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2012年12月24日

●年末の買い物 kindle Paperwhite 3G

kindle Paperwhite 3Gを購入。

電子書籍(電子ブック)については2008年2010年にもちょっと話題に出したことがあったけれど,とにかく日本では出版業界の慣習(因習)のために当分普及はしないだろうと思っていた。

まだまだ読みたい本がすべて電子化されるには程遠い状態だけれども,こんなに早くkindleでこれだけ電子書籍が読めるようになったことは素直に喜びたい。

「読書」がしやすいかどうかはしばらく使ってみないとなんとも言えないところ。とりあえずこれまで文庫落ちしていなくて買えず,かつkindle版が出ている本を買って読んでみようと思っている。

Amazonで購入したので,アカウント情報など設定済みの状態で届けられた。Wi-Fiは設定する必要があったけれど,これはHomeSpotのパスワードを入れただけでつながった。

Kindle PW 3G

Wi-Fi接続状態なら一応ブラウザが使えて,白黒で描画も遅いけれど一応ウェブを閲覧することもツイッターでつぶやくこともできる。

Kindle PWのブラウザ

安いWi-Fi版でなく3G版を買ったのは明確な使い方を想定したわけではないけれど,限定した使い方しかできないとはいえ,3G接続が無料でできるというのはなんとなくお得かな,と思ったため。

カバーは純正よりちょっと安いBuffaloのものを一応付けてみた。

いずれにしろ紙でしか読めない本は今後もしばらく出続けるだろうから,紙書籍とkindle本を交互に持ち歩くような感じになるかな。


2011年10月01日

●日記その後(14年経過)

パソコンで,というか電子データとして日記を付けはじめて14年経った。最近はiPod touchで書いたり,Twitterでつぶやいた内容を最終的にEvernoteに送って,クラウド上に日記を置いている。なので「パソコンで書いている」と単純に言えなくなった。

Evernote上にデータがある関係で,いつでも過去の日記を参照するというわけにはいかない(iPhoneを買えば可能)のと,Evernoteは日記専用ソフトとは違うので使い勝手が悪いのが現状の課題。あと,以前も書いたことだがどのくら長期に渡ってサービスが継続するか不安ということもある。

長らく使っていた千年日記では,日記を付ける機能の他に,年中行事のリマインダー機能があって,「あと1週間で○○さんのお誕生日です」みたいなことが起動するたびに表示されたため,忘れてはいけない記念日や誕生日を登録しておくことができた。Macは基本的に毎日使うので,そういう年中行事リマインダーのソフトがないかどうか探したのだが,まだ見つけられない。

過去の日記もすべて月ごとのテキストファイルに分割してEvernoteに転送してある。しかしこれも,1ヶ月単位のノートがたくさんあるだけで,あまり見やすくない。検索機能は一応あるがやはり専用ソフトにはかなわない。

結局,汎用のソフトはなんでもできる代わりに,それ専用に特化して作られた専用ソフトの使い勝手にはかなわないということの確認にはなった。

とはいえ,今のところこれ以上良い方法は思いつかないので,もっと良い手段を思いつくか,新しいサービスが始まるまではiPod touch+Evernoteで日記を続けていくつもり。

2011年09月19日

●プラネタリウム番組鑑賞 スターリーテイルズ

大型ドーム映像番組の「スターリーテイルズ」を鑑賞。

以前「銀河鉄道の夜」という番組をやっていてとても良かったのだが,その同じスタッフ(KAGAYA studio)の作品だそうだ。

特に予備知識なく観たのだが,大変素晴らしかった。視野全体に広がる大迫力の映像と音楽。銀河鉄道の夜のときにも書いたけれど,メガネをかけて見る3D映画なんてこれに比べたら紙芝居みたいなものだと思う。

日立シビックセンターのプラネタリウムは震災の影響でオープンが半年ほど遅れたが,設備を20年ぶりにリニューアルして,メガスターIIAとデジタル投影システムを備えた最新型(プレアデスシステム)になった。スターリーテイルズの4K非圧縮高解像度版をフルスペックで上映しているのは,東京の「満天」(上映終了)と,福岡県青少年科学館と,日立シビックセンター天球劇場の3館だけである。(2007年の銀河鉄道の夜公開当時には,4K(4000×4000ピクセル)のデータを活かせるプラネタリウムはまだ日本になかった)

ぜひ上映中に何度か見ておきたい。これで510円は本当にお得だと思う。

参考:スターリーテイルズ公式サイト

2011年07月10日

●発電方法の謎

福島の原発事故を受けて,普段意識しなかった電力事情について,一般の方もずいぶん詳しくなったのではないだろうか。

莫大な核エネルギーを解放する原子力が実は,お湯を沸かしていただけだったと,はじめて知った方もいたかもしれない。

原子力発電や火力発電は,核分裂反応や燃焼で発生した熱でお湯を沸かし,発生した水蒸気でタービンという風ぐるまのおばけみたいなものを回す。そしてその回転エネルギーで発電機を回して電気を起こす。この水蒸気を使った発電方法のことを,汽力発電と呼んでいる。お湯が沸かせさえすれば,元の熱源は何でも良い。地熱発電というのは地下のマグマの熱でお湯を沸かすわけだ。

火力発電の仲間に,燃料の燃焼ガスで直接タービンを回すガスタービン発電や,燃焼のエネルギーで回るエンジン(ディーゼルエンジン,ガソリンエンジン)で発電機を回す方法もある。

水力発電や風力発電は,水の落ちるエネルギーや風のエネルギーで直接タービンを回して,そこから先は汽力発電と同じく発電機で電気を起こす。

ここまでの方法はとにかく発電機を回して,機械的なエネルギーを電気に変える方法。ところで発電機というのはどんなものかイメージできるだろうか?

一番身近な発電機としては自転車のライトを点けるダイナモというのがあるのだが,最近の自転車には付いていないものもある(車軸に内蔵されてしまっている)。あとは震災後に注目されている,手回し式の懐中電灯やラジオ,あれも発電機だ。磁石が作る磁界の中を,電線を横切らせる(あるいは,電線のそばで磁石を動かす)と,電線に電流が流れるという,電磁誘導の法則を利用している。

では発電機を回すとか面倒なことをせずに,もっと直接的に電気を発生させることはできないのか。

ひとつは最近風力発電と共に注目されている太陽電池。これは光を当てると電気を発生させる半導体を使っている。

それから化学反応で電気を生み出す電池の仲間。これは一次電池,二次電池,燃料電池などたくさん種類がある。共通するのは化学反応を利用しているということ。電気というのは電子の流れなので,化学反応によって物質から電子(e-)を取り出すことができれば,電池になる。

化学反応の仲間になるが,生物も電気を発生させている。神経の信号の伝達はそもそも電気を使っているし,巧妙に電気をためて放電するデンキウナギなどもいる。

他には摩擦で静電気を発生させる(雷)だとか,熱を直接電気に変えるゼーベック効果(熱電対),圧力を加えると電気が起きる圧電効果(100円ライター)あたりでだいたい網羅できただろうか。あ,磁場とプラズマを使うMHD発電というのもあった。

皮肉なことに,熱>水蒸気>タービン>発電機と,いろいろな段階を経由して効率が悪そうに思える汽力発電が,もっとも大規模に,そして安定的に電気を起こすことができる。

2011年06月27日

●iPod touchその後(半年経過)

第4世代のiPod touchを購入してそろそろ半年。毎日使っていて,便利で手放せないアイテムとなっている。

Wi-Fi環境でしかネットにつながらないという不便さは確かにあるけれど,その分維持費がかからないし,外付けキーボードで日記などを書く分には特に困らない。

この半年間,日記は会社や出先での空き時間にiPod touchにREUDOの折りたたみキーボードで書いて,あとからEvernoteにメールした上で,適宜修正したり月ごとにまとめるということをしてみた。

長文の入力自体は折りたたみキーボードの使い勝手が良いこともあって,ほとんど苦痛はない。多少日本語変換にクセがあるが,慣れればノートパソコンと変わらないスピードで書ける。フリックというのは結局試したことがないが,ツイッターにつぶやく程度ならQWERTY表示の画面キーボードでタッチ入力,それ以上の長文は折りたたみキーボードという使い方。

有料アプリはi文庫以外買っていないが,使いやすいスケジュールソフトがあったら買っても良いかな。iOSのカレンダーは最低限の機能しかなく,あまり見やすくない。ただ,もしかしたらiOS5になったら改善されるのかもしれない。

無料アプリは選べばそこそこ使えるものもありそう。面白いと思ったのは,微速度撮影動画ができるMotion Pictures。iPod touchのカメラは,カメラとしてはしょぼいけれど,こういう使い方をすると俄然面白くなる。Youtubeへのアップロードもパソコンより簡単。


2011年02月11日

●iPod touchその後(2週間経過)

iPod touch(第4世代)を買って2週間経った。

関連製品まで含めてけっこうな投資になったが,今のところ満足している。

まず,会社で書いていたプライベートな日記をすべてiPodのメモに切り替えた。このメモを帰宅後にEvernoteに送信して,Macで続きを書く。これでオン,オフ両方の日記をその都度記入することが可能だ。

会社での使い方だが,メモを取るときはイラストのような感じでモニタの下にiPodを置いて,折り畳みキーボードを手前に置く。これでパソコンでテキストを入力するのとほとんど変わらない感覚で長文を入力することができる。見た目もあまり目立たない。

ちなみにこのイラストはApp storeで無料でダウンロードしたiPod用のお絵描きアプリ(My Paint Free)で描いた。

iPodtouch使用環境

普段使う道具なので,キズやヨゴレは気にしないことにしているが,薄いのでホールド性を考えて,液晶保護フィルム付きのシリコンカバーを買った。安物だったのでフィルムを貼っても指紋がつきにくくなるような効果はないようだ。クリーニングクロスを職場にも置いて,割と頻繁に拭いている。このあたりはタッチパネル機器としては抜本的な改善が望まれる部分だ。

ダウンロードした有料アプリは,i文庫(450円)と,セール中で安くなっていた学研まんがサイエンス2巻(115円)。i文庫は青空文庫を読むことができるリーダで,最初から名作150冊が内蔵されている。出掛けるときにiPodだけ持っていけば,音楽を聴きながら古典の名作の読書を楽しめる。荷物が多いときには助かるだろう。

あとはオフラインでも辞書が見られると便利だと思うので,そのうち辞書アプリは買うかもしれない。

もちろんオンラインでこそ真価を発揮できるのは確かなので,ポケットWi-Fiがあれば便利だとは思う。この辺は田舎なので公衆無線LANスポットもほとんどないし。これはもう少し月額利用料が安くなったら検討したい。

カメラの性能は評判通り悪い。屋内や薄暗いところだとほとんど使い物にならないと考えて良いだろう。WiFiでどこにでもすぐアップできるのは便利だが,あくまでもメモ代わりと割り切るべき。

ピートとデルタ
デルタ
山文魚

HD動画の方はまだあまり撮っていないけれど,単体で編集(トリミング)とYoutubeへの投稿までできるのは便利かもしれない。


2011年01月30日

●週末の買物 iPod touchとBluetoothキーボード

先日の記事でiPod touchの購入を検討中と書いたが,2ヶ月ほどまじめに悩んで,とうとう購入した。

かなり綿密に使い方を脳内シミュレーションしていたので,必要なものをすべてまとめてAmazonで購入した。
(1)iPod touch(第4世代 32GB)
(2)リュウド Bluetooth折り畳みワイヤレスキーボード(Mac配列 RBK-2200BTi)
(3)PLANEX 手のひらサイズ無線LANルータ(Amazon限定品 FFP-PKR01)
(4)PLANEX 2ポートUSB ACアダプタ(PL-WUCHG01)
(5)PLANEX 無線LANルータMZK-MF300N専用 USB給電ケーブル(SSOP-USB02)

iPod touchと外付けキーボード

まず出先で長文入力できるという条件が必須だったので,折り畳みキーボードは迷わずに買った。例えばファミレスなどでこのキーボードを広げてパチパチやっている見た目がちょっと恥ずかしいということはあるかもしれないが,実際にこの部分はモスバーガーで書いている。

キーボードの使い勝手は大変良好で,キー配列がUSなので日本語JISとは記号の位置が異なるが,私は元々PowerBookG4も英語キーボードを後付けして使っていたので違和感はない。キーピッチや打鍵感もノートPCのそれと変わらないし,とにかくタッチパッドでノロノロ入力するのとは雲泥の差である。

iPod touchと外付けキーボード

会社でもこんな感じで広げて使いたいけれど,なんか奇異の目で見られそうだな。まあ気にしなければ良いんだけれど。情報セキュリティ的にはSDカードスロットも3G通信機能もないのでそこらのガラケーよりも安全なのだが,この見た目をどう解釈するか。

Wi-Fiが使える場所だったら,このように長文入力,ブログ更新などを含むWeb閲覧,メールなど,普段パソコンでやっている作業は一通り可能だ。(もちろん処理速度や画面サイズの制約はある)

出張先のホテルでWi-Fiが使えるようにと考えて手のひらサイズの無線ルータも買った。荷物が少なくなるようにと,iPod touchとルータの両方に電源を供給できるUSB2ポートACアダプタと,USB給電ケーブルも買ったわけだ。

プライベートの日記については,今までのバイナリ形式の13年分のデータをすべてテキスト(約5MB)に変換し,Evernoteの検索性を考慮して1ヶ月毎にファイルを分割して,タグを付けながらEvernoteにアップロードしているところだ。ファイルの分割のために,正規表現で日付のところを検索して分割保存する簡単なスクリプトを書いた。

そして日々の日記の入力についてはEvernoteに切り替えて様子をみているところ。

iPod touchにしてもEvernoteにしてもまだまだ使い始めたばかりで,もっともっと便利な使い方ができそうな気がしている。今回の記事はとりあえず購入の記録ということで。


2011年01月24日

●モバイルデバイスと日記の移行を検討中

ツィッターで何度かつぶやいているが,iPod touch(第4世代)の購入を検討中である。

その伏線としては,Macを新調したことでFaceTime(ビデオ通話)が可能になったこともあるが,大きいのは現在Windowsの専用ソフトで書いているプライベート日記をなんとかしたい,ということだ。

プライベート日記は1997年にWindows95搭載のダイナブックを購入したのをきっかけに始めたものだ。フォーマットは千年日記というシェアウェア独自のバイナリで,すべての日記データがひとつのバイナリファイル(パスワード付き)で管理されている。

一人暮らしの頃は寮に帰ってからその日の日記を書くようにしていて,これはこれで特に問題がなかった。その後カシオペアFIVAというA5サイズのモバイルノートPCを手に入れ,これをほとんど常時持ち歩くようになって,日記以外にもスケジュール管理や会議のメモ取りなどもFIVAでするようになった。この頃がモバイル環境として一番充実していたかもしれない。

その後会社のセキュリティ対策が厳しくなり,FIVAなどの私物のパソコンを職場に持ち込むことが禁止されてしまった。USBメモリを使って自宅と会社でデータの同期を取っていた時期もあったが,会社のパソコンは原則データの書き出しが不可に設定されてしまったり,自宅のパソコンをMac(PowerBookG4)に変えたこともあって,日記のファイルは会社だけに残された。

で,現在は会社で日記をつけるような使い方である。しかし基本的にはプライベートな内容であるし,自宅で日記を書いたり読んだりできないのはやっぱり不便。

なんとか会社のセキュリティを遵守しつつ,プライベート日記を書き続ける良い方法がないか,ここ数年考えていたというわけ。

理想的には(1)いつでも携帯できて,(2)会社に持ち込んでも問題がなく,(3)長文入力がストレスなくできて,(4)過去の日記を高速に検索できるようなモバイルデバイスがあれば良い。

キングジムのポメラというデバイスが(1),(2),(3)の条件を満たせそうな感じなので,かなり気にはなっていたのだが,(4)はちょっと厳しいだろう。

普段使っている携帯電話(auのS002)も(1),(2)は満たすが(3),(4)に関しては絶望的である。

そこでiPod touchはどうだろうか。今のところ会社への個人のスマートフォン(というかPDA)持込みは黙認されているので,(1),(2)は問題ないだろう。(3)はタッチパネルでの入力は未知数だが,例えば折り畳み式のBluetoothキーボードを一緒に持ち歩けば良さそうだ。(4)は現在のWindows用ソフトはiPodで動かすことはできないが,Evernoteというネットのサービスを使えば,テキストファイル化した日記データを高速に検索することはできそうだ。もちろん会社ではオフラインだが,数年すればどこでもWi-Fi環境がもっと安価に使えるようになるのではないか。

それならiPhoneにすれば良いのではないか,と考える方も多いと思う。しかし現在の携帯電話に加えてiPhoneの月額料金はちょっと許容できない。だいたいSBM(旧Vodafone)の商売のやり方が好きではなくて契約解除したという経緯もある。

とはいえなかなかiPod touchの購入に踏み切れないのにもまた理由がある。iPodにしろEvernoteにしろ,私が日記に対して求めている,数十年単位を前提としたデータ・サービスの継続性を担保できるとはとても思えないのだ。例えばEvernoteにどんどん日記のテキストを放り込んでいったとして,数年後に「事情によりサービスを終了します」となったら,そのときネット上にあるデータはどうなってしまうのか。自分のパソコンのHDDがクラッシュすることによるデータ喪失の心配はないかもしれないが,ネット上のサービスにはそういう不安がある。多くの人は数年使えれば文句もないかもしれないが,日記は自分が飽きなければ死ぬまで書き続けるものだ。

そう考えると,すべてのデータをEvernoteだけでなくローカルにもバックアップする必要があったりして結局は煩雑になってしまう。「簡単に書ける」ということも日記を続ける重要な要素なので,いちいち面倒だと続かない。

でもやっぱりiPod+クラウド(Evernote)という環境は今後の主流になりそうな気もしていて,試してみたいという気持ちもある。「現在持っているものの性能が上がるだけ」という買物ではなく,まったく新しい使い方ができるデバイスというのはわくわくするものだ。

ライフログという言葉も聞いたことがあるが,日記とかEvernoteのような,「個人のデータを一生保管する」というようなサービスは本来,生保会社がやるべきかもしれない。終身保険を契約すると,生保会社の地下にあるサーバに領域が確保されて,そこをEvernoteのように使うことができる。そしてその個人が亡くなったとき,保険金とともにサーバのアクセス権が遺族に譲渡されるのだ。

もっとも,大手生保ですら破綻するような現代ではそれも難しいかもしれない。やはり泥臭いけれど,もっとも単純な形式(.txt)で,その時々の最新のパソコンなり記憶デバイスに次々ファイルを移していくのが確実なのかもしれない。しかしそうすると利便性がなぁ...。


2010年12月27日

●ビデオ通話を使ってペットの様子を見ることができるか(実践編)

先日の記事「ビデオ通話を使ってペットの様子を見ることができるか(事前検討編)」には次のように書いた。

従って,近々予定しているパソコンの買い替えでは,カメラ内蔵のMacBookProが第一候補なので,これとかんなさんが使っているEeePC(カメラ内蔵)の両方にSkypeを入れて,EeePCを実家なりのネット接続できるところに持っていって,そこから自宅のMacに通話をする。そのときにMac側のSkypeを自動応答する設定にしておけば,外から自宅Macのカメラ画像を見ることができるのではないか。

さて実践である。事前にかんなさんの実家には安い無線LANルータ(BaffaloのWHR-HP-GN)を買って無線化してある。

MacBookPro15インチを購入して,Skypeもインストールした。自動応答もマニュアル通り設定した。

EeePCのSkypeかんなIDから,MacBookPro(MBP)のSkypeソウヘイIDをコールする。・・・と,MBPが自動応答するところまでは順調なのだが,音声は聞こえるけれど映像が出ない。MBP側の画面を見ると,EeePCの映像は映っている。

設定する場所は「ビデオを自動的に開始」のチェックを入れるくらいで,他に関係しそうな項目はない。

通話が始まってからMBPで(手動で)ビデオのアイコンをクリックすると,ちゃんと相手側に映像が映るので,iSight(内蔵カメラ)はちゃんと機能している。

しばらく悩んでも結局原因がわからず,他のデータ移行作業を進めることにしたので再挑戦するのが後回しになってしまった。

で,Skypeのサイトを見たらバージョン5.0のベータ版があったので,ダウンロードして試してみた。ら,何もしなくてもあっさり自動応答でビデオ通話が始まった。うまくいかなかったのは2.8というバージョンだが,MBPで使うと自動ビデオ通話が始まらないというバグがあったのだろうか。検索してもそういう情報は見つからなかったが。

skype_snapshot

これでWindowsモバイルPCとMacBookPro間でビデオ通話簡易ペットカメラシステムが完成したわけだ。注意点としては,MBPがスリープしているとSkypeの応答ができないので,電源管理でスリープしない設定にしておく必要がある。

次はFaceTimeを使った第2段階を試してみたいが,iPod touchの手当がまだできていない。


2010年11月27日

●今週見た景色 東京ディズニーシーとホテルミラコスタ

今年は普通に部屋だけ予約して,プールで過ごす時間を多めに取り,アトラクションは待ち時間ゼロで乗れる刺激の少ないものだけ。

ミラコスタ宿泊は通算9泊目。昨年はテルメヴェネチア(スパ&プール)が改装工事中で入ることができなかった。どんな風に変わっているのか楽しみにしていたが,特に変わった様子はない。キャストに聞いてみたら改装というか,サウナのボイラの修理だったそうな。

プールに限らず,ホテルとホテルから見えるパーク内は365日24時間稼働なのでメンテが大変なんですとおっしゃっていた。例えばある程度の大きさの施設になると,定期的に受電設備の点検のために全停電が必要になるが,ディズニーシーとミラコスタには現在閉園日がないので,点検は短時間の部分停電を時間を選んで行っているのだそうだ。興味深いお話がいろいろ聞けそうだったが,魔法が解けるといけないのでそれ以上は聞かないことにした。

部屋は屋外プールに面した1Fで,専用の庭に出られるタイプ。夜中のパークの様子を見たりはできないので,初めての方は面白くないと思うが,部屋の天井が高くて,部屋数が少ないので静かだし,庭の雰囲気も良い感じなので,リピータにはオススメ。

今年から部屋のアメニティーグッズのデザインが変更になり,テレビが液晶に変わっている。

夜のショーはお休み中で,来年4月からの新しいショーに向けて工事が進んでいる。これでもショーの休止期間が最短になるようにギリギリの工程を組んでいるんですと,7年前に挙式をコーディネートしてくれた担当の方(現在は宴会係)が話していた。うっかり工程とか聞いて魔法が解けそうになった

来年はディズニーシー開園10周年ということで,今から楽しみだが,あまり混雑すると大変だなぁ。そういえば毎年このクリスマス前の時期に行っているが,今年は飾り付けがパーク内,ホテル内ともに例年より簡素だったように思う。これも来年に向けた伏線なのだろうか?

