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2013年08月05日

●アマチュア無線その後(フィールドデーコンテスト2回目とバラン自作)

フィールドデーコンテスト(規約)への参加も2回目(昨年の様子)。テントを張るような本格的なアウトドア派ではないし、車で運用するにしても何時間もエアコンをつけてアイドリングするというのはどうにも罪悪感があり、また体力的にもキツい。

そんなわけで今年はかんなさんの実家へ移動して、フィールドデーステーションB(既設電源あり)としてエントリー。スコアの係数は1になってしまうが、2倍になったとしても大勢に影響のない交信数なので。

車で山の上に移動する場合はV/UHF帯も期待できるけれど、実家はあまりロケーションが良くないため、どうしてもHF帯のアンテナを張る必要がある。ひとつは以前作った7MHzのフルサイズダイポールがあるけれど、どうせなら他のバンドにも出たい、ということで21MHzのフルサイズダイポールも作ってみることにした。

バランは買うとけっこう高いし、どうせQRPなのでバランの自作にも挑戦。作り方を解説してくださっている親切なOMさんのページを参考に、部品を買って加工した。

バラン

張ってみたら角度がイマイチなためか、SWRがFT-817のメーターで4コマくらい。時間と体力があればちゃんと調整したいところだったが、それはまた今後の課題にして、今回はチューナー(Z-817)で同調させた。

アンテナ

初日の夜は7MHzは開始直後のパイルアップ。QRPではどうせダメなので確認のために1局だけ交信して終わり。21MHzの方はアンテナが悪いのかコンディションが悪いのか、ほとんど聞こえず。ということですぐに寝てしまった。

2日目は5:30に起きてワッチを開始。しかし7MHzもノイジーだし、21MHzはやはりほとんど聞こえない。7MHzは聞こえる局には届いているようで、ポツポツと呼び回る。21MHzもときどき8や6エリアが聞こえるので、試しにCQ TESTを出してみたら、まさかの応答があって舞い上がってしまい、パドルを打ち間違えまくってみっともなかった。早くまともにCQを出せるようになりたい。

運用状況

そんな感じで休憩を挟みながら13時頃まで。局数はなんとか去年並み。しかし7MHzのマルチは少なかった。やはりコンディションが悪かったのだろうか。21MHzはアンテナが悪いのか、コンディションが悪いのか切り分けるために別な機会にまた試したいところ。

fdtest2013


2013年07月08日

●アマチュア無線その後(6m and Downコンテスト2回目)

6m and DOWNコンテスト(規約)への参加も2回目。かんなさん(JH1CFW局)が多忙ということで,ひとりでいつもの奥日立きららの里の駐車場(標高422m)で移動運用。2日目の9:30から14:00まで。

アンテナは一応モービル用に50/144/430の3バンドに対応しているダイヤモンドのSG9600を持っていたけれど,試しに50MHzで電波を出してみたらSWRが高くてぜんぜんダメ。受信はそこそこ聞こえたので,ボディへのアースの取り方が悪かったのかもしれない。基台はマグネット式で,アースもマグネットアースシートしか持っていない。

で,144/430の2バンドに出るとしても,もう少し長めのものが性能が良いだろうと,OMさんにCR1027(29/144/430の1.6mくらいのアンテナ)をお借りしてQRV。

144MHzや特に430MHzはQRN(ノイズ)やQRM(混信)がほとんどなくて,弱い信号でもクリアに聞こえる。そして聞こえている局にはだいたい届いているような印象だった。

周波数帯も広いので試しにCQを出してみたら,何局か応答があって嬉しかった。普段はQRPの局がCQを出しても見向きもされないことが多いので。

コンテストナンバーで送信出力がわかり,QRP(5W以下)は"P"を打つことになっている。Pの局同士で呼んだり,呼ばれたりすると親近感というのか連帯感というのか,CWの符号の上でも喜びが伝わってくるのが楽しい。こちらからも「ありがとぅ〜♪♪」と気持ちを込めてパドルを叩く。

そんなこんなで局数,スコアともに昨年よりも伸ばすことができた。ただ,3時間ほど経つと腰も痛くなってくるし,集中力も切れてくる。夜通し参加している局は無線の技術の他に体力と精神力がすごいと思う。

Freq.  Point Multi
------------------------
144MHz  28   9
430MHz  20   8
------------------------
Total   48   17
Score  816

マルチ
144MHz:福島,長野,東京,神奈川,埼玉,茨城,栃木,山梨,静岡
430MHz:長野,東京,神奈川,埼玉,茨城,栃木,群馬,静岡

6m and Down

6m and Down

2013年06月18日

●アマチュア無線その後(All Asian DX CWコンテスト2回目)

ALL ASIAN DX CWコンテスト(規約)は、昨年初DX(海外)交信をしたコンテストである。こちらから送るコンテストNo.は年齢なので、メモリーキーヤを使ってロシア,東マレーシアと交信できた。

今年は先日のWPXと同じく、FT-817とZ-817(チューナー)、アンテナはベランダにモービルホイップ(RHM5)を仮設して臨んだ。バンドは21MHz(15m)シングルにしようと思ったけれど、たまたま28MHz(10m)も開いた時間があったので、オールバンドで。

Pete and Sohei

WPXと違って、国内局同士の交信は点にならないので、とにかくDXで聞こえる局を呼ぶのだが、弱小設備の上にコンディションがあまり上がらず、苦戦を強いられた。

とにかく開始直後はパイルアップなので、とても太刀打ちできない。一通り待っている局が終わってから呼ぶのだがそれでも厳しい。

FT-817のCWフィルタ(300Hz)を入れた状態でS8くらい振れる局を片っ端から呼んでも、反応があるのは5局に1局程度。?とかAGNが返ってくればまだマシで、多くは完全にスルーで、CQを繰り返すばかり。

コールサインをなんとかコピーしてもらっても、ほぼ確実にNR?(コンテストナンバーを再送せよ)が返ってくる。

比較的反応が良かったのはK(西海岸)、ZL(ニュージーランド)、VK(オーストラリア)で、意外と厳しかったのはアジアロシア。ヨーロッパ方面は聞こえてもまったく届かず。ベランダの向き(南東)も影響していたと思う。中国、東南アジアも今回はダメだった。

終わってみれば交信数は15局で、確実にcfmしていると自信のあるのは10局くらいかなぁ。

aadxcw

マルチ:
21MHz HL,K,UA,UA9,UN,ZL
28MHz 5W,VK

今回は割と無線機に向かう時間も長かったし、これ以上のスコアを狙うなら、リグ(パワー)かアンテナかロケーションのどれかをアップグレードしないと厳しいかもしれない。

厳しい戦いを強いられているおかげ(?)か、最近コンテストでもメモリーキーヤーは使っていない。AGNだとかNR?を打たれたときに、コールサインだけとかNRだけ何度か繰り返すとか、メモリーキーヤーだととっさの応用が効かないので。そういう意味では鍛えられているのかなぁ。

LoTWではたまたま最初に交信できたUN(カザフスタン)がNew。

FT-817 and Z-817

2013年06月12日

●アマチュア無線その後(アワードあれこれ)

コンテストは順位の付く他人との勝負ということになるが、アワードというのは記録への挑戦になる。

ある特定の条件を満たすアマチュア無線局と交信するというのが共通のルールで、国内外のアマチュア無線連盟や企業が発行しているアワードから、クラブ局などのグループや個人で発行しているものもある。

開局して1年半ほどで申請したアワードをご紹介しておこう。

<日立アマチュア無線クラブ創立50周年記念アワード(規約)>
Hitachi ARC Award

<まくらが50アワード(規約)>
Makuraga50 Award

<JAIAアワード(2013年の規約)>
JAIA Award

<AJDアワード(規約)>
AJD Award

各アワードを申請するときには特記というのがあって、私なら例えば全部CWの交信でした、とか全部QRP(5W以下)の交信でした、とか。

世界のアワードの中には、学生の頃にアマチュア無線を始めたとしても、一生かかっても達成できない非常に困難なアワードもあって(例えば全世界のすべての国と交信するとか、コールサインのサフィックスの組み合わせAからZZZまでの18000通りを全部集めるとか)、そういうものの獲得をライフワークにしている人もいる。

アワードを達成したからといってお金がもらえるわけではなく、それどころかお金を払って賞状を頂戴する(AJDは1000円)のだ。それがアマチュア無線家という人種である。

2013年05月29日

●アマチュア無線その後(CQ WPX CWコンテスト)

DX(海外)局との交信が狙える米CQマガジン社主催のコンテスト。ただ,コンテストナンバーが001方式と言って,最初の交信では599001,次の交信では599002,というようにカウントアップしていく。そのためメモリキーヤーが使えないし,聞き取りもハードルが上がるために,まだCWデビューしたばかりだった昨年は参加を見送った経緯がある。

その後,メモリキーヤーに頼らなくても呼び周り(CQ TESTを出している局を呼ぶ)ならパドルだけでなんとか必要な符号は打てる程度には進歩したということで,今年は参加してみることにした。

準備は昨年秋のCQ WW CWコンテスト(こちらはナンバーが固定なので簡単)と同じで,FT-817+Z-817(アンテナチューナー)に,ベランダのモービルホイップアンテナ(RHM5)という構成。

アンテナは1本だけなので,バンドは15m(21MHz)に絞る。このコンテストは国内局同士の交信も有効で,異なるプリフィックスがマルチになるので,7MHzで国内を稼ぐのも有効だと思うけれど,どうせこの弱小設備では上位は狙えないので,DXと交信ができれば良しとする。

WW CWのときは南米と交信できたりしたけれど,今の時期だと厳しそう。初日は北米やロシア,ニュージーランドなどと交信できた。その後はなかなかコンディションが上がらず,AGNやNR?を返されることが多くなって,局数が伸びなかった。国内は聞こえる時間帯にはこちらからも届くかな,という感じ。まったくダメだったのが中国で,強く聞こえていてもこっちの信号は完全にスルーされてしまった。

何度呼んでもスルーされたり,AGNとかNR?を返されると,徐々に疲労が蓄積して,二日目の午後にはもう疲れてしまい,早々に終了。ログは21局だった。個人的に嬉しかったのは,アラスカとサモアかな。

すぐにログを提出して,LoTWにもアップ。コンテスト終了から3日後の時点で,アジアロシア,東マレーシア,オーストラリア,韓国,アラスカがCFM(交信確認)されていた。

wpxcw

Delta

2013年05月23日

●アマチュア無線その後(LoTWに登録)

CWのコンテストやJT65で、弱小設備(FT-817とモービルホイップor自作ダイポール)ながらも少しずつDX(海外)との交信ができている。

元々QSLカードを集めたいという欲求はないけれど、交信が成立したかどうかは確認したい。eQSLを送ってくれる局もあるけれど、ポピュラーなのはARRL(アメリカのアマチュア無線連盟)が提供しているLogbook of The World(LoTW)だろう。

というわけで、LoTWの登録に挑戦した。やり方は各局が日本語で詳しく書いてくださっているので(例えばこちらとかこちら)、それを参考にすればそれほど難しいことはない。面倒なのは従事者免許と局免許のコピーを国際郵便で送ることくらい。

エアメールを出して、1週間、2週間と待っても音沙汰がないので、これはエアメールの出し方を間違えたかな、と思って再度コピーを送ろうと準備していたら、ようやく返事がきた。ARRLも忙しいようで、かなり待たされることもあるらしい。私はエアメールを送ってから20日ほどかかったので、ご参考にしていただきたい。

早速hamlogのログの中からDX交信を抽出して、ADIFファイルを登録してみた。数分でデータが照合されて、これまでのDX交信29QSOのうち、QSL(交信確認)されたのは10局だった。やはり一番たくさんDXと交信した昨年のCQ World Wide DXコンテストCW部門のQSOがほとんど。アルゼンチンやウルグアイといった地球の裏側の局との交信がCFMされていたのは嬉しい。

今後もDX交信ができたら結果をアップしていきたい。

LoTW

2013年05月12日

●FT-817でJT65Aモードの交信(初交信成立)

前回FT-817でJT65の運用方法をまとめたけれど,ベランダに仮設したモービルホイップアンテナ+2.5W出力では受信はできるものの交信成立までには至らなかった。

コンディションが悪いのか,アンテナが悪いのか,出力が小さすぎるのか,PC側の音量設定が悪いのか,それともその全部なのか。やはり一度くらい交信してみないとわからない。というわけで久しぶりにかんなさんの実家をお借りして,二階のベランダからお庭にフルサイズダイポールアンテナを張らせてもらった。

7MHz(40m)バンドは日本ではJT65の交信がほとんどされていないようなので,21MHz(15m)バンドあたりが狙い目だけれど,手元にあったのはローカル局よりお借りしている18MHz(17m)バンドのもの。17mは15mよりは少ないけれど,そこそこ交信されているようなので,ここに狙いを絞る。

始めてしばらくは何の交信も聞こえず,CQを出しても応答なし。でもしばらくしたらインドネシアやシンガポールが入感し始めた。この辺はコンディションの影響だろうか。その中でも一番信号の強かったBA4ER局(上海)をコール。そうしたら次のタイミングでコールバックがあった。今まで自宅から何度コールしても誰にも応答されなかったのでちょっと慌てたが,Send Reportボタンを押してレポートを送り,73が返ってきたのでこちらからも73を送って,無事に交信成立。

アンテナがまともなら,コンディションさえ良ければ2.5WでもDX交信が可能であることがわかった。ただし相手局の信号は-05dB,こちらの信号は-21dBなのでかなり弱いのは確か。

交信直後に試しに5WフルパワーでCQを出したら,応答はなかったものの,PSKRには補足されていて,アメリカ本土で受信されていた。

その後はまたコンディションが悪くなってしまい何も聞こえなくなってしまったため,1QSOだけだったけれど,少なくとも機械が壊れているとか設定が悪いわけではなさそうということが確認できて良かった。今後はEスポによる50MHz(6m)バンドとかで交信できたらいいなぁ。

JT65-HF

PSKR

【関連記事】
FT-817のデジタルモードインターフェース
デジタルモード変更申請 前編
デジタルモード変更申請 後編
FT-817でJT65Aモードの交信方法まとめ

2013年05月05日

●アマチュア無線その後(FT-817でJT65Aモードの交信)

デジタルインターフェースの作成,局免許の変更申請(前編後編)と,FT-817でJT65の運用をするための準備を進めてきた。

FT-817の設定方法についてもまとめておこう。

(1)モードは"DIG"にする
 受信だけならUSBで可能だが,DATAポートからの信号を送信するためにはDIGにする必要がある。

(2)メニューモード26のDIG MODEは"USER-U"にする
 Fボタン長押しのメニューモード。デフォルトはRTTYになっている。

(3)オプションのCWフィルタを付けている場合は,NARをOFFにする
 これがわからずにしばらく悩んだ。DIGモード(USB)でもNARがONになっていると,受信が狭帯域になってしまう。ツイッターで教えて頂いて解決。

