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●SF本読了 ソラリスの陽のもとに
ブックリスト更新。「ソラリスの陽のもとに」(S.レム)読了。帯には日本SF作家クラブ員が選んだ 海外SFオールタイムベスト第3位
とある。コンタクトものではあるが,(人類が望む形での)コンタクトが成立しないという点が珍しい類型かもしれない。というかこの作品がそういうパターンの始祖ということで高い評価がされているのだろうか。
古典SFを読む場合,未来科学・技術の予言(予測)としてどうかという楽しみ方がある。この作品の場合は建物は素粒子の消滅エネルギーによって作動する重力調節機を使って,海面から五百メートルの中空に浮かんでいた
という描写があることから,対消滅機関が実用化されている一方,コンピュータを使うためには電源を入れてから真空管が温まるまで待たなければいけないという具合だ。
哲学的なお話が好きな方にはオススメの作品だが,近い年代の作品なら「都市と星」(A.C.クラーク;1956年)を推したいWebmasterである。
●オール電化の宣伝文句に疑問
仕事で都市ガス(13A)の発熱量やらCO2排出量原単位を調べていた。この程度の情報ならGoogleで一発で答えがわかる。便利な時代だ。検索結果で「失敗しない住まいの設備選び」というオール電化のメリットを紹介した大手メーカーのサイトが出てきた。確かに下の方に都市ガスのCO2排出量原単位が載っている。
しかし,よく見ると何かおかしい。
エネルギー | 排出原単位 | 出典 |
---|---|---|
電気 | 0.436 (kg-CO2/kWh) |
「電気事業における 環境行動計画」 2003年度実績より |
都市ガス (13A) |
2.28 (kg-CO2/m3) |
東京ガス 「環境報告書2004」より |
この表はおそらく電気なら炭酸ガスが0.436kgしか出ないけど,都市ガスだと2.28kgも出るのか,やっぱりオール電化は環境にも優しいね!と,消費者に思わせることが狙いだろう。だが,普通に義務教育を受けた方なら一発で気付くと思うがこれは単位が違うものを比較している。電気の方はkg-CO2/kWh(つまり,1kWhの電気を使うと0.435kgの炭酸ガスが出ますよ,ということ)だが,都市ガスの方はkg-CO2/m3(つまり,1立方メートルの都市ガスを燃やすと2.28kgの炭酸ガスが出ますよ,ということ)になっている。
これだけでもこのサイトに問題があることがわかるが,さらにマズいことに単位を揃えると関係が逆転してしまうのだ。
単位を揃える計算はこうだ。まず都市ガスを1m3燃やすと46.04655MJの熱が出る(出典)。1MJ=0.277778kWhなので,46.04655×0.277778=12.7907kWh の熱が出るということだ。従って1kWhあたりのCO2排出量は,2.28 ÷ 12.7907 = 0.178 kg-CO2/kWh になる。同じ単位で比較すると,電気は約2.4倍も多く炭酸ガスを出すことになる??。
実際には電気を使うIHヒーターと,都市ガスのガスコンロでは熱が鍋に伝わる効率が違うので単純な比較は難しい。それならそう書いてくれれば納得するものを,
オール電化住宅の特徴は、二酸化炭素排出量をガス電気併用の場合よりも削減できることです。地球温暖化を防止するには、家庭からの二酸化炭素の排出量を削減する必要がありますが、オール電化住宅では必要なエネルギーを使いながら、二酸化炭素排出量を抑えるのです。太陽光発電や高効率給湯器エコキュートなどを使えば、さらに効率的に光熱暖房費をまかなうことができます。
とヘンな比較表を持ち出して断定してしまうから話がおかしくなる。Webmasterはオール電化を否定するものではないが,こういう宣伝のされ方をしてしまうと疑いの目で見てしまう。オール電化のセールスに限らないが,皆さんも宣伝文句を鵜呑みにせず,自分でもよく考えてみることをオススメしたい。