パーク
お部屋チャペルディナープール

EOS Kiss X2 / EF-S 18-55mm f/3.5-5.6 IS

【参考記事】
2009年の様子
2008年の様子
2007年の様子
2006年の様子
2005年の様子
かんなさんのミラコスタウェディングページ

2010年11月24日

●ビデオ通話を使ってペットの様子を見ることができるか(事前検討編)

留守番しているペットの様子を,出先から確認する方法はないものだろうかと,ペットを飼っている方なら一度くらいは考えたことがあるのではないだろうか。

一昔前にはそんなことはSFであり,せいぜいビデオカメラを録画状態にしておいて,帰ってきてから再生して「こんな風に過ごしていたのか」と知るくらいが民生用機器の限界だった。

それが近年の通信環境の整備によって,比較的安価にリアルタイムの動画を見られる機器が売られている。例えばPLANEXの製品とか。

しかし,安価とは言っても結構な投資になってしまう。これをもっと簡単に汎用機器を使ってできないものだろうか。

最初に考えたのはSkypeだ。Skypeにはビデオ通話という機能があって,去年親戚のお宅に遊びに行ったら,イギリス在住の娘さんとSkypeでテレビ電話をしていた。画質も遅延も問題ないレベルで使えていて感心した。

Skypeでビデオ通話するためには,カメラを内蔵した(あるいは外付けWebカメラを付けた)パソコン2台と,それぞれにブロードバンド回線が引いてあれば良い。

従って,近々予定しているパソコンの買い替えでは,カメラ内蔵のMacBookProが第一候補なので,これとかんなさんが使っているEeePC(カメラ内蔵)の両方にSkypeを入れて,EeePCを実家なりのネット接続できるところに持っていって,そこから自宅のMacに通話をする。そのときにMac側のSkypeを自動応答する設定にしておけば,外から自宅Macのカメラ画像を見ることができるのではないか。

上記が第1段階。まずはこれができないとお話にならない。うまくいくようだったら次は第2段階である。

ネットブックのEeePCは軽いとは言っても,旅行の時は少しでも荷物を軽くしたい。そこでiPod touchなどの軽量モバイル端末でビデオ通話が実現できないだろうか。

と,思っていたら最近AppleにはFace Timeというのがあるらしい。iPhoneでテレビ電話をしているCMも見かける。Mac用にもベータ版が無料で出ている。iPod touchを買えば自宅のMacとビデオ通話ができるのではないか。もちろんiPod touch側に無線LAN環境が必要になるので,公共無線LANを使うか,ホテルの部屋などでは小さい無線LANアクセスポイント(最近では手のひらサイズのものがある)を持っていく必要がある。

という感じで,細かい部分で引っかかるところはあるかもしれないが,技術的にはなんとかなりそうである。ただしMacBookPro,iPod touch,無線LANルータ(アクセスポイント)はすべて新規購入が必要ということで,予算措置が最大の問題ではある。

と,この記事を書きながら検索したら,ライブストリーミング配信で自宅の様子を生中継してしまうという手も使えるかもしれない。でも一泊二日の連続運用は厳しいかな?


2010年07月12日

●ケーブルテレビでBSが録画できない謎

先日かんな氏の実家でWindows2kが現役稼働中であるという話を書いた。

とにかくお年寄りは新しいことを覚えるのがしんどい。40年前に買ったラジオの操作は得意なので,できればインターネットも携帯電話もビデオ録画も,電源レバーを上げて,ツマミを回して選曲するラジオ並みの操作で使えるのが望ましい。

で,そのビデオ録画がまた問題である。EPG(電子番組表)連動とか,若い人には非常に便利なのだが,リモコンのボタンは増え,文字は小さくてお年寄りにはぜんぜん優しくない。それでも娘(かんな氏)が何度も根気よく教えて,今ではお気に入りの帯番組を片っ端からHDDに貯めて見られるまでになった。

ところが諸事情があって,テレビ,ネット,電話のインフラをすべて地元のケーブルテレビに変更したのである。電話とネットは(Windows2kではあるが)元通り使えるが,テレビの特にBSが問題である。もちろんBSアンテナは不要なのだが,専用のチューナーを通してBSを観る仕組みのため,BSを観るにはリモコンの「BS」ではなくて,「入力切替」を押して「入力1」を選ばなくてはいけない。別なリモコンでチューナーの電源も入れる必要がある。ということは当然HDDレコーダの番組表連動は機能しなくなってしまう。

じゃあどうやってBSを録画するんですか?と聞いたら,設置に来たおねーさんは「そうですね,まずケーブルのチューナーの番組表で視聴予約をして,レコーダーの予約画面でL1を選んで,時刻は手動で...」もうこの時点でお年寄りは思考停止である。

前回も書いたことだが,もっとこう根本的に簡単にできないものだろうか。

2010年06月29日

●リプレースできないWindows2kマシン

Windows2000の延長サポートフェーズが今月いっぱい(2010/6/30)で切れるらしい。うちには関係ない話だと思っていたが,そういえばかんな氏の実家のマシンがWin2kだったのを思い出した。

このマシンは2004年11月に中古で買った一体型で,PenIII 866MHz,256MB,20GB,15"LCDというモノ。価格は39,800円だった。

この値段で6年使えば充分だとは思うが,簡単にはリプレースに踏み切れない事情がある。そう,使っているのはお年寄りなので,OSが変わるとせっかく覚えた操作をまた最初から教えなくてはいけなくなってしまう。

使うのはメールで送られてきた孫の写真をプリントしたり,年賀状を作って印刷したりと,まあお年寄りの使い方としては一般的なものだ。しかし例えばWindows7にしろMacにしろiPadにしろ,お年寄りがお店で機械を買ってきて,誰にも説明を聞かずにこれらの作業を行うのは実は不可能である。

これだけ技術が進んでいて,お年寄りもどんどん増えているんだから,処理速度の向上や3D化も結構だが,インターフェースを超絶簡単化するとか,コンセント引っこ抜き(お年寄りは必ずやる)でも大丈夫にするとか,そっちの方にもっとリソースを投入した方が良いのではないか?

そもそも,まだ壊れてもいない機械を買い替えるなんて発想はお年寄りにはないのである。「延長サポートフェーズが」なんて話をお年寄りが理解できるとマイクロソフトは思っているのか?ちょっと社員を一人よこして実家のお年寄りに説明して欲しいもんだ。ついでにWindows7で年賀状を作って印刷する方法も。

2010年06月14日

●はやぶさ帰還

2003年5月に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」が満身創痍の状態にありながら,7年ぶりに地球に帰還した(本体は燃え尽きたが,カプセルは地表に届いた)。まずは関係者の方々におめでとう,お疲れさまと言いたい。

今朝のニュースで少し見ただけだが,大型ドーム映像のカットを挿入しながら紹介していた。サッカーワールドカップよりは小さい扱いだったけれど,さすがに批判しているような局はなかっただろう。

しかし5年前に自分で書いた記事を読み返したら,当時のマスコミの扱いは酷いものだったことを思い出した。今は当時よりも国民の知名度が上がったので多少マシかもしれないが,これでカプセルに何も入っていなかったら,またマスコミは鬼の首でも取ったような批判をするんじゃないかと不安だ。

現時点でも「はやぶさ」は貴重な成果を次々と上げているのだが,そういうことにはほとんど触れず,失敗ばかり過剰に報道するマスコミの姿勢にはうんざりである。理系離れうんぬんというなら,これほどワクワクするミッションをもっと応援することは出来ないものか。ーー写真ってblog(2005.11.20)

参考リンク:はやぶさ帰還時の動画(NASA)

2010年05月17日

●プラネタリウム番組鑑賞 HAYABUSA Back to the Earthノーカット版

大型ドーム映像番組「HAYABUSA Back to the Earth」ノーカット版を鑑賞。

1年前に観たときはショートバージョンで,ノーカット版は上映しないのかなー,と思っていたら,はやぶさの地球帰還が近づくこのタイミングを待っていたようだ。

とにかくこの大型ドーム映像の迫力と没入感は抜群で,メガネをかけて観る3D映画なんて子供だましである。星空が回転すると自分が動いているように錯覚してしまうため,気をつけないと酔ってしまう。

内容は抑制が利いていて,変な擬人化もしていないしお涙ちょうだいの演出もないのだが,それでも感動するのは,単なる機械でありプログラムにすぎない探査機はやぶさが,次から次へと発生するトラブルをひとつひとつ健気に処理し,満身創痍の状態にも関わらずなんとか地球に戻ってこようとするその姿に感情移入してしまうためだろう。かんな氏はイトカワに辿り着く前の地球スイングバイのところから早くも号泣だった。

この良作がたった510円(子供は310円)で観られるというのに,週1回しかない上映のお客さんは20名程度。帰還が近づけばテレビに取り上げられる機会も増えるだろうし,もっと注目されるかもしれない。日立シビックセンターでの上映は7月4日までの予定。

あとはとにかく無事にはやぶさが帰還カプセルをオーストラリアに落としてくれることを祈るばかりである。中にイトカワの破片が入っているかどうかはこの際もうどうでも良いように思う。

【参考リンク】
全天周映像 HAYABUSA -Back to the Earth- 公式サイト
日立シビックセンター天球劇場


2010年03月20日

●洗濯機更新(後編)

前回からの続き。

しかし,店員はゴニョゴニョと歯切れが悪い。どうも定格量の洗濯物を洗濯から乾燥までして,ランニングコストの差は1回あたり数十円らしい。それじゃあざっくり1回100円差が出るとして,2日に1回洗濯するとしたら,100円×(365日÷2) = 1.8万円となる。ということは11万円の差額をペイするには,11万円÷1.8万円 = 6年強ということだ。

ただ,この6年で回収というのは自分たちの使い方としてはかなり楽観的なもので,実際は2日に1回8kg洗って4.5kg乾燥するほど洗濯物はない。そうすると差額はもっと縮まってしまう。仮に1回50円しか違わなかったら,初期投資をペイするまでに12年である。

と,いうことで3倍近い価格差を正当化する理由は残念ながら見出せなかったので,デザイン的には平凡なビートウォッシュを買ってきた。家族が多くて毎日大量の洗濯物を処理するご家庭では,おそらくランニングコストの安いドラム式が断然おトクになると思う。

あと,上に挙げなかった評価項目として,「猫対応」というのがあった。今までの洗濯機では動作中にピートやデルタが上に乗っかって,電源ボタンを踏んで強制OFFしてしまうことが何度もあったのである。ちなみに留守中に勝手にONされると困るので,使い終わったら電源プラグを抜いていた。

猫対応仕様としてはチャイルドロックスイッチがあれば良いのだが,残念ながらビートウォッシュには機能がなかった。ドラム式だと操作パネルが低い位置にある関係かチャイルドロックがある機種が多いようだ。しかしドラム式は天板に猫が躓きそうなトラップ(フィルタの取っ手)があって危険である。

最近CMに猫を出す会社が増えているが,どうせなら「完全猫対応」を謳う家電を作ったら売れると思う。

「猫ちゃんが洗濯機のスイッチを切っちゃったこと,あるでしょう?」
「(お母さん)あるある!」
「ついに出ました,猫ちゃんのいるご家庭にぴったりの洗濯機!」
「天板はフルフラットを実現!危険な突起や開口部はありません!」
「操作系は猫ちゃんが触りにくい前面に集中するとともに,ペットロック機能も完備!」
「もちろんホース類にはかじられても平気な強靭な素材を採用しています!」
「乾燥時の排熱で天板は心地良い温かさに!猫ちゃんの安眠を妨げない低騒音40dB!」
「今なら天板にぴったりサイズの猫ちゃんベッドをお付けします!」

みたいな。どうですかね家電各社の商品企画のみなさん。CMには宅のデルタをオススメします。

白物家電というのはカメラやパソコンほどには選んでいるときのワクワク感がないので,通常は取り上げないネタだが,年度末進行で更新が滞っている反省から特別にお届けした次第である。


2010年03月19日

●洗濯機更新(前編)

えらいことだ。洗濯機が壊れている。症状は洗い・すすぎのときに洗濯物を撹拌するハネが回らない。

洗濯槽自体の回転は問題がなく,脱水・乾燥は普通にできるので気付くのが遅れてしまった。どのくらい前から壊れていたのか不明だが,しばらく「洗剤水に浸すだけ」という洗濯をしていた可能性が高い。

この洗濯乾燥機はかんな氏が独身時代に買ったナショナルの2001年製で,一体型の洗濯乾燥機が出始めの頃の機種。途中何度か修理もしていて,量販店独自の5年保証のおかげで助かった。その保証期間も切れているし,元々今年中にはリプレースする計画にはなっていたのだ。

ということで,持ち帰った年度末の仕事を早々に切り上げて量販店に買出しである。

流行はドラム式だが,価格は縦型の2倍くらいする。騒音レベルも平均的に高めだが,価格差と騒音をカバーするメリットがドラム式にあるならば,長く使うものだし考えないこともない。

候補は価格comの満足度の高い4機種に絞った。まずは縦型の日立ビートウォッシュ,残りはドラム式でパナソニックのハイエンド機種,日立の風アイロン,サンヨーの廉価機種である。

この中で,スペック上騒音が今使っている機種(乾燥時47dB)よりも高い風アイロン(52dB)は脱落。それからサンヨーのドラム式はかんな氏がレビューを読んで,良い評価と悪い評価の幅が広い(つまり品質が不安定?)ということでこれも脱落。

早々に2機種に絞られてしまった。量販店で価格を聞くと,ビートウォッシュが7.5万,パナのドラム式が19万と,極端な差が出た。洗濯して,乾燥するという機能は同じなのになんでそこまで差があるのだろう。

パナのドラム式の売りは「普通洗濯機で洗えないようなものも洗える」ことらしい。例えば靴とか。しかし冷静に考えて11万の差額で良い靴が何足も買えるよなぁ...。あと,一般的にドラムの方が電気代も水道代も安いらしい。で,価格を出してくれた店員に「こっちの19万の方を買ったとして,電気代と水道代で何年使ったら元が取れるの?」と詰め寄る。例えば年間3万とか差が出るなら,4年以上使えばドラム式の方がおトクということで,充分に選ぶ理由になる。

(つづく)

2010年03月05日

●au S002その後(1週間経過)

auの携帯S002を使い始めて1週間経った。

PHSからauへ乗り換えてまず感じるのは,通話音質の悪さだろう。「音質ならPHS,エリアなら携帯」なんて言われていたのは昔のことだと思っていたが,今でも変わらないようだ。携帯は高速通信が売りだけど,その性能はパケット通信の方に割り振られており,音声通話品質は軽視されているのだろうか。

PHSなら部屋にいるかんな氏にかけて,その後ろで「にゃー」と鳴いているのがピートなのかデルタなのか容易に判別できるほど音質がクリアである。よく言われることだが,固定電話と同じ音質と思ってもらえば良い。

それがauだと,そもそも声の主が本人なのかどうかすら迷ってしまう。オレオレ詐欺に引っかかる人が多いわけだ。

原理的にはPHSの音声コーデックはADPCM,auはEVRCという別方式になる。詳細は省くが,極めて大雑把に音楽の圧縮で例えると,PHSはmp3のようなもので,auはmidiのようなものだと思えば良い(本当か?)。つまりPHSは単純な圧縮,auは人間の声からいくつかのパラメータを抽出して,相手側ではそのパラメータから新たに声を作り出すということをする。携帯では機械が合成した声を聞いているわけだ。

さて,気になるパケット使用量だが,1週間で34,000パケット。内訳はメールが4,000パケットで,ezwebが残り。通信が速いので画像付きのページもどんどん読み込んでくれるし,Youtubeも見られるが,その分パケット消費量は大きくなる。料金的にはダブル定額ライトの1,000円分はとっくに使い切って,傾斜部分の真ん中あたり。この分だと早々に上限額の4,410円に張り付きそうだ。これなら定額料は2,000円からになるがパケット単価の安いダブル定額の方が良いかも。結局1ヶ月で上限に達するのは変わらないかもしれないが,あまり使わない月なら上限額未満で納まる可能性もある。

今のところPCサイトビューアを使う必要は感じない。確かに当ブログのメインページにアクセスすると,メモリオーバで全文を読み込むことはできないけれど,個々の記事を閲覧する分には問題ない。自分以外のところはたいてい携帯向けのページがあるし。(自分のところは対応しないのか,という問題はひとまず棚上げ)

まだ1週間程度なので,使っていない機能もいろいろとある。ワンセグはとりあえず映るということを確認しただけ。録画もできるらしいが試していない。こんな小さな機械にテレビもビデオも電話もカメラもネット端末も入っているというのは,考えてみればすごい話だ。

run&walkの画面

2010年01月24日

●映画鑑賞 アバター

3D映画の「アバター」を鑑賞。

例によって予備知識ゼロ(3D映画らしいという程度は知っていた)で観に行った。

で,まあそうなるだろうなぁ,とは思っていたのだが,やっぱり「お,ここはキレイに立体に見える。あ,ちょっとチラつくなぁ。二重に見えてイマイチ・・・」とか,全編そんな感じで「見え方」ばかり気になってしまった。

あとで調べたらアバターの3D上映には4方式あるらしく,今回見たのはRealDというタイプ(シネマイクスピアリ)。

メガネをかける面倒臭さは置いておくとしても,いずれにしろ現在の3D方式は「臨場感」という意味ではどれも大差ない気がする。これは正面だけにある平面のスクリーンに映している限りどうしようもないだろう。音響だけ後ろからも聞こえてきたりして,アンバランスである。プラネタリウムでの大型ドーム映像の方がずっと迫力がある。臨場感という意味なら目を閉じてバイノーラル録音のラジオドラマをヘッドフォンで聴くのが一番かもしれない。

今後どんどんこのタイプの映画が増えるという噂だが,「やめといた方が良いんじゃない?」と個人的には思う。

で,映画の内容に関しての感想としては,人類側のメカはなかなか格好よかったけれど,そもそも異星人であるナヴィ族が人類とそっくりすぎるところとか,いくら希少資源のためとはいえ知的種族への侵略という選択をするほど人類がアホな設定なのはなんでなのかとか,そういう点について説明が欲しかったかな,と思った。なんせ3時間もある映画なので。

参考リンク:映画「アバター」公式サイト

ピート

2009年12月19日

●今日の工作 大人の科学マガジン ミニエレキギター

実用性はあまりないだろうなー,と思いつつ買ってしまった学研ミニエレキ。マグネット式のピックアップをコイルを巻いて自作するというので,原理の勉強にもなる。

ミニエレキはエレキギター用のエクストラライトゲージの弦を1〜4弦の4本だけを張る。低音の5,6弦がないわけで,実用性が無さそうと思ったのはそういう理由。ただ,チューニングは同じなのでまったく使えないわけではない。

学研ミニエレキギター

弦の張り方は工夫されていて,ボディからネックをぐるっと一周するように張る。ギターの弦にはものすごい張力がかかる(数十kg)ので,ネックの反りとかの問題が出てくる。それをこのミニエレキでは張力を表と裏に分散させることによって,プラスチックのボディでも反りの問題が出ないように工夫してある。小型化と強度とチューニングの問題を一気に解決するわけで,よく考えたなと思う。

学研ミニエレキギター学研ミニエレキギター

アンプとスピーカは完成品が入っていて,ボディにネジ止めするだけでOK。電源は単3電池2本。外部アンプにもつなげることができる。

学研ミニエレキギター

メインイベントのピックアップ製作。磁石の周りにコイルを巻く。ひたすら巻く。この巻き方で音が変わるのかもしれないが,キレイに巻くのはなかなか難しい。 マグネット式ピックアップは,磁石に巻いたコイルの近くで磁性体(スチール弦)が振動することによって,コイルを横切る磁束が変化して,弦の振動に応じた電流がコイルに誘起されるという原理。

学研ミニエレキギター学研ミニエレキギター

これでだいたい完成。あとはチューニング。内蔵アンプから出る音が最初から歪んでいるので,チューニングを合わせるのが結構難しいし,すぐに狂う。

学研ミニエレキギター

アコースティックギターと比べるとこんな感じ。かなり小さい。ネックストラップを付けるとちょうど良い感じ。ストラップ取付け穴はちゃんとある。

学研ミニエレキギター

音を出した動画がこちら。アコギと同じような弾き方ではダメなんだろうなぁ。個人的にはギターの音はやっぱりアコースティックの方が好き。

2009年11月02日

●今日の工作 大人の科学マガジン 二眼レフカメラ

学研大人の科学マガジンの付録は二眼レフカメラ。二眼レフカメラは触ったことがないので,ぜひサンプルしておかねば,と思って1ヶ月前から予約を入れていた。

「二眼」というのは撮影用レンズとファインダー用レンズ(画角・ピントの確認用)が別々にあるという意味で,「レフ」はレフレックス(reflex:反射)のことで,ファインダー用レンズに入った像を鏡で反射させてファインダーに結像し,それを見て画角やピントを合わせる。ファインダーは上部にあるので,腰で構えて上から覗き込んで撮るスタイルになる。

と,いうようなことも,今回作ってみて初めて知った。

最近はフィルムを使うトイカメラが密かなブームらしいけれど,この二眼レフカメラは価格(2,500円),面白さ(ピント合わせが必要)から見ても,優れているのではないだろうか。

工作を邪魔するピートとデルタ

組み立てはシャッタ機構のところで小さいバネを「ピーン」と飛ばさないように気をつければ,特に難しいところはなかったと思う。

大人の科学マガジン-二眼レフカメラ工作

レンズは撮影用,ファインダー用ともに1枚構成で,これで本当に撮れるのか?というシンプルなもの。撮影レンズの後ろに絞り板を入れた状態でF11,シャッタスピードは固定で1/150秒(正確さは期待できないが)。ピントは撮影用,ファインダー用のレンズがギアで連動して回るようになっていて,最短50cmから無限遠まで合うようになっている。

ファインダーのスクリーンに映った像はなかなか雰囲気があり,これだけでも結構楽しい。

大人の科学マガジン-二眼レフカメラ工作

撮影結果については次回。

かんなさん撮影中


2009年10月20日

●入浴剤のナゾ

粉を押し固めたような質感で,お湯に入れると溶けながらブクブクと泡を出す入浴剤があるのはご存知だろうか。花王のバブなどは有名だと思う。

テレビCMを見ていると,どうやらあの泡は炭酸ガス(CO2)で,炭酸ガスが溶けたお湯に浸かると疲れがとれるらしい。

ふーん,そうか。あれは炭酸ガスを固形化したものなのか。

と,考えて何か不思議に思わないだろうか。炭酸ガスを固形化したものがほかにもなかったっけ?そう,ドライアイスである。

ドライアイスといえばスーパーでアイスを買うともらえるけれど,その性質(液体を経由せずに気体になる「昇華」)を利用して,「溶けても濡れない保冷剤」として便利に使われている。が,これはバブとはぜんぜん違うものだ。ドライアイスをお風呂に投入すればすごい勢いで炭酸ガスの泡は出るだろうが,お湯が冷めるし,そもそも常温で袋に入れて保存しておくことなんてできない。