(4)送信出力は2.5W
 FT-817は5W出力が可能だが,JT65は1分間フルパワーの連続送信となるため,無線機が熱くなる。壊してしまうと悲しいので,2.5Wに絞っている。

ソフトはフリーのJT65-HFを使う。使い方はJT65-HF運用解説書が詳しい。

私はMacOSX(10.8 Mountain Lion)上のVitrualBoxにWindows XPをインストールして,そこでJT65-HFを動かしている。その関係なのかよくわからないが,JT65で重要な精度1秒以内の時刻合わせがなかなか難しい。iネッ時計を使って合わせようとするのだが,何回か手動で実行しても数秒の誤差が直らないことがある。繰り返し補正してみて,1秒以下の誤差になることを確認してからでないと運用できない。

ベランダにモービルホイップ(RHM5)を仮設して,比較的JT65の交信が多そうな21MHz(15mバンド)をワッチ。現在どんな周波数帯でどの地域で活発に交信されているかは,PSK Automatic Propagation Reportermap displayで視覚的に確認できる。

この時期,夜間はヨーロッパ方面,朝は北米やオーストラリアからの電波が,強い局だと-10dBくらいで入感する。しかし,いくら微弱信号向けのプロトコルとはいえ,よほどコンディションが良くないと2.5W+ベランダモビホではDXまでは飛ばないようだ。下のPSK Reporterの画面は,朝方にCQを出したときのもので,一応VK(オーストラリア)やZL(ニュージーランド)でモニタされていた。交信したわけではなく,JT65-HFでEnable PSKRにチェックしてあると,復調された信号がネットでPSKRに自動的にアップされるので,それを見ていれば自分のCQが世界のどこまで飛んでいるかが把握できる。

PSKR

何度かCQを出したり,強めに聞こえる局を呼んだりしてみても,(PSKR以外に)ぜんぜん応答がなかったけれど,DXではなくJA4の局がCQを出していたときに呼んだらコールバックがあった。相手の信号は-05dB,こちらのレポートは-19dBとかなり弱い。こちらからもレポートを送ったが,残念ながらSRI NO CPYとなってしまった。もう少しコンディションが良ければ交信成立したかもしれない。

JT65-HF

移動運用しなくても最小限のアパマン環境でQSOできると期待してはじめたJT65ではあるが,やはりそれなりに工夫は必要だし,コンディションに左右されるということがわかった。まだはじめたばかりなので,今後また状況をレポートしたいと思う。

RHM5

【関連記事】
FT-817のデジタルモードインターフェース
デジタルモード変更申請 前編
デジタルモード変更申請 後編

2013年04月29日

●アマチュア無線その後(ALL JAコンテスト2回目)

ALL JAコンテスト(規約)といば,昨年CWデビューをした思い出のコンテストだ。

そうか,もうCWをはじめてから1年経ってしまったのか。普段ぜんぜん交信していないので,スキルはほとんど向上していないけれど,まあのんびりやるということで。

ところが今年はかんなさん(JH1CFW局;XYL)の実家に,ちょうどゴールデンウィークということで姪っ子たちが遊びに来ていて,7MHzの自作フルサイズダイポールアンテナを張ることができない。さらにALL JAの2日目は姪っ子たちと7エリアに遊びに行くことになったので,参加できるのは初日の21時から2時間ほどだけ。

幸い,マンションの震災復旧工事の仮設足場はようやく取り外されて,ベランダにモービルホイップを仮設することはできそう。

ということで昨年は一番交信できた7MHzからワッチを始めてみたところ,CWは周波数の隙間がないほど賑わっている。さすがはメジャーコンテスト。

いつものようにコールサインとコンテストナンバーを聞き取ってからコール。しかしまったく応答がない。こちらは FT-817の5Wだしアンテナもしょぼいので,パイルアップならば仕方がないけれど,パイルになっていない局を呼んでもまったく反応がない。市内のローカル局を呼んでみてもダメ。これは何かが壊れているのか?と心配になる。

それでは21MHzはどうだろう,ということで聞いてみると,6エリア(九州)が何局か聞こえる。試しに呼んでみたら何度かミスコピーやAGNを打たれたけれど,なんとか交信成立。しかしすぐにコンディションが落ちてしまって,3局だけQSO。

結局2日目も5時起きして出発前に試してみたが7MHzはやはりまったくダメで,21MHzも聞こえず,50MHzを試してみたら1局だけ。しかしまあオールバンドで4局ではちょっとアレなので,ログのエントリーは21MHzバンド(C21P)とした。

あとでローカルさんに聞いたところでは,今年はかなりコンディションが悪かったそうで,7MHzのSSBをされていた方はGPで30W入れても応答してもらえなかったとか。それを聞いて少なくとも私の機械が故障しているわけではなさそうだな,と思った。

Band Points Multi Score
--------------------------
21 3 3 9

マルチは,広島,長崎と,熊本。

2013年04月21日

●アマチュア無線その後(デジタルモードの変更申請 後編)

前編からのつづき)

提出から1ヶ月以上かかって総通から2度目の不備の指摘に打ちのめされつつも、なんとか気力を振り絞って補正後提出した電子申請、また3週間くらい待たされたが、ついに、ついに許可がおりた。最後は「まだ不備はあるけど、しょうがないからこちらで直しておいたよ」という、まことにありがたいコメントが添えられていた。

アマチュア無線局の変更申請について

下記について、当方で修正し、許可しましたので、お手元のデータ等修正をし、運用してください。

(1)1.9M、3.8M、18M、21M、24Mで「A2B」の運用はできませんので、当方で削除しました。

(2)3.5M~24Mに入力されている「F1E」はFM変調の型式のため、当方で削除しました。

(3)3.8MではRTTY、データ伝送は運用できませんので、「A1A」「J3E」「A3E」「F3F」「G1E」「A2A」「F3C」以外は当方で削除しました。 ​

私もそうだったが、今後総通に電話をせずにネットで情報を集めて電子申請Liteで変更申請する方のために、恥ずかしながら附属装置の諸元と、一番苦労した電波の型式欄への記載方法(※)を書いておく。これで免許上は主要なデジタルモード(RTTY, PSK, JT65, SSTVなど)は出られるはず。

※占有周波数帯幅の欄は空欄でOK。電波型式はさんざん間違えたので,これでも自信がない。

【送信機系統図】
送信機系統図

【附属装置諸元】(pdfファイルへのリンク)
附属装置諸元(一部)

【発射可能な電波の型式および周波数の範囲】
電波型式の入力

そして総通にSASEを送って届いたのが、新しい局免許状。JT65(電波形式F1D)だけであれば、一括記載コード(3HA, 3VA)に包含されるので、免許状の記載に変更はない。しかし今回は可聴トーンのモールスだとか、デジタルSSTVとか、変わったモードも全部一括で申請したために、賑やかな免許状になった。

【局免許状(下が変更前,上が変更後】
局免許状

最初の提出からちょうど2ヶ月かかったけれど、これでなんとかFT-817でデジタルモードに出られる環境が整った。実際のQSOをするには他の交信をワッチしたりして勉強しなくてはいけないけれど、少しずつ実験していきたい。

【関連記事】
FT-817のデジタルモードインターフェース
デジタルモード変更申請 前編

2013年03月21日

●アマチュア無線その後(デジタルモードの変更申請 前編)

アマチュア無線の楽しみ方は人それぞれだが、できるだけ弱い電波でどこまで遠くと交信できるか、というのは興味深いテーマだ。

SSBなどの電話よりも、モールス信号(CW)の方がより弱い信号で遠くと交信可能ということから興味をもってCWを始めたという経緯もあって、さらに弱い信号で遠くと交信できるらしい、JT65というデジタルモードに興味を持った。

元々は流星痕反射通信だとか月面反射を使った交信(EME)用に開発されたモードということで、微弱な信号で交信するために誤り訂正などが工夫されたプロトコルのようだ。人間の耳ではノイズに紛れて聞こえないような微弱信号でも復調できるとか。

JT65の変調と復調はパソコンでフリーソフトを使ってできるようになっている。パソコンと無線機をつなぐインターフェースの話は前回書いた通り。

で、無線機単体ではできない変調方式(AFSK)の電波を出すことになるので、局免許の変更申請が必要になる。この際RTTYとかSSTVなど、使いそうなモードは全部申請しておくか、ということでこちらのサイトこちらのサイトを参考に、電子申請Liteで変更申請。

それにしても何でこんなに電子申請の入力はわかりにくいのだろう。その上MacだとFirefox、Chorome、Safariいずれのブラウザでも入力途中で落ちてしまう。嫌がらせとしか思えない。Firefoxはちゃんと使えると書いてあるのに。結局仮想環境のWinXPでIEを使ってなんとか最後まで入力できた。

入力していてよくわからないところは放置してそのまま出したら、案の定一週間ほどで不備の連絡が返ってきた。まあこれは想定内。指摘されたところを直して出せば良いわけなので。

不備理由
・16工事設計書の入力が不足しています。 付属装置を追加する場合は、技術基準適合証明の証明の範囲を外れるため、技術基準適合証明機器とはみなされなくなります。技術基準適合証明設備を使用のチェックをはずし、「発射可能な電波の型式及び周波数の範囲」「変調方式」「終段管」「定格出力」すべての入力をしてください。(必須)

このメールに従って工事設計書の記述を見直す。技適がはずれるので、使う周波数と電波形式を全部入れなくてはいけない。変調方式は無線機内蔵のもの以外はパーソナルコンピュータ変調方式で別紙に書いてあるので特に書かずに補正書を再提出。

で、待つこと1ヶ月。これだけ待たせてまた不備だったらガックリくるな、と思っていたら案の定また不備の指摘だった。前回の指摘を受けて入力した周波数と電波形式が軒並みおかしかったらしく、かなり手厳しい指摘である。

不備理由
・1.9M帯は占有周波数帯幅は100Hz以内です。 100Hz以内で運用できるソフトの型式のみ入力してください。
・各周波数帯で、その周波数を占有周波数帯幅に入力されていますが、運用できる帯幅をはるかに超える幅になっています。 電波法関係規則で定められている占有周波数帯幅以上の発射はできません。 規定内の場合、入力不要ですので、入力しないでください。
・運用については電波法関係告示等で定められていますので、その範囲内での運用になるようご確認下さい。
・また、HF帯でFM変調場合の型式が入力されているなど、諸元表と16工事設計書の内容が一致していません。ご確認ください。

占有周波数帯幅については、FAQに記入例が出ているのだが、じゃあどの電波形式がどれだけの周波数幅を占有するのかなんて、どこを見ても書いてない。なので1.9MHz帯なら1K90とか430MHzなら430Mとか書いて出した結果が上の指摘。まあ確かに変な記述をしたかもしれないけれど、「未記入で良い」なんてどこかに書いてありましたっけ?(書いてありましたね。はい,すみません...)

HFでFM変調があるというのはFMのトーン信号を使うF2A,F2B,F2Dは1.9MHzから24MHzまでのHF帯では使えませんよ、ということらしい。HF帯ではトーンをSSBに乗せるので、F1B,F1D,G1Bということになる。まあ言われてみれば確かに、ということもあるけれど、やっぱりビギナーが間違えずに入力するのは無理だよ、と思う。

せめて代表的な事例をいくつか挙げて、こういう場合はこういう風に入力せよ、という解説が必要ではないか。それができない理由でもあるのだろうか。今回の件でいろいろと検索して個人のブログを拝見したが、ベテランでも総通に電話して確認したりしていて、ご苦労されているのがよくわかった。

今はそれでも親切になったよ、昔なんて「書類不備」で突っ返されるだけでどこが悪いかなんてわからなかった、というご意見もOMさんから頂いた。

まあ昔よりはマシというのも、確かにそうかもしれないけれど、今の電子申請Liteが皆が満足するサービスになっているかと言ったら、とてもなってないような気がする。ハムフェアやハムの集いに行くと電子申請のPRブースが出ているけれど、使ってもらうためにはそれなりに親切なシステムにすることが必要じゃないですかね。「わからなかったら電話で聞いてね」では電子化とは言えないでしょう。

長くなったので、というか総通から返事が来ないので続きはまた後日。

後編につづく

2013年03月09日

●アマチュア無線その後(デジタルインターフェースを作る)

無線は正月のQSOパーティー関東UHFコンテスト雛コンテストとピンポイントの活動にとどまっている。自宅マンションは震災復旧工事のためベランダにアンテナを仮設するわけにもいかないし、移動運用も寒くて辛い。

せめて寒くて活動できない季節に、デジタルモード(RTTYとかJT65)のことを勉強としておこうと、地元クラブの方に聞いたりネットで情報を集めたりしていた。

まず面倒なこととして、現在免許されている通信モード(CW,SSB,AM,FM)以外に出るためには、局免許の変更申請が必要になる。

変更申請はただでさえ審査に時間がかかるし、不備があって戻ってきたりということが予想されるので、まずは先に申請しておくことにした。この話はまた後日。

次にパソコンと無線機を接続するインターフェースを準備しなくてはいけない。昔は特殊なハードウェアが必要だったデジタルモードも、今はパソコンが変調や復調をすべてこなしてくれる。その代わりPCと無線機を接続しなくてはいけない。

FT-817の場合には、背面のDATAポートと、パソコンのシリアル、オーディオのIN/OUTを接続することになる。シリアルはPTT(Push to Talk)を制御するために使う。

そういう機能を持った市販のインターフェースがあれば多少高くても(数千円とかなら)購入を検討するところだが、そもそもそんな製品がないので自作するしかない。

回路図は検索するといろいろなものが出てくるが、ポイントはPTTの制御で、トランジスタをスイッチとして使う点だろうか。アナログ回路は詳しくないのでよくわからない。OMさんの回路を参考に,下の回路図でとりあえず作ってみることにする。

デジタルインターフェースの回路

抵抗値やトランジスタの型番も詳しく書いていなかったりして、つまりどれでもいいということなのかもしれないけれど、パーツ屋で回路図を見せたら、まずはブレッドボードで動くかどうか試してみたら、と教えてもらった。初めてブレッドボードでなるものを使ってみたけれど、これはハンダ付けが要らないし、何度でもやり直せるので便利だ。

__.JPG

で、どうも買ったUSBーシリアル(FTDI TTL-232R-5V)の動作が思ったのと反対だ。RTSは普通、常時0Vで、ONで+5Vになると思う。回路図もそれに合わせて描いてあり、ONになるとコレクターエミッタ間が短絡(飽和)されてPTTがONになるはずなのだが、なぜかRTSは常時5Vが出ていて、PTTがONしっぱなしになってしまう。動作確認に使ったJT65-HFのPTT TESTを押すと、その時だけPTT OFFになる。やっぱり反対だ。

