。

Delta

EX-ZR200/f4.3/ISO640

2012年08月26日

●週末見た景色 ハムフェア2012

アマチュア無線の国内最大のイベントがアマチュア無線フェスティバル(ハムフェア)。もちろんそんなイベントをやっていることすら昨年までは知らなかった。

炎天下にビッグサイトに出掛けて行くことに不安もあったけれど,まあ一回くらい様子を見に行くか,ということで。

以前仕事で行ったときは東京までJRで行ってゆりかもめを使ったのだが,今回はディズニーランド行きの高速バスを使って,舞浜から京葉線で新木場,そこからりんかい線で国際展示場というルートにした。舞浜からの所要時間は15分ほどで確かに楽。ただしディズニーランドの入口まで行って素通りし,人波に逆流して駅に向かうというのが(精神的に)かなり苦行。

入場者は想像よりは多かった。斜陽の趣味と言われているが,さすがに全国から集めればまだまだ人がいる。展示はメーカーの無線機の他に秋葉原の無線ショップの出前や,クラブの展示・ジャンク市など。子供向けに工作教室や体験コーナーなども頑張っていたけれど,今後若い人が興味をもってくれるかどうか...。

買い物は特にせず,印刷したQSLカードを転送コーナーに持って行ったくらい。ベテランの方は普段交信している人とこの場でアイボール(直接会うこと)することを楽しみにしているようだが,自分たちはビギナーなのでそういうのもあまりない。ツイッターで参考にさせて頂いているJP1QYO局にEBして頂いたくらい。

ジャンクにも今のところ特に興味がないので,そうするとたいていのものは通販で手に入るし,交通費をかけて毎年足を運ぶほどでもないかなぁ,というのが感想。

Hamfair2012 JapanHamfair2012 JapanHamfair2012 JapanHamfair2012 Japan

2012年08月22日

●SF本読了 拡張幻想

「拡張幻想 ー年刊日本SF傑作選ー」(大森望・日下三蔵 編)読了。

アンソロジーにはちょっと食傷気味で,NOVAの方は買うのをやめてしまったけれど,こちらは一応「年間傑作選」を謳っているので買い続けている。

「今まで知らなかった好みの作家の発見」については今回も特になかったけれど,個別に好みの作品はけっこう多かった。特に「5400万キロメートル彼方のツグミ」は非常にクサいネタではあるが,不覚にも落涙。歳のせいか涙もろくなっている。他にも「巨星」,「美亜羽へ贈る拳銃」,「黒い方程式」,「超動く家にて」,「結婚前夜」,「絵里」なども良かった。既読だが「ふるさとは時遠く」も好き。「〈すべての夢|果てる地で〉」もこれがデビュー作ということで凄いと思った。

【収録作品】
小川一水「宇宙でいちばん丈夫な糸 ――The Ladies who have amazing skills at 2030.」
庄司 卓「5400万キロメートル彼方のツグミ」
恩田 陸「交信」
堀 晃「巨星」
瀬名秀明「新生」
とり・みき「Mighty TOPIO」
川上弘美「神様 2011」
神林長平「いま集合的無意識を、」
伴名 練「美亜羽へ贈る拳銃」
石持浅海「黒い方程式」
宮内悠介「超動く家にて」
黒葉雅人「イン・ザ・ジェリーボール」
木々津克久「フランケン・ふらん ―OCTOPUS―」
三雲岳斗「結婚前夜」
大西科学「ふるさとは時遠く」
新井素子「絵里」
円城 塔「良い夜を持っている」
理山貞二「〈すべての夢|果てる地で〉」(第3回創元SF短編賞受賞作)


2012年08月19日

●夏休みの買い物(コンパクトデジカメ)

アマチュア無線を始めてから,出掛けるときの荷物が増えてしまって,小型軽量のEOS Kiss X2ですら持ち歩くことが厳しくなった。

しかし移動先で写真を撮りたい場合もあり,携帯電話(S002)のカメラではさすがに厳しいこともあって,コンパクトデジカメが必要かな,と思うようになった。

コンパクトカメラというのはフィルム時代から含めてもこれまで買ったことがない。リコーのGR1を買う一歩手前までいったことはあるが,そのときは冷静に考えて使う場面が思いつかなかったので見送った。