ちなみになぜこういう結果になってしまうかというと,一般家庭に来ている電気というのは,燃料(石油やウラン)を燃やしてお湯を沸かし,蒸気でタービンを回してその動力を発電機に伝えて電気を起こし,それを変電所や送電線を通じて遠路はるばる届くのである。その各過程である程度の損失が発生してしまうため,たくさんの段階を経る電気よりも,ガスをそのまま燃やして熱にする方が損失が少ない結果になる。そういう意味では天然ガスも採掘,液化,輸送の各過程でエネルギー損失とCO2排出があるわけで,比較は大変ややこしいことになる。そういうことも含めて「オール電化は環境に優しい」と書いているのかもしれないが,その書き方に問題があるのでは,というお話。どうせ一般人は難しい話をしてもわからんから,この表でも出しとけという判断があったとしたら,あまりにも消費者をバカにした態度ではないか。
●酸っぱいラーメン愛好会
すっぱいラーメンが好きだ。だがネットで酸っぱいラーメンを検索しても要領を得ない。どうも一般的なメニューではないらしい。ちなみに胡椒の効いた酸辣麺(サンラーメン)のことではない。たいてい「もやしラーメン」あるいは「もやしそば」としてメニューに載っており,とろみのあるスープで酸味が強いのが特徴である。
この酸っぱいもやしラーメンを出す店を探しているのだがなかなか巡り会うことができない。これまでに確認したのは大田区の東急多摩川線「矢口渡」駅から徒歩3分の小さい食堂「いづみ」(地図)と,日立市鮎川町6丁目の「Cook鮎川」(地図)の2軒だけである。
専業のラーメン店にも「もやしラーメン」というメニュー自体はある場合も多いが,普通の野菜あんかけ麺で酸っぱくはない。むしろ「ラーメンもやっている定食屋」のような店で出される可能性が高いと思う。周囲で「あそこのもやしラーメンは酸っぱかった」という体験があったら是非ご一報頂きたい。
というわけで酸っぱいラーメンを日常的に食べるのはけっこう難しい。代用品としては,幸楽苑の中華そば(¥390)に,備え付けのお酢を,1cmくらい量が減るまでたっぷり入れると,なかなか酸っぱくて旨い。・・・とWebmasterは思って毎回幸楽苑のお酢を大量消費している。試してもらっても構わないが,不味かったと文句は言わないように。
ご参考:すっぱいラーメン進化形
●京ぽんカメラ
●PowerBookG4にTigerを入れてみる
KinoppyがPowerBookG4をうれしそうにセットアップしているのを羨望の眼差しで見つめるWebmasterである。AirMacは買っていないので,Windowsで使っていた無線LAN環境(11b)になんとかつながればいいが,と思いながら見ていたら,初期設定で自動的にアクセスポイントを検出し,WEPキーを入力したらそのまま接続できてしまった。あまりにもあっけない。しかも,何も設定していないのにネットワークにつながっているWindows機の共有フォルダにアクセスできるではないか。今どきのMacはたいしたものである。
MacOSは10.3(Panther)が入っている。せっかく10.4(Tiger)が同梱されているのだから,Kinoppyに「入れてみては」と勧めてみたが,プログラマーとして培った経験から実績のない初物は本能的に避ける習性があるようで気が進まない様子だ。そこで頼み込んでWebmasterがTigerへのアップグレード作業をやらせてもらうことになった。久々のパソコンレジャーである。
ところが,OSのアップグレード作業もDVDを入れて何度かクリックするだけであっけなく完了してしまった。高度に洗練されたシステムに感動したが,ここまで何でも至れり尽せりだと,いざ何かトラブルが発生したときはお手上げになってしまう可能性が高いと思う。この辺の事情は昔から変わっていないように感じる。
●レンタルサーバにrubyモジュール追加
rubyのUTF-8変換ライブラリであるuconvがさくらインターネットのサーバにインストールされていなかったため,仕方なくPerlを一から勉強してCGIを書き直したというのに,つい先日uconvがインストールされたらしい...。もう少し早くしてくれればこんな苦労はしなくて済んだのに...。まあPerlを勉強するのもいい経験にはなったかな。
「さくらのレンタルサーバ」では、以下Rubyモジュールをご利用いた だけるようになりました。 ▽今回追加したRubyモジュール一覧 ・MySQL/Ruby ・Ruby-DBI ・Uconv ・Nora ・htree
●KinoppyのPowerBookG4