うーん、としばらく頭をひねったが原因はわからない。でも、メーカーのサイトを良く読んだら、EEPROMの書き換えでRTSをInvertできるらしい。ということで早速ユーティリティソフト(FT_PROG)をダウンロードして、EEPROMを書き換えたら、所望の動作になった。

ということでなんとか動きそうなので、ユニバーサル基板に適当に部品を乗せて配線。ユニバーサル基板も今回初めて使った。まあ簡単な回路だったのでなんとかなったけれど、部品が多くなると何をどういう配置で並べて配線するか考えるのがけっこう大変そう。

ユニバーサル基板

お菓子のケースに穴を開けて基板を納めて一応完成。動作確認は変更申請が通ってからということになる。

デジタルインターフェース

デジタルインターフェース


2013年03月05日

●アマチュア無線その後(雛コンテスト)

3月3日はひな祭り。それにちなんだコンテストが、JLRS主催の雛コンテスト去年は筑波山の梅まつりを見に行って、ハンディ機で30分ほどワッチしたけれど、雛コンの交信は聞こえなかったのを覚えている。やはりHF帯がメインなのかな。

今年はデジタルインターフェースの受信動作確認(これについてはまた後日)のために、かんなさんの実家に7MHzのフルサイズダイポールアンテナを張ってワッチしてみた。

ルールとしてはシンプルで、とにかく交信すれば良いのだが、女性(YL; Young Lady)の局を3局以上含めること、という縛りがある。アマチュア無線に詳しくない人でも想像しやすいと思うけれど、ハムにはとにかく女性が少ない。少ない女性ハムのアクティビティ向上がコンテストの目的だ。

で、CWはどうなのかとワッチしてみたら、JLRSメンバーの局がCQを出して頑張っている。パイルが収まったところで応答したら簡単に交信成立。以前作った7MHzのフルサイズダイポールアンテナは簡単な工作ではあったけれど、アンテナチューナーなしでSWRが綺麗に1.0まで落ちるので、ロケーションがあまり良くない実家でもけっこう飛ぶようだ。

ということで1時間ほどで4局のYLさんとCWで交信できた。あとはかんなさんに出てもらって5局。かんなさんもCWでCQを出したらさぞモテモテだと思うのだが、ジョギングと勉強の疲れが出て爆睡だった。

雛コンテスト

2013年02月11日

●アマチュア無線その後(関東UHFコンテスト2回目)

関東UHFコンテストは,VX-7で開局後に初めてエントリーした思い出のコンテスト。

2回目の参加となる今回は,リグがFT-817になって,430MHzのCW部門で参加。そういえばUHF帯でCWってやったことがなかったかもしれない。

アンテナはモービル用のマグネットアンテナしか持っていないので,OMさんに素晴らしい八木アンテナをお借りした。見た目はテレビのアンテナみたい。地上デジタル放送のUHF帯は470MHzから770MHzなので実際ほとんど同じものなのかも。

場所は昨年と同じ奥日立きららの里(標高422m)。

関東UHFコンテスト

CWはQSOパーティー以来で練習をおろそかにしていたために聞き取りは苦労した。それでもコンテストナンバーを書き取ってから呼ぶ方法で,メモリーキーヤーも使って17交信。430MHz帯はかなりバンド幅が広く使えるし,1エリアの局しか出ないコンテストなので混信も少なく,各局の信号は明瞭に聞こえた。ただし昨年は交信できた神奈川とは1交信もできなかった。これは指向性の強いアンテナの向きの関係かもしれない。

CWのスキルを磨くのはもちろんだが,弱い電波,簡単(安い)設備でより遠く離れた場所と交信するというテーマで,デジタルモードにも少し興味がわいてきた。寒い時期にちょっと勉強しておきたいと思う。

関東UHFコンテスト

2013年01月04日

●アマチュア無線その後(QSOパーティー2回目)

アマチュア無線局を開局して1年以上経ち,新年のQSOパーティーに参加するのもこれで2回目である。

しかし今年は去年とは状況が違う。実はマンションの震災復旧工事のために,ベランダにアンテナを仮設することができない。ということは参加するためには正月早々移動運用しかない。

そんなわけで何度かコンテストのときに使っている公園の駐車場で,FT-817と,一番最初に買ったマグネットマウントアンテナのMR75Sを車に付けて,144MHzのFMで呼び回り。標高は割と高いけれど,アンテナがしょぼいしFMなのでせいぜい50km圏内のローカルさんとしか交信できない。それでも9:30からランチ休憩を挟んで12:30までやってなんとか20局を達成。後半はかんなさんにCQを出してもらったらたくさん呼んでもらえた。さすが。

干支のシールをもらうだけならこれでやめてOKだけど,せっかく昨年からCWを始めたので,ちょっとだけでもCWでQSOパーティーに参加できないものかと,年末から考えていた。しかしQSOパーティーでは普通のコンテストと違ってオペレータ名を交換しなくてはいけない。NYPのCW交信例がJARLにも載っていないので検索したところ,HamEGGさんのサイトに詳しく書いてあり,大変参考になった。

しかし例文がわかっても,果たしてパドル操作を間違えずにできるだろうか。メモリーキーヤに入れておいた方がいいかな,などとモヤモヤ。そして3日に年始の挨拶でかんなさんの実家に行った際に,以前作った7MHzのフルサイズダイポールアンテナをベランダから張って,ワッチを開始。なるほど上記で紹介されている交信例通りだ。

QSOパーティーアンテナ

CQ局のコールサインとオペレータ名を書き取って,空打ちで練習。しかしパイルアップもあってなかなか電波が出せない。ここでありがたいことにJP1QYO局がツイッターでQRV情報を出してくれたので,思い切ってコール。かなりヒヤヒヤしたけれど,なんとか交信成立。

QSOパーティー設備

その調子で他に3局と交信することができた。緊張のため疲労したけれど,CWでNYPに参加するという目標が達成できて大変良いお正月を過ごすことができた。

結局メモリーキーヤーは使わなかった。メモリーに頼ってしまうと,メモリーしていない内容を打とうとしたときにパニックになってしまうので。

動画は緊張しまくりのQSOの様子。今回はアンテナ給電点をベランダの手すりに引っ掛けただけの手抜き設置で,調整はせずにアンテナチューナー(Z-817)でSWRを落としたため,あまり飛びが良くなかったかもしれない。この動画でも最初ミスコピーされている。

2012年12月31日

●写真って楽しいねっ〜2012年総括〜

3.11の東日本大震災から1年9ヶ月。波はあるものの余震は続いていて,今月も一回津波注意報が出たりした。原発事故の放射線は,2012年12月末現在で0.055〜0.060uSv/hくらい。昨年の半分以下,1/3近くに下がってきている。事故前に比べると2倍くらいの値。

トピックスとしてはアマチュア無線関係が多かった。開局した当初は災害時に安心かな,という程度だったのが,うっかりCW(モールス通信)を試してみたところが,これがけっこう面白くてハマってしまった。オールモードの無線機FT-817を買ったり,ハムフェアにも出掛けてみたし,コンテストに参加して海外とも交信することができた

新しいことに挑戦するのは楽しいし,これからもアマチュア無線は少しずつ続けていければ良いと思っている。ただし,1年間やってみてそんなにのめり込むようなことはないだろうと踏んでいる。なぜかといえばアマチュア無線は所詮「金がないと極められない/金さえあればそこそこ極められる」趣味だとわかったから。もちろんCWをはじめとしてPhoneでもオペレートのスキルに依存する部分はあるし,アンテナだとか電波伝搬を勉強することは必要だ。でも,いくらスキルを磨いたって無線機が買えなければ交信できないし,アンテナを建てる場所だって要る。そして無線機や道具類はいちいち高価。お金のない人は私のようにQRP(低出力)と移動運用で慎ましくやるのが精一杯。この1年で無線関係に20万円くらい使っても,だ。

そういう意味ではアマチュア無線というのは楽器やスポーツよりも,車だとかカメラに近い趣味ではないだろうか。そしてつぎ込んだ金額で満足度が変わるような趣味にはそれほど夢中になることはできない。これから続けていくにしても,投資は最小限に,スキルと知識を伸ばす方向で楽しみたいと思っている。

アコースティックギターの弾き語りは,無線とは対照的に90%はスキル依存であり,こっちの方こそ末永く楽しめる気がしている。とはいえスキルに依存するということは常に練習していないと上達はないということで,忙しいとなかなか厳しいのが実態。かろうじて年2回の発表会()だけは参加するようにしている。

猫のピートは7歳デルタは5歳になった。今年はいつものフォトコンテストで,かんなさんの撮った写真が特別賞を受賞した。日々の写真はアメブロの方に載せている。

読書は年末になってついにKindleが発売され,私も早速PaperWhite 3Gを購入した。今後紙の本と電子書籍の読書比率がどのように変わっていくのかは予測できないけれど,1年後の総括ではある程度方向性が見えてくるかもしれない。保管場所のことを考えるとKindle優位なので,購入を迷っている本が複数ある場合はKindle版が出ている方を優先する可能性は高い。

ということで今年読んだ本は下記。

【SF】
キリストのクローン/新生(上・下)(J.ボーセニュー)
キリストのクローン/真実(J.ボーセニュー)
南極点のピアピア動画(野尻抱介)
希望(瀬名秀明)
連環宇宙(R.C.ウィルスン)
天冥の標6 宿怨 PART1(小川一水)
白鹿亭綺譚(A.C.クラーク)
銀河ヒッチハイク・ガイド(D.アダムス)
拡張幻想 ー年刊日本SF傑作選ー(大森望・日下三蔵 編)
宇宙の果てのレストラン(D.アダムス)
機龍警察 自爆条項(上・下)(月村了衛)
天冥の標6 宿怨 PART 2(小川一水)
宇宙クリケット大戦争(D.アダムス)
去年はいい年になるだろう(上・下)(山本弘)
フェッセンデンの宇宙(E.ハミルトン)
さようなら、いままで魚をありがとう(D.アダムス)
ほとんど無害(D.アダムス)
小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団(瀬名 秀明, 藤子 ・F・不二雄)

【ミステリ】
工学部・水柿助教授の逡巡(森博嗣)
工学部・水柿助教授の解脱(森博嗣)
四季 春(森博嗣)(再読)
タカイ×タカイ(森博嗣)
朽ちる散る落ちる(森博嗣)(再読)
シャーロック・ホームズ作品集(I) お風呂で読む文庫(C.ドイル)
シャーロックホームズ作品集(II) お風呂で読む文庫(C.ドイル)

【ご参考】
2011年総括
2010年総括
2009年総括
2008年総括
2007年総括
2006年総括
2005年総括

2012年12月09日

●アマチュア無線その後(ARRL 10m Contest)

ARRL(アメリカのアマチュア無線連盟)が主催するコンテスト。ぜんぜんチェックしていなかったけれど,たまたまツイッターでOMさんがつぶやいておられたのでそういうコンテストがあることを知った。

10mバンド(28MHz)のみというシンプルなコンテスト。このバンドではこれまでまったく交信したことがない。一応モービルホイップアンテナのRHM5は28MHzでも使うことができるので,CQ WW DXコンテストのときと同じようにベランダに仮設してみた。

CQ WW CWのときの21MHzとはぜんぜん違い,ノイズが聞こえるだけで交信はぜんぜん聞こえない。そんな中,唯一強くCQが聞こえたのがマレーシアの局。しかし条件は皆同じで,数少ない聞こえるところに呼ぶ局が集中(パイルアップ)している。呼んでいる日本の局の方が距離は近いはずだが,それらはまったく聞こえないという点も電波の不思議なところ。で,何度かコールしても他の局との交信ばかりが進んでちっとも自分は呼ばれない。こういう状態を「パイルアップが抜けない」と表現するらしい。

もちろんこちらは5WのQRPでアンテナもしょぼいのでこれは仕方がないこと。こんなときは気分を変えて他のことでもした方が良い。

そういえばeQSLというオンラインのQSLカード交換システムがあり,そちらにCQ WW CWのときのカードが何枚か届いていた。マレーシア,ワシントン州,ハワイ,そしてオーストラリアから。CWで交信中は「こっちのコールサインが返ってきたと自分では思っているけれど,空耳だったかも...」と自信がないものだが,こうして相手からもeQSLが届き,時刻も自分のログと一致していれば,間違いなくこちらの電波があちらにも届いていたということで,大変嬉しい。写真はハワイKH6CW局からのeQSLカード。

eQSL

しばらく時間を置いてから,また28MHzをワッチしてみたら,先ほどとは違う周波数で同じマレーシアの局がCQを出していた。たまたまQSY(周波数を変えること)の直後だったらしく,今度は一発でコールバックがあり,なんとか1QSO。

その後は南米ウルグアイやアルゼンチンが聞こえ始めたけれど,かなり弱くて,シグナルが上がってきたタイミングを見計らってコール。なんとなくコールバックがあったように思うけれど,それこそ空耳だったかもしれない。JH1じゃなくてJS1CFVとか,ミスコピーだった可能性もある。

そんな感じで思いがけずQRPでDXとの交信を楽しむことができた週末となった。

ARRL 10m Log

2012年11月26日

●アマチュア無線その後(CQ World Wide DXコンテストCW部門)

電気通信術というくらいで,電信は日々鍛錬が必要なのだそうだ。しかし寒さで移動運用もままならない季節となり,術を磨くことができない。

せめて受信だけでもと思い,世界中が賑わうらしいCQ World Wide ContestのCW部門の日に合わせて,ベランダにモービルホイップアンテナ(RHM5)を立ててみた。今までも何度かチャレンジしているベランダモビホだが,アースが悪いのか手すりより外に振り出さないのが悪いのか(たぶん両方),車でやるよりもかなり条件が悪いのはわかっている。それでも暖かい部屋の中でのんびりCWできるというのは憧れである。

21MHzを聞くことにして,ある程度エレメントの長さ調整でSWRを下げてから,先日買ったオートアンテナチューナZ-817を使ったら,FT-817の簡易SWRメーターでは完全にSWRが落ちた(一目盛りも振れない状態)。

すると,普段からは考えられないほどたくさん信号が聞こえる。今まで一度も聞いたことのないアメリカ西海岸(CQゾーン03)が明瞭に聞こえている。まあ呼んでもこのアンテナにFT-817の5Wでは厳しいだろうけれど,ダメもとでコールしたところ,一発でコールバックがあり,あっさりとQSOができてしまった。西海岸までだと距離は8,000kmほどだろうか。電波というのは不思議なものだ。

で,気を良くして強く入っている局をコールしてみる。やはり何度も「?」を返されたり,ミスコピーされたり,SRI(ごめんなさい)が返ってきたりと,こちらの信号が弱いというのは間違いないようだ。それでも相手の耳に助けられる感じで,西海岸,中国,東南アジア,ロシアなどと順調に交信。ミスコピーがあったりして,ちょっと自信がないけれど,南米ウルグアイからもコールバックがあったのは驚いた。距離はほとんど地球の裏側で18,000km以上。