入浴剤はドライアイスではないということはすぐにわかると思うが,では入浴剤はどうやって炭酸ガスを固形化し,常温の状態で閉じ込めているのだろう。

その秘密は化学反応にある。バブは炭酸ガスを直接固形化しているわけではなくて,バブを構成している化合物が水に溶け,化学反応によって炭酸ガスが発生しているのだ。

具体的には有機酸の一種であるフマル酸(C4H4O4)と,重そう(炭酸水素ナトリウムNaHCO3)というのがバブには含まれていて,これらが水に溶けて反応すると,炭酸ガスが発生するわけだ。(C4H4O4 + NaHCO3 = C4H3NaO4 + H2O + CO2)

炭酸ガスと一緒に発生するのは水と酸味料などにも使われるフマル酸ナトリウムだそうだ。

バブの化学式
(出典:花王製品FAQ:http://www.kao.com/jp/qa/bub_all_02.html)

普段何気なく使っている入浴剤も,考えてみると不思議なものである。


2009年09月20日

●SF本読了 レインボーズ・エンド

「レインボーズ・エンド(上・下)」(V.ヴィンジ)読了。

この著者の作品は初めて読んだ。まあまあだったけれど,ちょっと冗長だったかも。

この作品にしても電脳コイルにしても同じだけれど,超小型,高機能のウェアラブルへの電源供給という技術的課題をどうやってクリアしているのだろう?どちらの作品もウェアラブルを充電したりする描写はなかった。

いくら省電力化が進んでいるとはいえ,無線通信をしている以上それなりの電力消費はあるはずで,仮に朝から夕方までの半日程度の装用であっても,外部からの電力供給なしで稼働できるとしたら,ネットワークや拡張現実感(AR)よりもずっとすごいテクノロジーだと思う。

電源をどうするのか,という問題は地味かもしれないけれど,SFに登場する技術を実現する上では避けて通れない現実的な課題だと思う。


2009年08月17日

●今日見ようとして見られなかった景色 ペルセウス座流星群

この夏休みの自由研究は夏の天文イベントの定番,ペルセウス座流星群の観察である。

自宅周辺では街灯りがあって星がよく見えないので,山の方の開けたポイントを教えてもらった。2年前によく見えた場所である。

15日の夜に一度観測を試みたのだが,残念ながら夕方から雲が広がってしまい断念。

今日は深夜1:30頃に起床して,天気は良さそうだったので2度目のチャレンジ。しかしポイントまでの道順を忘れて迷ってしまい時間をロス。撮影を始めたのが3:30頃で,バルブで数枚撮ったら空が明るくなり始めてしまった...。

あと一回くらいチャンスがあると良いのだけれど,生活リズムがおかしくなりそうである。

撮影は安物の三脚にEOS Kiss X2を固定,付属のキットレンズ(18-55mm)を広角側,開放にして,ピントを無限遠,マニュアル設定でシャッタースピードをバルブにして,写り方を確認しながら露出時間を調整した。ISO感度は400。

下の写真は数枚撮ったうちのひとつで,露出時間は76秒,レタッチソフトでレベルを調整したもの。
写っているのは北の空で,中央やや下にカシオペア座がある。周辺の星がブレて見えるのは,手ぶれではなくて日周運動のため。

これで何十枚も撮ればそのうち流星が撮れる...はずだったのだが...。

北の空(夏)

2009年08月15日

●ノンフィクション読了 脳の中の幽霊、ふたたび

「脳のなかの幽霊、ふたたび 見えてきた心のしくみ 」(V.S.ラマチャンドラン )読了。

図書館で有名な前作「脳の中の幽霊」を探したのだが,端末では貸出し可になっていたのに書架に見当たらず,続編のこちらを借りてきた。

かんな氏から「脳神経科学の本を読むなんて珍しいのでは?」と突っ込まれたが,これは普段Webmasterが宇宙とか物理とかIT方面ばかり興味を持っていて,生物とかはちょっとニガテであるということで無理もない。

しかし,最近SFを読んでいると意識とかアイデンティティテーマがひとつの流れであるように思うので,少し勉強しておくのも悪くないと思う。

「自由意志は幻だ」という話(体を動かそうとしたとき,意識よりも先に準備電位が生じる)というのは「七パーセントのテンムー」にも出てきたけれど,なかなか興味深い現象だと思う。

結局心は脳(というハードウェア)に宿るという話で,オーラとかスピリチュアルな人でなくとも,信心深い人はどんな風に読むんだろうか。


2009年07月23日

●路線バスの観察4

いつもの停留所でバスに乗って,50メートルほど走ったところでなぜか停車。

ドライバーが「あれ?あれ?」とシフトレバーをガチャガチャやっている。このバスは都会ではもう見られない,床から長いシフトレバーがにょきっと生えているマニュアル(MT)車だ。以前書いたことがあるが,都会ではフィンガーシフト(ドライブ・バイワイヤによるアシスト付きMT)が主流になっていると思う。

で,どうやらギアが3速から抜けなくなってしまったらしい。エンストはしていないからクラッチは生きているようだが,MTだとそういうトラブルがあるのだろうか?とにかくボロでどうしようもない。

5分ほど路肩に停車して,無線で営業所と話しながらあーでもないこーでもないとやっていたが,とりあえず代車の到着までには時間がかかるため,そのまま走れるところまで走れ,という指示が出たようだ。

3速固定でまともに走れるの?と心配だったが,意外とちゃんと走れるのである。バスは通常でも2速発進が普通で,1速はフル積載時に上り坂でも発進できるようにといういわば「スーパーロー」なので,普通は使う必要がない。トルクの大きいディーゼルエンジンでは,3速でもちょっと回転を上げてやれば問題なく発進できるようだ。心配していた上り坂での発進もまったく問題なかった。スピードは出せないがどうせ渋滞路なので関係ない。ニュートラルに入らないのでクラッチを踏む足が疲れそうだが,信号待ちで何度かアイドリングストップして休んだだけでとうとうそのまま目的地の停留所まで着いてしまった。ドライバーも熟練者らしく,冷静な対応で良かったと思う。

不景気で新しいバスが買えないのは仕方がないとしても,だったらせめて整備くらいきっちりやってよね,と思うWebmasterであった。

【参考記事】
路線バスの観察3
路線バスの観察2
路線バスの観察1

2009年07月11日

●今日のがまん 4ビットマイコン

何度か買ったことのある学研「大人の科学マガジン」。Vol.24のふろくは4ビットマイコン。

ほとんど反射的に買いそうになってしまったが,手に取って冷静に考える。

待て待て,いまさらノートにニーモニックを手書きしてハンドアセンブルするのか,と。

いったいあのUI(7セグLED1個と2進LEDとスピーカ)でサンプルコードで遊んだあと,どんな実用的なプログラムを思いつくんだ,と。

ノスタルジーな気分に浸って,ああ,今は便利だなぁ,と感じてそれで終わりじゃないのか,と。

いやまあ,そもそもこのふろくの目的はノスタルジーに浸ることそのものなのかもしれないけれど,いくら安いとはいえ「あー,なつかしいなぁ」と言うためだけにほとんどスキルを要しない工作キットに手は出さないと年初に決めたのであった。

というわけで購入はひとまず見送り。

ただ,パソコンを始めたときには既に便利な環境(GUIと高級言語)が揃っていて,機械語とかニーモニックとかハンドアセンブルとか経験がない若い方は一度,CPUを直接動かしているという実感を味わってみるという体験は貴重かもしれない。


2009年06月04日

●CDの音質議論はどうなったのか?

これも昔話といえば昔話だが,CDの音質に関する議論というのがあった。やれジッタがどうしたとか,十字に切れ目を入れると音が良くなるとかいうアレである。オリジナルCDと,それをCD-Rに焼いたものでは音が違う,という話もあった。

高級CDプレイヤにはスタビライザと称する「おもし」が付いていたりして,かなり過熱していたと思うのだが,iPodをはじめとするSSDオーディオの登場でその議論もパッタリ聞かなくなった。いや,SACDに舞台を移してまだ続いているのかもしれないが,少なくとも一般に広く聞こえてくるようなことはない。

そもそも大容量SSDオーディオによってPCMでどんな高サンプリング周波数の大容量データの曲だって余裕で手のひらサイズで取り扱えるようになった上に,回転ムラやピックアップずれなど,メカニカル系に起因するエラーは根絶された。

本来ならこれで誰でも音源としては同じ条件で,純粋に音響系(D/A,プリアンプ,メインアンプ,スピーカ)の差を比較できるようになったわけだが,そういう条件で議論が進展しているのだろうか?

まずCDとPCMデータを記録したSSDではCD-RとCD以上の明らかな音質の差があるはずだと思うのだけれど,どうなのだろう。それともやっぱり何かが「回って」ないとダメなのだろうか?

レコード

2009年04月12日

●プラネタリム番組鑑賞 HAYABUSA Back to the Earth

大型ドーム映像「HAYABUSA Back to the Earth」を鑑賞。

ターゲットマーカに名前を刻んでもらった88万人のひとりとして,この映像は見ておかなくてはいけないだろう。

今のところ日立シビックセンターではショートバージョン(26分)のみの上映だが,そのうちノーカット版が上映されることを期待したい。

番組はとても良く作られていて,迫力も満点だし感動的。はやぶさにはぜひとも無事に地球に戻ってきてもらいたいと願っている。

HAYABUSA Back to the Earth公式サイト

HAYABUSA Back to the Earth


2009年02月23日

●ギターの音を比較する

新しく買ったYAMAHA FS720S(定価3.7万円,新品)と,先生に借りているMorris MD-507(定価2.5万円,推定15年モノの中古品),その音の違いはどれほどのものだろう?

弾いたときの主観的な印象としては,MD-507の方は低音が豊かで残響がやや大きい。FS720Sの方は低音は痩せているが高音弦(1,2弦)の音がきらびやかな感じ。と言っても正直なところブラインドテストをやったら聞き分けられるかどうか自信がない。

FS720Sはこれからじゃんじゃん弾いて育っていく(はず)。なので買ったときの状態を記録しておくという意味で,MD-507と比較した録音を公開しておこう。

しかしこういうとき,どんな音の出し方をすれば良い比較ができるのだろう。開放弦を一本ずつ弾いてFFTをかけて周波数特性を見る?なんかそれも違うような気がする。どうせ複雑な弾き方をするスキルはないので,とりあえずC-G7-Cのコードを順番にシャラーンと弾いてみる。

上がMorris MD-507,下がYAMAHA FS720Sで,録音方法はXA-C110をサウンドホールから1mくらいの場所に置いて,Audacityで不要部分の削除をしている。録音レベルが少し小さかったので同じ割合で持ち上げているが,エフェクトなどはかけていない。

どうだろう。差は感じられるだろうか?最後のCと残響の部分の波形の比較がこちら。(上段:MD-507,下段:FS720S)

code_md507

code_fs720s

まず明らかにFS720Sの音量が小さい。しかしこれは弾き方が違っていたという可能性も高い。まったく同じ強さで弾くというのは素人には難しいのだ。だとしても残響はMD-507の方が厚い感じは確かにある。同じ部分にFFTをかけて周波数成分(リニアスペクトル)を見るとこんな感じ。(上段:MD-507,下段:FS720S)

fft_md507

fft_fs720s

グラフの見方だが,横軸が周波数(音の高さ)で,縦軸がレベル(音量)。右側に行くほど高い音になる。

しかしこれを見てもどう判断すればいいのか難しい。例えばこれがどう変化したら,良い音になった/よく鳴るようになった/成長したと判断できるのだろう?聴感上違いがあるということは必ず計測に差が表れるはずで,そのナゾが今後解明される日はくるのであろうか。

もし,こんな弾き方で比べれば違いがよくわかる,というような方法をどなたかご存知でしたらご教示頂ければ幸いです。

2009年02月16日

●掛け時計のスイープ運針の謎

しばらく前になるが,リビングの掛け時計を更新した。

その前に使っていたのはチェリークロックの安物レプリカで,新潟のビルボードプレイスの雑貨屋で見つけたもの。これはかんな氏が気に入っていたのだが,針がむき出しで,デルタがレンジやらトースターやらを足がかりに登って針を突っついて遊ぶものだから壊れてしまった。

新しく買ったのはちゃんと覆いが付いているタイプで,スーパーの雑貨屋で1,980円だった。

しかし,生意気なことにこの値段にしてスイープ運針なのである。

スイープ運針というのは連続秒針とかスムーズ秒針とも呼ばれていて,秒針が「スー」っと滑らかに動く機構のこと。それに対して1秒ごとにコチッ,コチッと動くのはステップ運針と呼ばれている。

スイープ運針とステップ運針,どちらが良いかは個人的な好みの問題なのだが,少なくとも腕時計の世界ではスイープ運針は超高級な機械式時計のみで実現できるメカニズムで,普及型のクォーツ式では未だに実現していない(セイコーのスプリングドライブはぜんまいの動力でスイープ運針させ,精度をクォーツで取っているが,これも超高級品)。Webmasterの持っている腕時計は機械式だが,1/6秒運針(21,600振動)で,よく見るとスイープではなくて細かくコチコチ動いている。

クォーツ腕時計でスイープ運針ができないのは消費電力の問題だとされていて,ステップ運針であればモータを駆動するのは針を動かす一瞬だけで良く,残りのほとんどの時間は駆動部を停めておけるので,電池の寿命を延ばすことができる。それに対してスイープ運針は常時モーターに電力を供給する必要があり,電池があっという間に切れてしまうし,今流行のソーラーパワーでは起電力が小さすぎてやはり常時モーターを動かし続けるだけの力はない。

ではなぜわずか1,980円の壁掛け時計でスイープ運針が実現できるのだろうか?

その答えはこのインターネット時代,googleで数回検索すれば容易に見つかるだろう,と楽観していたのだが,意外にもその疑問にズバリ答えているページはない。断片的な情報から推測すると,ステッピングモーターを高周波駆動させて連続回転に見せている,というような感じなのだろうか?

うーん,なんとも中途半端な感じでスッキリしないけれど,みなさん掛け時計とか目覚まし時計が安くてもスイープ運針なのに,腕時計がなんでステップ運針ばかりなのか,不思議じゃないですか?

掛け時計

2009年02月10日

●成長するギター

今回は人間(スキル)の成長ではなくて,ギター本体の成長の話である。

先生はどこからともなく古いギターを蒐集してくる。そして生徒の前でジャカジャカと弾いてみせて,「これは30年前のギター。すごく良い音になってきている」とおっしゃる。なんでも,合板の安物でも単板の高級品でも同様に,演奏をしたり「ギターに音楽を聴かせる」だけでもギターが年月を経るごとに「成長」して音が良くなるのだそうだ。

本当にそんなことがあるのだろうか?今まではなんとなく,ギターのように弦で常に張力(テンション)がかかる楽器は,比較的寿命が短いものだと思い込んでいた。たぶんピアノなんかはその強大なテンションのせいで徐々に劣化していくハズで,ギターも同様にあまり古いものは使えない(つまり一生モノの楽器ではない)と考えていたが,先生の説明だとギターは充分に一生モノの楽器なのだそうだ。むしろ古い方が「よく鳴る」のだということで,認識を新たにしたWebmasterであった。

科学的(化学的)には木材の吸湿と乾燥,温度変化(ヒートサイクル)による固有振動数の変化(安定化?)ということなのだろうか。音を聴かせた方が良い,というのはたぶんケースにしまっておくよりもたまには風を当ててやった方が良いというだけの気もするがどうなのだろう。

ギター

2009年02月08日

●加湿器その後(スチーム式2シーズン目)

象印のスチーム式加湿器を買ってから,今年は2シーズン目となる。

エアコン暖房で放っておくとどんどん部屋が乾燥するので,加湿器はフル稼働状態。

インフルエンザのときなど,かんな氏にうつらないように,ほとんど24時間連続稼働させていた。そもそも自分が感染してるじゃないか,という話もあるけれど,1日の大半を過ごす職場は常に湿度30%以下で換気もしないので...

2シーズン使っていて,やはりありがたいのは(ほぼ)メンテナンスフリーという点。やることは水を注ぎ足すことだけ。フィルタの掃除とか交換とかそういった手間は一切ない。内部には汚れが析出してくるけれど,蒸発させるので衛生的には問題ない。気になる場合はクエン酸洗浄(ポット洗浄中の類いでOK)を雨天時など使用頻度の低いときを選んですれば良い(うちの場合は1シーズンに1,2回)。

マイコン制御なので耐久性の評価はもう少し使わないと何とも言えないけれど,非常に過酷な使い方でも今のところよく耐えていると思う。

猫が走り回ってマグネット式の電源コードを引っこ抜くことはたまにあるけれど,本体を倒したり,火傷したりといった事態は発生していない。

加湿器


2009年01月24日

●映画鑑賞 ザ・ムーン

ドキュメンタリー映画「ザ・ムーン(IN THE SHADOW OF THE MOON)」を鑑賞。

金曜日のレイトショーでお客さんは10人ほど。今年はアポロの月面着陸から40年ということで,文科省選定映画にもなっている。ちょうど日本のH-IIAロケット15号機の打ち上げも成功した。

Webmasterはアポロ後世代なので,こうしてときどき意識しないと,人類が月の上を歩いたことがある,という事実をつい忘れてしまう。そう,無人探査機ではなくて,実際に人間が宇宙服を着て月の上を歩いたりローバーに乗って走り回ったりしたのである。ものすごく面白そうなのに,なんで今は誰も月に行かないの?技術も進歩してるだろうし,また行けば良いのに。とどうしても思ってしまう。まあ主に予算の問題なんだろうけれど,例えばイラク戦争に使ったお金(4560億ドル?)があればアポロ計画全体をあと3回くらいできたのでは?日本だって無駄な道路建設に使うお金をちょっとでも宇宙開発に回せば月への有人探査くらいすぐできそうだけど...

That's one small step for (a) man, one giant leap for mankind. ーNeil Alden Armstrong
え?セーラームーン観るの? ーかんな氏

映画「ザ・ムーン」公式サイト


2009年01月14日

●2009年初方針

当ブログでは種々雑多なネタを取り扱っており,タイトルと内容がマッチしないことも多くご迷惑をおかけしている。年初に当たり,各カテゴリ別に少し状況を整理しておきたい。

【写真部門】
デジカメを新調したので,しばらくはこのネタが増えそうである。ただ,撮っているのは猫ばかりなので【猫部門】とカブることが多いと思われる。ペンタSPに関しては露出計が不調なこともあって,出番が減りそうな予感がしているが,安売りのフィルムを仕入れてある(DNPのCENTURIA)ので,遠出する機会があったら持っていきたい。お遊びとして,マウントアダプタを買ってペンタSPのレンズをEOS Kiss X2に付けるというのも構想している。ただし,くれぐれも「道具揃えの沼」にはまらぬように注意したい。

【猫部門】
カメラが新しくなってかんな氏が(今のところ)やる気を出しているので,最近の猫情報に関しては「にゃんこーず」の方を参照願いたい。こちらではFlickrにアップした大きなサイズの写真(基本的に補正・トリミングなし)を紹介するので,壁紙に使うなりカメラの作例として細部を確認するなりして活用してもらえたらと思う。ブログで紹介しなかった写真についてもPhotostreamの画面からすべて見ることができる。

【読書部門】
読書の傾向は昨年同様に,SF文庫新刊と再読,森博嗣氏の文庫新刊が出たら読む,ということで変わりない。読みたいと思っていた未読の古典や既刊はあらかた片付いた感があるので,もう少し幅を広げたいという思いもあるが,ベストセラーは読む気がしないし,マイナーな良書を知る手がかりも今のところないので,今までのWebmasterの読書歴から「こんなのがオススメ」というのがあったら教えていただけると助かる。ただし,「薦められたから読んだけどつまらなかった」という結論になっても怒らないでほしい。

【音楽・楽器部門】
新しい試みとしてギター教室に通い始めたので,どの程度続くか(あるいは挫折するか)が自分でも気になっている。フルートを習う予定は今年もない。時間と月謝の関係でフルートは敷居が高いため。あまり良くないとわかってはいるが,自己流で続けていくつもり。長期間ブランクが空かないように意識して吹くようにしたい。消耗品や道具揃えとは無縁という点でフルートは偉いと思う。置き場所も取らないし。

【技術・工作部門】
長期プランとしては,「快適な猫ケージの製作」というテーマがあるが,正月休み中にはコンセプトを詰めきれなかった。素人のスキルで中途半端なものを作ってしまうと美観を損ねるし,材料を調達してしまうと後戻りもできないので,なかなか踏み出せない。
キット工作ものは今までいくつか作ったが,財政難の折,「簡単に作れてちょっと遊んだらおしまい」という刹那的なものについては出来るだけ手を出さないようにしたい。

【車部門】
車検も通したし,追加出費を最小化しつつキューブを維持する,というのが車部門の最大の使命である。

【パソコン・ネット部門】
とりあえずかんな氏のWindowsパソコンだけは手当できたし,写真保存用の外付けHDDも買ったので,WebmasterのPC新調はまだ先延ばしできそうである。固定費としてはレンタルサーバの1,500円/年と,Flickrの$24.95/年がかかっている。回線費用はマンションの共益費に含まれている。

デルタ

EOS Kiss X2 / EF50mm f1.4 USM

2009年01月10日

●メモ 地球温暖化:その科学的真実を問う

2009年1月号「エネルギー・資源」に掲載された「新春e-mail討論 地球温暖化:その科学的真実を問う」の本文と資料のpdfがエネルギー・資源学会のウェブサイトで公開されている。

「地球温暖化って騒いでいるけど,そもそもホントに温暖化してるの?単なる自然変動じゃなくてホントにCO2が悪いの?」という議論。

バタフライ効果を挙げるまでもなく,地球の気象・気候システムは極めて複雑なので,直ちにCO2排出を削減しないと何年後には気温が○℃上がって大変ですよ,と決めつけるのは乱暴ではないか,とする研究者が結構多いらしいのだ。マスコミや政府の言うことを鵜呑みにしないためにも,この辺の議論があることを知っておくのは無駄ではないだろう。

かんな氏とも話したことだが,諸説あるにしても,どうやら気温が上がっているのは事実のようだし,人類の生活をできるだけ持続させるためには,地球環境が現在から大きく変化しないように保つ(のに現状で有効と考えられる)努力と,変化してしまった場合の準備はしておくべき,というのがWebmasterの考え方。なのでCO2はこれ以上出さない方が良いし,森の木もこれ以上切らない方が良いし,人口もこれ以上増えない方が良い。と思っている。

ちなみにWebmasterはエネルギー・資源学会には入っていないので念のため。いろいろな学会に所属するほど裕福ではない。学会の会費くらい所得控除してほしいな,というのは余談。

短いpdfすら読むのが面倒,という方はこちらの動画をどうぞ。>地球温暖化頂上決戦:人間?自然?