KinoppyのSOTECノート(A4ファイルサイズ Pentium3 1GHz)は購入から5年が経過し,これまでにHDDが読めなくなるトラブルに何度か見舞われたがその都度奇跡的に復活し,OSもあからさまに不安定なWinMeからWin2kに変えてやることでなんとか延命してきた。しかしどうやらそろそろ寿命のようだ。たいした負荷もかけていないのにハングアップ(要再起動)するケースが増えてきている。Webmasterは常々パソコンは安定性が命だと思っているので,早速買い替えである。財政難の折だが,ハングアップによる作業中データ消失の精神的苦痛を考えればやむを得ない。
新マシン選びだが,3kg超のSOTECノートを全国各地に持ち歩いて懲りたKinoppyは最低条件としてB5サイズ以下のモバイルノートを挙げた。それから,Windowsは飽きたしデザインが野暮ったいのでMacを試してみたいとのご所望である。Macといえば昔は高価で金持ち専用マシンのような印象があり,そのくせすぐに爆弾が出て再起動というイメージだったが,最近はWindows機と遜色ない値段になってきており,UNIXベースのOS.Xの採用によって安定性も飛躍的に高まっているという噂である。仕事に使うならWindows環境でないと具合が悪いケースもあるが,プライベートならMacでも問題はないし,どっちにしろWindows機も捨てるわけではないので必要に応じて使い分ければよい。
というわけで買ったのはPowerBookG4の12インチモデル。最初はiBookを買いに行ったつもりだったのだが,気付いたらPowerBookを注文していた。FIVAが2年で壊れたのに懲りて販売店独自の有料5年保証をかけ,Mac用のマウスを付けて16万円也である。確かにMacも安くなったものだ。今はMacMiniという小型筐体でWindows用のキーボードやモニタをそのまま使い回せるさらにリーズナブルな機種も出ているという。Kinoppyの状況を見ていずれWebmasterもMacに転向するかもしれない。
●ボーダフォンから「京ぽん」に乗り換え
Kinoppyに先に書かれてしまったが,携帯キャリアを乗り換えた。正確に言えば携帯ではなくPHSに乗り換えた。今まで使ってきたJ-Phone(現Vodafone)N51の電池の持ちが極端に悪くなってしまったためだ。
本当はボーダフォンで機種変更しようと思っていたのだが,ボーダフォンショップに行ってみても機種変更向けに在庫があるモデルが少なく,選択肢が狭い上にどれも高い。ボーダフォンは現在の機種の使用年数と利用金額に応じて決まるポイントで機種変更時に値引きするシステムだが,1年半ほどの使用ではたいして割引されない。バッテリーが2年持たないのに我慢して使い続けろというのか?。
良さそうだな,と思うモデルがあっても在庫は新規向けのみだったりする。ボーダフォンは契約者数の純減が止まらない理由をもう少しマジメに考えた方がいいと思う。
ウィルコムのPHSでエアーエッジフォンと呼ばれる機種はたった2モデルしかない。ただ少ないラインナップながら強烈な個性がある。片方は何世代も昔の携帯を彷彿とさせるストレートモデルだし,もう一方は熱烈信者が多い京ぽんである。PHSは携帯に押され気味ではあるが,意地を見せて通話もメールも定額のサービスを始めたことも大きい。
買ったのは通称「京ぽん」(AH-K3001V)という1年以上前に出たモデル(未だに現行モデルというところが凄いが...)。さすがにPHSなので薄くて軽量だ。最大の特徴はOpera(フルブラウザ)を搭載していてパソコン向けのサイトが閲覧できる点だろうか。パケットも定額になるプランに入れば実質ノートパソコンを持ち歩く必要はなくなるのではないか。いろいろと楽しそうだが,まだまだ機能を評価中である。
京ぽんを買ったらこの儀式をやらないと祟りがあるそうなので一応やっておく。
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+ + / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧ < わーい京ぽんだー! 京ぽんだー
br(´∀` )ワーイ ! | 何でもできるぞー
+ ヽ つ \______________
(⌒_ノ
し'ゝ ;;::⌒::
●ネコ写真の難しさ