電波の伝搬というのは面白いもので,時間とともに聞こえるゾーンが移り変わっていく。朝から11時頃までは西海岸,夕方までは中国,ハワイなど,そして夕方から19時頃にはヨーロッパが強く入るようになった。さすがにヨーロッパの局には何度コールしても取ってもらえず,なんとかヨーロッパロシアとルーマニアとは交信できた(と思う)。そして夜中には何も聞こえなくなった。

2日目も朝6時過ぎからまたワッチを始めて,聞こえ方は初日と同じような感じでまた朝は西海岸と交信。あとはオーストラリアとも交信できた。

特にヨーロッパに多いような気がしたのだが,やたらと高速な符号を使う局長さん。あまり速い符号だと,コールバックがあってミスコピーだったりしても,訂正もままならない。またものすごく急いで交信しているイメージがあり,実際上位を狙う局は一分一秒が勝負なのだが,そうすると弱い信号を何度も聞き返してもらうのが心苦しくて呼べなくなってしまう。

動画はモスクワの局に頑張ってコールしてみたところ。残念ながら完全にスルーされてしまっている。このときは無理して20wpmで送信しているが,自分が聞き取ることを考えると16wpmくらいが良い。たぶんこのモスクワの局は30wpmくらいで交信している。

それでもまあ,終わってみれば自信のないものも含めれば21局の海外局と交信することができた。これまでDXとは2局だけしか交信したことがなかった(All Asian DXのとき)ことを考えれば,素晴らしい結果と言えるのではないだろうか。

jh1cfv_cq_ww_cw

いつもいつもこんな風にいくとは限らないが,その不確実性もまたアマチュア無線の醍醐味として楽しめれば良いのではないだろうか。

KH2/のコールサインでグアムから出ている日本人の局長さんがいらっしゃった話をかんなさん(JH1CFW)にしたところ,せっかくグアムに行ったのに昼間から無線をするなんてもったいないとおっしゃっていた。一般の方の感じ方はそれが普通なのです。無線家の皆さん気をつけましょう。

2012年11月17日

●アマチュア無線その後(海外通販でアンテナチューナーZ-817をゲット)

メジャーなコンテストも一段落し,移動運用も寒くておっくうな季節になってきた。

ギターの発表会も終わったし,無線もできないのでネットでいろいろと情報をみていたら,やっぱりアンテナチューナーのひとつくらい欲しいという気分になってきた。本当はSWRメーターなどもあったら良いのだが,今のところOMさんにお借りしたり,FT-817のSWR表示(目安程度)に頼っている。

で,FT-817で使うのだからコンパクトなものが良いと検索していたら,LDGのZ-817が良い感じ。

通販で海外から購入するのは,PowerBookG4の英語キーボード以来かな。今回はPayPalに登録して,海外の通販会社のサイトで直接クレジットカード番号を入れなくても済むようにした。

Z-817を扱っているところはいくつかあるけれど,適当に検索して最初はW4RTに注文。価格はUS$119.99で送料が一番安い(時間がかかる)ものでUS$20くらい。しかし,ペイパルで支払いを済ませたら間もなく次のようなメールが届いて返金されてきた。

We are not able to accept PayPal orders from Japan using First Class shipping due to US PayPal rules. We will be happy to accept your credit card order.

どうやら,一番安い送料を選ぶと日本へは送れないということなのかな。高い方だとUS$60近くするようだし,また断られてもアレなので別な会社で試してみることにする。とりあえず,ペイパルでちゃんと返金のような処理が問題なくされることは確認できたわけだ。

次に選んだのはCheapHam.com。こちらは本体はUS$109と安いけれど,送料がUS$44とちょっと高め。でもこちらは問題なくオーダー受付けされて,FedExで配送状況の追跡もできた。11月13日(日本時間)に注文して,16日のお昼頃に着荷したので,想像よりかなり早かった。

これでペイパルや海外通販が使えることがわかったので,経済的・精神的に余裕ができたら無線関係のキットなんかを買ってみてもいいかな。

早くZ-817を試してみたい気持ちもあるけれど,それはまた日を改めて。

FT-817ND and Z-817


2012年10月08日

●アマチュア無線その後(従免取得から1年経過&全市全郡コンテスト)

3アマの国試を受けて従事者免許を取って1年が経った。ハンディ無線機のVX-7で局免許を申請してコールサインをもらい開局してからもそろそろ1年になる(開局は11月9日)。

地元のアマチュア無線クラブの方のサポートのおかげで,CW,移動運用,コンテスト参加などいろいろと貴重な体験をさせて頂くことができた。最近始めたビギナーとしては恵まれた環境だったと思う。

コンテストということでは,今回の全市全郡コンテスト(規約)に参加したことで,一応JARL主催の7つのコンテスト(QSOパーティーALL JAAll ASIAN DX(CW)6m and DownField Day,全市全郡)にはすべて参加したことになる。

地方主催のコンテストでは,関東UHFXPO記念&愛・地球博記念コンテストにも参加した。

特筆すべきは4月のALL JA以降はCWをメインに活動したことだろう。元々モールス符号は国試を受けるために「亜鈴,ビートルズ,チーズケーキ,・・・」と語呂合わせで覚えてしまったために,その後実際の運用では非常に苦労している。運用を前提とするなら語呂合わせではなく音として覚えてしまうことが重要だったのだが,まあ資格を取ったときはまさかCWで運用することになるとは思っていなかったので仕方がない(以前は3アマ以上にはモールスの聞き取り試験があったのだが,今はなくなっている)。

約1年間の交信数は,クラブ局の方とのロールコールなどを除いて,291交信。複数回の交信を除いたユニーク局数は199局だった。CWに限れば186交信。コンテストに慣れた局ならわずか1日(数時間?)で達成してしまう程度の局数ではあるが,ビギナーにとっては1交信1交信が緊張の一瞬であった。

1年間の交信数

全市全郡コンテストは先日のXPO記念&愛・地球博記念コンテストと同じスタイルで,2日目の早朝6時頃から10時頃までの4時間ほど,公園の駐車場からモービルホイップアンテナ(RHM5)とFT-817(5W)で参加した。7MHz CWの呼び回りだけ。いつものようにメモリーキーヤーを使う。

全市全郡コンテストはコンテストナンバーが市区郡の番号(4〜6桁)となるために,ビギナーにはナンバーのコピーが難関であった。頻繁に交信している局だと,それを何度もワッチしてコピーすることができたが,空振りしている局だとiPodのボイスレコーダで録音してあとで確認する,という方法で頑張った。自分が送るナンバーも信号が弱い上に,混み合っていて混信も多く,NR?やAGNを返されることも多かった。何度送っても取りきれずにSRI(ごめんなさい)が返ってくることも。そのために4時間で交信できたのは25局。頑張って弱い信号をコピーして頂いた局長さんには感謝したい。

【結果】
全市全郡コンテスト
Freq.  Point Multi
------------------------
7MHz   25   25
------------------------
Total   25   25
Score  25x25 = 625

全市全郡コンテスト移動運用

今回あらためて感じたのは,ハイパワー局(H)の信号はクリアに聞こえたとしても,QRP局(P)から呼んで取ってもらえるとは限らないということ。ハイパワー局のCQは(強力なので)パイルアップになりやすいし,こちらから呼んでも完全にスルーされることが多かった。MやPの局だと,比較的取ってもらいやすかったような気がする。

印象的なマルチとしては,開始一発目が北海道旭川市,それから実家に近い新潟市中央区などがあった。5W同士の交信としては,愛知県日進市が一番距離があったかもしれない。

動画は7.015MHz付近の当日の受信状況。オプションのCWフィルタ(300Hz)の効果がよくわかる。コンテストでは特にビギナーにはフィルタが必須だと思った。ベテランは上下にいる信号を同時に聞いてコールをコピーしてしまうというのだから凄い。

JARL主催のコンテストは来年までないけれど,地方のコンテストなどで参加できるものがあったらまたやってみたい。

2012年09月22日

●アマチュア無線その後(XPO記念&愛・地球博記念コンテスト)

XPO記念コンテスト(規約)はJARL関西地方本部が主催するコンテストで,大阪万博の開催を記念したもの。一方愛・地球博記念コンテスト(規約)は,JARL東海地方本部が主催で,愛知万博の開催を記念したもの。どちらも地方主催ではあるが,管外の局同士の交信も有効な全国型のコンテストであるし,愛知万博には個人的に関わった(現地レポート)ということで,参加してみることにした。

この夏は暑い日が続き残暑も厳しかったので,移動運用もCWもフィールドデー以来である。

電波の飛びとしてはかんなさんの実家に自作のフルサイズダイポールアンテナを張るのが良いのだが,今回は実家が震災復旧工事のために使えず,車にモービルホイップアンテナ(RHM5)を付けての参加となった。

車で移動運用する場合には,電源を取るためにアイドリングしっぱなしになってしまうし,何より同じ姿勢で座ったまま長時間集中するのは非常に疲れる。なので目標は10局交信と決めて,早朝から短時間だけの参加とした。どうせQRP(5W)で呼び回りだけでは,長時間ねばっても上位は狙えないので。

久々のCWであったが,聞き取りはちょっとずつ進歩しているような気はする。しかしまだコールサインとコンテストナンバーを一発コピーできるほどではない。特にコールサインは1回目にプリフィックス,2回目にサフィックスという感じで,最低2回聞かないとコピーできない。基本的にはメモリーキーヤーで応答で,何か聞き返されたときだけパドルを使っている。

すんなり交信できない場合の対処法も,NR?(コンテストナンバーをもう一度)程度なら対応できるようになったが,それ以外にいろいろ打たれると頭が真っ白になってしまう。CWでよく使う略符号は音のカタマリとして覚えてしまう必要がありそうだ。ラバースタンプQSOまでの道は遠い。

どちらのコンテストも,2時間ほどで目標の10局交信はクリアできた。このくらいの局数ならログの整理もすぐできるし,QSLカード印刷の負担もそれほどではないので,今後もこのパターンでコンテストに参加しようかな。

【結果】
XPO記念コンテスト
Freq.  Point Multi
------------------------
7MHz   12   10
------------------------
Total   12   10
Score  12x10 = 120

multi:新潟,埼玉,茨城,愛知,三重,奈良,大阪,和歌山,兵庫,石川

愛・地球博記念コンテスト
Freq.  Point Multi
------------------------
7MHz   15   11
------------------------
Total   15   11
Score  15x11 = 165

multi:長野,神奈川,埼玉,茨城,栃木,静岡,三重,京都,和歌山,兵庫,長崎

愛・地球博記念コンテスト移動運用

2012年08月26日

●週末見た景色 ハムフェア2012

アマチュア無線の国内最大のイベントがアマチュア無線フェスティバル(ハムフェア)。もちろんそんなイベントをやっていることすら昨年までは知らなかった。

炎天下にビッグサイトに出掛けて行くことに不安もあったけれど,まあ一回くらい様子を見に行くか,ということで。

以前仕事で行ったときは東京までJRで行ってゆりかもめを使ったのだが,今回はディズニーランド行きの高速バスを使って,舞浜から京葉線で新木場,そこからりんかい線で国際展示場というルートにした。舞浜からの所要時間は15分ほどで確かに楽。ただしディズニーランドの入口まで行って素通りし,人波に逆流して駅に向かうというのが(精神的に)かなり苦行。

入場者は想像よりは多かった。斜陽の趣味と言われているが,さすがに全国から集めればまだまだ人がいる。展示はメーカーの無線機の他に秋葉原の無線ショップの出前や,クラブの展示・ジャンク市など。子供向けに工作教室や体験コーナーなども頑張っていたけれど,今後若い人が興味をもってくれるかどうか...。

買い物は特にせず,印刷したQSLカードを転送コーナーに持って行ったくらい。ベテランの方は普段交信している人とこの場でアイボール(直接会うこと)することを楽しみにしているようだが,自分たちはビギナーなのでそういうのもあまりない。ツイッターで参考にさせて頂いているJP1QYO局にEBして頂いたくらい。

ジャンクにも今のところ特に興味がないので,そうするとたいていのものは通販で手に入るし,交通費をかけて毎年足を運ぶほどでもないかなぁ,というのが感想。

Hamfair2012 JapanHamfair2012 JapanHamfair2012 JapanHamfair2012 Japan

2012年08月14日

●アマチュア無線その後(フィールドデーコンテスト)

アマチュア無線のコンテストにも様々な種類がある。日本のJARLが主催するもの,各地のローカルコンテスト,海外のコンテストなど。

JARLが主催する国内コンテストはちょっとしたお祭りのような感じで,別にどこかに集まってイベントをするわけではないのだが,各地の無線局長は作戦を練り機材の準備をして,当日は電波が普段よりも何倍も(何百倍も?)多く頭上を飛び交っている。もちろんアマチュア無線の免許を取るまではそんなことが行われているなんてちっとも知らなかった。

フィールドデーコンテスト(規約)は,移動運用を奨励するコンテストで,元々はアメリカなどで行われているものをJARLがマネしたのかな。

移動運用の場合は法律上50Wまでの無線機しか使えないし,アンテナもその場で設営できる簡易なタイプに制限されるため,固定局とは違ったノウハウが必要となる。

私は自宅では(アパマンハムなので)HFのアンテナが張れないため,コンテストに参加するときはどっちにしろ移動運用となる。

今回は先日作った7MHzのフルサイズダイポールアンテナを使って参加。前回の6m and downコンテストのときの反省を生かして,コンテストログの記録用のパソコンと,コンテストナンバーを聞き漏らしたとき用のICレコーダも用意した。

もちろん電信部門なのだが,まだCQを出せるスキルがないため,CQを出している局に応答する「呼びまわり」に徹する。自分でCQを出すためには,呼んできた局のコールサインをできれば一発で聞き取り,すぐにパドルで打ち返すとともに,コンテストナンバーも一発で聞き取らなければいけない。どうかすると複数の局から同時に呼ばれることもある。

呼びまわりの場合は何度か書いているように,事前に相手のコールサインとコンテストナンバーを控えておけるので,相手に取ってさえもらえれば交信成立する。その代わり,CQを出すのに比べれば局数は稼げない。

土曜日の21:00から,翌日曜日の15:00がコンテストの時間となるが,1日目の夜は電波の飛びを確認するために10局ほどやって寝る。

2日目は朝5時に起きて再開。7時前まではパイルアップもほどんどなく,CQを出している局にはほぼ一発でコピーしてもらえた。その後だいぶ混み合ってきたが,順調に局数を伸ばして,10時には50局に達した。まあこのくらいできれば充分でしょう,これ以上やってもQSLカードの印刷が大変だし,ということでCWは終了。

