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2010年06月29日

●リプレースできないWindows2kマシン

Windows2000の延長サポートフェーズが今月いっぱい(2010/6/30)で切れるらしい。うちには関係ない話だと思っていたが,そういえばかんな氏の実家のマシンがWin2kだったのを思い出した。

このマシンは2004年11月に中古で買った一体型で,PenIII 866MHz,256MB,20GB,15"LCDというモノ。価格は39,800円だった。

この値段で6年使えば充分だとは思うが,簡単にはリプレースに踏み切れない事情がある。そう,使っているのはお年寄りなので,OSが変わるとせっかく覚えた操作をまた最初から教えなくてはいけなくなってしまう。

使うのはメールで送られてきた孫の写真をプリントしたり,年賀状を作って印刷したりと,まあお年寄りの使い方としては一般的なものだ。しかし例えばWindows7にしろMacにしろiPadにしろ,お年寄りがお店で機械を買ってきて,誰にも説明を聞かずにこれらの作業を行うのは実は不可能である。

これだけ技術が進んでいて,お年寄りもどんどん増えているんだから,処理速度の向上や3D化も結構だが,インターフェースを超絶簡単化するとか,コンセント引っこ抜き(お年寄りは必ずやる)でも大丈夫にするとか,そっちの方にもっとリソースを投入した方が良いのではないか?

そもそも,まだ壊れてもいない機械を買い替えるなんて発想はお年寄りにはないのである。「延長サポートフェーズが」なんて話をお年寄りが理解できるとマイクロソフトは思っているのか?ちょっと社員を一人よこして実家のお年寄りに説明して欲しいもんだ。ついでにWindows7で年賀状を作って印刷する方法も。

2010年06月27日

●ミステリ再読 詩的私的ジャック

「詩的私的ジャック」(森博嗣) を再読。

SFの未読本が落ち着いているときに,少しずつ再読を進めている。

「F1のドライバだってさ、ちょっとくらいマシンがいうことをきかなくなっても、騙し騙し走るだろう? それがプロというものだ。別に、君のコードにけちをつけているわけじゃない。それとも、あのマシンを捨てろというのかい?」
「そうです」国枝は答える。「たとえコードを直したって、エラーが出なくなるだけで、精度の保証はまったくありません。今から、パワーPC用に移植すべきです。新しいマックなら、ワークステーションよりフロートは高速です」

昔,マックにはPowerPCっていうCPUが使われていたんだよ,なんてそろそろ言われそう。


2010年06月21日

●続々・勧誘電話撃退法ーー効率的なターゲット獲得法

会社にかかってくるしつこい勧誘電話については何度か取り上げている

今回の話は,それ系の業者の方には非常に参考になってしまうので,公開するかどうか迷ったけれど,どうせこんなことは(裏の)営業マニュアルにも書いてあるだろう。

先日,東京ビッグサイトで開かれた某展示会で説明員をやった。説明員をするのは幕張メッセに続いて2度目である。

当然,多くの来場者のうち自社技術に興味を持ってくれた方や,逆に自分の製品を売り込みたい方もいて,そういう来場者とは名刺交換することになる。もちろん99%は正当な目的を持った方なのだが,ヤツらはさりげなく紛れ込んでいるのである。

敵「(展示を見て)ほぉー,御社はこんなことをやっておられるのですか」
私「そうなんです」
敵「実は私,営業をやっておりまして,できれば名刺交換をお願いしたいのですが」
私「もちろん構いませんよ」
敵「私どものグループでは,不動産やマンション,福祉など多角的にやっておりまして...」
私「(げっ,まずい...)」
敵「なのでもし何か機会がありましたらよろしくお願いします」
私「は,はぁ...」

技術系の展示会である。不動産やマンションの営業マンがどんな用かと言えば,名刺の収集しかない。

入場は有料だが別に職種は問われないし,興味があれば学生でも専業主婦でも自由に入ることができる。そして出店しているのは1小間数十万円の費用を払ってイベントコンパニオンまで雇っている大手企業ばかり。100枚も名刺交換すれば充分元は取れるだろう。

学会などの名簿を元に電話してくるのはいかにもテレアポのバイトっぽいが,今回のように直接収集したターゲットの情報はもっと上位の営業が利用する。なんといっても直接会って名刺交換しているので,「先日はどうも」みたいな感じで電話をかけやすいし,こちらも邪険にはできない。なんといってもフルネームから役職,所属,電話番号,住所,メールアドレスまですべての個人情報を握られてしまっている。ひょっとしたら写真だって撮られているかも。