2009年01月07日

●EF-Sレンズのラインナップと自動化の弊害

デジカメの話題が続いてしまうが,不満点はあるにしても事前の想定範囲内であり,EOS Kiss X2は値段の割に良いカメラだと感じている。

カタログでEF-Sレンズを眺めているが,ラインナップはズームレンズばかりで,単焦点レンズはEF-S60mmF2.8マクロしかないようだ。単焦点が使いたい場合はフルサイズ用のレンズ(EF)に,APS-C機で使ったときの焦点距離が併記されていて,例えば50mm相当の標準レンズが欲しければEF35mmF2などを使えと書いてある。

古来「写真は50mmに始まり50mmに終わる」と言われている。WebmasterもフィルムEOSを買った当初は,なんでわざわざ不便な単焦点なんて買うのか意味がわからずに,ズームレンズばかり使っていた。

しかし,完全マニュアル機のペンタSP(レンズは55mm)を使うようになって,その意味がなんとなくわかった気がする。

ズームレンズは確かに便利だが,ズームリングをクルっと回して簡単に画角が変えられるので,脚を使わなくなる。単焦点だと思ったような画角を得るためには自分の脚で距離を調整するしかなく,一枚一枚に対する思い入れが違ってくる。

一度単焦点の画角を体が覚えるまで使ってから,地形や会場や荷物の制約でズームレンズを使う,というなら良いと思うが,せっかく一眼レフを買ったのにズームレンズしか使わないと,結局写真の面白さは一部しかわからない気がする。

同じことは各種オートモードにも言える。デジタルカメラではISO感度をはじめホワイトバランスやシャッタスピード,絞りなどはカメラが自動的に設定してくれる。ピント合わせもカメラがやってくれるので,撮影者は撮りたいものをフレームに入れてボタンを押すだけだ。

これだと状況によって各種パラメータが目まぐるしく変化してしまって,初心者には何がなんだかわからないだろう。ペンタSPでは,どんな色味が欲しいのかや,撮る場所の明るさによってフィルムを選ぶところから始まって,意図する構図(風景なのかポートレイトなのか)で絞りを決めて,露出を考えてシャッタスピードを決め,目的の場所にピントを合わせて撮る,という撮り方が強制されるので,各種パラメータの決め方にはすべて意味があることがわかるようになっている。当然失敗も多くなるが,たいてい何の選択を間違えたのかは自分でわかる。デジカメでオートで撮っていると「まあ失敗写真ではないけれど,なんとなく思ってた写りと違う」となったときに,果たしてそれはホワイトバランスが悪いのか,ISO感度なのか,絞りなのか,ピントなのか,それとも複数の要因の組合わせなのか,判断が付かない。

シャッターチャンスを逃さないように,カメラを取り出して1秒でも速くシャッタを切らなければいけないようなシチュエーションでは,フルオートは強力な武器になる。しかし,そうではない普通の撮影のときは,せめてホワイトバランス,ISO感度くらいは手動設定にして,絞り優先AEあたりで撮ってみてはいかがだろうか。ISO感度によるシャッタスピードの違い,露出補正の効果などが実感しやすいと思う。

...と書いてみて,なんか偉そうなことを書いているなぁ,と恥ずかしくなってしまった。新しいものに対して「昔はこんな苦労があった。今は便利になったけどつまらないよね」などと言いはじめたらもう歳だと思う。新しいものの良さを認められる柔軟性をいつまでも持ち続けたいものである。

ピートの毛繕い

2008年12月18日

●魔法のカイロ

何年か前にかんな氏が買った「魔法のカイロ」。

中身は透明な液体で,中の金属を「パキッ」と折り曲げると,液体が結晶化しつつ発熱する。完全に固まって冷えたら,電子レンジや湯煎で温めるとまた液体に戻って繰り返し使えるという不思議なカイロ。

これは魔法ではなく化学。液体は酢酸ナトリウムで,この液体の性質(過飽和?過冷却?) を利用したもの。

久しぶりに使おうとしたのだが,何度レンジや湯煎で温めても,トリガー(金属をパキっ)する前に結晶化が始まってしまってダメだった。経年劣化したのだろうか?

魔法のカイロ

2008年12月11日

●今日の買い物 DVDプレイヤ

最初にDVD再生機を買ったのは1999年,SONYのDVP-S707Dという機種で定価78,000円だった。録画もできない,単にDVDを再生するだけの機械でこの値段。ずいぶん人柱としてDVDの普及に貢献したものである。

次に買ったのはBOSEのWBS-1EXIIIで2005年だった。これはDVD/CDレシーバ「PLS-1510」とスピーカ「125」のセットシステムで,セパレートコンポに比べて場所を取らずに重宝していた。だがしかし,かんな氏が家族に頼んで録画してもらった熱中夜話のDVDがなぜか見られない。

物欲を刺激されて危険なので,デジタル放送の録画機については調べないようにしていたのだが,せっかくのDVDが見られないのももったいないので,今回少し調べた。すると,どうやらデジタル放送を録画したDVDは,CPRMというコピー制御方式に対応したプレイヤでないと,再生できないらしい。

PLS-1510が出た当時はそんな規格はまだ存在しなかったので,当然非対応だったわけである。

我が家ではテレビの録画は未だにアナログのS-VHSビデオデッキ(HV-BS88)を使っているので,そろそろHDDやブルーレイの録画機が欲しいという想いもある。しかし,DVDとか薄型テレビでかなり人柱的貢献をしているので,どうせならもっと安くなってから買っても罰は当たらないだろう。

そこで,とりあえずCPRMに対応したDVD再生機をつなぎとして買うことにした。どれでも良かったのだが,国内メーカー品で一番安かったSONYのDVP-NS53Pにした。値段は9年前の約1/10で,7,000円。当時の投資を考えたらタダでもらってもいいくらいであるが,まあいいか。

しかしCPRMだとか,DVD録画メディアのフォーマットだとか,知らないうちにとんでもなく複雑になってしまっている。もう少しユーザに優しくできないものか?

DVDプレイヤ

2008年12月08日

●家庭用コージェネレーションシステムの一提案

発電で出る排熱を利用して総合効率を高める,コージェネレーションというエネルギー供給システムがある。家庭用では都市ガスで発電して,その排熱で給湯や暖房をする「エコウィル」が有名。

そこで我が家でも考えた。

ひとつ目は洗濯乾燥機で乾燥中に出る排熱を有効に利用するシステム。

ネ・コージェネレーションシステム

これは実証試験がほぼ完了している段階で,かなりホカホカになることが確認されている。課題としてはデルタが電源ボタンを押して運転を止めてしまうこと。次に洗濯機を買うときはチャイルドロック機能が是非ほしい。

ふたつ目はトースターの排熱を有効に利用するシステム。

ネ・コージェネレーションシステム

こちらは安定性に若干問題があり,まだ研究段階。

これらのシステムを総称して,ネ・コージェネレーションシステムと名付けたい。

コージェネレーションをさらに発展させたトリジェネレーションシステムというのもあるので,トリを飼っているお宅では是非チャレンジしていただきたいと思う。

2008年09月06日

●プラネタリウム番組鑑賞 Birth of GAIA

プラネタリウム番組の「Birth of GAIA」を鑑賞。

大型ドーム映像の鑑賞は「銀河鉄道の夜」,「宇宙エレベータ」に続いて3本目。

オリジナルはMirage3Dの"Origins of Life"なので,ガイア理論がどうこうというよりは,生命の起源とかそんな感じの内容。時間が短いので科学的な突っ込みは浅い。

しかしドーム映像の迫力は何度見ても壮観で,気をつけていないと火星地表の俯瞰映像は3D酔いする。前座に本来のプラネタリウム上映として夏から秋の星座の解説(ライブトーク)が付いて525円で見られるのはとてもお得だと思うのだが,土曜昼の上映でお客さんは10人程度(座席は248もあるのに)...。せっかく良い設備なので閉館しないことを祈るばかりである。

2008年09月04日

●地磁気の乱れと視機能診断テスト

地磁気が乱れているせいか少し体調が悪い。

損保会社がやっている自動車運転の適性検査(視機能診断テスト)を受けた。結果は平均点よりも若干良いくらいだったが,テスト内容は疑問の多いものだった。

まずモニタを奥から手前に高速で迫ってくる標識を識別する動体視力テストは,ほとんどの人が満点を取れるほど簡単である一方,3Dメガネを着用しての深視力テストは,ぜんぜん立体視できずにさんざんな結果。

まあ結果が良かった/悪かったからどうしましょうみたいなフォローは何もないし,単なる営業活動かもしれない。

もう少しテストの精度を良くして,免許更新のとき全員にこれをやらせて,成績に応じて免許返上とか強制的に対人対物無制限の保険にさせるとかするのは有効かもしれない。

視機能診断テスト

2008年08月27日

●発明の名称:「滑走遊具」

発明の名称:「滑走遊具」 発明者:阿笠博士

【請求項1】
 1人の人間が板状の部分に立って乗り,前記板状の部分の下部には最低でも4個の車輪を具備し,前記車輪は板状の部分に内蔵された駆動装置によって回転し,前記車輪が回転することによって地面との摩擦により推進することを特徴とする滑走遊具。

【請求項2】
 請求項1に記載の滑走遊具において,前記駆動装置の入切及び出力を,前記板状の部分の上面に設けられたスイッチを前記人間の足で操作することによって制御することを特徴とする制御装置。

【請求項3】
 請求項1乃至2に記載の滑走遊具において,前記駆動装置は電力によって駆動され,前記電力は前記板状の部分に内蔵された蓄電装置から供給されることを特徴とする滑走遊具。

【請求項4】
 請求項3に記載の滑走遊具において,前記蓄電装置は前記板状の部分の上面に設けられた太陽光発電装置によって充電されることを特徴とする滑走遊具。

【従来の技術】
 従来の滑走遊具は人力あるいは地面の傾斜を利用して推進され・・・(以下略)

・・・なんか既に誰かが出願していそう。

2008年08月24日

●自宅震度基準

また地震だ。震度は4。最近茨城では地震が多いような気がする。

今のところに住み始めて3年経ち,震度5弱までの揺れは体験したので,そろそろテレビの速報を見なくても震度を当てられるようになってきた。

震度1:地震に敏感なかんな氏が気付く

震度2:地震に敏感なかんな氏が取り乱し始める

震度3:CDを入れているキャビネットの引出しが少し開く

震度4:CDを入れているキャビネットの引出しが大きく開く,立てかけてある写真が倒れる

震度5弱:ガスが止まり(地震センサ),給湯器がエラーを出す

ちなみにネコたちも大きな地震だと少し落ち着かなくなるが,これは揺れによるものなのか取り乱したかんな氏を警戒しているだけなのかよくわからない。

震度についてはマンガだが「HAL」(あさりよしとお)がオススメ。

2008年08月14日

●雷雨と停電と花火

今日は夕方から80ミリ超の激しい雷雨。そして10回以上の断続的な停電。継続時間はいずれも数秒から1分以内だったと思うが,これだけ連続するのは経験がない。

周辺の道路は一瞬で川のようになり,豪雨による視界不良と信号機停電で車で走っている方は相当怖かったのではないだろうか。

落雷で停電するというのは,送電鉄塔や架空地線への雷撃で鉄塔側から送電線に逆スパークオーバ(逆フラッシオーバ)して地絡電流が流れて変電所側で遮断器開(トリップ)となり停電発生,そして高速自動再閉路(数秒)して事故除去されていれば再閉路成功(停電復旧),失敗したら事故区間を切り離す(柱上開閉器)などしてから再閉路するので多少時間がかかる...という感じで良かったかな...?

1時間ほどで雷も雨も峠を越した。これでは準備もできないだろうし花火は中止だろうと思っていたら,しっかり打ち上がっていた。雷の間は花火師さんは避難していたのだろうか。

FireworksFireworksFireworks

2008年07月16日

●関数電卓を借用

数年前から会社の備品の関数電卓を使っていたが,どうもキーのレスポンス(?)が良くなくて,連続して打つと取りこぼしが結構あったりしてイマイチだった。

これは自腹で関数電卓を新調するしかない,と思ってかんな氏に相談したところ,なぜかかんな氏がナチュラルディスプレイの上等な関数電卓を持っていたので,それを貸してもらうことにした。

昔ながらの標準入力タイプの電卓で自分で式を開いてガシガシ入力するのもカッコいいけれど,やっぱり数式入力式の方が間違いに気付きやすいし,リピートなんかもできて快適。

Pocket Calculator

2008年07月14日

●次期デジカメを考える

具体的な買い替えの予定はまだないのだが,現在の主力カメラであるFinePix S5000が発売から5年経ち,この業界ではそろそろ化石級のスペックになりつつある。

普段は物欲を刺激されて危険なので,カメラ売場に近寄ったりネットで調べたりするのは極力避けるようにしているのだが,せっかく松島(仙台)に行ったのでヨドバシカメラ仙台店でざっとカメラ売場を眺めてみた。

まず気になるのはやはりキヤノンの35mmフルサイズ一眼。EOS5Dは発売からずいぶん経つはずなのにまだ25万もする。他メーカはフルサイズの新型をそろそろ出してくるようだが,5Dの後継はまだ発表されないらしい。どっちにしろ30万とか50万で新型が出てもとても買えないし,5Dが値下がりしたとして,たとえ半額になったとしてもまだ高いと思う。

「いざというとき」に備えて動態保存しているフィルムカメラのEOS5QDは新品でもボディ10万,実売7万くらいだったし,EOS100pは新品7万,実売5万という水準。これに対してデジ一眼はやはりまだまだ高い。今のEOS KissDくらいの価格でフルサイズ機が出れば考えるが,それまでは様子見が続きそう。ここぞという場面でキレイな写真が欲しければフィルム一眼を使えばいいのだ。

フィルムカメラを持っているWebmasterがデジカメに期待するのは,「フィルムでは不可能な機能」である。

具体的には超高感度動画撮影だ。フィルムでもISO1600くらいは普通に売っているが,気楽に使える値段ではないし,それ以上の高感度となるとデジカメの独壇場だろう。出来ればノイズレスで実用できる感度がISO6400とかそれ以上だと素晴らしい。この領域になると暗い室内で目がまんまるの可愛いネコ写真が撮れるんじゃないかと期待できる。ちなみにネコは動きがあるので三脚や手ぶれ補正が役に立たず,高感度にしてシャッタ速度を上げるしかないのだ。

動画は説明の必要がないだろう。数秒から10分くらいの短時間で音も含めて動画が撮れる機能というのは使ってみると案外便利なのだ。そしてこの機能は今のところデジタル一眼レフでは実現できない。

そういう観点でいま市場に出ているカメラの中で面白いと思うのは,CASIOのEX-F1だ。ISO感度は1600までだが,無理な高画素化はしていない(600万画素)し,何といっても秒間60コマの連写と,1200fpsのハイスピードムービーはすごい。店頭で300fpsのムービーを試してみたが,ネコを撮ったら面白いだろうなと思った。これで実売11万なら悪くないのでは。

カシオということでカメラ好きにはちょっと敬遠されそうだけど,各メーカー同じような高画素化と機能(顔認識AFとか)の中にあって尖っているな,と感じた。

2008年07月13日

●週末見た景色2 松島オルゴール博物館

松島オルゴール博物館。先日手回し鳥オルガンを作ったばかりということもあって興味深かった。

たいした展示物もないのに観光客が落とす金目当ての観光地によくあるタイプの博物館・美術館とは違い,貴重な古いオルゴールを動態保存して演奏を聴かせてくれる良質な内容だった。これで千円なら安いだろう。

オルゴールというとシリンダやディスクのピンで櫛歯を弾いて音を出すイメージだが,この博物館によると,その語源からもっと広く自動演奏楽器をオルゴールとして紹介している。

オルゴールの語源は「オルガン」です。
オルガンが日本に伝わったのは安土桃山時代のころで、当時交易があったオランダ人が、「オルゲル」と言って紹介しました。その後オルゴルと呼ばれ、オルゴールとなったそうです。日本で言うオルゴールは欧米では、「ミュージックボックス」と呼ばれており、江戸時代の末期(1852年)に伝わった時に、やはり音楽の鳴る箱ということで、オルゴールと呼ばれ、その名が今は皆さんが知っている「オルゴール」となったそうです。
〜中略〜
「日本オルゴール協会」では、オルゴールの定義を"手動または自動で音楽を演奏する機械で、回転胴に植え付けられたピンで発音体を弾き、メロディーを奏でるもの"としています。西欧では「ミュージックボックス」と呼ばれ、シリンダー式やディスク式オルゴールをさしています。しかし、語源を考えると広く自動演奏オルガンや自動演奏ピアノを含めた自動演奏装置がオルゴールだと考えてよいでしょう。

この手の自動演奏機械は,その目的からレコードやラジオの発明・進歩によって完全に滅びてしまったが,実際にダンスホールオルガンやコンサートオルガンの大迫力の自動演奏を聴くと,その完成度が芸術の域にまで高められていたことがよくわかる。

松島オルゴール博物館松島オルゴール博物館松島オルゴール博物館松島オルゴール博物館

演奏の一部はflickr動画でどうぞ。

【参考リンク】松島オルゴール博物館

2008年06月30日

●BOSEアクティブサスペンション

BOSEのアクティブサスペンション。従来のようなバネとダンパーによる受動的(パッシブ)なサスペンションではなく,「車体を水平に保つ」という目的関数で各車輪のサスペンションを能動的(アクティブ)に制御するという考え方。

動画を見るとカーブやスラロームでも遠心力によるロールが発生しないし,デコボコ道や段差越えでも各車輪が完全に独立して動き,車体を水平に維持していることがよくわかる。

この動画を見ていてちょっと考えてしまった。このようなアクティブサスペンションは「路面の不整を吸収し乗り心地を改善するとともに,タイヤの接地性を高め走行性能を向上する」という意味では理想的だが,おそらく車好きあるいは運転好きな人には納得がいかないのではないだろうか。

運転好きな人は言う「路面状況が手に取るようにわかる良い足回り」と。確かにアクティブサスの思想は「路面状況をドライバーに極力伝えない」ことであるので,これは相反するものだ。

しかし,運転好きな人だっていくら路面とのダイレクト感が良いといってもまさかリジット(サスペンションなし)が最高だとは言うまい。おそらく「初動が滑らかで縮み方向には突っ張らず,ダラダラ伸びずにピタっと振動が収まる」ようなサスが良いと言うのではないか?で,この理想的な動きを求めた結果がアクティブサスだとしたら,どこで「車好きの理想」と「BOSEの理想」はズレてしまったのか?

Webmasterにはよくわからないけれど,「まるで船みたいな乗り心地」のパジェロに乗っていた身としては,次に乗るとしたらアクティブサスではなくてダイレクト感が適度に味わえるような楽しい車がいいな,と思っている。

もちろん,パッセンジャーカーとしてはアクティブサスのような乗り心地が最高であることは間違いない。

ちなみに今乗っているキューブは元々シャコタンな上にサスがヘタっていてちょっと過剰なダイレクト感が味わえる。

【参考リンク】BOSEサスペンションシステム

2008年06月25日

●腕時計その後(2年経過)

今の腕時計に替えてから2年経った。この時計はセイコーの逆輸入品の21石自動巻き(ムーブは7S26A)で,通販で8千円ほどだった。中身はセイコー5と一緒だと思われる。

なんでわざわざ逆輸入かというと,機械式の安いモデルが国内では売っていないため。海外では電池が手に入りにくい地域もあり,まだまだ安価な機械式時計の需要がある。

精度は1週間に1分進む程度(日差+10秒)で,2週間に一度は時刻合わせをしている。

さすがに安物だけあって,文字盤のSEIKOのロゴが取れてしまったことがあり,このときは近所の時計屋で千円で修理してもらった。この時計屋には電池交換でもたまにお世話になるのだが,駅前通り沿いの店なのにいつも客がいない。スーパーでも時計が売っていて,電池交換はホームセンターでもやってもらえるし,駐車場のない街の時計・眼鏡・宝飾店の経営はさぞ厳しかろうと思う。機械式時計の分解修理ができる職人でありながら,それだけでは食べていくのは難しい時代なのだ。

一方で,ビジネス誌などを見ると時計の広告といえば舶来の超高級機械式(ブレゲとか)ばかり。機械式時計は定期的なメンテナンスとオーバーホールが必要だが,このクラスを買える富裕層はそもそも街の時計屋などに足を運ぶこともないだろう。

これだけ庶民の腕時計が廃れた中で,まだしつこく着けている人というのは,その人なりにこだわりを持っていることが多いと思う。男性で多いのは結納返しでもらったと思しきロレックスやオメガ,あるいはペアで買った宝飾ブランドのものだろうか。先日知人が高そうな時計(オメガのコーアクシャル)をしていたので聞いてみたら,いつか「親父の形見」として娘にあげられるように良いものを買ったのだとか。娘さんが果たしてその価値を認めてくれるだろうか。

年配の方には飾り気のない重そうなSEIKOクォーツを何度も電池交換して着け続けている人が多い。これはもはや体の一部になっていてそれなしでは腕が不自然に軽くて落ち着かないのだろう。

デジタル多機能腕時計というのは本当に見なくなった。携帯電話とカブる機能も多く,それなら多機能は携帯に任せて,腕時計はデザイン重視かステータスとして着けるスタイルなのだろう。腕時計型携帯電話なりPHSというのは試験的に出てきたりするが消費電力とか使い勝手の問題からなかなか定着しない。

この腕時計は基本的に毎日着けているが,週末などたまに忘れると月曜に止まっていたりするところがお茶目である。1秒間に6振動なので,1日518,400回,2年で3億8千万回ほどテンプが振動したことになる。この価格でこれだけの加工精度というのは本当にスゴイことではないだろうか。

腕時計

2008年06月22日

●科学スポット探訪 とうかいアトムワールド〜アトムレンズの放射線を測る!衝撃の後玉編

まさか続くことになるとは思っていなかったが,前回からのつづきである。

アトムレンズSuperTakumar 1:1.8/55の後玉(フィルム側)の放射線量を計測すべく向かったのは,とうかいアトムワールド。

とうかいアトムワールドとうかいアトムワールド

げんでんテラパーク,原子力科学館と比べると来館者も多く,小学生以上くらいの子供が遊べる展示が多い。

サイクル館の4Fでお目当ての放射線計測器を発見。しかし測定単位が見慣れない「C/M」で,レンジも触れないように固定してある。これで大丈夫だろうか?早速ペンタSPからレンズを外し,後玉にセンサを当てて測定。

ガイガーカウンタガイガーカウンタ

・・・針が振り切った。バックグラウンドレベルでは100[C/M]前後だったのが,300[C/M]を軽く振り切って,普段は弱々しく「ピッ...ピッ...」と鳴っているビープ音も「ピーーーー」と賑やかだ。撮影係のかんな氏が動揺して写真が手ぶれしてしまっているのはご容赦願いたい。

しかし重要な単位の説明などがないのはこの手の施設では問題ではないか?あとで調べたら[C/M]という単位は粒子放出率[cpm]とも呼ばれ,相対的な放射線数を測定する目的で使われるらしい。ただ一般的なシーベルトとは簡単に単位変換できないようだ。レンジも振り切ってしまったし後玉の放射線量を測ることは今回もできなかった...。

というのはやっぱりスッキリしないので,すぐ近くの原子力科学館に寄って測ってみることにした。ここでは放射線メーター「はかるくん」でμSv/h単位で測ることができる。

はかるくん
バックグラウンドレベルは0.036[μSv/h]。

レンズ前玉計測値
まずは昨日も測ったレンズ前玉だと,0.28[μSv/h]。やはりバックグラウンドレベルより1ケタ高い。

レンズ後玉計測値
いよいよ後玉を測定・・・3.368[μSv/h]!バックグラウンドレベルの約100倍だ。はかるくんもビープを精一杯鳴らしている。この後玉を体に密着して1年間過ごすと3.368×24×365=約30[mSv]となる。CTスキャンを一回受けると6.9[mSv],放射線業務従事者の線量当量限度が50[mSv]ということだが,いかがだろうか。

まあ,実際には体から数センチ離して使うわけだし,年にフィルム数本を撮るくらいなら問題になるようなことはないだろう。ただ,ガイガーカウンタのビープが鳴りっぱなしになるのを見るとちょっと動揺してしまうのは事実だ。

これで東海村に3つある原子力PR施設を制覇したわけだが,これから行く人の参考になるかもしれない情報を書いておこう。入館は3施設ともすべて無料である。

【原子力科学館】
 クラウドチェンバーあり。「はかるくん」は手続きすればレンタルも可能。子供が遊べる展示は少ない。入館時記帳ありだが受付はやる気なしなので無視できる。JCO臨界事故の展示が見たい人はここ。

【げんでん東海テラパーク】
 スパークチェンバーあり。ALOKAの本格的なガンマ線量計が自由に使えるようになっている。屋外の公園など幼児〜小学生くらいの子供が遊べる施設が充実している。基本的に東海原発の敷地内なので警備は厳重。入館時記帳あり。無料のティーサーバあり。クイズに答えると記念品がもらえる。施設はキレイでオススメ。

【とうかいアトムワールド】
 スパークチェンバーあり。ガイガーカウンタは[C/M]単位のよくわからない機械が置いてある。小学生以上の子供が遊べる展示が多い。入館時記帳なし。

【参考リンク】
社団法人 茨城原子力協議会 原子力科学館
げんでん東海テラパーク
JAEAとうかいアトムワールド
nekocame :放射能レンズ

2008年06月21日

●科学スポット探訪 げんでん東海テラパーク〜アトムレンズの放射線を測る!