かわいいピートの写真はKinoppyがFinePix S5000で撮影することが多い。静物ならばけっこうキレイに写るカメラだが,やはりデジカメなのでオートフォーカスとレリーズのタイムラグがあって,動いている被写体を狙い通りに写すのは難しい。それに加えてピートは動きが速い。日当たりのいい場所で寝ているときなら比較的簡単だが,遊んでいる様子を写すのは至難の技である。フレーミングしてフォーカスが決まる頃にはその場に居ないか,運良くフレームに収まってもたいてい被写体ぶれしている。せめて一眼レフカメラ並みにマニュアルフォーカスできて,1/1000秒くらいのシャッターが切れればかなりマシだと思うが,残念ながらS5000のマニュアルフォーカス機能は使い物にならないし,室内で光量も足りない(驚かせてしまうのでストロボも焚けない)。あとはもう数で勝負するしかない。銀塩でやったら破産してしまうところだが,デジカメはいくらでも撮り直しが利くので,とにかく撮りまくる。100枚も撮ればその中の2,3枚は使える写真が撮れているというわけだ。
●SF本読了:復活の日
ブックリスト更新。「復活の日」(小松左京)読了。またまた古い作品だが不覚にも電車の中で泣いてしまった。タイトルからわかる通り、希望のあるラストなので「渚にて」のような人類完全滅亡モノではないが,ほとんどそれに近い悲壮感がある。もう40年も前にこれほどわかりやすい形で警鐘が鳴らされているというのに、人類は未だに核兵器の全廃すら出来ずにいる(それどころか新たに開発している国すらある有様だ)。世界中の軍事予算を医学や宇宙進出に振り向けることができたら、人類はずっと短期間に遥かな高みに達することができるだろう。逆にそうしなければいつまで経っても一瞬で自分達の滅亡を招く危険性と共に暮らしていくことになる。何度も同じようなことを書いている気がするが、子供が悪いことをして叱る親御さんは、その子から「なぜ核兵器が必要なのか?」「大人だって殺し合いをしているじゃないか?」と問われたらなんと答えるつもりだろうか。子供にはわからない大人の世界とでも言うのか。果たしてそんな世界に子供たちは夢を抱けるのか…。それはともかく風邪に罹るのが怖くなる作品である。
●SF本購入:ソラリスの陽のもとに
ブックリスト更新。「ソラリスの陽のもとに」(S.レム)購入。これまた古い作品(原著は1961年)だが,オールタイムベストSFに必ず挙がってくる有名作なので,そのうち読まねばと思っていたもの。最近国産SFばかり読んでいたのでバランスを取る意味もある。
●はじめてのPerlでCGI
●SF本読了:'72日本SFベスト集成
ブックリスト更新。「'72日本SFベスト集成」(筒井康隆 編)読了。'71から一転して(個人的には)凡作揃い。というか71年のレベルが高すぎたのかもしれない。SFとして楽しめたのは第4回星雲賞受賞作の「結晶星団」(小松左京)くらいで,「おれに関する噂」(筒井康隆)や「門のある家」(星新一)もお話としては面白いと思うが,これらをSFと言われてしまうと違和感がある。編者の解説によればニューウェーブということらしいが,だとしたらWebmasterはニューウェーブ系SFは苦手ということになる。
●はじめてのperlと実行環境
perlでCGIを書き直す件だが,恥ずかしながら構文の勉強からやっているので,デバッグのためにもローカルに実行環境が欲しい。Windows用だとActive Perlというのがあるのでそれを入れるのも手だ。しかしである。今後積極的に使うつもりのないperlの環境をわざわざ準備するというのも癪に障る話ではないか。どうしようかと思案していたところ,以前VirtualPC2004にFedoraCore2をインストールしたのを思い出した。FedoraCore2をインストールすると,Perlの実行環境も自動的に入るので,これを使えばいいのではないか。インストールしただけで使い道のなかったFedoraCore2を活用するチャンスである。
ということで,ヒマなときにちょこちょことperlをいじっている。「rubyとそんなに変わらないだろう」とタカをくくっていたのだが,始めてみるとけっこうつまずく。まず行末の";"(セミコロン)を忘れる。そして変数の頭に"$"記号が必須なのでプログラムがドルだらけになるという美観上の問題が気に入らないし,デフォルトがグローバル変数という仕様もいかがなものか。rubyは適当に書いてもそこそこキレイなコードになるし,オブジェクト指向の実装も簡単である。perlの実績は素晴らしいと思うが,これから勉強を始めるなら間違いなくrubyをオススメしたいWebmasterである。