というわけで早速翌日には電話がかかってきたけれど,私はどういうわけかいつも出張中ということになっているので悪しからず。

しかし最近は特定の人を出せと電話すると,必ず不在でつないでもらえないケースが増えたためなのか,とりあえず誰でもいいので出た人に営業するという敵もいるので注意が必要だ。この場合は会社名だけわかっていれば良い。こんな感じだ。

敵「私○○社の□□と申しまして,本日は△△社さんの皆様にご挨拶させていただいております」
私「はぁ。どういったご用件でしょう?」
敵「わたくしどもは不動産投資など...」
私「そういった件は興味ありません」
敵「ですよねぇ。こういったお電話はやっぱり多いですかぁ?」

とまあ,そういう感じでとにかく世間話でもなんでも良いから話を続けさせようとするのがテレアポの常套手段だ。うっかり「そんな電話ばっかりでね」なんて相づちを打ってしまうと敵の思うツボなので,とにかく「興味ありませんのでお断りします。もう切らせていただきます」と機械的に言って切るしかない。

その後,問題の名刺交換した相手からは再度電話が来て,うっかり出てしまった。案の定という感じの話の流れで,なんとか「もう切らせていただきます」と切ったけれど,なんせ名刺を握られているので不安である。それ系の名簿屋に売られてしまう運命なのだろうか...

2010年06月20日

●ギターアンプ購入 VOX Pathfinder 15R

アコースティックギターFG730S用にピックアップを入手したのは良かったのだが,パッシブタイプなのでギター用のアンプがないと音が聴けない。

どうせ部屋で練習するときは生音だし,発表会のときは先生が用意するPAにつなげば良いので,アコギ専用のアンプをわざわざ買うのは...と思っていた。アコギ用アンプ高いし(例えばローランドのAC-33で4万くらい)。

とは言いつつもやっぱり気になるので,楽器店に偵察へ。この手のものは通販の方が断然安いけれど,実際に音を聴いてみないと判断できない。

ちょうど詳しそうな店員さんがいたのでいろいろと教えてもらう。特に「アコギ用」と書いてあるアンプでなくともアコギで使えますよ,というので売り物のエレアコをつないでいくつか試奏させてもらった。アコギ用のアンプなんて昔はなくて,ベースアンプを使っている人が多かったです,というような蘊蓄を聞きながらいろいろと教えてもらった。

で,デザインがレトロ調でアコギに合いそうなVOXのパスファインダー15Rというのが気に入った。ちょっと相談しますと言って売場を離れて通販で価格を調べたら,店頭価格は40%くらい高かったのでだいぶ迷ったけれど,親切な店員さんに敬意を表して購入することにした。今はたいていの物で店頭販売は通販よりも高いけれど,楽器関係は試奏が重要で,そういうお店がなくなってしまうと大変不便なので微力ながら協力しよう。

ギターアンプとデルタ

早速試してみた録音を公開。FG730SにピックアップNEO-D Humbuckingを付けて,パスファインダー15Rに入れ,アンプのヘッドフォン出力をPowerBookG4のLine-Inに入れて録音したもの。前半は指弾きで,後半はピックでストローク。

アンプのつまみは写真のような位置。ゲイン,トレモロ,リバーブあたりを回すと音がかなり変わる。面白いけれど,あまり音をいじるとアコギの良さがなくなってしまう感じ。プリアンプがないので,ゲインを思い切り上げてもエレキのような歪んだ音にはならない(サー,というノイズは乗る)。

VOX Pathfinder15R

あとはかんな氏のFS720S用に付けるピックアップを用意しなくてはいけない。かんな氏は,サウンドホールに仮付けするタイプは見た目がイマイチなので,アンダーサドルタイプ(ピエゾ)にしてエンドピンを加工してシールド端子化するのが良いなとおっしゃっている。発表会まではまだしばらく時間があるので,どうするか考えたい。


2010年06月18日

●SF本読了 地球最後の野良猫

「地球最後の野良猫」(J.ブレイク)読了。

タイトルを見てポチっと予約してしまった。でも猫SFとしてはイマイチかなぁ。

「夏への扉」を読んでいたので,最初に飼う猫の名前は「ピート」にしようと思ったけれど,次に別な猫を飼ったとしても名前を「フィーラ」にしようとは思わないだろうな,という程度の作品。これなら「犬は勘定に入れません」のプリンセス・アージュマンドの方が良いと思う。


2010年06月14日

●はやぶさ帰還

2003年5月に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」が満身創痍の状態にありながら,7年ぶりに地球に帰還した(本体は燃え尽きたが,カプセルは地表に届いた)。まずは関係者の方々におめでとう,お疲れさまと言いたい。