原子力のPR施設を訪れるのは原子力科学館以来。

げんでん東海テラパークげんでん東海テラパーク

展示は少なめだが,霧箱よりちょっとだけ珍しいスパークチェンバー(放電箱)があった。あとはちびっこ向けの施設が充実している。

スパークチェンバー

今回の目的はアトムレンズだという噂のSuperTakumar 1:1.8/55の放射線を測ってネタにすること。

ポータブルのガンマ線計測器が自由に使えるようになっているので,早速計測。

アトムレンズの放射線を測定

結果は,0.36μSv/h(マイクロシーベルト毎時)。

うーん,微妙だ。明らかにバックグラウンドレベルよりは高い値(だいたい1ケタ高い)で,計測器もピーピー鳴っているが,これを体に密着させて1年間過ごした場合の被曝線量は0.36×24×365=3,154μSv = 3mSv(ミリシーベルト)。

一般公衆の線量限度は1.0mSv/年なので(医療は除く;テラパーク内の資料より),3mSvは低い値ではないけれど,カメラを肌身離さず体に密着させるなんてことは実際はないので全く問題がないと言って良さそうだ。

だがしかし,帰ってからWebで調べてみたら,じつはアトムレンズの放射線が強いのは今回測った前玉よりも後玉(フィルム側)の方だという報告があった。ということで次回はレンズを外して計測してみたいと思う。

つづく・・・のか?

【参考リンク】げんでん東海テラパーク

2008年05月30日

●環境月間

6月1日から30日は「環境月間」なのだそうだ。スローガンは「取組もう 地球のために 今できること!」。

スローガンからして何か勘違いをしているようだ。環境問題の取組みというのは,惑星地球くんが暖まったり汚れたりして可哀想だからやるのか?それは違うだろう。人類の生存のためである。スローガンは「取組もう 人類滅亡を防ぐために 今できること!」が正しい。

うちで実践している取組みはざっと思いつくところで,次のようなことがある。
・新聞は取らない
・雑誌は買わない
・テレビはできるだけ見ない
・飛行機に乗らない
・(狭い)集合住宅に住む

新聞配達で学費を工面したかんな氏には申し訳ないが,新聞と雑誌を止めるだけで,ちまちまとゴミ減量するのがバカらしいほど廃棄物が減る。必要な情報はインターネットで手に入る現在,新聞は本当に必要だろうか?

テレビというかマスコミはもう,諸悪の根源であると言って良い。どの局も「地球のために○○しましょう」と言っているが,一度として「省エネのため今すぐテレビのスイッチを切ってください」という番組なりCMを見たことがない。全国民が夏の高校野球中継を観るのをやめれば,発電所が何基か不要になるだろう。

飛行機については航空会社も頭を抱えているのだが,CO2排出量が多い。どんなにエコな取組みを頑張っても,海外旅行に1回でも行ったらすべて水の泡だと思ってもらっていい。

少ない人数で広大な土地を占有する一戸建て住宅の環境負荷が高いことは言うまでもないだろう。

買い物にはマイバッグを持って行きましょうとか,そんなどうでもいいような些細なコトより,上記の取組みの方が桁違いに有益であると思う。マスコミや企業はそういう宣伝をすると利益が減るのでできないし,政府も同じことである。

同じ理由で誰も口にしないが,本当に持続性・生存性を追求するためにはどうしたらいいか。答えは自明で,人口を減らせば良い。日本は資源のない国なので,日本の国土だけで養える人口は現在の6分の1程度だと言われている(WWFのLiving Planet Report2006より)。現在は経済力にものを言わせて他国のキャパシティを奪って多くの人口を養っているのだ。地球全体でも既に養える人口の1.25倍だとされており(同),これは単なるCO2による温暖化よりもずっと深刻な問題のハズだが,経済性優先のマスコミや政府は完全にシカトしている。残念ながら愛では地球は救えないのだ。

人口を減らすのが無理だとしたら,どうしたらいいのか。それはもう科学と技術で環境を操作するしかない。「自然を守ろう」と盲目的に言うのは結構だが,残念ながらそれでやっていける段階はとっくに過ぎている。ここまで事態が進んでしまったからには,自然環境を人類の持続的生存に適するように改変していくしかないのだ。遺伝子改変による食料の増産や,CO2の固定化というのはつまりそういうことである。

珍しく時事ネタになってしまった。アシモフのファウンデーションシリーズやロボットシリーズを再読した影響かもしれない。SFはハッピーエンドが好きなWebmasterだが,もちろん現実の地球の未来だって明るい方がいいに決まっている。

2008年05月29日

●宇宙までは何マイル?

宇宙モノのSFを読んでいると,長い距離の単位がいろいろ出てくるので,少しまとめておこう。

■天文単位[Astronomical Unit; AU]
 地球から太陽までの平均距離のこと。地球の公転半径と言ってもいい。1[AU] = 149,597,870[km](1億5千万キロメートル。ちなみに地球から月までの距離は38万キロメートル)

■光年[light year; ly]
 光が1年間かけて進む距離。1[ly] = 63,241[AU] = 9,460,730,000,000[km](9兆5千億キロメートル)

■パーセク[PARallax SECond; pc]
 地球から年周視差1秒角となる距離。地球は公転しているので,軌道の両端では恒星の見かけ上の位置がわずかに変わる(年周視差)。この視差(の半分)が1秒角(=1/3600°)になる恒星までの距離。1[pc] = 3.26[ly] = 206,265[AU] = 30,856,800,000,000[km](31兆キロメートル)。ちなみにtan(1") = 1[AU]/1[pc]の関係となる。

地球からいちばん近い恒星(プロキシマ・ケンタウリ)までは1.3パーセク(40兆キロメートル)。銀河系の直径は3万パーセク(900京キロメートル)。この途方もない距離を舞台に物語を書こうとすると,どうしても千年,万年単位の時間をかけるか,あるいは何らかの超光速航法を考えだす必要がある。

もしも銀河間空間を股にかけて活躍するような話を書こうとしたら,パーセクでも値が大きくなりすぎるので,新しい単位を発明する必要があるかもしれない。銀河系の直径を基線に使った年周視差1分角=Gparmin(ジーパーミン)なんてどうだろう。1[Gparmin] = 1.7億光年。

とまあ,長い距離の方はだいたい想像できたと思うが,アメリカ人のSFで何が困るって,マイルとかフィートである。感覚的には3パーセクと3マイルは同じくらい想像が困難だし,身長6フィートのロボットは大きいのか小さいのかとっさに判断できない。

2008年05月06日

●物理エンジンPhun--MacOS版が出ました

以前から注目していた二次元物理エンジン「Phun 」がついにMac OS Xに対応したので早速ダウンロード。

PowerPC G4(1.5GHz)+メモリ1.25GBのPowerBookでも,水を大量に出したりしなければそれほど重くない。ちなみに水はオプションのSimple water renderingをチェックしないとバグる(Ver. beta3.5)。

ニコニコ動画のPhunタグなどで検索するといろいろと面白い遊び方をしている。自分も何か作ってみたいけれど,とりあえずは積み木遊びをするだけでも結構楽しい。

【参考リンク】
Phun日本語解説サイト

2008年03月24日

●OHPのおもひで

花粉のためか体調がイマイチであまり遊べないのでネタもない(オマケに年度末で仕事も忙しい)。こんなときは昔話でお茶を濁すのが当ブログのセオリーである。

Webmasterが社会人になった頃,プレゼンといえばOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)だった。文字や絵を描いた透明なプラスチックのシートを,ネッシーみたいな形の台に載せると,胴体の中にあるランプの光がネッシーの頭の部分で曲げられ,拡大されてスクリーンに映る。影絵のようなモノである。

当時Macintoshからモノクロ印刷するプリンタは職場にあったので,紙に印刷した絵を,OHPシートに対応した複写機でコピーしてシートを作る。しかしグラフなんかはモノクロではわかりづらい。そこでどうするかというと,カラーのサインペンでぬり絵をして色を着けるわけだ。

時間に余裕があればカラーのシートを業者に外注することもできるが,たいていこの手の作業は締め切り直前になってしまうことが多いので,ずいぶん図の切り貼りとぬり絵をした記憶がある。

上級者になると,プレゼン中にサインペンで直接シートに矢印や説明を書き足すという高等テクニックを駆使して,パワーポイントのアニメーション効果に匹敵する動的なプレゼンを実現していたものだ。

原始的なOHPだが,利点もあって,OHPをめくる動作によって時間を調整したり間を取ったりすることができた。

もっと昔になるとスライド映写機によるプレゼンだったようだ。これは事前に原稿を写真屋に出してスライド(ポジフィルム)を現像してもらわなくてはいけないので,期限厳守でやる必要があっただろう。事後の修正は利かないし,大変だったのではないかと想像する。

最近は学会でもなんでもノートパソコン+データプロジェクタを使うようになった。情報セキュリティの関係でデータの持ち出しがかなり面倒な昨今だが,この状態はあと何年続くのだろう。

2008年02月24日

●今日の工作 風力発電キット

今日は風が強いな,ということで学研大人の科学マガジンの「風力発電キット」を買ったまま組み立てていなかったのを思い出した。

形式は3枚ブレード,可変速のダウンウィンド型で,発電した電力は100%ナセルに設置されたLEDの点灯に使われ,売電はできない。工作としては非常に簡単で,ちょっと物足りない。まあ発電機の巻線を自分で巻けと言われたらそれはそれで困るけれど。

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ペットボトルに固定できるようになっているので,ベランダに置いてみたが外は強風でもベランダの中はあまり風が吹き込まず,吹き込んだときでも風向と風速が安定しないので,風況としては良くない。こういう風況ではバーチカルブレード型の方が向いているかもしれない。

例によってデルタに回してもらってお茶を濁すことにしよう。

【動画】ねこ+風力発電=ねこ力発電

2008年02月11日

●ノンフィクション読了 知能の謎

「知能の謎—認知発達ロボティクスの挑戦ー」(けいはんな社会的知能発生学研究会編)読了。

近所の図書館に蔵書していなかったのでリクエストしたら,県立図書館の蔵書を取り寄せてくれた。

人間と同じような知能を持った知能ロボットの実現の鍵は「身体性」にある,というようなお話で,そうするとHAL9000のようなAIは実現性が低いということになってしまうのだろうか...。しゃべるコンピュータ好きとしてはちょっと残念な感じ。

ヒューマノイド型の知能ロボットから,手足や視聴覚以外の入力デバイスを除去したら...確かにまともな思考はできそうもない。いや,人間だってもっと重度の身体障害でも明晰な思考をしている方もいるのだからそうとは言い切れないような...?

ちょっと難しいところは斜め読みしてしまったけれど,序論のフレーム問題の話とか,テレビにもよく出ている茂木健一郎氏の「クオリア」のお話,ロボット三原則と積層アーキテクチャのところなんかは結構わくわくして読むことができた。

2008年01月12日

●科学スポット探訪 筑波宇宙センター

茨城県の科学スポットといえばJAXAの「筑波宇宙センター」がある。そのうち行ってみたいと思っていたのだが,折よく月探査衛星「かぐや」の熱構造モデルの展示が始まったというニュースを聞いて,ちょうど良いタイミングだと思って訪れてみた。

見学は無料で,事前予約すれば1時間15分程度の見学ツアーに参加できる。ちょうど「かぐや」の展示のニュースがあったばかりなので,もしかしたら見学ツアーはいっぱいかな,と前日にダメ元で電話してみたら余裕で空きがあった。まあ,日本の宇宙開発への一般の興味はこんなものである。

正門を入るといきなりH-IIロケットがお出迎え。なかなかの迫力だが,目に見える部分はほとんど燃料タンクなので,のっぺりとした印象。

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ツアー見学の最初は一般見学でも入ることのできる展示室。ここにかぐやの熱構造モデルがある。かぐやの重さは3トン。思っていたよりも大きい。かぐや(セレーネ)には「月に願いを!」というキャンペーンで,Webmasterのメッセージも乗っているはずだが,どの辺に付けてあるのか確認してくるのを忘れていた。

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次に一般見学では入れない「宇宙ステーション試験棟」。ISSの日本モジュール「きぼう」の組み立て・試験を行う場所。クリーンルームなので窓越しの見学。船内実験室と船内保管室,船外実験プラットフォームのフライトモデル(実際に宇宙に持っていってISSにくっつけるモノ)は既にNASAに運んだ後で,残っているのは試験用のエンジニアリングモデル。船外パレットだけはフライトモデルだと説明された。室内には人がいなかったが,もうここでの仕事は一段落したということだろうか。

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最後に「ロケット音響体験」。射場から3km地点での音をスピーカで再現するという趣向だが,そんなにびっくりするような音ではなかった。ツアーはこの音響体験の他に係員の判断で「宇宙飛行士養成棟」「無重量環境試験棟」の見学になる場合もあるとのことで,そっちの方が良かったなぁ。

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ツアーが終わってから売店でお土産の「スペースクッキー」と「ロケットせんべい」を買って,もう一度ゆっくり展示室を見学。

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歴代ロケットの模型はペンシルロケットからH-IIBまで。

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お好きな人にはたまらないロケットエンジンLE-7のメカ。

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そして「きぼう」の船内実験室の中で無重量体験中(ウソ)のソウヘイ。

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無料の割にはなかなか楽しめる見学内容となっていると思う。ただ,来ているのは老人と乳児連れの親ばかりで,肝心の小学生とか中学生が皆無だったのがなんとも寂しい限り。さすがにベビーカーの子供にロケット見せたってわけわかんないだろうし,子供の理科離れをここでも感じた。

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【参考リンク】JAXA 宇宙航空研究開発機構|筑波宇宙センター

2008年01月07日

●テラバイト

職場でバックアップ用に使っていた300GBのネットワークHDDがファン異常で止まってしまった。まあ24時間稼働で2年くらい使っていて,元々そのようなハードユース向きの製品ではなかったし無理もない。

しかしいくらバックアップ用といっても大切なデータが入っているわけで,突然読めなくなるのはやはり精神的に良くない。そこで新しく買ったのはHDD4台でRAIDを組んでいるTeraStation Proという製品で,容量はなんと2TB(テラバイト)

ついに来たテラバイト時代。自分のところで使うようになるとそのことを実感する。

思い起こせば中学生の頃,パソコンショップで「大容量40MBハードディスク!」という商品を見つけて,「こんな小さな箱に40メガバイトも入るはずないじゃん!何かの間違いだよ」と友達に得意げに語っていた頃が懐かしい(当時使っていたMSX2のメインメモリは64kB)。その後98互換機用に160MBの外付けHDDを買い,初めて買ったノートパソコンには1.2GBのHDDが乗っていてここからギガバイト時代となって,それが10年続いた。そしてついにテラバイト。次のペタバイト時代までにはどのくらいの期間かかるのだろうか。

2007年12月22日

●ノンフィクション読了 生物と無生物のあいだ

「生物と無生物のあいだ」(福岡 伸一)読了。

図書館で借りたもの。テレビで紹介されたりしてかなり人気になった本らしく,予約を入れて順番待ちをしてようやく貸出してもらえた。また自分の後にも予約が入っていたため,2週間の期限で急いで読んだ。

一般に受ける本というのはたいていそういうものだが,読みやすいけれど内容が薄い。「生物と無生物のあいだ」というタイトルから,最近SFでよく読むことが多いシミュレーションによる知性だとか人格のダウンロードといったネタに関して何か面白い関係がないかと思って読んでみたというわけ(このチョイスがかなり的外れ?)。

まあその方面での収穫はあまりなかったけれど,砂上の楼閣の例えで,人間の体を構成している分子も,想像よりずっと早い周期で入れ替わっており,それは脳細胞に関しても同様である,という部分は少し面白かった。つまり,人格を形作っているのは物質ではなく動的平衡というシステムによって維持されているパターンなのだという事実。


2007年12月16日

●今日の工作 真空管アンプTU-870(1)

先日買った真空管アンプキット,工作の前にまずは箱を開けてパーツが全部揃っているかをチェック。

うちには猫がいて,高温になる真空管は危ないのでグレードアップオプションの真空管カバーも買ってある。

全体の中で重量の大部分を占めるのは電源用1コと出力用2コのトランス(変圧器)。トランスは銅線と鉄心という金属の固まりなので重い。

昔のACアダプタが重かったのはこのトランスが入っていたためだが,最近の携帯電話用のACアダプタなど,ずいぶん小型軽量になっている。これはスイッチング電源と呼ばれる,半導体を使った技術。

今週は時間がないのでここまで。

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2007年12月07日

●路線バスの観察3

この辺を走っている民間バス会社(1社しかない)ではバスカードという磁気式のプリペイドカードが10年あまり使われてきた。現金で乗ることもできるが,距離によって運賃が変わるので面倒だし,プリペイドカードは金額に応じて1割程度のプレミアムがつくので,定期を作るほどではないが頻繁にバスに乗る人はよくバスカードを使っていた。

近頃バスカードの読み取りエラーがよく出るな,とは感じていたが,やはり設備が老朽化していたらしく,最近「非接触ICカード型」のカードに大幅な設備の変更が実施された。

このICカードがなんとも中途半端なシロモノなのである。まず,完全独自仕様なのでSUICAやEdyといったメジャな電子マネーカードと共用させられない。つまり1枚余計にカードを持つ必要がある(しかも厚みが従来のプリカよりも分厚い)。

チャージがバス車内か営業所の端末でしかできない。従来の磁気カードは主要駅のキオスクでも買えたが,このICカードのチャージはできない。朝の急いでる時間に他の客を待たせてまでチャージするのは気が引けるし,数少ない営業所は土日が休みだったりする。SUICAと共通にしてくれたらどれだけ便利だったことか...

残額がわからない。テレカを使った人ならわかると思うが,磁気カードであればだいたいの残額がカード面への穿孔によってわかるようになっている。ICカードではこれがわからない。SUICAなら駅の端末にいれれば残額確認も簡単だが,バス専用のカードは端末のある車内でしか確認できないため,降りようと思ったら残額不足だった,ということになりかねない。毎日乗っている人ならだいたいの残額も覚えていられるだろうが,たまにしか乗らない人は困るだろう。

バス会社が挙げるメリットはこうだ。
・機械にかざすだけでOKなので手間がはぶける。しかし,定期入れのSUICAと干渉するのでこのカード単独でサイフから出さねばならず,実際の手間はほとんど変わらない。

・情報管理機能の向上により,乗り継ぎ割引が可能に!・・・しかし乗り継いだ場合の割引は一律たったの30円。

・使い捨てないので資源が節約できる。車内でチャージにもたついている間に排出されるCO2と乗客の時間的損失はどうなるの?

