●BOSEアクティブサスペンション
BOSEのアクティブサスペンション。従来のようなバネとダンパーによる受動的(パッシブ)なサスペンションではなく,「車体を水平に保つ」という目的関数で各車輪のサスペンションを能動的(アクティブ)に制御するという考え方。
動画を見るとカーブやスラロームでも遠心力によるロールが発生しないし,デコボコ道や段差越えでも各車輪が完全に独立して動き,車体を水平に維持していることがよくわかる。
この動画を見ていてちょっと考えてしまった。このようなアクティブサスペンションは「路面の不整を吸収し乗り心地を改善するとともに,タイヤの接地性を高め走行性能を向上する」という意味では理想的だが,おそらく車好きあるいは運転好きな人には納得がいかないのではないだろうか。
運転好きな人は言う「路面状況が手に取るようにわかる良い足回り」と。確かにアクティブサスの思想は「路面状況をドライバーに極力伝えない」ことであるので,これは相反するものだ。
しかし,運転好きな人だっていくら路面とのダイレクト感が良いといってもまさかリジット(サスペンションなし)が最高だとは言うまい。おそらく「初動が滑らかで縮み方向には突っ張らず,ダラダラ伸びずにピタっと振動が収まる」ようなサスが良いと言うのではないか?で,この理想的な動きを求めた結果がアクティブサスだとしたら,どこで「車好きの理想」と「BOSEの理想」はズレてしまったのか?
Webmasterにはよくわからないけれど,「まるで船みたいな乗り心地」のパジェロに乗っていた身としては,次に乗るとしたらアクティブサスではなくてダイレクト感が適度に味わえるような楽しい車がいいな,と思っている。
もちろん,パッセンジャーカーとしてはアクティブサスのような乗り心地が最高であることは間違いない。
ちなみに今乗っているキューブは元々シャコタンな上にサスがヘタっていてちょっと過剰なダイレクト感が味わえる。
【参考リンク】BOSEサスペンションシステム