ということでコンパクトデジカメを選ぶにあたって真っ先に思い浮かんだのはデジタル版GRのGR Digitalであるが,値段を見て断念した。一眼レフからの買い替えならともかく,サブ機にこの値段は出せない。

予算はせいぜい2万円というところ。この値段では大型撮像素子も明るいレンズも選べないので,画質よりも機能が面白いものを選びたい。どっちにしろ画質優先のときはEOSを使うことになる。

EOS選びのときにも書いたことだが,デジカメに望むのは「フィルムカメラでは不可能な撮影」だ。それは超高感度であったり,超高速連写ということになる。超高感度は一眼レフデジカメの高級機でないと実用にならないが,高速連写ならカシオの機種でできるものがあった気がする。

ということで候補に挙げたのが,Hi-Speed EXILIMシリーズ。秒間30コマの高速連写,最高1000fpsのハイスピードムービーなど,面白そうな機能がある。起動時間やシャッターラグが短いのも良い。元々光学系ではカメラメーカーと勝負にならないので,機能的に尖ったモデルで訴求する作戦なのだろう。

予算的にはZR15,ZR20,ZR200あたり。水戸のビックカメラでカタログをもらい,カフェでお茶を飲みながらじっくり選ぶ。夏休みのレジャーとしても良い感じ。

ZR20は新しいモデルで,HSナイトショットはすごいと思ったが,連写した画像を重ね合わせる擬似超高感度であって,例えば暗い部屋で動いている猫を撮る,というようなシーンには使えない。それならばマニュアルモードダイアルの付いているZR200の方がいいかな,ということで決定。

使い勝手や画質についてはまた後日。

Delta


2012年08月14日

●アマチュア無線その後(フィールドデーコンテスト)

アマチュア無線のコンテストにも様々な種類がある。日本のJARLが主催するもの,各地のローカルコンテスト,海外のコンテストなど。

JARLが主催する国内コンテストはちょっとしたお祭りのような感じで,別にどこかに集まってイベントをするわけではないのだが,各地の無線局長は作戦を練り機材の準備をして,当日は電波が普段よりも何倍も(何百倍も?)多く頭上を飛び交っている。もちろんアマチュア無線の免許を取るまではそんなことが行われているなんてちっとも知らなかった。

フィールドデーコンテスト(規約)は,移動運用を奨励するコンテストで,元々はアメリカなどで行われているものをJARLがマネしたのかな。

移動運用の場合は法律上50Wまでの無線機しか使えないし,アンテナもその場で設営できる簡易なタイプに制限されるため,固定局とは違ったノウハウが必要となる。

私は自宅では(アパマンハムなので)HFのアンテナが張れないため,コンテストに参加するときはどっちにしろ移動運用となる。

今回は先日作った7MHzのフルサイズダイポールアンテナを使って参加。前回の6m and downコンテストのときの反省を生かして,コンテストログの記録用のパソコンと,コンテストナンバーを聞き漏らしたとき用のICレコーダも用意した。

もちろん電信部門なのだが,まだCQを出せるスキルがないため,CQを出している局に応答する「呼びまわり」に徹する。自分でCQを出すためには,呼んできた局のコールサインをできれば一発で聞き取り,すぐにパドルで打ち返すとともに,コンテストナンバーも一発で聞き取らなければいけない。どうかすると複数の局から同時に呼ばれることもある。

呼びまわりの場合は何度か書いているように,事前に相手のコールサインとコンテストナンバーを控えておけるので,相手に取ってさえもらえれば交信成立する。その代わり,CQを出すのに比べれば局数は稼げない。

土曜日の21:00から,翌日曜日の15:00がコンテストの時間となるが,1日目の夜は電波の飛びを確認するために10局ほどやって寝る。

2日目は朝5時に起きて再開。7時前まではパイルアップもほどんどなく,CQを出している局にはほぼ一発でコピーしてもらえた。その後だいぶ混み合ってきたが,順調に局数を伸ばして,10時には50局に達した。まあこのくらいできれば充分でしょう,これ以上やってもQSLカードの印刷が大変だし,ということでCWは終了。