というわけで,バス会社と設備を納めた会社の自己満足的な変更であり,ユーザの利便性を無視した実質的な改悪であるとWebmasterは思っているのだが,他の地域にお住まいの方はどう感じるだろうか。

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【参考記事】
路線バスの観察2
路線バスの観察1
Fast&First:横浜市バスの惨状

2007年11月25日

●ノンフィクション読了 ローバー、火星を駆ける

「ローバー、火星を駆ける—僕らがスピリットとオポチュニティに託した夢」(S.スクワイヤーズ)読了。

収納スペースの関係から,自らに「文庫縛り」を課しているWebmasterは,このようなハードカバーの本を買うことができない。そこで今回は近所の図書館でリクエストしてみた。出たばかりの新刊だったのでその場では「入荷するかどうかわかりません」という回答だったが,間もなく連絡が来てあっさりと入荷。一番で借りることができた。しかも読むのに時間がかかって延長してもらい1ヶ月くらい借りた。

2,600円もする本を新品で発売間もなく読むことができるのだから,図書館も使いようだ。年に何冊か注文したら高い住民税の10%くらいは元が取れるかもしれない。

もっとも,本書は図書館に置くべき良書であることは間違いない。華々しい惑星探査機の成果の裏には途方もない苦労と挫折が隠れているということを思い知らされる一冊。また,いま現在も火星の上ではスピリットとオポチュニティという人類の手による無人探査機(ローバー)が稼働中であるという感動を味あわせてくれる。

正直,次から次へとトラブルが発生する状況を読んでいると,自分の仕事と重なる部分もあって読むのが辛い場面もあった。事前にどれだけの不測の事態を想定し,それに対処できるようにシステムを作り込むか,という大変頭の痛い問題である。無限に開発時間をかけられればいくらでも信頼性の高いものが造れるが,納期と予算という非情な制約がある中で,可能な限り実現しなくてはいけないのだ。

この件を通じていちばん感じ入ったのは,システムにINIT_CRIPPLED(ポンコツの初期化)コマンドが組みこまれていたのが解決の決め手になったことだった。探査機が火星で通常の状態にあれば,まさか使うとは夢にも思わないコマンドだ。それにもかかわらず,グレンはプロジェクト始動後まもないころに,フラッシュファイルシステムが壊れたときに対処できるものが必要だと判断し,INIT_CRIPPLEDコマンドを組みこんでおいた。そして,異常事態が発生したときにこのコマンドがミッションを救ったのだ。

2007年11月13日

●今日の算数 BIGを買うなら

e-bankに口座を持っているとtotoがネットで買えるので,BIGのキャリーオーバーに誘われてついついポチっと買ってしまうWebmasterである。

6億も当たるなら,全組み合わせを買い占めれば確実に当たって元が取れるのでは?と思うかもしれないが,そうはいかないのが宝くじの難しいところだ。まずBIGは自分で組み合わせを選んで買うことができない。だからこその高額クジなのだ。

仮に組み合わせを選べたとしよう。そして考えられる全組み合わせを買ったらどうなるか。BIGはJリーグの14試合の結果がそれぞれ「勝ち,引き分け,負け」のどれになるかを当てる。つまり全組み合わせは,314=4,782,969通り。すべて買うなら一口300円なので,1,434,890,700円必要になる。これだけ買えば確実に当たるが,6億当たっても8億のマイナスというばかばかしい結果になってしまうというわけ。しかも上述のように組み合わせを選べないので,480万枚買ったとしても当たりくじが入っていない可能性もある。

計算してみればこのように当たる確率がとても低いことがすぐにわかるのだが,それでも買ってしまうのが悲しき小市民というわけだ。

2007年11月10日

●自転車の思い出

ガソリン価格が上がり,今後も以前のような安い価格にはどうも戻らないような情勢である。これからは必然的に自転車が注目されるようになるだろう。

Webmasterが補助輪を外したのは小学校にあがる前だったか,低学年の頃だったかよく覚えていない。危なくないようにと,車に自転車を積んで広い河川敷公園に連れて行ってもらい,補助輪なしで乗る練習をした。どのくらい時間がかかったかも記憶にないが,その日のうちに乗れるようになり,嬉しくて公園内を何周も走り回ったことだけはよく覚えている。

一度補助輪なしで乗れるようになると,補助輪付きはカーブで車体を傾けることができないのでとても怖いと感じるようになる。それまでは補助輪に頼って乗っていたのに不思議な変化である。

最初の自転車が小さくなると,その当時流行っていた変速付きを買ってもらった。確か5段変速だったように思う。しかし所詮子供向けの製品で,変速機構で余計なメカが増えた分だけ重く効率も悪くなり,Webmasterの体が貧弱だったこともあって友達の変速なしのママチャリにどうやっても勝てず悔しい思いをした。友達のママチャリに乗せてもらうと,いやにペダルが軽く感じるがその事実を認めることを当時のWebmasterの頭脳は完全に拒否した。

で,中学生になって若干シンプルにはなったが,やはり6段変速のスポーツ車風の自転車を買ってもらって同じ過ちを繰り返すのであった。もちろん高級なロードレーサは車重も軽いしメカも良いものを使っているのだが,Webmasterが買ってもらえる程度の自転車ではやはりメカの増加の分だけロスが増えるだけという印象だった。

高校生になるとやはり当時流行っていたカマキリハンドルの安物のママチャリに落ち着き,変速メカのないその軽快さに感動したものである。

社会人になってもしばらくは安物のママチャリを通勤に使っていたが,今は所有していない。かんな氏がやはり独身時代に買った折りたたみ自転車が駐輪場に置いてあるが,これも3年ほど動かしていないのでボロボロだし粗大ゴミに出さなければと思っている。

現在住んでいる地域の特徴として,平地が少なく坂が多いため,元々自転車での移動には適さない,というのも新しい自転車を買う気にならない理由である。

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2007年10月30日

●クルマの未来

東京モーターショーの時期だが,前回見に行ったのでまだしばらくは行くつもりのないWebmasterである。2年くらいではそれほどドラスティックな変化があるとは思えないため。

日産のGTRも話題らしいが,全体としてエコに向かうのは避けられない流れだと思う。注目される技術としてはプラグイン・ハイブリッドだろうか。

これは現在のハイブリッドカーの電池容量を増やして,電気だけで数十km走ることができるようにしたもの。電池は家庭用のコンセントから(プラグインで)充電できるようになっている。通勤や買い物に使う程度なら,往復で10〜20kmも走れば充分で,その程度ならエンジンを使わずにモーターだけで走ることができる。帰ってきたらコンセントにつないで,夜のうちに充電するわけだ。

完全な電気自動車と違って,エンジンも積んでいるので途中でバッテリーが切れて動けなくなる心配もない。さらに,充電で使う電気代はガソリンを買うよりもはるかに安いし,電化プランで深夜電力が割引になればさらにオトク。余っている深夜電力を使ってもらうことで昼夜の負荷が平均化され,原発を造る口実もできて電力会社もハッピーという,すばらしい技術だ。

課題としては,今までより余計に電池を積まなくてはいけないので,スペースも必要だし重くなるし高くなる。インフラ面として,例えばマンションや月極駐車場に停めている場合はコンセントがない。

まあインフラの話をするなら,まずは渋滞をなんとかした方がいい。あのノロノロ運転の車が全部エアコンをかけている上,通勤時はワンボックスに一人乗車だったりするのだから,渋滞によるエネルギーの無駄は計り知れない。

自家用車以外に交通手段のない勤め先は別として,少なくとも役所や学校などの公共施設にお勤めの公務員は公共交通機関での通勤を義務付けるべきではないか(そういうところには必ずバス路線があるはずなので)。民間企業でも鉄道やバス,自転車・徒歩通勤の社員に「環境手当て」を出すとか。企業のCO2排出の削減量に社員の自家用車通勤削減分がカウントされるとなれば,効果も見込めるのでは。

2007年10月13日

●プラネタリウム番組鑑賞 宇宙エレベータ

近所のプラネタリウムで「宇宙エレベータ 〜科学者の夢見る未来〜」という番組が始まったので,早速鑑賞。

以前観て良かった「銀河鉄道の夜」と同じシステム(リブラのHAKONIWA)を使っての全天周映像ということで,迫力は満点。没入感がありすぎて酔いそうだった。

宇宙エレベータ(軌道エレベータ)を代表とする夢のような技術が実現した未来社会の描写。技術的なブレークスルーがあったとしても,ここで描かれているような理想社会への道は遠い気がする。本当に全人類がこんな明るい未来に暮らすことができれば最高だが,今の人口増加率ではとても厳しいのではないか。あれはあくまでも地球でごく一部の超上流階級の人の暮らしであって,他の大部分は酷い生活を強いられているとしたら...

とはいえ,思い描く未来はもちろん明るい方がいい。子供たちがこういう未来を指向して,実現するように努力してくれれば不可能ではないはずだ。ただ,土曜の昼間だというのにプラネタリウムはガラガラ。やはり未来は暗いのだろうか....

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【参考リンク】日本科学未来館の「宇宙エレベータ」紹介ページ

2007年09月05日

●学習まんが購入 まんがサイエンス

「まんがサイエンスX」(あさりよしとお)購入。

最近本を読んだとか映画を観たとかいう記事ばかりで恐縮だが,ネタがないときはこんなものである。

学習まんがとしては異例の長寿連載であるまんがサイエンスは,ぜひオススメしたいマンガのひとつ。子供向けと思ってバカにする人もいるかもしれないが,おとなが読んでも大変ためになる(その上面白い)。

なかなか置いてある書店がないのが難点だが,今はネットでも買うことができるし,お子様の理科離れが心配だとか,理科はちょっと苦手,という大人の皆様にもぜひオススメ。

2007年08月13日

●ペルセウス座流星群

夏休みの自由研究,というわけではないが,天文部の集まり(吹奏楽の集まりでもある)でペルセウス座流星群の観察。

メンバが絶好のロケーション(開けていて,街灯りなし,車ライトなし)にある山奥のラジコン飛行場を知っていて,そこで花火をしつつ星空を観測。新月で月明かりもなく,快晴だったので条件としては最良だった。

ピークとされている時間帯からは少々ずれていたが,それでも火球クラスの明るい流星を3,4コ,小さなものは10コくらい見ることができた。

普段住んでいる場所からは街灯りでほとんど星が見えないが,ちょっと山の方に行けば天の川が肉眼で見られる場所があるということに感謝したい。

2007年07月20日

●UFO特番カムバック

先日めずらしくテレビを眺めていたら,情報番組の1コーナーとしてUFO写真の特集をしていた。

矢追順一氏のUFO特番や,TVタックルの超常現象バトルが好きで楽しみにしていたWebmasterだが,なぜか1999年を境にこれらの番組がめっきり減ってしまったように思う。最近勢力を伸ばしているのがオーラだとかスピリチュアルだとかいったくだらない番組。

さて,冒頭に挙げたUFO写真特集で,UFO写真とされるものを撮影したおばちゃんは,「これは絶対にUFOだと思います」などとわけのわからないことを言っている。UFO特番が減ったおかげで日本人の常識はここまで地に落ちたのかと愕然としてしまった。

はっきりさせておこう。何であるか特定できない飛行物体,それがUFO(Unidentified Flying Object;未確認飛行物体)である

なので,「これは絶対に飛行機ではないと思います」とか,「絶対にレンズのゴミではないと思います」というなら問題はないが,「これは絶対UFOです」という言い方は的外れも甚だしい。

UFOが存在する,あるいは多数の目撃情報があるということと,それがエイリアンクラフト(宇宙人の乗り物)である,ということの間にはもの凄く大きな壁があって,まるで別の問題であることを認識すべきである。

UFO特番が衰退せずに健全に発展すれば,もっと科学的な面白い議論が期待できたであろうに,本当に残念でならない。

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2007年07月09日

●プラネタリウム番組鑑賞 銀河鉄道の夜

プラネタリウムの星空をボーっと眺めるのが好きなWebmasterだが,近所のプラネタリウムではただ星空を映すだけでは客が入らないためか,普段は星空を少しの時間映して,あとは星空以外の映像番組をやっていることが多い。

この映像番組というのがまた,いかにも子供向けで,内容はもちろん,映写装置の制約もあってただ絵が順番に切り替わるだけの単調でつまらないものが多かった。

だものだから,たまにやる大人向けの星空だけの番組以外のときはあまり足が向かなくなっていた。

ところが今回,新システム(リブラのHAKONIWA)を導入して,CG作品「銀河鉄道の夜」をやるというので,上映最終日に駆け込みで観てきた。

これがまた,想像以上の出来でちょっとびっくり。直径22mのドーム全天にフルCGの高解像度アニメが展開されるスペクタクルは,はっきり言って愛知万博で見た映像系のパビリオンを越える迫力だった。

メイキングを見てそれも納得。今後もこんな作品が上映されるなら,楽しみが増えるというものだ。何といっても公共施設なので料金が安いのも良い。

配給版は4000×4000ピクセルと、面積比が3.3倍の解像度になりました。15台PCを使ったCINEMA 4Dの再レンダリングに6カ月、After Effectsでの合成に2カ月の時間を要しました。 4000ピクセルのドームマスターは4Kと呼ばれますが、この4Kのデータを活かせるプラネタリウムはまだ日本にありません。現在はあきらかにオーバースペックなデータですが、10年後には主流となるでしょう。
この静止画像30枚で1秒分のアニメーションとなります。「銀河鉄道の夜」通常版は38分のアニメーションなので約69000枚のドームマスター画像をつくりました。この全データ量は、データ圧縮をしても1.4テラバイト。
2007年07月04日

●ミステリ読了 迷宮百年の睡魔

「迷宮百年の睡魔」(森博嗣)読了。

仕事ばかりしていて読書ネタくらいしか書くことがない。「女王の百年密室」を読んだときに,読み切りの長編と書いてしまったが,じつは誤りで,本作が続編となる(じつはシリーズもの?)。

舞台が22世紀ということで,SFミステリと言えるだろう。ロボット(ウォーカロン)の活躍も見逃せない。特に主人公のパートナであるロイディはいい味を出している。

SF全般に共通する点だが,エネルギー問題を解決している未来社会において,変圧器などの送変電機器がどうなっているのかが気になる。発電はまあ,太陽電池なり核融合なりのブレークスルーで事実上無尽蔵に使えるようになったとして,基本的に電力を使うという点は現代と変わらないわけだ。

電力を使うとすれば,当然輸送(送電)と変換(変圧)の必要が出てくるわけで,送電線だとか油の入った巨大な変圧器というような機器は,電磁気学が変わらない以上は必ず必要になると思うのだが,その点を詳しく書いたSFというのは読んだことがない。

作品によっては,各家庭や機械そのものに,超高効率な太陽電池(と何らかの電力貯蔵装置)を内蔵してしまうケースもあるが,今回読んだ作品では「世界のエナジィ問題は解決した」としながらも,ロボットのエナジィは「コンセントにつないで充電」する必要があるとされている。仮に街単位である程度の規模の発電設備があるとしても,各家庭まで電力を引く配電網は必要なわけで,その辺の描写がきちんとされているSFを読んだら,(本筋とは関係ないところで)ちょっと感動するかもしれない。


2007年04月24日

●科学スポット探訪 原子力科学館

日立市の隣には原子力で有名な東海村がある。1999年に起きたJCOの臨界事故で全国的に有名になったが覚えておられるだろうか。

原子力施設には住人の理解が肝心ということで,多額の補助金と施設からの税金で村の財政は近隣の市が羨むほどである。周辺の市町村で合併が相次いでも東海村だけは合併しない。周りのビンボーな市とくっついても東海村にはメリットがないからだ。

金をばら撒くだけではなく,啓蒙活動も必要ということで,原子力の町には必ず今回訪れたようなPR施設がある。当然入場は無料だ。

施設の規模はさほど大きくないが,なんせタダなので,理科好きな人には楽しめるだろう。

放射線の展示といえば定番のウィルソンの霧箱(クラウド・チェンバー)はもちろんあるし,

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空港で使われているX線透視装置で遊ぶこともできる。写真はPHSとサイフを通したところ。サイフの中の小銭が判別できる。

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携帯型の放射線カウンタ("おしゃれピコリン"を測るアレ)も置いてあった。今回は忘れていたが,アトムレンズを使っているペンタSPを持っていって次回測ってみたいところだ。

そしてJCO臨界事故の現場となった沈殿槽の再現模型。想像していたよりも小さい。

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参考リンク:社団法人 茨城原子力協議会 原子力科学館

2007年04月18日

●計算尺

計算尺というのをご存知だろうか。これは何年か前に職場で廃棄されそうになっていたところを保護したモノ。個人用の電卓なんて贅沢なものが無かった時代の携帯型アナログ計算機である。写真は上がHemmi(ヘンミ)計算尺のNO.80K,下が同NO.256というモデル。

使い方はまるでわからなかったが,計算尺推進委員会を見て,かけ算と割り算程度ならできるようになった。本当はまだまだたくさんの目盛りが振ってあるので,もっといろんな計算ができるはず。

これをマスターすればハイテク文明が崩壊して電気が使えなくなったときに,復興の役に立つかもしれない。と一瞬思ったが,21世紀の現代にはソーラー電池で動く関数電卓もあるしなぁ...。

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2007年03月26日

●E501系とSuica

3/18のダイヤ改正後初めてJRに乗ったところ,今までは土浦以南でしか見かけなかったE501系だった。

この電車は発車・停車時にVVVFインバータから特有のドレミファ音(正確にはト短調のレ・ミ♭・ファ・ソ・ラ・シ♭・ド・レ・ミ♭・ファ・ソ〜)が鳴るのが楽しい。最近2階建てグリーン車の付いたE531系も投入されたし,永らく冷遇されてきた常磐線もTXとの競争などで少しは変わりつつあるのかもしれない。

また,Suicaの動作もいつの間にか変わったのだろうか。今までは改札に入るときに初乗り運賃が引き落とされ,改札を出るときに残額が引き落とされる,という動作だったハズだが,今日は改札を入るときには引き落としはなく,出るときに一括でその区間の料金が引き落とされたように思う。

ちょっと前に台風だか何かで,ホームまで入ったはいいが列車が運休になってしまい,Suicaの払い戻し手続きのために長蛇の列ができて不評だったことを受けて,見直しを検討中という話だったと思うが,ようやく改善されたということだろうか。

2007年03月14日

●ハニービーとラジコン界

Youtubeでハニービーの動画を見ていると,3ch化や4ch化などかなり凝った改造をして遊んでいる人もいるようで,ラジコン界というのも相当ディープな世界だと感じる。

子供の頃は組み立て式の電動ラジコンカーが流行っていて,Webmasterも親にねだって買ってもらった。裕福な家庭ではなかったのに無理を言って親には迷惑をかけたと思う。お金持ちの子は改造部品(強力なモータとか,軸受けのベアリングとか)を買ったりしていたが,組み立てスキルは財力とは無関係なので,何度かWebmasterのところに「走らないんだけど」とヘルプが来て組み立てを手伝った記憶もある。

大人になったら絶対に,思う存分ラジコンカーを買って遊ぼうと心に誓っていたのに,実際に大人になってみると,公園でラジコンを走らせる勇気もないし,そもそもラジコンで遊んでいる人も(大人も子供も)見かけない。まあ,車は大人になれば本物を運転することもできるし,同じラジコンでも興味は飛行機やヘリに移るのかもしれない(河原などで飛行機ラジコンを飛ばしている人はたまに見かける)。子供はゲームとかトレーディングカードの方が楽しいのかも。

ハニービーは近所のスーパーでは売り切れだったので,トイザらスまで買いに行った。売り場は子供向けの中心はゲーム,そしてかなりの面積を占めているのが大人向けとしか思えないハニービーをはじめとするホビーである。ただ,模型専門店ではないので,電池を入れればすぐに遊べるものが多い。最近はプラモデルでも,「完成品は売っていないのですか?」と質問してくるお客がいるのだとか。

そういえばピートvsハニービーの動画はなかなか好評らしく,閲覧数が順調に増えている。今のところ,ハニービーの動画の中ではダントツでかわいいと自画自賛している(ジャンルが違うという説あり)。

2007年03月04日

●今日のホビー ハニービー

室内で飛ばせるエアロソアラは,楽器練習のときに広いレッスン室に持って行ったりして結構楽しんでいたのだが,度重なる墜落で損耗したのか,ラダー(垂直尾翼の舵)が動かなくなってしまった。

エアロソアラでは充分遊んだので,次はやはりヘリが欲しい。最近ではなんと室内で飛ばせるラジコンヘリが¥4,000で買えてしまうのだ。CCPのハニービーである。まったく夢のような時代だ。

ハニービーの操作は2チャンネルのデジタルプロポで,赤外線コントロールとなっている。高性能なリチウムイオンポリマ電池を積んでいて,プロポと接続して30分の充電で約5分間の飛行が可能。エアロソアラは30秒(実質的には1フライト)しか飛べなかったので,ずいぶん長く遊べる感じがする。

実際に飛ばしている様子は動画で紹介しよう。動画が見られない環境の方には申し訳ない。

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2007年02月22日

●PHS機種変更

愛用してきた京ぽん電池がそろそろ限界で,どうしようかと思案していたところ,ウィルコムからなかなか魅力的な新端末が発売されたので,早速注文。

ネコ好きかんな氏は一目惚れした「nico.neco」,Webmasterは今までと同じ京セラの「WX320K」だ。

WX320Kは京ぽん改2などと呼ばれているくらいで,使ってきた初代京ぽん(AH-K3001V)とよく似ている。形も操作感もほとんど同じで,戸惑うことはないが,逆に言えば新鮮味がない

初代京ぽんで一番不満だった操作の「もっさり感」はかなり解消されていて,メールを書いたりWebを見たりする動作はかなり快適になっていると思う。カメラも130万画素でマクロ機能付きと,だいぶ実用的になった。

オフィシャル通販のウィルコムストアでの購入だったが,通販で機種変更というのは,切り替わりのタイミングなどどうするのだろうと気になっていた。最近の機種はAIR発番という機能があって,送付されてきた端末が翌日のAM2:00にセンタからの遠隔操作で自動的に有効になる。それまでは旧端末が使用可能ということで,なかなか考えられている便利な機能だ。が,翌朝旧端末と新端末両方の電源を入れておいたら,両方とも着信したり,旧端末にだけ着信したりと,ちょっと不安な動作。新端末からの発呼は正常にできるが,一応旧端末の電源は切っておいた方が無難だろう。

電話帳の移行は付属のソフトとUSBケーブルでサクサクできるが,Windowsしか対応していないというのはマイナス。またしても老体SOTECに鞭打って働いてもらうことになった。

WX320Kには初代京ぽんの電話帳を簡単にコピーできたが,nico.nekoはダメだった。USB端子は付いているが充電専用らしく,ユーティリティソフトでは認識されない。こういう場合はショップに持っていくか,手動で打ち直すしかないのだろうか。

nico.nekoはnico.のタカラトミーデザインモデルで,nico.自体と機能は同じ。通話とメールに特化した端末で,カメラやフルブラウザは搭載していない代わりに,コンパクトで可愛い端末。普段この大きさで,使うときだけ画面が大きくなってブラウザとカメラが付いたら是非欲しいが,ちょっと物理法則に反しているような気がしなくもない。

今までの携帯(PHS)端末の遍歴を記録のために書いておこう。
1998.8 N206Hyper (DoCoMo PDC 日本電気)
2002.6 P211i (DoCoMo PDC 松下)
2003.8 N51 (J-Phone PDC 日本電気)
2005.6 AH-K3001V (Willcom PHS 京セラ)
2007.2 WX320K (Willcom PHS 京セラ)

9年で5台,キャリアはDoCoMo,J-Phone(現SBM),Willcomと渡り歩いた。今の端末は出来れば3年くらい使いたいが,統計的にはやはり2年弱で買い換えることになるのだろうか。

ちなみにWebmasterはいわゆるポケベル世代なのだが,残念ながら一度も使ったことがない。一部の携帯電話には未だに「ベル打ち」と呼ばれる文字入力方式が実装されているのをご存知だろうか。

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2007年02月19日

●iとかjとか

虚数単位というのは−1の平方根,つまり二乗して−1になる数のこと。記号としては一般的には"i",電気の世界では電流のiと区別するために"j"を使ったりする。

二乗して−1になる数(実数)なんて存在しない。存在しないのに,なぜか電気の世界ではよく出てくる。最近は関数電卓が計算してくれるからいいようなものの,加減乗除も面倒だ。ExcelではIM〜という分析ツールの関数でないと扱えないし,書式も一般的じゃないので困る。

あーめんどくさい。

2007年02月08日

●少子化問題と地球温暖化

時事ネタに触れるのは珍しいが,一言書いておこう。どこかの大臣が「女性は生む機械」だとか放言して物議を醸しているらしい。

この発言そのものは失言という他なく,腹の中でなんと思っていようと,皆が見ている前でこのようなことを口走ってしまう大臣はちょっと資質を疑われても仕方がないと思う。

この大臣が気にしているのはいわゆる「少子化問題」というやつだ。

一方,この冬は暖かく,記録的に雪が少ないなど,こちらも話題になっていて,こうなると昨年の大雪のことはケロっと忘れて「地球温暖化問題」と騒ぐ人が大勢いる。

さて,多くの方はとっくにお気付きだと思うが,少子化問題と地球温暖化問題は二律背反の関係にある。つまり,人口が増えれば消費エネルギーも増えて温暖化は加速してしまうし,温暖化を食い止めるためには人口の抑制(少子化の推進)が必須だ。少子化も温暖化も盛んに報道される割には,この当たり前の関係がズバリ指摘されるのを見たことがない。何か差し障りがあるのだろうか。