今朝のニュースで少し見ただけだが,大型ドーム映像のカットを挿入しながら紹介していた。サッカーワールドカップよりは小さい扱いだったけれど,さすがに批判しているような局はなかっただろう。

しかし5年前に自分で書いた記事を読み返したら,当時のマスコミの扱いは酷いものだったことを思い出した。今は当時よりも国民の知名度が上がったので多少マシかもしれないが,これでカプセルに何も入っていなかったら,またマスコミは鬼の首でも取ったような批判をするんじゃないかと不安だ。

現時点でも「はやぶさ」は貴重な成果を次々と上げているのだが,そういうことにはほとんど触れず,失敗ばかり過剰に報道するマスコミの姿勢にはうんざりである。理系離れうんぬんというなら,これほどワクワクするミッションをもっと応援することは出来ないものか。ーー写真ってblog(2005.11.20)

参考リンク:はやぶさ帰還時の動画(NASA)

●SF本読了 機龍警察

「機龍警察」(月村了衛)読了。

えっと,パトレイバーですよねこれ?という感想を抱いたのは私だけではあるまい。もしくはアップルシードとか。まあくどくどと類似性を述べるのは無粋だと思うのでそれ以外のことを。

なんとなく中途半端なところで終った印象がある。特に龍機兵開発の秘密とか。これはシリーズとして続くということなのだろうか。あとがきも解説もなかったのでよくわからない。何の説明もなく「特別高性能な機甲兵装が特捜部にだけ与えられました」というのではちょっと必然性がない。極端に言えば,「主人公にだけ魔法が使えるのです。その力は神様が与えてくれたもので,悪者には魔法は使えません」というのと一緒だろう。こういうお話を書く上で守らなくてはいけない大前提は,「自分(味方)の入手できるテクノロジーは相手(敵)も入手可能である」ということではないだろうか。その上で,作戦とか,個人のスキルとかで見せ場を作るわけだ。

月村さんって,なんか見たことのある名前だな,と思ったらアニメの脚本とかやっておられた方らしい。「ノワール」は独身時代に観ていた。それで上で書いたような「アニメ的展開」なのだろうか。


2010年06月11日

●PowerBookG4その後(1台目引退)

かんな氏用のPowerBookG4(12")は購入後5年になるが,1年半前に買ったEeePC1000Hが安定稼働しているということで,PowerBookG4はその役割を終えた。今後は予備機としてイザというときのバックアップに回すことにする。

MacからWindowsへのデータ移行は,USBの外付けHDDがMacでもWinでも両方使えるものだったので,それを使った。そもそも自宅でプライベートで使っている分には,大切なデータは写真と動画くらいなものなのでOSが変わってもあまり関係がない。

私のPowerBookG4(4年半経過)はまだ現役であり,購入当初の予定通り5年経過する今年の冬に更新するつもりだ。2台とも大きなトラブルはなく,ハード的に猫に壊された(ACアダプタキーボード)ことはあっても,それ以外の不調はなくて安定していた。最初にOSを10.3Phantherから10.4Tigerに上げたが,その後再インストールなどもしていない。

普通の使い方をしている分には,アプリがたまにダンマリになることはあっても,OSごと落ちることはほとんどなく,気付くと1ヶ月も再起動すらせずに使っていたりする。(普段使わないときはスリープにしている)

この安定ぶりは以前のMacからは考えられず,ずいぶん進歩したものだと思う。

ピート

2010年06月08日

●VWポロその後(半年経過)

試乗車落ちのポロ(9NBUD)が納車されてそろそろ6ヶ月になる。走行距離は8,600km。

新型ポロは本命の1.2L版が投入されて,これから本格的に街でも見かけるようになるかもしれない。シャープなデザインはゴルフと似ているが人気車になれるだろうか。

新型1.2L版はカタログ燃費20.0km/L,対して9NBUDは同13.2km/Lである。実力は街乗りで8〜10km/L,高速で15km/L程度(ハイオク給油)なのでやはり悪い。新型になって数値的には国産車と同等になりそうだが,ハイオク指定ということを考えるとまだまだか。

大雨が降ったあとに見てみたら,右リアのランプハウスに水がたまっている。水深2センチというところ。配線がショートしたりボウフラが湧いたりしたらイヤなので,ディーラーに持っていった。原因は防水のパッキンがずれていたとかそんな感じ。まあこの程度のトラブルでいちいち驚いていては輸入車には乗れないのだろう。

純正カーナビはタッチパネルなのだが,操作性がイマイチ。地図をスクロールして見たいという場合に,思ったようにスクロールせずにイライラする。googleマップのような操作系にしてくれたら使いやすいのに。

