茨城県の科学スポットといえばJAXAの「筑波宇宙センター」がある。そのうち行ってみたいと思っていたのだが,折よく月探査衛星「かぐや」の熱構造モデルの展示が始まったというニュースを聞いて,ちょうど良いタイミングだと思って訪れてみた。
見学は無料で,事前予約すれば1時間15分程度の見学ツアーに参加できる。ちょうど「かぐや」の展示のニュースがあったばかりなので,もしかしたら見学ツアーはいっぱいかな,と前日にダメ元で電話してみたら余裕で空きがあった。まあ,日本の宇宙開発への一般の興味はこんなものである。
正門を入るといきなりH-IIロケットがお出迎え。なかなかの迫力だが,目に見える部分はほとんど燃料タンクなので,のっぺりとした印象。
ツアー見学の最初は一般見学でも入ることのできる展示室。ここにかぐやの熱構造モデルがある。かぐやの重さは3トン。思っていたよりも大きい。かぐや(セレーネ)には「月に願いを!」というキャンペーンで,Webmasterのメッセージも乗っているはずだが,どの辺に付けてあるのか確認してくるのを忘れていた。
次に一般見学では入れない「宇宙ステーション試験棟」。ISSの日本モジュール「きぼう」の組み立て・試験を行う場所。クリーンルームなので窓越しの見学。船内実験室と船内保管室,船外実験プラットフォームのフライトモデル(実際に宇宙に持っていってISSにくっつけるモノ)は既にNASAに運んだ後で,残っているのは試験用のエンジニアリングモデル。船外パレットだけはフライトモデルだと説明された。室内には人がいなかったが,もうここでの仕事は一段落したということだろうか。
最後に「ロケット音響体験」。射場から3km地点での音をスピーカで再現するという趣向だが,そんなにびっくりするような音ではなかった。ツアーはこの音響体験の他に係員の判断で「宇宙飛行士養成棟」「無重量環境試験棟」の見学になる場合もあるとのことで,そっちの方が良かったなぁ。
ツアーが終わってから売店でお土産の「スペースクッキー」と「ロケットせんべい」を買って,もう一度ゆっくり展示室を見学。
歴代ロケットの模型はペンシルロケットからH-IIBまで。
お好きな人にはたまらないロケットエンジンLE-7のメカ。
そして「きぼう」の船内実験室の中で無重量体験中(ウソ)のソウヘイ。
無料の割にはなかなか楽しめる見学内容となっていると思う。ただ,来ているのは老人と乳児連れの親ばかりで,肝心の小学生とか中学生が皆無だったのがなんとも寂しい限り。さすがにベビーカーの子供にロケット見せたってわけわかんないだろうし,子供の理科離れをここでも感じた。
【参考リンク】JAXA 宇宙航空研究開発機構|筑波宇宙センター