しかも少子化問題というのは日本をはじめ先進国の一部だけの話で,地球規模で見れば人口も消費エネルギー(炭酸ガス放出量)も増える一方である。

日本の少子化問題というのは詰まるところ,税金や年金を払ってくれる財源の不足という問題であって,件の大臣でなくとも,政治家はそういう目でしか問題を捉えていない。

「将来のために」と政治家はおっしゃるが,政治家の望むように人口が増え続けたとしたら,土地も資源も有限なのだから破綻するというのは子供でも判ることだ。本当に人類社会の将来を考えるなら,途上国も含めた人口抑制,カーボンフリーエネルギーやCO2固定化などの研究や食料の安定供給にこそ,もっと資源を投入すべきだろう。

先進国で少子化が進むというのは,生活スタイルの多様化だとか何とかいろんな説があるだろうが,じつは多くの人たちは(政府が何と言おうと)これ以上人口が増えてはマズいと,無意識に感じて子供を減らしているのでは,なんて考えてしまう今日この頃である。

2007年01月17日

●給湯器とお湯張りのナゾ

自宅の給湯器は都市ガス(13A)を使っている。スペックを見ると総合64kW(給湯52kW,風呂12kW)と書いてある。風呂12kWというのは追い炊き能力のことだろう。

52kWの給湯能力とはどれほどのものか。フル出力で1時間運転したとして得られる熱量は52kWh。1kWhは860kcalだから,52x860=44,720kcalになる。

一方,1gの水の温度を1℃上げるのに必要な熱量が1calなので,風呂に必要な200リットル(=200kg)の水を冬場の5℃の水温から40℃の適温まで温めるのに必要な熱量は,(40-5)x200x103=7,000,000cal=7,000kcalだ。

従ってこの給湯器でお湯張りをすると,7,000÷44,720=0.16時間,つまり約10分で風呂を適温のお湯で満たすことができる。お湯張りの時間は実際もこんなものだ。

さて,では昨日のお風呂のお湯があまり汚れなかったので,お湯を捨てないでおいて,今日は追い炊き機能を使って沸かしなおすことにしよう。この場合は12kWの能力(1時間で10,320kcal)だ。水温は寒い時の室温と考えて15℃程度からのスタートとすると,40℃まで温めるには(40-15)x200x103=5,000kcalが必要となる。

追い炊きで沸かす場合には,5,000÷10,320=0.48時間,つまり約30分かかるわけだ。追い炊きだとやけに風呂が沸くまでに時間がかかるな,と思っていたが計算すれば当たり前の話であった。

ガスの燃焼温度は2000℃ほどで,それで単純に水を温め数十℃程度のお湯を得る,というのが普通の給湯器(うちはコレ)だが,その温度差を見れば判るようにこれではあまり効率が良くない。特に最近ではオール電化に押され気味のガスなので,極力ガスの熱量を有効に使おうと,潜熱を回収して床暖房までする給湯器(エコジョーズ)や,いっそのことガスの燃焼でエンジンを回して発電して,お湯はその排熱で沸かしてやろうという家庭用コージェネ(エコウィル)などがこれからのトレンドである。

オール電化住宅の給湯設備で,でかい貯湯(ちょとう)タンクが付いてくるのは,電気給湯器の能力的な問題。電気はガスのように大熱量を短時間に発生させるのが苦手なので,ちょっとずつちょっとずつお湯を沸かしてタンクに貯めておき,シャワーなどで大量に使うときはこのタンクからお湯を供給するのである。設計がマズい昔のお宅だと,来客などがあって大量にお湯を消費するとシャワーが途中で水になる,なんてことも起きた。

うちで使っているシャワートイレは「瞬間湯沸し方式」といって,お湯タンクを持たずその都度電気で洗浄用のお湯を作るタイプだ。お尻に当てる細い水流のお湯を作るだけでも,その消費電力は1.2kWと,家庭用電気製品の中ではドライヤーと同じくらいの重量級である(給湯器の能力との違いに注目!)。貯湯保温によるロスがない分,総消費電力量はおトクらしい。

2006年12月29日

●機械式時計の精度とアナログ回帰

先日調達したS社の海外向け自動巻き機械式時計は,手巻き機構がないので,停めないためには毎日着用するしかない。オン・オフ・冠婚葬祭関係なく昼間は着用している。

精度は1日で+10秒弱といったところで,一週間に一度くらいの頻度で合わせている。機械式時計はたいてい進み側に調整されていて,「時計が遅れていて電車に間に合わなかった」というようなトラブルがないように配慮されている。

ただ,この7S26Aというムーブメントは安いだけあって秒針を止める機構がないので,時間を合わせる作業にはちょっとしたコツが必要。どっちにしろすぐに進むので,ピッタリに合わせてもあまり意味がない。

古いものが好き,というわけでもないのだが,スケジュールはパソコンから紙の手帳に戻ったし,フィルムのマニュアルカメラをメンテナンスしたり,腕時計をデジタルから機械式にしたり,木管楽器を吹いたりと,なんとなくアナログに回帰しているWebmasterであった。

2006年12月26日

●ペンタSPメンテナンス

なんとなく動作はするものの,露出もバラバラでたまに写らないコマのあるペンタSP(ASAHI PENTAX SPOTMATIC)のメンテナンスをどうしようか考えていたところ,近所の写真屋が開くカメラフェアで,古いカメラの無料診断・修理見積りをしてくれるという情報をキャッチし,早速持ち込んだ。

Kinoppy氏は「そんなの『このカメラはもうダメです。今ならこちらの新しいデジカメがお安くなってますよ』という商売じゃないの?」と疑っていたようだが,経験上カメラ好きに悪人は居ないのでWebmasterはあまり心配していなかった。

趣味がそのまま商売になってしまったようなカメラ診断士のおじさんは,ペンタSPを一通り調べてまんざらでもない表情だ。曰く「修理は必要ですが,修理すればまだまだ使えますよ」と,横のジャンクカメラの山からニコンの電脳一眼レフを取り出し「こういうタイプはダメです。すぐ故障するし,部品もない。レンズもボディもプラスチックだし。それに比べて(SPは)レンズは総ガラスだし,金属の塊みたいなもんでしょ,部品さえ交換してやればずっと使えるんです」と饒舌である。聞けばご自身でもペンタSPを使っておられたとのことで,これなら修理も信頼できそうだ。

症状としては稼動部の油切れが致命的で,シャッタスピードが規定の値になっておらず,しかも毎回バラバラで,さらにシャッタスピードを上げていくとシャッタが完全に開かない場合もあり,今までの露出の合わない写真や写らないコマはこれで説明がつく。露出計は電池フタが固着して動かず,スイッチを入れてシャッタを切るとミラーアップしたまま戻らない場合もあるとのことで,露出計の修理は見積り時点では不透明だった。あとは古いカメラにありがちなモルトプレーン(裏ブタからの光漏れを防ぐスポンジ)の劣化と,ファインダ,レンズのカビ・汚れなどが挙げられた。

見積りは修理と調整で計¥19,500。「この値段でやってくれるところは無いと思いますよ」とおじさんは話していたが本当だろうか。この辺は相場というのがわからないので判断できない。まあ交換部品+手間賃と考えれば高くはないと思う。

早速修理をお願いして,待つこと3週間。ついに退院してきたペンタSPである。修理明細には,

  • モルトプレーン劣化交換
  • 巻戻し,巻上げ調整
  • シャッタ幕開かず調整
  • ファインダー汚れ,カビ修理
  • レンズカビ清掃修理
  • メーター調整,その他調整

とある。メーター調整ということは,露出計も直ったのであろうか。緊張しながらスイッチを入れると,見事!ファインダー内の露出計の針が元気良く振れる。これはうれしい。勘に頼って露出を決めるのも楽しいものだが,普通に写真を撮るならやっぱり露出計は欲しいところだ。合わせて固着して動かなかったASA/DINのフィルム感度設定ダイヤルも修理されていた。ファインダーもレンズもピカピカで,視界がクリアになって気分がいい。早く試し撮りしてみなくては。

料金は見積りどおりで,見てもらったときは「見積りは最低限の金額で,バラしてみないと正確な値段はわかりません。もう少し上乗せが必要かも」と話していたが,良心的であった。カメラフェアは年に何度かやっているらしいので,次は実家に置いてあるCanon FPも見てもらおうかと思っている。

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2006年11月22日

●ひーぽん

エアコンは不思議な機械だと思ったことはないだろうか。暖房はまだわかる。電球も触れば熱いし,電気を熱に変えるのは容易という気がする。だが冷房はどうだろう。確か熱というのは熱い方から冷たい方に一方通行で伝わると習ったような気がする。暑い部屋から熱を奪い去る冷房というのは自然の法則に反してはいないか?

もちろんエアコンは自然法則に反しているわけではない。井戸の底から水をくみ上げるように,熱を暑い部屋の中からくみ上げて,さらに暑い室外に捨てる巧妙なシカケがある。それがヒートポンプ(熱ポンプ)だ。

エアコンの室内機と室外機をつなぐチューブの中には,冷媒と呼ばれるガスが入っていて,室内機と室外機の間を循環している。ガスは圧縮すると温度が上がり,膨張すると温度が下がるという性質がある。

冷房の手順はこうだ。チューブの中の冷媒は,室内機を出るとコンプレッサ(電気で動く圧縮機)で圧縮されて温度が上がる(25℃→50℃)。高温になった冷媒は室外機の中で外気と熱をやり取りする。冷媒の方が外気より高温なので,冷媒は冷やされる(50℃→40℃)。冷やされた冷媒が室内機に戻るときに膨張弁というのを通って膨張し,温度が下がる(40℃→15℃)。低温になった冷媒は室内機に入り,部屋の空気と熱をやり取りする。今度は冷媒が室温よりも低温なので,室内に冷たい空気を吹き出して,冷媒の温度は上がる(15℃→25℃)。これを最初に戻って繰り返せば,最終的に室温は15℃まで冷えることになる。代わりに外気が温められることになるが,外は広いので気にしない。

暖房はこの手順をそのまま逆にすれば良い。寒い室外からさらに熱を搾り取って(?),室内に放出するわけだ。

ヒートポンプのエライところはその効率の良さで,使った電気エネルギーの5〜6倍もの熱エネルギーを得ることが出来る。「永久機関じゃあるまいしそんなバカな!」と思うかもしれないが,じつはエアコンで消費する電気というのはほとんどコンプレッサというモーターを動かす動力に使われ,熱エネルギーそのものは外気から頂戴しているためにこのようなことが起こる。

一方,同じ電気による暖房でも電気ストーブなどは,電気をそのまま熱(と光)に変えるため,効率は最大でも1となり,エアコンと同じくらい電気を食う割にはちっとも部屋が暖まらない,ということになる。

電気によるエアコンは上記の通りだが,もうひとつ,高温の熱源(熱湯とか)をエネルギー源にしたエアコンというのもあって,規模の大きな店舗や病院などで使われている。熱湯を使って冷房するなんて,電気を使うよりさらに不可解だが,こちらも巧妙な仕組みがある。が,長くなったのでこちらは宿題ということにしよう。

2006年11月17日

●路線バスの観察2

田舎のバス路線なので設備の更新はサッパリ進まない。それでも最近ようやく車内放送のテープ(次は○○です。△△へはこちらでお降りになると便利です)が合成音声(媒体は不明)に変わった。今まではテープ再生の設備がボロで声が高くなったり低くなったりしていたのだ。まあどちらかというと平板な合成音声よりもテープ録音の方が温かみはあったかもしれない。

この地域ではバスは後ろ乗り前降りで,乗車時に番号が印刷された整理券が発券され,降りたいバス停が近づいたら各座席にあるボタンで知らせ,降車時に整理券番号に応じた料金を支払う,というシステムである。しかし,そういった「バスの乗り方」がバスのどこにも表示されていない。このシステムは別に全国共通というわけではないのだから,少々不親切ではないか。しかも乗務員はたいてい流暢な茨城弁で無愛想なため,他所から来た人が乗ろうとすると混乱すること必至である。

先日など,アジアからの留学生と思しき若者が前方の出口から乗り込もうとして乗務員に怒られていた。なんとか後ろから乗ったはいいが,今度は「料金後払い」が解らず乗務員とモメている。「降りっとき!あと!あと!」と乗務員は大声で訴えているが,日本語(しかも茨城弁)がわからない留学生はもちろんハト鉄砲な顔をするばかり。常々不親切な乗務員の態度にムカついている乗客は誰一人として助け舟を出そうとはしない。ま,これに懲りたら英語を併記した「バスの乗り方」をでかでかと貼っておくことだ。

数台ではあるが,整理券をRFID化した試験車両も走っている。これは降車時に整理券を機械にかざすと,必要な料金が表示されるというモノで,一見便利そうだが,じつはそうでもない。初めて乗る人に対しては,上記のように説明不足で結局使い方がわからないし,熟練者(?)は整理券に印刷された番号と前方に表示されている電光掲示板の料金表を見比べて,降りるバス停が近づいてくると予め小銭を用意しておくことができるのだが,RFID整理券では降車時に機械にかざして初めて料金が表示され,それから小銭を準備するので時間のロスがある。さらに,鉄道と違ってバスの場合は,バス停を通過したかどうか乗務員がいちいちボタンを押して料金と放送の更新をする必要があるが,たまに切り替えを忘れている乗務員もいて,そうするとシステマチックな整理券も結局無意味である。

一番スマートなのは都会でよくある「市内定額制」で,乗車時に決まった料金(例えば200円)を払ったらあとはどのバス停で降りようと自由,という方式だろう。これならバスの腹に「定額200円先払い  flat-rate ¥200 Pay first」とでも書いておけば誰も迷わない。田舎だと利用者が少ないのでこれではペイしないのだろうが,もっと親切なシステムにできないものだろうか。

ご参考:路線バスの観察

2006年11月11日

●メモ:「水からの伝言」を信じないで

いじめなど道徳の問題が注目されている昨今ですので,念のためリンクしておきます。

「水からの伝言」を信じないでください

ある程度科学的な思考ができる大人なら心配いらないと思いますが,小学校などで先生が道徳の教材に使ったりする例もあるらしいので,お子様のいるご家庭では注意された方が良いかと。

2006年11月06日

●直流を測る

バッテリーの状態を見るには電流を測ればいいというコメントを頂いた。これはつまり,負荷を取らない状態で電圧だけを測っても意味がなく,負荷をつないだ状態で電流を流せる力が残っているかどうかが重要ということだ。乾電池でも同じで,ほぼカラになった電池でもテスタを当てると1.5ボルトが出ていたりする。

電圧を測るのは比較的簡単で,バッテリーの場合なら電圧計(テスタ)のリードをバッテリーのプラスとマイナスの端子にそれぞれ当ててやれば良い。では回路の電流を測るにはどうするか。

学校の実験などで使った電流計は,回路に直列に挿入してやる必要がある。バッテリーだと端子から一旦ケーブルを外し,外したケーブルと端子の間に電流計を挟んで接続しなおしてやる。

手元に電圧計しかない場合は,外したケーブルと端子の間に抵抗を挿入し,この両端の電圧を測ることで間接的に電流を求めることができる。抵抗値がRオーム,電圧がVボルトなら,電流IはI=V÷Rである(オームの法則)。このとき,抵抗値は出来るだけ小さいものを使うのが普通だ。抵抗自身による電力消費と発熱の問題があるため。ちなみにこの抵抗のことをシャント抵抗と呼ぶ。

上に書いた方法はいずれも一旦バッテリーからケーブルを外し,測り終わったらまた元に戻してやる必要があるので手間がかかる。

回路には手をつけずに(端子からケーブルを外さずに)電流を測る方法としては,クランプ型の電流計というものがある。ドーナツ状の部品の一箇所が切れており,そこを開いて,測りたい電流が流れているケーブルをドーナツの穴に通してやる。いわゆる貫通型の変流器(CT)と答えると半分正解。CTは原理(電磁誘導)上交流でないと測定できないので,バッテリーの直流電流は測ることができない。直流を測ることの出来るクランプ型電流計は,ホール素子という半導体がドーナツの切れ目に入っていて,直流電流により発生する磁界を検出して電圧に変換することで計測する。

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2006年10月19日

●デジカメ修理完了

故障して入院していたデジカメFinePixS5000が戻ってきた。修理内容はCCD基板交換とある。修理見積りでは1.5万円かかると脅されていたのだが,実際の請求はタダだった。取次ぎの写真屋によると,メーカーが「ユーザの取扱い方法による不具合か,製品自体の不良か判断できなかったため,今回は無料とさせて頂く」と言ってきたらしい。

こちらとしては有料でも構わないと思っていたので,無料で直してもらってラッキーだった。早まって中途半端な新製品に手を出さずにおいて良かった。

デジカメや,フィルムカメラでも電脳満載のEOSなどはヘタをすると数年で修理不能の故障を起こす。電脳機器の故障はたいてい1か0で中間段階がない。今回のデジカメの故障も,昨日まではまったく問題なかったのに,今日撮ろうとしたら写らないのである。また,電脳カメラは必ず電源を必要とし,電源がなければ「1枚だけでも」といくら念じても絶対に写らない。

それに比べれば40年前に発売されたペンタSPは,経年劣化により新品の時に比べれば写りは悪くなっているかもしれないが,まったく写らないということはないし,電池も必要ない。これは「記録」という意味ではけっこう重要で,ピンボケでも手ぶれでも,何がしか写っているのと,まったく何もないというのでは雲泥の差がある。

世間では一眼レフデジカメの売れ行きが好調らしく,カメラメーカーも競って新機種を発売している。だが果たして,これらのカメラのうち40年後でも動作し,写真が取り出せる状態のものが何台あるだろうか。画素数や機能を競うのも結構だが,カメラとしての信頼性を望んでいる人も多いと思う。まあ,商売としては次々と買い換えてもらう方がいいに決まっているのだが。

2006年10月12日

●今週見た景色 幕張

今週は幕張メッセで行われた某イベントでブースの説明員という大役を仰せつかり,イベントコンパニオンのお姉様方と共にお客様のお相手をした。さすがにメッセでのプレゼンは初めての経験で,お客様も大勢来てくださりありがたかったが,ブースを離れるヒマがなくて水も飲めずトイレにも行けないという状態で疲労困憊である。

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イベントコンパニオンの方たちが私服で準備したり説明を受けている光景。なかなかのレアショット?彼女たちは普段から礼儀正しく愛想も良く,さすがはプロフェッショナルという印象だ。同僚は「終わってから飲みに誘えないかな」と期待していたがたぶんムリだろう。

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目の前のブースのコンパニオンさんが,会場中で一番扇情的なコスチュームを着ておられ,目のやり場には困らなかった苦労した。またバックヤードに入ると自ブースのコンパニオンさんが休憩したりメイクを直したりしていて,いろいろな意味で貴重な経験となった。しかしあまりにも疲労が激しいのでできれば毎年は遠慮したいところである。

2006年10月05日

●頂き物 PSP

またもや頂き物で大変恐縮だがPSP(プレステポータブル)である。

携帯ゲーム機を手にするのは任天堂のゲームウォッチ以来だ。

Wi-Fiとブラウザが標準で内蔵されていて,単独でパソコン用の無線LANにつながってインターネット閲覧も可能。面倒な設定も必要ない。たいしたものだ。ファームウェアのアップデートなどもネット経由で行われる。

ゲームはあまり得意ではないのだが,面白い使い方はないものだろうか。Windows用にはいろいろとPSPを活用するためのソフトがあるようだが,AppleとSONYというのは携帯音楽プレーヤをめぐるいろいろなことがあって,MacとPSPの相性というのはイマイチなのかもしれない。一応USBでつなげばファイルのやり取り程度はできる。

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2006年08月15日

●エアロソアラ

ついに室内で飛ばせるラジコン(※)飛行機が¥2,600で買える時代が来た。タカラトミーのエアロソアラである。夏休み,帰省する以外はクーラの効いた室内で徹底的にインドアレジャーで過ごすことに決めたWebmasterとしては是非サンプリングせねばなるまい。

機体は発泡スチロールで,モータとプロペラは主翼後端上に配置されている。墜落したときに壊れないようにという配慮だろう。他に動くのはラダーで,推力の可変とラダーによって上昇下降,左右旋回を実現する。充電は機体をプロポにセットすることで行い,40秒の充電で約30秒の飛行が可能。

実際に室内で飛ばしてみると,これがなかなか難しい。公式サイトの調整方法を見ながら機体を調整して,しばらく練習したら旋回飛行はなんとかできるようになった。難しいが,これはとても楽しい。リビングで飛ばしても充分楽しいが,できれば体育館などの少し広い場所だとより楽しめるだろう。


※赤外線(IR)コントロールなので正確にはラジコン(RC)ではない。

2006年07月08日

●算数パズル

ピーター・フランクルさんの講演で出題された算数パズル。

下の図が矛盾がないように,内を埋めてください。
の中には1ケタの数字(0〜9)が入ります。
例えば,0は「は□個」で1つ,枠の下の方の
「2006.7.7」の中に2つあるので,枠内には
3個ある,ということになります。(これは確定情報で,他の
数字の個数を矛盾がないように決めます)
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ピーターさん曰く

このパズルは,日付によって答えがまったく変わってきます。日付によって答えが1つに決まるときもあれば,複数の答えがある日,あるいは答えが無いという日付もあるのです。

ちなみに上の問題は解答が存在します。しかし答えをメモしてこなかったので
自力で見つけてください。
(コメントで答えを書かないように)

2006年07月03日

●腕時計新調

4年ほど使ってきた腕時計のベルトが切れてしまった。秋葉原のワゴンセールで980円で買ったCASIOのFilmwatchという安いデジタルで,ベルト交換できる構造ではないのでそのまま廃棄処分となった。まあこの値段で4年も使ってやれば時計も本望であろう。

次の腕時計選びは実はかなり難航した。以前も書いたが,Webmasterの持論として,「腕時計はアナログなら機械式,クォーツならデジタル」というのがある。しかし,国産の腕時計にはなぜか安価な機械式が皆無なのだ。別にWebmasterはコレクターではないし,普段身に付ける用途に何万円もする高級舶来腕時計は必要ない(もったいなくて着けられない)。

そこでネット通販で検索してみると,国産S社の逆輸入モデルで,安価な自動巻きが結構あるではないか。その中から,シンプルで視認性の良いミリタリー風時計を選んでみた。ムーブメントは7S26という21石,6振動のもの。海外モデルでは標準的な仕様のようだ。