かんなさんは今回,CWではなくて電話(SSB)の新人部門(ニューカマー)にエントリーするため,2日目の13時から1時間ほどだけ呼びまわり,10局交信。

7MHzのコンディションとしては,常にS8くらいのノイズが乗っていて,これがいつものことなのかどうかはわからない。それでも北海道から和歌山,日本海側は秋田,新潟,富山なども交信できた。不思議と東京とは交信できず。九州ともつながらなかった(画像の赤字が交信できた都道府県)。こちらの無線機は毎度のFT-817(300Hz CWフィルタつき)の5W。当局移動地は茨城県日立市(JCC1402)。

Freq.  Point Multi
------------------------
7MHz   51   27
------------------------
Total   51   27
Score  51x27x2 = 2,754

fd-multi

コンテストログはMacOSX上でWinXPをVirtualboxで動かして,その上でCTESTWINで入力。JARLへのログ提出も,CTESTWINから電子ログを出力してメールで提出した。その後CSVでデータを書き出して,HAMLOGに結合している。

今回のフィールドデーで,これまで国内で交信できていなかった9エリアとも交信できたので,QSLカードを頂くことができれば,AJDのアワードを申請できるはず。

2012年08月01日

●アマチュア無線その後(7MHzフルサイズダイポールアンテナを作る)

6m(50MHz)のコンディションが良い時期はそろそろ終わりらしく,自宅のベランダに仮設している3バンドのGPアンテナ(VX1000)では,ローカルさん以外の交信はさっぱり聞こえなくなってきた。

そうなるとアパマンハムとしては移動運用しかない。移動用のアンテナとしては,ALL JAコンテストのときに買ったブロードバンドアンテナ(BB6W)と,車用のモービルホイップアンテナ(RHM5)がある。

RHM5は海岸などでたまに使っている感じとしては,そこそこ強く受信できている局にはこちらからも届くという印象。一方BB6Wの方は,受信はそこそこできるものの,こちらからの電波はなかなか拾ってもらえない場合が多いような気がする。ちなみに交信実績はRHM5が17局,BB6Wが12局。

もちろんロケーションや電波状態も違うので,この程度の実績で判断するのは早計だが,いずれにしても自分の中でのリファレンスとして,一番基本的なフルサイズダイポールアンテナを試してみたいという気持ちがあった。

そんなことをツィッターでつぶやいたところ,親切なローカルさんが,HF帯のバラン(Balun;平衡-不平衡変換器;ダイポールアンテナを作るのに必要な部品。買うと4000円くらいする)を貸してくださった。

早速ホームセンターで10mのビニール平行コードを買ってきて,それを裂いてダイポールアンテナの制作。両端を折り返して垂らすと聞いたので,目分量(両手を広げた長さ)で垂らして,かんなさんの実家に張ってみた。バランを中心に片側10mのエレメントを張るためにはかなり広い庭が必要で,かんなさんの実家でも敷地的にはかなり厳しく,建物と地面にかなり近いセッティングとなった。

それでもまあ,とりあえず測ってみるか,ということでこれまた借り物の通過型SWR計(無線機とアンテナの同調を調べる機械※)で測定してみた。その結果が次のような特性。

SWR of 7MHz full size dipole antenna

アンテナの実用的なSWRは1.5以下ということで,これを見ると特にエレメントを切ったりしなくても,CWで使う7.010MHz付近は充分にSWRが低い。受信している信号も強く,そのまま交信してみることにした。

もちろんコンディションの影響もあるのだろうが,CQを出している局に応答したら一発でコピーしてもらうことができた。こちらのパワーはいつも通りFT-817の5Wである。BB6Wで打っても打っても「?」が返ってきたのはいったい何だったのか,という感じ。そのまま1時間ほどで,神奈川,静岡,兵庫,福島の局と交信できた。パイルアップでなければ充分な性能ではないだろうか。

もちろん本格的な調整と評価はこれからだが,やっぱり基本は大事,ということが今回よくわかった。短いアンテナでいろんなバンドに無調整で出られて,しかも電波が良く飛ぶ,なんてうまい話はないのである。

※本当は定在波比を測る機械。参考:Wikipedia--SWR(定在波比)


2012年07月16日

●アマチュア無線その後(6m and Downコンテスト)

何の趣味でもそうだと思うけれど,活動の成果を発表できる場があると,モチベーションも上がる。楽器演奏を習っている人なら発表会があるし,独学ならYoutubeで発表しても良い。

アマチュア無線の楽しみ方もいろいろだが,コンテストというのは日頃の研究の成果を試す機会のひとつと言っても良いのではないだろうか。

6m and Downコンテストは,6m(50MHz)バンドと,それより短い波長のバンドを対象としたコンテスト。詳しい規約は公式サイトをご覧いただきたい。

波長の短い(周波数の高い)電波は電離層で反射しないので,見通し距離程度しか届かない。なのでコンテストで良い成績を出そうとすると,見通しの良い場所(山の上とか)で移動運用する必要がある。ただし6mというのは不思議なバンドで,夏場のこの時期,自然現象の気まぐれで電離層が電波を反射しやすくなり,急に遠くまで電波が届くようになったりする。

いずれにしてもロケーションの良い場所が有利なことには変わらないので,ローカルの皆さんと一緒に市内の高い場所に移動してJCC1402のポータブル1でコンテストに参加することにした。アンテナは50/144/430MHzの3バンドに対応したコメットのCX702をお借りすることができた。

CX702

もちろん狙うのはFT-817でQRP(出力5W以下)の部門である。本当は電信部門にしようと思ったのだが,結局ローカルさんと電話もしてしまったので,電信電話部門になった。

元々夜中に出るつもりはなかったので,二日目の朝からぼちぼちと。途中でお昼を食べたり休憩したりで,あまり局数も稼げないのだが,それでもCWで27局と交信することができた。コールサインとコンテストナンバーを聞き取るのも相変わらず手間取るのだが,徐々に進歩しているのかな,とも思う。

かんなさんと二人で出るメリットもあって,CQで空振りが続いている局を見つけた場合,なかなか他局と交信してくれないのでコンテストナンバーは事前にコピーすることができない。そんなとき,まずは私が応答して,必死にコンテストナンバーを聞き取る。もしも符号が速かったりQSB(フェージング;信号の強さが時々刻々変わること)の谷間で聞き取れない部分があったときは,すかさずかんなさんが続けて応答して,聞き取れなかった部分を重点的に聞き取る。聞き取るのも二人で協力すればかなり精度が上がる。

期待していた6mのコンディションは,お昼前後にかなり良くなって,和歌山,広島と交信できた。
普段はトラックドライバーのおしゃべりしか聞こえない2m(144MHz)や430MHzもこのときはCWがばんばん聞こえて,2mでは長野とも交信できた。

基本的には今回もメモリーキーヤーぽちぽちだったのだが,たまに「?」を打たれたり,相手のナンバーが聞き取れないときに,パドルでDEとかNR?,混んでない時間帯にはGM(おはようございます)を打つ余裕も出てきた。

これまでに交信して頂いた局のQSLカードも届きはじめているし,クラブ局が発行しているアワードも受賞することができたりして,けっこうハマっている今日この頃である。

Freq.  Point Multi
------------------------
50MHz   12   4
144MHz  17   5
430MHz  17   3
------------------------
Total   46   12
Score  552

6m and down

2012年07月01日

●アマチュア無線その後(開局後半年経過,電鍵購入)

かんなさんが一緒に資格の勉強がしたいと,突然CQ ham radioという雑誌を買ってきてから早いものでもう1年である。その後二人で3アマの国家試験を受けて従事者免許を取りVX-7で無線局を開局してから半年あまり。

1年前にはまさか自分がモールス信号で交信するようになるとは夢にも思わなかった。それはかんなさんも同様だろう。

モールス(CW)の良いところは,弱い電波でも受信しやすいので遠くと交信できるとか,世界共通の符号だとか,設備が簡単で済むとか,いろいろあると思うが,なんといっても声を出さなくても良いというのが最高だ。はっきり言ってしまえば,しゃべるのは疲れる。会社で上司としゃべり,お客様と電話でしゃべり,この上無線でしゃべりたくなどない。

かんなさんはちょっと理由が違って,どうしてもYL(Young Lady;女性のこと)の局が声を出していると,もうそれだけで珍重されてパイルアップなのである。クラブ局のコールで運用したときも,私がCQを出すのと,かんなさんがCQを出すのでは応答が10倍くらい違うというのを経験済みだ。CWなら老若男女関係がなく,女性でも特別視されることはない。

前振りが長くなったが,良いCWには良い電鍵,ということで,気晴らしも兼ねて秋葉原に電鍵を買いに行った。かんなさんは先日受けた資格試験に受かったお祝いに,ストレートキー(昔ながらの縦振り電鍵)をご所望である。私はまあ,手っ取り早く交信できるエレキー用のパドルを狙っていた。ちなみに現在はクラブのOMさんが手作りされたパドル(写真)を使っていて,これでCWデビューもしたし,エレキーを使う分には充分実用になるのだけれど,慣れてくるとちょっとレバーの反動が気になるとか,メーカー製のものも試してみたいという気分になったのである。

Pete

問題は秋葉原といえども電鍵を店頭で売っているお店がほとんどないということ。「◯◯無線」というお店はやたらといっぱいあるが,実際に売っているのは家電品だったりパソコンだったりオーディオだったりして当てにならない。

結局,店頭で電鍵を触れたのはロケットアマチュア無線本館と,富士無線電機の2店だけ。かんなさんは昔業務に使われていたような電鍵の中古も狙っていたようだが,そんなものを置いているお店は発見できなかった。通販ならいろいろと選べる電鍵だが,こればかりは感触を直接確かめないと良いか悪いかわからない。楽器選びと同じである。

ロケットの方はハイモンドのストレートキーが触れるようになっていて,発信器と解読機がつながれている。これはなかなか親切だと思った。まあ,練習せずにいきなり打ってもまったく解読してもらえないんだけれど。

パドルの方は富士無線にハイモンドGHDキーベンチャーのものがあった。種類は富士無線の方がロケットよりも多い。店員さんも親切で,ケースを開けていくらでも感触を確かめさせてくれた。

かんなさんは割とあっさり,ハイモンドのストレートキーの中級モデルHK-704に決めたのだが,私は悩んだ。感触はGHDの2万円くらいのモデルが良いし,ベンチャーのやはり2万円のパドルは造形が美しい。超小型のGHDのGM707とGM701も移動運用に便利そう。
結局,GM707に決めた。大きなパドルは感触や見た目は素晴らしいけれど,やはり移動運用に持っていくには重すぎる。せっかくリグをコンパクトなFT-817にしたのだから,パドルもそれに合わせて。

帰ったらちょうど6mのコンディションが良く,早速新しいパドルで5エリア(高知県)と4エリア(山口県)と交信できた。交信といってもまだ最低限のレポート交換(R GA UR 599 TU)だけではあるが,それでもなかなか楽しい。

GM707

かんなさんのストレートキーの方はこれはさすがに大変だ。CWのリズムは耳で聞いてだいぶ身についてきたと思っていたが,正しいリズムで打つのは非常に難しい。でも確かにこっちの方が習得したときの喜びは大きそう。

HK-704

2012年06月25日

●アマチュア無線その後(All Asian DXコンテストでDXデビュー)

CWフィルタを付けたFT-817NDはなかなか良い感じである。自宅ではHFができないのが少し残念だが,移動運用の楽しみというのもある。

父の日に開催されたALL ASIAN DXコンテストのCW部門は,かんなさんのご家族との会食の合間を縫って,午前中に海水浴場の駐車場からQRV。

アンテナはハムの集いで格安ゲットしたRHM5というモービルホイップアンテナを,マグネット基台でポロの屋根に取り付けた。アースをきちんと取っていないのがやや気になるが,この状態で21MHz帯のSWRはFT-817の簡易SWR計で3コマくらい。

All Asian CW

交信できるかどうかはわからないが,一応メモリキーヤにコールサインとコンテストナンバーを登録しておく。コンテストナンバーは,RST(599)+オペレータの年齢。YL局はそれでは困ってしまうので,00でも良い。ということでかんなさんは59900。

21メガ帯でワッチを始めると,強いJA局に混じって,海外局もいくつか聞こえる。とにかくコールサインとコンテストナンバーをコピーしないと話にならないので,車の中で耳を凝らす。JA局のコールサインならだいたいパターンが決まっている(J◯数字◯◯◯)のでだいぶ慣れてきたが,海外局のコールサインは長さもまちまちだし,途中で/が入ったりして,何度も聞かないとコピーできない。さらに他局と交信しているのを聞いてコンテストナンバーもコピーしなくてはいけない。

そうしてなんとかフルコピーしたRAの局(サハリン)に,ポチっとコール。どうせ5Wということであまり期待していなかったのだが,一回聞き返されただけで,ちゃんとコピーしてもらえた。コールが一文字違いのかんなさんが続けて打つと,ミスコピーか重複交信と思われそうなので,数局QSOした後に同じようにポチポチやって,こちらもQSL。

そんな感じで,1時間で2局と交信することができた(もう1局は東マレーシア)。かんなさんも同じ。スコアとしては8点と,まったくたいしたことはないけれど,なんといっても初めての海外局との交信ということで嬉しかった。出力5Wでも,電波状態とロケーションが良ければ充分DXも可能だということがわかった。

アマチュア無線関係のネタはいろいろたまっているけれど,なかなかまとまった文章を書いているヒマがない。

FT-817ND

2012年06月10日

●はじめてのCQ,そして無線機購入 FT-817ND

オールモードのリグ(ハムの世界では無線機のことをリグ;Rigと呼ぶ)をお借りしてメモリーキーヤーも作りコンテストでCWデビューも果たしたということで,そろそろ自前のオールモードのリグが欲しいと思っていた。

そんなある日,どうせ誰も聞いている人なんていないだろうと,CWのパドル操作の練習のため,6m(50MHz)でCQを出していた。CQ CQ DE JH1CFV JH1CFV Kとこんな具合だ。

そうしたら,3回ほど繰り返したところで応答があった。正直,まさか応答があるとは思っていなかった(6mはよほど電波のコンディションが良くないと遠くまで飛ばないので)からほとんどパニックである。
とりあえず「?(トトツーツートト)」を返し,次にプリフィックスだけ取って「JA5?」。サフィックスも一度では取れず,2回くらいコールしてもらって,ようやくコピーできた。感激したのだが,気の利いた符号は何も打てないので,599 TUだけ返してなんとかQSL(交信確認)。599なら「?」連発するなよとOMさんから突っ込まれそうだが,ビギナーということでご容赦願いたい。

ちなみにこれがPhone(電話)も含めて,自分でCQを出して初めて応答をもらえた記念すべき交信となった。相手局は愛媛県ということで,思いのほか遠くまで飛んでいたようだ。