かんなさんは今回,CWではなくて電話(SSB)の新人部門(ニューカマー)にエントリーするため,2日目の13時から1時間ほどだけ呼びまわり,10局交信。

7MHzのコンディションとしては,常にS8くらいのノイズが乗っていて,これがいつものことなのかどうかはわからない。それでも北海道から和歌山,日本海側は秋田,新潟,富山なども交信できた。不思議と東京とは交信できず。九州ともつながらなかった(画像の赤字が交信できた都道府県)。こちらの無線機は毎度のFT-817(300Hz CWフィルタつき)の5W。当局移動地は茨城県日立市(JCC1402)。

Freq.  Point Multi
------------------------
7MHz   51   27
------------------------
Total   51   27
Score  51x27x2 = 2,754

fd-multi

コンテストログはMacOSX上でWinXPをVirtualboxで動かして,その上でCTESTWINで入力。JARLへのログ提出も,CTESTWINから電子ログを出力してメールで提出した。その後CSVでデータを書き出して,HAMLOGに結合している。

今回のフィールドデーで,これまで国内で交信できていなかった9エリアとも交信できたので,QSLカードを頂くことができれば,AJDのアワードを申請できるはず。

2012年08月01日

●アマチュア無線その後(7MHzフルサイズダイポールアンテナを作る)

6m(50MHz)のコンディションが良い時期はそろそろ終わりらしく,自宅のベランダに仮設している3バンドのGPアンテナ(VX1000)では,ローカルさん以外の交信はさっぱり聞こえなくなってきた。

そうなるとアパマンハムとしては移動運用しかない。移動用のアンテナとしては,ALL JAコンテストのときに買ったブロードバンドアンテナ(BB6W)と,車用のモービルホイップアンテナ(RHM5)がある。

RHM5は海岸などでたまに使っている感じとしては,そこそこ強く受信できている局にはこちらからも届くという印象。一方BB6Wの方は,受信はそこそこできるものの,こちらからの電波はなかなか拾ってもらえない場合が多いような気がする。ちなみに交信実績はRHM5が17局,BB6Wが12局。

もちろんロケーションや電波状態も違うので,この程度の実績で判断するのは早計だが,いずれにしても自分の中でのリファレンスとして,一番基本的なフルサイズダイポールアンテナを試してみたいという気持ちがあった。

そんなことをツィッターでつぶやいたところ,親切なローカルさんが,HF帯のバラン(Balun;平衡-不平衡変換器;ダイポールアンテナを作るのに必要な部品。買うと4000円くらいする)を貸してくださった。

早速ホームセンターで10mのビニール平行コードを買ってきて,それを裂いてダイポールアンテナの制作。両端を折り返して垂らすと聞いたので,目分量(両手を広げた長さ)で垂らして,かんなさんの実家に張ってみた。バランを中心に片側10mのエレメントを張るためにはかなり広い庭が必要で,かんなさんの実家でも敷地的にはかなり厳しく,建物と地面にかなり近いセッティングとなった。

それでもまあ,とりあえず測ってみるか,ということでこれまた借り物の通過型SWR計(無線機とアンテナの同調を調べる機械※)で測定してみた。その結果が次のような特性。

SWR of 7MHz full size dipole antenna

アンテナの実用的なSWRは1.5以下ということで,これを見ると特にエレメントを切ったりしなくても,CWで使う7.010MHz付近は充分にSWRが低い。受信している信号も強く,そのまま交信してみることにした。

もちろんコンディションの影響もあるのだろうが,CQを出している局に応答したら一発でコピーしてもらうことができた。こちらのパワーはいつも通りFT-817の5Wである。BB6Wで打っても打っても「?」が返ってきたのはいったい何だったのか,という感じ。そのまま1時間ほどで,神奈川,静岡,兵庫,福島の局と交信できた。パイルアップでなければ充分な性能ではないだろうか。

もちろん本格的な調整と評価はこれからだが,やっぱり基本は大事,ということが今回よくわかった。短いアンテナでいろんなバンドに無調整で出られて,しかも電波が良く飛ぶ,なんてうまい話はないのである。

※本当は定在波比を測る機械。参考:Wikipedia--SWR(定在波比)