これから暑くなってくるとエアコンがちゃんと冷えるかどうか,というのも心配である。特に黒い車だし。

乗り心地や操縦性は快適で,これがどの程度持続するのか,興味深い。

ストップくん

参考リンク:VWポロ関係の記事一覧

2010年06月07日

●ミステリ再読 笑わない数学者

「笑わない数学者」(森博嗣)を再読。

シリーズを通して読んでからまた再読すると,いろいろと伏線があって楽しい。


2010年06月06日

●アコースティックギターFG730Sその後(簡単エレアコ化)

春の発表会のときに,アコギ弾き語りを人前でやる場合のPAの大切さを痛感した。

アコースティックギターの音をアンプ(スピーカー)から出すためには音を電気信号に変えるピックアップが必要で,エレアコ(エレクトリック アコースティックギター)の場合は最初からピックアップを内蔵している。FG730Sは普通のアコースティックギターなので,ピックアップを後付けしなくてはいけない。

ピックアップも奥が深い世界で,本格的なものだとFG730S本体よりも高い。しかし自分たちの使い方としては,普段の練習ではアンプは必要なくて,発表会とか人前で演奏するときだけアンプに出せれば良い。

なのでエンドピンをシールド接続用の端子に変えてしまうような本格的な改造は必要ないし,そこまでしてエレアコ化したいような高いギターでもない。お金をかけるならタカミネあたりのまともなエレアコを買った方がいいだろう。

で,ちょうど良く先生が使わなくなったピックアップをひとつ譲ってもらうことができた。FISHMANのNEO-D HUMBUCKINGという物で,サウンドホールに取付けるタイプ。

ピックアップ

取り付けは簡単で,弦とサウンドホールの隙間を通して本体を入れて,コルク状になっている部分で表板を挟んで,2本のネジを締めるだけ。弦を緩める必要もない。

ピックアップピックアップ

サウンドホールからアンプにつなぐためのケーブルが出てしまうのが美観的に気になるけれど,これはお手軽ピックアップなので仕方がない。気にする人はもっと本格的な改造をする必要がある。

注意としては,このNeo-Dというモデルはパッシブ(受動)タイプで,つまりプリアンプを内蔵していない。その分電池も不要なのでお手軽なのだが,音を出すためにはギター用の(プリ)アンプが必要になる。試しにパソコンのラインINに直接突っ込んでみたところ,やっぱりもの凄く信号が小さくて,録音レベルを最大にして,さらにエフェクトで増幅してやってなんとか聞き取れる大きさになった。

こんなことをしているとアンプまで欲しくなってきてしまうが,いや待て待て,部屋で演奏するのにこれ以上でかい音を出してどうする。発表会のときは先生がPAを用意するのでそれを使わせてもらうわけだし。何よりかんな氏用にもうひとつピックアップを調達しなくてはいけない。同じNeo-D Humにするか,別なものを考えるか,また楽しみが増えてしまった。


2010年06月05日

●ミステリ再読 そして二人だけになった

「そして二人だけになった」(森博嗣)を再読。

シリーズ外なので好き勝手やってるなぁ,というお話。相対性理論の引用が効果的。

”光を伝える媒質”に対する地球の相対的な速度を確かめようとして、結局は失敗に終ったいくつかの実験をあわせ考えるとき、力学ばかりでなく電気力学においても、絶対静止という概念に対応するような現象はまったく存在しないという推論に到達する.いやむしろ次のような推論に導かれる.すなわち、どんな座標系でも、それを基準にとったとき、ニュートンの力学の方程式が成りたつ場合、そのような座標系のどれから眺めても、電気力学の法則および光学の法則はまったく同じであるという推論である.

(動いている物体の電気力学/A.Einstein)


2010年06月01日

●SF本読了 アードマン連結体

「アードマン連結体」(N.クレス)読了。

「プロバビリティ」シリーズや「ベガーズ・イン・スペイン」の方が有名だが未読。アードマン連結体はタイトルに惹かれたので買ってみた。

退屈せずに読めたけれど,冬樹さんの解説にあるように地に足がついた感じで,悪く言えばスケールが小さい話。「いまのSFには,小難しくてついてゆけないよ」という,むしろその小難しいSFが読みたい。

好みとしては表題作と,オレンジの値段,初飛行あたりかな。

【収録作品】
・ナノテクが町にやってきた
・オレンジの値段
・アードマン連結体
・初飛行
・進化
・齢の泉
・マリゴールド・アウトレット
・わが母は踊る