そんな嬉し恥ずかしい経験もしつつ,リグ選び。TS-680Vを貸してくださったOMさんは,(返すのは)いつでも良いよ,と言ってくださったのだが,貴重な機械を壊してしまったら申し訳ないし,移動運用するには電源も含めてかなり重いということで,新しい機械が欲しかった。

とはいえ,無線機は高い。最初に買ったハンディー機のVX-7が4万円近くしたし,これからどれくらいアマチュア無線を続けるかもわからないので,大きな投資はする気にならない。

従って条件としては,1台でオールバンド(HF,VHF,UHF),オールモード(CW,SSB,AM,FM)に対応していて,さらに車で使ったり移動運用するのに苦にならないコンパクト機で,できるだけ安いもの,ということになる。

そうなると選択肢はほとんどなくて,八重洲のFT-8xxシリーズしかない。1台でオールバンドに対応したポータブル/モービル機は,現在八重洲しか出していないのだ。

FT-8xxシリーズには817,857,897と3機種あって,私は3アマなので,送信出力は817が5W,857と897は50Wということになる。857はバッテリーが内蔵できないし,フロントパネルが外せたりと,モービル重視という感じなので除外するとして,817と897どちらにするかは正直かなり迷った。夜中にふと目覚めて,どっちにするか考えはじめてしまって眠れなくなったくらい迷った。

897は高機能だし,何より50W出せるのは魅力的。しかし価格が高いし,本体の他にバッテリーや充電器,さらに安定化電源も買わなくてはいけないということで,投資額がかなり大きくなってしまう。それにTS-680Vよりはだいぶコンパクトだとはいえ,やはり気軽に持ち運ぶにはちょっと大きくて重い。

ということで最終的にFT-817NDに決定。5Wしか出せないのはデメリットとは考えず,アンテナやロケーションを工夫する楽しみがあるということで前向きに考えることにした。別にDXCC(世界中と交信するアワード)を狙うつもりもないし。

ただ,TS-680Vで7MHz CWをワッチしたときの感じから,CWフィルタは欲しいと思って,オプションのCWフィルタ(300Hz)を注文した。

FT-817NDは驚くなかれ10年以上(発売は2000年)前の製品で,それがほとんどそのまま(ニッケル水素電池が付属してNDになった)売られているという事実が,この製品の特長をすべて表しているように思う。同等の性能を有する直接のライバル製品が存在しないのである。それだけ優れた製品ということであるが,逆にこの業界が斜陽であることも否定できないだろう。2000年といえばパソコンのメモリは256MB,HDDは80GBとかそんな時代である。現在の技術で開発したら,遥かに高性能な無線機が,より軽量・省電力で作れると思う。が,それを売るマーケットがない。

新しい無線機を買うと,いちいち免許の変更申請が必要だというのも面倒な点。

さて,これでHFのリグとアンテナを自前で用意できた。自宅はアパマンなので移動運用が中心になるとは思うが,CWを重点的に,細々と無線を楽しみたい。

動画はかんなさんの実家でブロードバンドアンテナBB6Wを張って,7MHzのCWをワッチしたところ。もう少し混信の多い状況ならわかりやすいのだが,CWフィルタはノイズフィルタ的にも使えることがわかった。


2012年04月30日

●アマチュア無線その後(ALL JAコンテストでCWデビュー)

さて,オールモード無線機の免許を取ったりメモリーキーヤーを作ったりMorseRunnerで聞き取りの練習をして着々とCWデビューのチャンスをうかがっていた。

ただ,いくらラバースタンプQSOで良いと言っても,聞き取った相手のコールサインをすぐに打鍵する必要があるなど,けっこうハードルが高い。

そこでコンテストである。ローカルのOMさんから,「コンテストなら,自分のコールサインとコンテストナンバーをメモリーキーヤーに登録しておけば,ボタンをぽちぽち押すだけで交信できるよ」と教えて頂いた。

4月28日から29日には,全国のハムが盛り上がるオールJAコンテストが開催されると聞き,CWデビューするならここしかない。と考えた。ちょうどゴールデンウィークで勤め人でも参加しやすい。

オールJAコンテストの使用周波数帯はHFから50MHzということで,アンテナをなんとかしなくてはいけない。7MHzの釣竿アンテナはお借りしているが,どうせなら他のバンドにも出てみたいということで,ハムショップに出掛けていって相談した結果,BB6Wという2〜30MHzまで無調整で同調するワイヤーアンテナを購入。決め手はかんなさんの「これ面白そう」の一言であった。

このアンテナをかんなさんの実家の2F軒下から庭に斜めに張って運用することにした。

メモリーキーヤの1chには私のコールサイン(JH1CFV),2chには送出するコンテストナンバー(59914L),3chにはかんなさんのコールサイン(JH1CFW)を登録しておいて,2人でコンテストに参加する準備が整った。

そして出ようと思ったバンドで「CQ TEST」を出している局を見つけたら,ひたすらワッチして,コールサインとコンテストナンバーをメモする。自分たちの実力だと一回聞いただけではオールコピー(完全に内容を聞き取ること)できないので,何度も他局と交信している間に,頑張ってコピーする。

相手のコールとコンテストナンバーがわかったら,いよいよ応答。タイミング良くch1のボタンを「ぽち」。相手が自分のコールサインを打って来たら,すかさずch2のボタンを「ぽち」。もしも「?」が返ってきたら,慌てずにまたch1をぽち。「NR?」が返ってきたら,ch2をぽち,という感じで交信が成立する。

周波数帯だが,とにかく7MHzは大混雑で,どこを聞いてもいくつもの交信が重なって聞こえる(動画)。

この中からなんとかコピーできた局と数局交信。21MHzはだいぶ空いていて,沖縄の局がよく聞こえていたが,さすがに飛びも厳しくて1局だけできた。あとは元々持っていたV/Uのアンテナ(VX1000)に切り替えて,50MHzで何局かやって終了。ベテランの方は何百局もやるそうだが,とてもそんなペースではできなかった。とにかくワッチしてコピーするのに時間がかかるし,応答しても取ってもらえない場合が大半(聞き取ってコピーできた局だけなら40局くらいあった)。相手側も混信が酷いだろうし,こちらは10Wの低出力リグに携帯性重視のアンテナなので仕方がない。自分でCQを出せればまた違うと思うけれど,そうすると相手のコールを打鍵するスキルが必要だ。

成績は下記。途中疲れて昼寝をしてしまったりして,実質3時間ほどの成果。マルチは東京,千葉,神奈川,静岡,埼玉,茨城と,沖縄。

Freq.  Point Multi
------------------------
7MHz   6   3
21MHz   1   1
50MHz  10   4
------------------------
Total   17   8
Score  136

局数は少なかったし,メモリーキーヤーをぽちぽちするだけではあったが,CWデビューできたということで個人的にはちょっと嬉しい。

ちなみにかんなさん(JH1CFW)もCWを聞き取るスキルは同じくらいで,数局と交信できた。参加することに意味がある,ということで。

そんな感じで今後もちょっとずつアマチュア無線を楽しんでいこうと思う。

2012年04月09日

●アマチュア無線その後(メモリキーヤ工作)

三級アマチュア無線技士以上の資格を持っていると,モールス信号(Continuous Wave; CW)による交信をすることができる。

先日オールモードの無線機の免許が下りたので,資格の上ではCWで電波を出すことができるようになっている。

あとCWに必要な道具としては,電鍵(パドル)というものがある。要するにスイッチなのだが,映画などで見たことのある方も多いと思う。

もちろんこの縦振り電鍵が基本なのだが,CWにはかなり厳密なルールがあって,トンツーのトン(短点)に対してツー(長点)は3倍の長さであるとか,文字と文字の間隔は長点と同じであるとか,完全手動操作でキレイな符号を打つのは相当の修行が必要なのである。

で,エレキの力を使ってキレイな符号を打てるのが「エレクトリックキーヤー(エレキー)」というもの。スイッチを押すと,短点と長点を設定した長さで送出してくれる。

エレクトリックキーヤーにメモリー機能を持たせたのがメモリーキーヤー。例えばCQを出すとき,CQ CQ DE JH1CFV JH1CFV K(CQこちらはJH1CFVです,どうぞ)というような決まり文句を何度も手動で打つのは疲れる。そんなときメモリーキーヤーがあれば楽ができる。

CWに憧れてはいたものの,敷居が高いのも事実で,なかなか一歩を踏み出すことができずにいたところ,親切なOMさんがメモリーキーヤーのキットを譲ってくださり,さらに別のOMさんは手作りのパドルを貸してくださった。みなさんアマチュアコードに則った親切な方ばかりである。

かんなさんが電子工作はやったことがない,とおっしゃるので,では作ってみたら,ということになった。ただ,貴重な頂き物のキットで練習するのはマズかろうということで,かんなさんは自らパーツショップ(が市内にあったのも驚きだけど)に出かけて行き,ELEキットが出しているFMラジオくんという初級者向けのキットを買ってきて早速作ってしまった。半田付けなど,私が小学生の頃に比べたら大変上手で感心した。

次はいよいよメモリーキーヤーの工作である。男の悪い癖で「ちょっと見本を見せようか」なんて言って抵抗をつけ始めたら楽しくなってしまって,気づいたら半分くらい半田付けが終わってしまっていた。反省。

残りはかんなさんが半田付けして,電源はパーツショップで006PのソケットとDCプラグだけ入手して,とりあえず動作確認できた。もちろん一発OKである。

さて,これでもうCWに出ない言い訳はいよいよできなくなった。しかし実際にはまだゆっくり何度も繰り返してもらわないと聞き取れないし,打つ方も怪しい。いったいいつになったらCWで電波が出せるのだろう…。

メモリーキーヤーとパドル

2012年03月03日

●今日見た景色 真壁のひなまつりと筑波山梅まつり

年度末仕事に追われている昨今だが,リフレッシュも必要ということで日帰りバスツアー。

桜川市真壁のひなまつり。震災により登録文化財の被害が大きく,現在でもかなり痛々しい状態。直すといっても文化財だけにいろいろと考えながらしなくてはならず,難しいのだろう。

「寒い中、真壁に来てくれる人をもてなせないか」という住民の思いから始まった真壁のひなまつり。 歴史ある町割りの中、300余棟を超える見世蔵、土蔵、門などが軒を連ね、その内の104棟が国の登録文化財に登録されています。平成22年6月29日には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。 ひなまつり期間中は、そうした風情ある町並みの中に江戸から明治、大正、昭和、平成までのひな人形、手作りのつるし雛、地元特産のみかげ石で作ったひな人形などが飾られます。こうしたひな人形を飾る家は約160軒を数え、期間中に真壁を訪れる観光客は約10万人を超えます。--桜川市観光ガイドより

真壁ひなまつり

真壁ひなまつり真壁ひなまつり真壁ひなまつり


筑波山の梅まつりはまだ紅梅が三分咲きくらいで,見頃はもう少し先。筑波山はロケーションが良いし,ちょうど雛コンテストの日ということで,かんなさんがVX-7でCQ雛コンテストを出したが,空振り。バスツアーの限られた時間だったのでちょっと厳しかったかも。コンテストではないが,東京日野市からCQを出している局があったので,430MHzでQSO。距離は約90km。内蔵ホイップアンテナでもロケーションが良ければ結構届く。RSレポートは51を頂いた。

筑波山梅まつり

2012年02月25日

●アマチュア無線その後(局免許の変更申請)

関東UHFコンテストとか,ローカルさんとのおしゃべり(ラグチュー)ならばVX-7のV/UHF帯のFMでも良いけれど,アマチュア無線の醍醐味はやはりHF(短波帯)だよと,ことあるごとに言われるので,実際に楽しめるかどうかはともかく,免許だけは取っておくことにした。

地元ハムクラブのOMさん所有のFT-857なら技適機種だし,オールモード,オールバンドで移動局としては最大の50Wの免許が下ろせるということで,その無線機と,ちょっと古いがHFに出られるオールモードのリグ(Kenwood TS-680V)をお借りすることができたので,この無線機についても免許を下ろしてみることにする。無線機オタクではないので詳しいことはわからないが,TS-680Vは1980年代の製品かな。針式のメーターが良い感じ。

TS-680V

免許の変更申請まずはFT-857の方から。開局のときにやった電子申請では,結局設備共用の申請方法がわからなかったので,今回はOMさんオススメの「局免印刷」というフリーソフトを使って書類申請をしてみた。

局免印刷のメニューにはちゃんと設備共用の項目があって,二人でひとつの無線機を共用するように申請することができた。

FT-857の増設申請から少し遅れて,TS-680Vの申請にもチャレンジ。こちらは技適機種ではないのでちょっと面倒。

関東総合通信局に変更申請をする前に,その無線機が基準に適合していることを,TSSという機関に認定してもらう必要がある。

TSSもインターネットでオンライン保証認定依頼ができるようになっているのだが,記入の仕方が大変わかりにくい。この辺はなんともお役所的というかなんというか…。

たぶんここはこういうことだろうと推測しながら,無線機の取説と記入のヘルプを見ながら必要事項を記入して,TSSに送付するとともに,保証料の3000円を振込む。

しばらくしてTSSから「記載に不備があるので修正せよ」とのメール。間違っている項目ごとに「ここは◯◯じゃなくて□□と書いてください」と指示があるので,だったらそっちで直してくれればいいじゃないか,と思いつつ修正版を送付し直す。ヘルプをもう少しわかりやすくしてくれたら,こうやって間違える人も減るだろうし,いちいち間違いを指摘する手間も省けて,保証料の値上げなんてしなくても済んだんじゃないかとか,余計なことを考えてしまうが,まあそこはいろいろな事情があるのだろう。

幸いにして一回の修正で保証認定がpdfで送られてきて,それを電子申請に添付書類として付けて関東総合通信局に送る。

で,間もなく新しい免許状と無線機に貼る免許証票が届いた。書類申請するときにうっかり切手を貼った返信用封筒を入れ忘れたので,切手を返送するようにとのお叱りもついてきた。電波利用料を払ってるんだから,80円くらいサービスしてくれても良いじゃん,と思ってしまうがまあ忘れたこちらが悪いので仕方がない。

これで免許の上ではHF(1.9MHz)から140MHzまでは50W,430MHzは20Wまでの電波が出せるようになった。7MHzの釣竿アンテナもお借りしているのだが,寒いし年度末で忙しいので,試すのはまだ先になりそう。

Delta

2012年02月15日

●アマチュア無線その後(関東UHFコンテスト)

VX-7で無線局を開局して3ヶ月。地元クラブの方のお誘いで,初めてコンテストというものに参加してみることにした。

正月のQSOパーティーと似ているが,コンテストは交信数によって順位が出る。

関東UHFコンテストの詳しい要領はpdfを見てもらうとして,一言で書くと「関東地方限定の430MHz以上の周波数帯域を使ったコンテスト」ということになるだろうか。

VX-7は50MHzのAMとFM,144MHzのFM,430MHzのFMで交信できるので,430MHz帯のFMでコンテストにエントリーできる。

430MHzのFMというと,初めてQSOした思い出のバンドではあるけれど,そのときの距離がたぶん2kmくらい。5Wでは市内の方と交信するくらいがせいぜいかな,と思っていた。

で,その辺はクラブの方もよく心得ていて,毎年このコンテストの日は関東平野に向けて開けている山の上で移動運用するのである。その移動運用に着いて行ったというわけ。

登ったのは「奥日立きららの里」。関東平野が見渡せる駐車場で標高422m。

関東UHFコンテスト移動運用

アンテナはOMさんのモービルホイップをお借りして,とりあえずワッチを始めてみた。ら,普段の430MHz帯の静けさが嘘のように賑わっている。コンテストナンバー(市,郡コード)を聞いているとなんと埼玉の局。試しに呼んでみたらあっさり交信成立して1QSO。

関東UHFコンテスト移動運用

その後も県内はもちろん,栃木,埼玉,群馬,神奈川の局と次々と交信することができた。私もかんなさんも度胸がなくて自分でCQを出すことはできなかったけれど,呼んで回るだけでも充分に楽しめた。

お昼はお湯を沸かしてカップラーメンを食べたり,ちょっとしたピクニック気分。

関東UHFコンテスト移動運用

休憩しながら3時間ほどやって,私は18QSO,かんなさんは16QSOという結果(うち5局はクラブメンバー)。

数はたいしたことはないけれど,430で県外の局と交信できたのが面白かった。一番遠いのはたぶん神奈川の伊勢原市で約180km。おそらく相手局も高いところで運用されていたのだろう。

関東UHFコンテスト

2012年01月05日

●アマチュア無線その後(はじめてのQSOパーティー)

出力5Wのハンディー無線機VX-7でアマチュア無線局を開局してからそろそろ2ヶ月。年末は仕事も多忙でまったくQSOできなかったのだが,親切な地元アマチュア無線クラブのメンバーの方より,お正月のQSOパーティーには是非ご参加くださいとお誘いを頂いた。

QSOパーティーというのは,JARLが主催している毎年恒例のコンテストで,今回で65回目。お正月の1月2日9:00から3日21:00までの36時間に,どのバンド,モードでも構わないので20局以上と交信して,シグナルレポートとオペレータ名を交換するというもの。20局を達成すると,その年の干支をあしらったシールが1枚もらえて,12回分集めると「NEW YEAR PARTY」の文字が完成して,記念の盾を買うことができる,というありがたいコンテストである。

ご参考:JARL QSOパーティーの要領

前にも書いたが何しろアマチュア無線家は気が長い。このQSOパーティーも,毎年欠かさず20局との交信を達成したとしても,完成までに12年かかる。もしも都合が悪くて参加できなかったとか,運悪く交信局数が20局に満たない年があると,同じ絵柄が回ってくるのはまた12年後ということになる。

しかも多くのアマチュア無線家はほとんどマゾじゃないかと思う。QSOパーティーだって,「20局交信達成した方にシールを差し上げます,ただしシールが欲しい人は切手を貼った返信用封筒に宛名を書いて送ってね」,さらに12枚シールを集めた人も「あなたのコールサインを入れた記念の盾をお送りします。ただしお金は振り込んでね」である。

総務省に電波利用料を払い,JARLに会費を払い,QSLカードを自腹で印刷し,高い無線機とアンテナを買って,何の金銭的見返りも求めない,そういう人だけが一人前のアマチュア無線家になれるのである。収入のないジュニアハム(学生のアマチュア無線家)や若いハムは十中八九私財を投げ打ってアマチュア無線の発展に貢献した無線家のご子息と考えて間違いない(ごく少数だが学校のクラブ員もいる)。アマチュア無線の歴史を考えると,現在世襲3代目くらいのハムもいると思われる。

さてQSOパーティーである。2日の9時前から144MHz帯FMモードの呼び出し周波数である145.00MHzおよび同じく144MHz帯の地元クラブの待機周波数をワッチしていると,9時ちょうどから一斉に「CQニューイヤーパーティ」が聞こえて来た。

そしてあっという間にパイル(複数のアマチュア無線局が応答すること)になってしまった。周波数を変えると144MHz帯は20kHz刻みで隙間なく交信が行われていて,こんなのは初めての経験である。とにかく次から次へと交信が続くので,なかなか自分が出ることができない。

気後れしているうちに,地元クラブの方は待機局も一巡したようで静かになったので,最初にCQを出してくれたローカルさんを呼んで,1局目をクリア。そうしたら次々とローカルさんに呼ばれて,10局近く稼ぐことができた。

(写真はちょうど交信しているときの様子。緊張して肩に力が入っている)

交信の様子

あとの半分はクラブ以外の方と交信するしかない。CQを自分で出す度胸はないので,CQを出していて比較的応答している局が少なそうな周波数を探して応答するという作戦で少しずつ数を稼ぐ。かんなさんも手が空いているときは「XYLとも交信お願いします」とお願いして,QSOしていただいた。どの局長さんも大変親切で,ビギナーの私たち夫妻とも気持ち良く交信してくださった。

ただ,アクティブな局はほぼ最初の2時間ほどで20局をクリアしてしまうようで,その後はめっきりCQが聞こえなくなる。お昼を食べて午後も続きをしようとワッチするが,なかなか数が伸びない。夕方からまた少しアクティビティが上がって,1日目終了時点で18局という結果。

3日も9時からワッチを開始したところ,やはり2日に20局に届かなかった局がけっこう出ていて,無事に20局をクリアすることができた。

144MHzでアンテナもしょぼいので,あまり遠くまでは電波が飛ばないけれど,7エリアのいわき市の局と4局ほど交信することができた。

近所の山に登って移動運用されている局があったり,新年会をしながらほろ酔いでQSOしている局もあり,とにかく普段はあまり電波を出さないけれど,QSOパーティーだけは出てますという局がけっこうあって,ああそんなものかな,と思った。普段付き合いはないけれど,年賀状交換だけはする,みたいな感じかもしれない。

一応VX-7で電波が出せる50MHzのAM,FMと430MHzのFMもたまにワッチしていたのだが,こちらはほとんど聞こえず。FMは144MHzに集中していたようだ。

より遠くまで飛ぶHF帯が使えるならともかく,V/UのFMだけだと,正直20局はけっこうハードルが高いな,という印象。私はクラブの方の協力があってクリアできたが,田舎だとそもそも電波が飛ぶ範囲で運用している局自体が少ない。そういうところでは高い山に登るとか,人の多いところに移動して運用するなどの工夫が必要になると思う。

まあうちの環境ではコンテストなどめったに参加することはないと思うけれど,QSOパーティーだけは来年も続けられたら良いかな,と思える2日間だった。

2011年12月31日

●写真って楽しいねっ〜2011年総括〜

2011年,やはり311の東日本大震災のインパクトは大きかった。幸い我が家は人的・猫的な被害はなかったし,マンションは揺れがひどくて家財はずいぶんダメになったが,住むところがなくなったわけではない。インフラが復旧するまで2週間に及ぶかんなさんの実家での避難生活も大変ではあったがとにかく家族がみな無事だったことを感謝したい。当時の日記を読み返すと,なかなか生々しい。給水車に3時間並んだこと,わずかしか品物のないスーパーに入店するのに2時間並んだこと,福島原発の状態を注視しつついざというときに逃げるためのガソリンを温存して徒歩で行動したこと,10日間シャワーも浴びられなかったこと,一日に何度も沢に水汲みに通ったこと…。できればもう二度と経験せずに済ませたいものだ。

我が家の被災状況

震災後も余震が続き,9ヶ月以上経った現在でも1日か2日に一回くらいは体感できる揺れがある。そんな状況なので狭い部屋の中は備蓄の水や食料品などが所狭しと並び,倒れたり落ちて危険なものはすべて撤去するか床置きにしてあり,とても人様にお見せできる状態ではない。こんな体制をいつまで続ければいいのか,難しいところだ。

原発事故の放射線だが,2011年の12月現在で,事故前の5倍くらいの値(0.14uSv/hくらい)で推移している。ちなみに5月は0.2uSv/hくらいだった。

震災以外の話題としては,iPod touchを買って日記(プライベートな方)をEvernoteに移行したこと盆栽を買ったこと,かんなさんのパソコン更新,そしてアマチュア無線の免許(3アマ)を取って無線局を開局したことなどがあった。

アコースティックギターの弾き語りは現在ほとんど教室には通っておらず,コードを忘れない程度に気が向いたときにちょっと弾くくらい。アコギは手軽な楽器ではあるが,本当に忙しいとやはり手が付かない。ただ,来年も発表会だけは出ようと思うので,何か課題曲を考えなければいけない。

猫のピートは6歳デルタは4歳になった。猫のネタはいちいち書いていないけれど,それは安定した日常ということで幸せなことだ。写真はアメブロの方に載せている。

読書は淡々と文庫新刊SFを読んだり再読したり。

【SF】
スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選(山岸真編)
さよならペンギン(大西科学)
ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成<S>(大森望編)
アンブロークンアロー戦闘妖精・雪風(神林長平)
青い星まで飛んでいけ(小川一水)
地球移動作戦(上・下)(山本弘)
天獄と地国(小林泰三)
天冥の標IV: 機械じかけの子息たち(小川一水)
ねじまき少女(上・下)(P.バチガルピ)
あなたのための物語(長谷敏司)
結晶銀河 ー年刊日本SF傑作選ー(大森望・日下三蔵 編)
プランク・ダイヴ(G.イーガン)
ZOKURANGER(森博嗣)
究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動(機本伸司)
冷たい方程式(T.ゴドウィン他)
天冥の標V 羊と猿と百掬の銀河(小川一水)

【ミステリ】
黒猫の三角(森博嗣) 再読
人形式モナリザ(森博嗣) 再読
月は幽咽のデバイス(森博嗣) 再読
夢・出逢い・魔性(森博嗣) 再読
魔剣天翔(森博嗣) 再読
恋恋蓮歩の演習(森博嗣) 再読
六人の超音波科学者(森博嗣) 再読
キラレ×キラレ(森博嗣)
捩れ屋敷の利鈍(森博嗣) 再読
赤緑黒白(森博嗣) 再読
工学部・水柿助教授の日常(森博嗣)

【その他】
吾輩は猫である(夏目漱石) 電子ブック

【ご参考】
2010年総括
2009年総括
2008年総括
2007年総括
2006年総括
2005年総括

2011年11月28日

●MacBookProその後(VirtualBoxとWindowsXP)

アマチュア無線を始めると,交信した局の記録を取りたくなる。別に必ず記録を取らなくてはいけないという決まりはないのだが,もしもQSLカードの交換だとかをするなら,記録は必要だ。

もちろんノートに手書きでもぜんぜん構わない(紙ログという)けれど,さすがに今どき手書きはなぁ,となるとパソコンのログソフトを使うことになる。

アマチュア無線の日本語ログソフトとしては,TurboHamlogというフリーソフトが定番中の定番で,Mac版は今のところない。ないなら作ればいいじゃないか,と若い頃なら考えたかもしれないが,そんなモチベーションも時間もない。

そこで,Mac(MacBookPro15インチ Mid2010; MC371J/A)に仮想化ソフトを入れてゲストOSをWindowsにして,Mac上でTurboHamlogが使えるようにする。

こういうことはほんの数年前まではMacとWindowsのハード構成の違いや,スペック不足のせいでかなりハードルが高かったのだが,今やMacもintelだし,64bitのCPUに8GBのメモリが入っているので,10年前のOS(WindowsXP)を仮想環境で動かすくらいわけなくできるようになった。もちろんゲストOS上で3Dゲームを動かしたいとかいうことになるとまた話は違うが,今回はDOS時代から見た目もあまり変わらない老舗ソフトを動かすだけなのでまったく問題がない。

とはいえ,過去職場のWindowsXPにVirtualPCを買ってLinuxをインストールしようとしてハマったりした経験もあるので,本当にうまくいくかどうかは半信半疑だった。選んだ仮想化ソフトはフリーのVirtualBox。WindowsXPは以前捨てたマシンのライセンスを流用する。

メモリとHDDの割り当ては,それぞれ1GBと40GBにしてみた。が,こんなに要らなかったかも。というのはXPにSP3を適用した時点でもコミットチャージは100MBほどにしかならない。職場のXPは起動しただけで700MBも食うので,「XPは重い」という意識があったが,セキュリティの関係で強制的に常駐させられているソフト類が異様に重いだけだった。

インストールも設定もサクサク進み,どこも引っかかるところがない。SP3の適用もWindowsUpdateも,純正セキュリティソフトのMSEもまったく問題なし。

パフォーマンスも仮想化ソフトがディスクキャッシュをしているためか,起動も速く快適。

早速ハムログもインストールしたし,あとは本当にどんどん交信するだけなのだが,144/430MHzのFMはローカルラグチューが聞こえてくるばかりで,CQを出している局はほとんどいないし,自分で出す度胸も相変わらずないのであった。

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2011年11月20日

●ドキドキ初QSOと今日の工作 VX-7のケチケチ外部電源

ツイッターの方ではつぶやいているが,開局後初めての週末に,ピクニックを兼ねた移動運用をして,初QSO(交信)に成功した。433MHzでCQを出していた局に応答。

たまたまこの方が地元アマチュア無線クラブのメンバーで,その夜に地元クラブのロールコール(無線上で点呼を取るようなもの)にぜひ参加くださいと言われたので,調子に乗ってかんなさんと二人で参加したところ,メンバーの方から次々と呼んでいただき,こちらの拙いおしゃべりに付き合って頂くことができた。

今のところ市内のローカルさんとの交信ばかりだが,実際に電波を出すようになるとハンディ機のバッテリーが心もとない。VX-7は5W送信時に20W以上も電気を食うし,実際に本体もかなり熱くなる。内蔵リチウムイオン電池も受信だけなら15時間ほど使えることになっているが,送信を繰り返すと1~2時間でバッテリーがなくなるという話もある。

しかも付属の充電器(トランスタイプのACアダプタ)は重たいくせに電流容量が小さく,充電しながら送信することができない(送信するとVX-7の電源が落ちる)。長時間の運用ではバッテリーを外して,外部電源を用意するようにとマニュアルには書いてある。

アマチュア無線の世界では高価な無線機でも電源内蔵のものは少なく,交流100Vをそのままつなぐことができない。無線家は自分の無線機の消費電力に応じた外部電源(直流安定化電源)を別途用意するというのが常識なのだ。

そこで安定化電源を物色するが,安いものでも1万円近くするし見た目も大げさだ。無線機がハンディなのに電源の方が立派になってしまう。

いずれもうちょっとまともな無線機を買うときには,一緒に電源も用意したいが,とりあえずVX-7を使うだけなら,電流容量の大きなACアダプタでなんとかなるのではないか。と思って検索すると,STD-1205という60WのACアダプタ(スイッチング電源タイプ)で動いたというレポートを発見した。これなら1500円である。ただDCプラグの形状が合わないので,これは別途純正のDCプラグを買う必要がある。外部電源接続用のケーブルセットというのが純正で用意されている。500円。

※以下は保証外の改造になるので自己責任でお願いします。不具合等が生じても責任は取れません。

まあ改造と言ってもACアダプタのDC側ケーブルを途中で切って,純正のケーブルをつなぐだけ。注意点は極性を間違えないようにすることと,ショートしないように絶縁をしっかりする程度だろうか。ハンダゴテ,熱収縮チューブ,簡単なテスタがあれば充分だろう。改造しなくても,秋月あたりで変換コネクタの合うものを見つけられればそれで充分かもしれない。

ということで完成したケチケチ外部電源であるが,つなぐ前にもう一度極性が間違いないか確認しておこう。

開放電圧は12.3Vくらい,VX-7につないで電圧表示を確認すると,受信時で11.8V,5W送信時でも11.7Vと安定している。430MHzでしか確認していないが,スイッチング電源からのノイズも特に感じない。一応気休めに手元にあった高周波ノイズフィルタを付けてある。

あとはどんどん交信するだけなのだが,最初のQSOのあとはちょっと安心してしまって,忙しいこともあってぜんぜん電波が出せていない。


2011年11月10日

●アマチュア無線その後(ついに開局)

局免許を電子申請したのが10月14日。申請手数料を振り込んで,審査が終了したのが11月1日。免許状の返送用封筒を送付したのが11月2日だった。

そして11月9日に無線局免許状と,無線機に貼る免許証票が届いた。現在は申請者が増えているという報道もあって,申請から1ヶ月以上かかるかもしれないと聞いていたので,思ったよりは早かった。それでも3アマの試験に合格して従免を申請してからちょうど2ヶ月かかっている。

アマチュア無線ではQSLカードの交換も数ヶ月から年オーダーの時間がかかるらしいし,難しいアワード(RPGのクエストみたいなもの)になると何十年もかかるものもあるそうで,まずはこののんびりとした時間レンジに慣れてもらうために,わざと手続きに時間をかけているものと想像する。

気になるコールサインは,JH1CFVだった。フォネティックコードで言うと「ジュリエット ホテル ワン チャーリー フォックス ビクター」だろうか。同時に申請したかんなさんはJH1CFWで,サフィックスのラストレターが一字ずれただけ。

同時に申請したんだから当たり前じゃないの?とお思いの方もいらっしゃるかもしれない。しかし実は1エリア(コールサインの3文字目が1になる関東エリア)においては,過去のアマチュア無線ブームの頃にコールサインが不足してしまい,閉局して無効になったコールサインを使いまわしているという事情があるため,どんなコールサインになるかは運任せとなる。ちなみにJH1というプリフィックスは再割当でないとすると,相当な先輩ハムのコールサインということになる。心して使わせていただきたい。

結局わからないままだった「設備共用」だが,案の定無線機に貼る免許証票は3台の無線機に対して,私とかんなさんの2人分,3枚×2の6枚が届いた。電子申請の標準的な手続きではどこにも記載するところはなかったが,総務省なり総合通信局なりに電話でもして聞けば,適切に処理してくれたのかもしれない。まあ金銭的には変わらないので別に良い…のかなぁ。

無線機もあるし,二人とも免許があるので,ファーストQSOは部屋の中で数メートル離れて「JH1CFW,こちらはJH1CFVです。どうぞ」とかやってみたりしたことは報告しておこう。糸電話でも届く距離である。

ハウツー本によると初心者はCQを出している局に応答するところから始めましょう,と書いてある。ワッチしていると確かにCQを出している局はいるのだが,いざ応答するとなると緊張してしまってなかなかPTTボタンが押せない小心者なのであった。


2011年10月16日

●アマチュア無線開局申請とマグネットマウントアンテナMR75S購入

アマチュア無線は従事者免許証が届いたので,開局申請するために総務省の電波利用申請・届出システムLiteを使ってユーザIDを登録して一週間待ってIDを取得し,昨日手持ちの無線機(VX-7とCT-H43(昔受信用に買った安物ハンディ機)2台)の合計3台を無線局として申請したところ。内容に問題がないとしても,免許されるまでには約1ヶ月かかるらしい。

実は近所のハムショップで書面による開局申請のための用紙も購入していたのだが,電子申請の方が手数料が割安になる(書面だと4300円,電子申請は2900円)と知って,電子申請にした。

局免許の申請でよくわからなかったことがあった。うちのように家族(私とかんなさん)で同じ無線機を共用する場合でも,コールサインはひとりにひとつもらえるのか,ということ。ハムショップで聞いたら,「設備共用にすれば大丈夫ですよ」と教えてくれたのだが,電子申請の手順のどこにも設備共用なんていう項目は出てこなかった。不安を感じつつ,二人で個別に申請(同一住所,同一常置場所,同一無線機)した。このあたりのことは今後わかったらまた報告したい。

欲しいと思っていた外付けアンテナだが,まずは手軽なマグネットマウントアンテナのMR75Sを買ってみた。これなら気軽に車に着けられるし,部屋にいるときも下の写真のように窓の外に出しておける。50cmのアンテナではあるが,室内や車内で内蔵ホイップアンテナで受信しているときよりも,多くの交信が入感するようになった。

ただ,これだと144/430MHzにしか対応しないので,VX-7の50MHz AMには使えない。室外にアンテナを出すだけでかなり受信状態が良くなったので,せっかくだから50MHzに対応するアンテナも欲しいと欲が出てきた今日この頃である。

50MHzの波長は6mで,アンテナもそれなりに長くなるし値段も高いので,設置方法を含めてもう少し考えたい。どうせ局免許がおりるまでにはまだ1ヶ月かかる。

MR75S

2011年10月10日

●週末見た景色 群馬

恒例の群馬板倉。今年はハンディトランシーバのVX-7で144/430MHz帯をワッチしながら,常磐道〜北関東道〜東北道を走った。

北関東道で栃木に入ったあたりから144MHz帯の交信が増え始め,不確実だが埼玉からのコールも聞こえてきた。関東平野はアマチュア無線には適したロケーションなのかもしれない。

お世話になる親戚のお宅は,渡良瀬川の土手の近くで,河川敷を利用した板倉滑空場がある。ここでは週末になるとグライダーが離着陸しており,それを眺めているだけでも楽しめる。

無動力のグライダーは,動力付きの軽飛行機(曳航機)とワイヤーで結ばれて,引っ張られて離陸し,上空でワイヤーを外して滑空に入る。着陸はやり直しの効かない一発勝負だが,ふわりと上手に降りていたのが印象的だった。

板倉滑空場

VX-7の広帯域受信モードで板倉フライトサービスの周波数をワッチしながらのんびりとグライダーを眺めていた。無線では風の状況や,曳航機の高度などが交信されていた。

板倉滑空場

この辺では写真のような避雷針付きのアンテナタワーが多くのお宅にあり,こんなのがあればアマチュア無線のアンテナを設置するのも簡単かもしれない。

群馬の家のアンテナタワー

群馬旅行板倉滑空場群馬旅行

写真はすべてEOS Kiss X2 / EF-S 18-55mm f/3.5-5.6 IS

参考リンク
2010年の様子
2009年の様子

2011年10月07日

●VX-7の受信性能を試す

本日無線従事者免許証(第三級アマチュア無線技士)が届いた。英文併記でホログラム付きの立派な免許証だ。局免申請はこれからなのでまだ電波を出すことはできないが,部屋にいる時はVX-7で一般的な呼び出し周波数である145MHzと433MHzをワッチしている。

どうやらご近所にアクティブに運用しているおじさまがおられるようで,20時から21時頃になると433MHzでCQが聞こえてくる。いつも応答する局があるわけではないが,この数日で何度かラグチュー(雑談)がはじまることがあった。FMで雑音もなくクリアに聞こえるのだが,早口と流暢な茨城弁のためにコールサインを聞き取るのにも一苦労。ただ,マナーの良い方できちんと最初と最後にコールサインを入れてくれたのでなんとか聞き取れた。検索してみると地元のアマチュア無線クラブのメンバーということがわかった。

ただ,それ以外の通信はほとんど聞こえない。一度だけ145MHzに特定相手局への呼出が聞こえた(上記とは別の人だった)が,誰も応答しなかった。

山の上に登ると良く入るという話だったので,ギター練習のついでにVX-7も持って行ってみた。山頂付近でスキャンしていると,140MHz帯で交信している局をいくつか見つけることができた。ただ,会話内容が聞き取れるほどクリアではなく,開局したらまずちょっとした外付けアンテナが欲しいと思った。ハムショップのオヤジさんも,ハンディ機の内蔵ホイップアンテナは感度があまり良くないと言っていたし,最近は簡単に着脱ができる車用のアンテナ基台も各種あるとのこと。

しばらくは部屋でのワッチと,外出時に持ち出して交信が聞こえるかどうか試すようにしたい。

無線従事者免許証

2011年10月04日

●ハンディトランシーバーVX-7購入

試験に合格したアマチュア無線(3アマ)の従事者免許が届くのを待っているところだが,従免が届いたら今度は無線機を用意して開局申請して局免をもらわなくてはいけない。

たまたま近所にハムショップがあることを知り,ドキドキしながら入ってみたら,親切にいろいろと教えてくださった。曰く,開局申請するにしても,先に無線機は必要(申請書に無線機の技適番号を記入する必要がある)だし,免許がなくても受信だけならできるし,まずは無線機を用意して実際の交信を聞いてみるのが一番参考になるよ,とのことだった。

ハムショップのオヤジさんのオススメはバーテックススタンダードのFT-817。アマチュア無線の醍醐味はやはり短波(HF)帯だよ,FT-817なら5WながらHFから430MHzまで対応している。と言われてけっこう悩んだのだが,ハンディ機に比べると少し高いし,そもそもマンションの管理規約を読んだらベランダにアマチュア無線のアンテナを設置してはイカンと書いてある。そうするとHF帯の長いアンテナを自宅に付けるのは難しく,それだったらまずはハンディ機にしようか,ということになった。将来的に固定機やモービルを買うとしても,ハンディ機は持っていても損にはならない。

カタログを熟読し,ネットの評判なども考慮して,バーテックススタンダードのVX-7に決めた。2002年に発売されたモデルだが,現行機として売っている。他の情報機器や家電とは製品サイクルがまったく違う世界らしい。

VX-7はハンディ機とは言っても50MHzのAMにも対応しているので,FM以外の雰囲気も味わえるかも,という期待も持てるし,耐久性などの評価も高い。ハムショップのオヤジさんも,わざわざこの機種を指名買いする人も多い人気機種だと太鼓判を押してくれた。

一緒に買ったのは車で電源を取るためのシガーソケットアダプタと,スピーカーマイク。

受信性能についてはまた後日。

Delta

2011年09月10日

●資格取得 3級アマチュア無線技士

かんなさんに誘われて,アマチュア無線の資格試験を受けることになった。第3級アマチュア無線技士(3アマ)というやつだ。

そういえばパジェロに乗っていた頃,仲間の通信を受信する目的で買った0.5Wのトランシーバーがあるけれど,電波を出したことはなかった。それならこの機会に資格を取って,堂々と電波を出せるようにしよう。携帯電話などのインフラがダウンした場合のバックアップにもなるかもしれない。

3アマだと講習を受けて取る方法もあるらしいが,お金もかかるので,国家試験の一発合格を狙う。

ネットで調べると試験は過去問がほとんどそのまま出るそうなので,解説付きの過去問集「第3級ハム国試要点マスター〈2011〉」をかんなさんと自分の分の2冊購入。


分野は法規と無線工学で,法規やモールスは覚えるしかないが,工学の方はオームの法則とかトランジスタとか,中学校の理科と技術家庭科レベルの知識があれば何も勉強しなくても半分以上は取れると思った。さすがに電波伝搬だとかアンテナだとかに関しては勉強する必要がある。

かんなさんは工学の勉強でかなり苦戦して,確かにオームの法則だとかコイルやコンデンサ,ダイオードやトランジスタがどういったものなのか,ぜんぜんイメージできない場合は大変かもしれない。

あと,電卓や計算尺(!)は持込禁止なので,計算問題はすべて手計算で解かなくてはいけない。最近はすっかり電卓やパソコンに頼っているので,個人的にはこれが一番きつかった。ただこれも,過去問をとにかく丸覚えする方法でクリアする手もある。

試験の申込書もAmazonで購入したが,これは問題集によっては付属していたり,近くにハムのショップがあれば売っているだろう。

茨城には試験会場はなくて,東京の日本無線協会の試験センター(晴海)まで受けに行った。午前中の試験だったので念のために試験会場から徒歩3分のホテルに前泊した。

試験は11時からで,4アマと3アマが同じ部屋。3アマ受験者は受験番号で数えたら25名だったが,時間までに来たのは18名,女性はかんなさん一人だった。平日だったので少なかったのかもしれない。4アマの方は30名ほどで,女性は3名。アマチュア無線資格保持者の90%は4アマなのだそうだ。

試験時間は法規と工学合わせて70分。開始後30分で途中退席できる。

勉強の甲斐あって,15分ほどで見直しも含めて終わってしまった。半分くらいの人数が30分で途中退席していたと思う。

試験終了後,1時間ほどで合格者の受験番号が貼り出される。その間にかんなさんと自己採点してみたが,二人とも満点だった。この程度の試験にちょっと真面目に勉強し過ぎたかも。

事前の情報通り,過去問と一字一句同じ問題がほとんどで,選択肢の順番だけは変えてあった。唯一,コンデンサのリアクタンスを求める問題だけ,数字が少し変えられていた。この問題が解くのに一番時間がかかった。計算式はXc=1/2πfC=1/(2*3.14*50*160*10^-6)(Ω)である。

3アマ問題例

3アマの合格者は18名中12名。全体の統計では棄権者を除いた合格率は70%以上だったと思うので,国家試験の中ではかなり簡単な方だと思う。

合格者はその場で無線従事者免許証(従免)の申請ができるので,顔写真(受験票に貼るのと同じ大きさ)1枚と,運転免許証などのコピーを持参すると手続きがスムーズだ。自分たちは顔写真は持っていたが,免許証の写しがなかったので,隣のコンビニでコピーした。

3アマ合格発表

これで1ヶ月後には免許が届くらしいのだが,それだけでは電波を出すことはできない。従事者免許到着後に,無線機の免許状(局免)というのを取らないといけないらしい。運転免許と車があっても,車検を通してなければ運転できないのと同じで,従免と局免が揃って初めて電波を出すことができるのだそうだ。この辺のルールは勉強するまでまったく知らなかった。

局免申請ついては,従事者免許が届いたら挑戦してみたい。