で,これが8千円でおつりが来る値段で買えるのだ。8万円ではなく,8千円。なんでこういう時計が国内向けにないのか,本当に不思議だ。

ネットで自動巻腕時計のことを調べていたら,壊れたデジタルの前に使っていた,実売2万程度のやはりS社の自動巻がけっこう良いものであるらしいというのが判ってきた。これは7S26より上等な4S15というムーブメント(25石,8振動)で,買ったときはまるで気にしていなかったのだが,限定品だったらしく現在オークションで定価をはるかに超える高値で取引されているらしい。ちょっと遅れが目立つようになって,手巻き機構が壊れてしまってお蔵入りとなったが,こんなことならもう少し大切に使えば良かった...とは別に思っていない。時計は身につけてこそ価値がある。特に自動巻時計は身に着けていないと止まってしまうという儚い機械なのである。

ただ,8振動ムーブメント(1/8秒運針ということ)の滑らかな動きは気に入っていたので,ちょっと金がかかっても修理調整してまたいつか復活させたいと思ったWebmasterである。

2006年06月24日

●クルマの馬力

自動車のパワーというのはすごい。今乗っている大衆向けコンパクトカーのキューブ(TA-AZ10)など,スポーツカーに比べれば屁のようなパワーしか出ないイメージであるが,それでもカタログ上は101ps(仏馬力)も出ることになっている。

まあこれは高いハイオクガソリンを入れて,実用域とはとても言えない6400rpmまでアクセルを踏んだときにこれに近い数値が出る(カタログ上は)という話で,実用的にはまあ,これの三分の一程度と考えて,だいたい30ps。それでも30psである。1ps(仏馬力)は0.735kWなので,約22kWだ。22ワットではなく,22キロワット

一般家庭で電力会社との契約が40Aの場合,そのお宅でめいっぱい電気を使うと4kWまで使えるということになる。テレビと冷蔵庫とエアコンと電子レンジとドライヤと洗濯機とパソコンと照明をいっぺんに点けて,ブレーカが落ちるギリギリまで使っても4kWあれば足りる。つまりキューブで発電機を回せば,5軒のお宅の全電力を賄うことが可能ということだ

そんな過剰とも言える性能を持った自動車を,Webmaster家ではレジャーのために維持しているのである。そう考えるとなんだか心苦しい。省エネだCO2削減だと叫ばれる昨今であるが,こういう事実はあまり宣伝されない。自動車が売れなくなっては困るからである。

ガソリン価格が高くなってきて,ハイブリッド車だとか燃料電池(FC)車だとか完全な電気自動車(EV)が注目されてきている。これらは出力をそのまま電力として取り出すことが可能なので,夜間などクルマを使わない時間帯にこれらを発電機として使うとか,大規模災害で停電したときの非常用電源として使うということがまじめに研究されていたりもする。

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2006年06月13日

●今日見た景色 波崎

銚子の近くの風力発電所。支柱の高さ60メートル,羽は1枚の長さが40メートルもある。回っているところを間近で見ると,風切り音がしてすごい迫力。

しかし現場周辺は砂浜と植林したばかりの松林と道路以外何もない。仮設トイレで用を足しても手を洗うところもない。梅雨時は海からの湿った風がべとついて,なかなか過酷な環境。

2006年06月10日

●真のハッカー

日経ビジネス2006年5月1日号より

気象予報,宇宙開発などの研究に欠かせないスーパーコンピュータ(スパコン),世界の技術者たちが,スピード競争にしのぎを削る世界で,1人の日本人が脚光を浴びている。後藤和茂氏,37歳。米テキサス州立大学のアドバンスト・コンピューティング。センターに勤務する研究者だ。彼の開発したソフトウェアをスパコンに組み込むと,まるで魔法でもかけられたかのように,スパコンの性能が上がる。

(中略)

スパコンは年2回,米調査機関によって実効性能のスピードを競う「トップ500」が発表される (中略) 世界トップ11のうち,4つに後藤のソフトが組み込まれた。いずれも5〜10%,性能を向上させている。

ソフトウェアでハードウェアの性能を極限まで引き出すという話を聞いてピンとくる人はパトレイバーを読んでいる(か劇場版を観ている)と思うが,まあそれはさておき。

もうずいぶん前(10年以上かも)のことだが,「日本人には真のハッカーと呼べる人は居ない」というようなことを何かで読んだ。当時コンピュータ(プログラム)の先端は米国であり,日本人のレベルはそれほど低かった,ということだろう。

現在の日本のレベルがどれほどのものかわからないが,少なくともこの後藤氏は真のハッカーと呼ぶに相応しい人物ではないだろうか。何しろ,性能調査の締め切り間近になると,自分たちのスパコンの性能を上げたい技術者たちが後藤氏に「SOS」メールを送ってくるので,後藤氏は世界約100台のスパコンにアクセスできるIDを持っているのだ。まさにクールである。

まがりなりにも仕事でプログラムを書くこともある立場としては,一生のうち一回くらい,人から「クールだ」と言われるようなコードを書いてみたいものである。

2006年05月28日

●エンジン内蔵自転車用タイヤ

更新が滞っており,数少ない読者の方にはご迷惑をおかけしている。
まあ過去には2ヶ月ほど更新がストップした時期もあったことだし,毎日ではなく思い出したときにチェックしていただく程度がこのサイトではちょうどいい感じだと思う。

inside outで知った,RevoPower The Wheel。これはパワーアシスト付き自転車などよりもずっとスマートで素敵。残念ながら日本では法規制があって公道では乗れない。

安全は確かに重要だが,セグウェイや上記のアイテムなんかでも安心して走れるようなインフラがあればいいのに。

そういえば近所にある大きな交差点には,歩道橋があって横断歩道(歩行者信号)がなかったのだが,高齢者やベビーカーの人から苦情続出で,結局横断歩道も付けることにしたらしい。これで高い工事費で造った歩道橋を使う人は居なくなるだろうし,横断する高齢者の事故も起きるだろう。無駄というか中途半端というか...。どうせやるなら最初からエレベータ付きの地下道でも整備すべきだろう。

2006年05月16日

●ラジオドラマ

NHK-FMの青春アドベンチャーで「太陽の簒奪者」をやっているというので,何年ぶりかでラジオドラマを聴いてみた。

ラジオドラマというのはSF向きのメディアという点で小説と似ていると思う。あまりにもスケールが壮大すぎてテレビドラマや映画では映像化不可能か,莫大な予算が必要な作品でも,「音だけ」ならなんとかなる(映像はリスナが頭の中で創造する)からだ。

もう10年以上前になるが,青春アドベンチャーは欠かさず聴いていた時期があって,SFに限らず名作が多かったという記憶がある。内容は忘れてしまったが「皇帝の密使」なんていうタイトルだけ記憶に残っている。マージャン合体ロボ「サンバイマン」なんていうのもあった。

青春アドベンチャーは平日夜の15分番組で,2週間で10話というのが多かったと思うが,土曜にはFMシアターという1時間番組もあって,こちらもたまに聴いていた。今でも気になっているのは,「宇宙船で金(キン)の採掘に出掛けて,長い年月の末に帰還してみたら金が化学合成出来るようになっており,せっかく採掘してきた金が無価値になり途方に暮れていたが,なぜか大量に積んでいた昔のビール瓶が物凄い価値になっていて...」というような話。うろ覚えでタイトルもわからないが,面白かったという記憶がある。ラジオドラマになったということは,小説などの原作が存在すると思うので,ご存知の方がおられたらご一報いただきたい。

たまにだが,ダミーヘッド録音の番組もあった。これはヘッドフォンで聴くと大変豊かな臨場感が得られる技術で,夏の夜に必ずやる怪談話など,まさに身の毛もよだつ恐ろしさだった。当時はダミーヘッド録音が何のことかわからなかったが,なんのことはない,マネキンの頭部(つまりダミーヘッド)の耳の中にマイクを仕込んで録音するということだった。バイノーラル録音と言ったりもする。最近は多チャンネルのソースとスピーカで臨場感を演出する映画も多いが,肝心の画が正面にしか見えない点で違和感が大きい。臨場感という点ではダミーヘッド録音+ヘッドフォン+暗い部屋(or目隠し)には敵わない。アミューズメントのオバケ屋敷等でこれを応用しているところもある。

今はどうか知らないが,実力派の声優さんが出ていることも多く,声フェチの人にもオススメである。

2006年04月01日

●プラネタリウムとかワンセグとか

ピート以外の話題も少し。

近所のプラネタリウムで外壁の改修工事が進んでいる。バブル時代の建築なので直径22mのプラネタリウムの球体が宙に浮いたような無茶なデザインになっていて,改修工事の足場を組み上げるだけでも相当大変そうな作業。

4月から地上デジタルのワンセグ放送というのが始まるというので,住んでいる地域でもこれを機に民放各社の地上デジタル放送が見られるようになるかと期待していた。が,まだ映らないようだ。NHKだけは話題になったエビなんとかという元会長が茨城出身だった関係か,早々に地上デジタルが映るようになったが,民放が観られないと地デジの魅力もイマイチである。

2006年02月01日

●消耗品商売のナゾ

パソコン用プリンタは本体を安く売って交換用インク・トナーで儲ける典型的な消耗品商売なのは有名な話だが,先日その実態を垣間見る機会があった。

職場で買ったのはモノクロ・A3・両面印刷対応で実売8万円台(トナー1個付き)というN社の激安レーザープリンタである。筐体はコンパクトで,安い割には印字もそこそこ速くジャム(紙詰まり)も少ない。1年3ヶ月の利用で総印字枚数は4万ページ超といったところで,なかなか重宝していた。

ところが,突然印刷結果に汚れが付くようになった。マニュアルを見て清掃してみたが改善しない。定期保守は10万枚なのでまだ余裕があるはずである。汚れは直径5ミリほどのシミが等間隔に1列に並ぶというもので,薄い汚れなので社内資料として使うならガマンできなくもないのだが,「お客さんに汚れた資料出せないから早く直して」と上司に言われてしまい,仕方なく修理の手配である。

どんな用事でもサポセンとやり取りするのは疲れる。幸いN社の電話サポートは数分待たされただけですぐにつながった。症状を伝えると「出張修理になります」とのこと。「症状を見て,その場で修理見積りを出します。ただし修理してもしなくても出張費用8千円と診断費用3千円はいただきます」という。個人ユーザならかなり悩むところだ。

幸い会社の金なので出張修理をお願いすると,以後は修理専門の関連会社とのやり取りとなる。サポセンから修理会社に個人情報を流しても構いませんか?と許諾を求められるが,ここで断ったら修理してもらえないのだろうか?

翌営業日には修理の人が来てくれた。症状を再現させて点々と付くシミの間隔を測ったりしている。汚れの原因を聞くと,トナーカートリッジの感光ドラムに汚れ(欠陥)がありますという。しかしトナーは2週間前に交換したばかりだ。というと「ええ,お客様のトナーカートリッジは純正品ではございませんので。そういうことはよくありますよ」と言われた。

トナーは会社が一括契約している指定会社が扱っているリサイクルトナーカートリッジだ。箱を見ると確かにN社とはどこにも書いていない。そういえばこのトナーは8千円ほどで,「昔に比べてトナーも安くなったなぁ」と喜んで予備をいくつも買っている。安いのは純正じゃなかったからだったのか。

この手の非純正カートリッジは,リサイクル業者が純正の使用済みカートリッジをあらゆる手段で入手して,それにトナーの粉を詰めて売っているシロモノだという。最近のトナーカートリッジはIC内蔵だったりして,他メーカーが勝手に作ることは出来ないのだそうだ。純正カートリッジを手に入れるため,メーカーの定期保守を装って会社を訪問し,トナーのチェックと交換(回収)をしていく強引な業者もいるという。

ということで,予備のカートリッジに交換したら確かに汚れは出なくなった。要するに,出張費用と診断料を払って「安物のカートリッジ使ってるからダメなのよ」と言いにきてもらったわけだ。

いくら安くても信頼性が劣る非純正リサイクルトナーを使うよりは,多少高くても純正品の方が安心だろうと,あとで値段を調べてみたら純正新品のトナーカートリッジは,なんと定価4万2千円もする!。いくら消耗品商売といっても本体の半額というのはやりすぎではないか

10万枚の定期保守にも罠があると修理の人は言っていた。このクラスだと保守するよりも新品を買った方が安いかもしれませんというのだ。個人や会社なら迷わず古い機械を捨てて新品を買えばいい話だが,役所ではそうはいかないらしい。その人が言うには,「役所では機械を買い換えるというのはとても大変で,いくら高額であろうとも保守や修理をして使い続けてくれる」のだという。増税の前にもう少し考えることがあるでしょうと,政治に疎いWebmasterでも思う今日この頃である。

2006年01月15日

●今日の工作 スターリングエンジン

■今日の工作 スターリングエンジン

 ちょっと地味そうな感じがしたので迷っていたのだが,結局買ってしまった。大人の科学マガジン10号 「スターリングエンジン」である。

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 爆発を伴わない外燃機関なのでクリーンな夢のエンジンとも言われている。
 パッケージを覗き込んでいるのは我が家の猫ピート。彼のお許しが出ないとこういう工作は出来ない。

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 重要部品のダイヤフラム(隔膜)をネジ止めしたところ。シリンダ内の空気の膨張/収縮でこの膜が上下してリンク棒を介して回転板(フライホイール)を回す。今回の工作ではネジ止めの良し悪しがエンジンの性能を決める。締め付けが弱かったり,強すぎて変形させてしまうと気密が漏れてしまう。タッピングビスの一発勝負なのでかなり緊張した。

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 支柱を立てて先ほどのダイヤフラムにリンク棒を取り付けたところ。下のアルミ板がシリンダ上部。シリンダはパッキン(Oリング)とネジ止めで気密を持たせているが,ここも慎重に組んだ方が良い。Oリングは取り付ける前に異物が付いていないか指先の感覚で確認して,ネジ止めは対角順に均等に締め付ける。

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 プッシュロッドとディスプレーサーを取り付けて完成。回転板の回転がプッシュロッドで往復運動に変換されてディスプレーサーを上下させる。ディスプレーサーはシリンダ内部の空気を移動させる役目があり,ダイヤフラムの動きと90°の位相差が付いている。

 カップにお湯を入れてその上にスターリングエンジンを乗せ,温度が伝わるまでしばらく待つ。始動のために軽く手で補助してやると,クルクルと気持ちよく回り始める。シリンダ上部に氷を置いてやるなどして温度差を大きくしてやるとかなりの勢いで回る。

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 動画だと回っている様子がよくわかるだろうか。






 円盤がただ回るだけで地味な工作になるかと思ったが,温度差だけで本当にかなりの勢いで円盤が回るので驚きもあるし楽しい。寒いところで試したら手のひらの熱だけでも回ってくれた。いくつかのブログで「うまく回らない」という報告を読んでいたので,失敗したら恥ずかしいから公開しないでおこうと思っていたが,うまく回って良かった。

 ちなみにピートの熱で回してみる実験は,ピートがじっとしていないので実は成功していない。回っているムービーが見えるかもしれないが,少しばかり演出が入っているので,猫エンジンを試される場合はご留意願いたい。

【ご参考】「今日の工作ネタ」一覧

2005年12月13日

●今日の工作 エアロアールシー

最近,¥1,050で買えるラジコンが人気だというので,思わずサンプリングしてしまった。値段が安いのでKinoppyの分も買って同時走行を楽しもうという趣向である(2台同時走行させるためには周波数の違うものを選ぶ必要がある)。

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組み立て式といってもラジコン部はシャーシに組み込み済みで,他の部品も接着剤不要ではめ込んでいくだけだ。ホビーではおなじみの130モータが2個付いてきたので,左右輪別々に駆動するのかと一瞬思ったが,ひとつはステアリング用だった。駆動用とステアリング用のモータを汎用品で共通化することでコストを下げているのだろう。高価なサーボやおもちゃラジコンでよくあるマグネット式のステアリング機構を使わず,130モータでどうやってステアリングを行うのか興味があったが,遠心クラッチ方式という巧妙な方法を採用していた。

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リア(駆動輪)は完全リジットでミニ四駆並みのメカだが,手動でHi/Loのギア比を選ぶことができる。フロントはなかなか良く出来ていて,上述の遠心クラッチからラックアンドピニオンでステアリングを行い,さらに樹脂部品の弾性バネを利用したサスペンション機構が付いている。また,共通のシャーシで複数の車種に対応するため,部品を付ける位置によってホイールベースを可変できる。

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ボディは3分割で,窓類のクリア部品などは無くボディと一体成型で黒く塗ってあるだけ。フロントとリアの部品が外れるので,ここに別売りのエアロパーツが付くのだろう。

シールを貼ってアンテナを立てれば完成である。プラモデルが苦手なKinoppyでも1時間半ほどで完成した。

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Hiギアにするとキビキビ走ってなかなか楽しい。ただ,フローリングが汚れているとタイヤがあっという間にホコリまみれになってしまい,滑ってまともに走らなくなる。

デジQに比べてサイズがでかい上に音も大きいので,ピートは腰が引けている。が,しばらく動かないとみるや,強力な猫パンチで攻撃をお見舞いしていた。

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それにしても,フルコントロールのラジコンが1000円で買えてしまうのだからいい時代である。小学生の頃,田宮の組み立て式電動RCを無理言って親にねだってしまい,ずいぶん困らせた記憶がある。今となっては申し訳ない気持ちでいっぱいだ。この頃勉強したラジコンのメカの知識は今でも役立っているが,それにしては高すぎる投資だったと思う。

【ご参考】「今日の工作ネタ」一覧

2005年11月20日

●小惑星イトカワ探査中のはやぶさに注目

2003年5月に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」が先日小惑星イトカワに到着し,サンプルリターンのミッションに挑戦中である。
まだ着地してのサンプル収集には至っていないようだが,88万人の署名入りターゲットマーカーの投下には成功したようだ。88万人の中にはWebmasterの名前も入っている。
地球から3億キロメートル離れた小惑星の地表に自分の名前が残されたという成果をとりあえずは喜びたい。今後サンプルリターンが成功することを心より祈っている。

現時点でも「はやぶさ」は貴重な成果を次々と上げているのだが,そういうことにはほとんど触れず,失敗ばかり過剰に報道するマスコミの姿勢にはうんざりである。理系離れうんぬんというなら,これほどワクワクするミッションをもっと応援することは出来ないものか。

以下参考リンク
松浦晋也のL/D
「はやぶさ」ミッションの概要
小惑星探査機はやぶさ
今日の「はやぶさ」
Hayabusa Live(最新情報のblog。降下時は要注目)

2005年10月22日

●第39回東京モーターショー

第39回東京モーターショーに行ってきた。前回行ったのが1995年の第31回だったので,ちょうど10年ぶりとなる。自動車技術の定点観測という意味で,10年というのはちょうどいい間隔かもしれない。

前回は車で連れていってもらったのだが,今回は千葉マリンスタジアムのプロ野球日本シリーズと重なって渋滞が予想されたのでJRを利用した。相変わらず幕張メッセはだだっ広くて,予想通り歩いて見て回るだけでヘトヘトになってしまった。

各社ともハイブリッドやFC(燃料電池)車に力を入れているようだが,10年後の車社会はどのようになっているだろうか。

興味深い技術としては,日産PIVOシースルーピラーというのがある。フロントピラーをモニター画面にしてしまって,ピラーに隠れて死角になる部分の風景をカメラで撮影してピラーの画面に表示する。これを聞いてピンとこないだろうか。そう,これは原始的ではあるがガンダムと同じである。技術の進歩もあたりまえのように感じる世の中だが,このようなシステムはブラウン管モニタでは実現不可能だったと考えると,今はまだ荒唐無稽なSF的発想も無駄ではないと感じさせてくれる。

モーターショーというとキャンギャルとカメラ小僧のイメージだが,今回は自動車メーカーブースのキャンギャルは全体的に質素なコスチュームで,部品メーカーブースの方が露出が多くカメラ小僧(カメラおやじ)を惹きつけていたようだ。

2005年10月03日

●今日の工作 ピンホール式プラネタリウム

棒テンプ式機械時計フルレンジスピーカユニットに続く今日の工作第3弾は,同じく大人の科学マガジン09号「ピンホール式プラネタリウム」である。

大人の科学マガジン09号

日本科学未来館メガスターを見に行く野望はまだ実現しないが,その大平貴之氏が監修したというこの付録は是非作ってみなければと,予告が出たときから思っていたのだ。

しかし不安もあった。業務用プラネタリウムと同等の10,000個の星を投影するといっても,わずか¥2,200の雑誌のふろくである。光源は豆電球だし,電源は単3電池2本だ。これで本当にまともなプラネタリウムが出来るのか?

とりあえず過度の期待は抱かないようにして,久々の工作を楽しむことにする。

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支柱を組み立てたところ。右は恒星球をセットするベース。単なるインテリアではない証しとして,どの地点のいつの星空を投影するかを決める,緯度と月,時間のシールを貼る。

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台座に支柱をセットしたところ。光源は先端の豆電球1個。明るい部屋で見ると何とも弱々しい光。

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恒星原版を組み立て始めたところ。恒星球は正12面体で,恒星原版の耳の部分を両面テープで貼り合わせて組み立てていく。表面には保護フィルムが貼られている。

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恒星球が完成。空いている1面に支柱とつながるベースをセットする。空いているところから覗き込むと,ちゃんと小さなプラネタリウムになっている。

planetarium_05.jpg planetarium_06.jpg

1時間半ほどで完成。結構立派に見えるから不思議だ。部屋を暗くして早速投影してみる。部屋の壁に映しているのでドームのようにはいかないが,なかなか雰囲気は出ている。光源が弱いし,投影面まで遠いと光が拡散するので,出来るだけ狭い空間で使うのがいいようだ。見本の写真にもあったが,トイレで映すのが一番良かった。星空の下で用を足すのも悪くない。豆電球を使っているので,どうしても黄色っぽい星になってしまうのと,解説にもあるようにフィラメントの形状を映して小さい星が半月状の形になってしまうのが惜しい。もう少し白くて強力な点光源を使えれば,段違いにキレイになる気がする。しかしまあ,¥2,200のレジャーとしては大満足の結果であった

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作ったプラネタリウムをトイレのタンクの上に置いたままにしておいたところ,翌朝見たらピートに蹴落とされて少し壊れていた...。食えもせず,転がして遊ぶことも出来ないプラネタリウムは,ピートにとって何の価値もなかったようだ。

【ご参考】「今日の工作ネタ」一覧

2005年09月18日

●ノンフィクション読了 国産ロケットはなぜ墜ちるのか

「国産ロケットはなぜ墜ちるのか H-IIA開発と失敗の真相」(松浦晋也)読了。これまた図書館からのレンタル品。

「所詮宇宙開発はネクタイだ」という言葉がすべてを表している。日本という国にとって宇宙などその程度の認識ということだ。政治家・官僚の理工系教養のなさというのも確かに大きいと思うが,日本ではやはり国民の無理解という壁が大きいように思う。「何百億円もロケットにつぎ込んだ挙句に失敗するくらいなら,もっと他に使い道があるだろう」というわけだ。道路公団その他巨額の税金の無駄遣いに比べればロケットなどかわいいものなのだが,その価値はなかなか理解されることがない。子供を退屈させるな!というのはまったくその通りで,子供に夢を与えることもせずに小手先の少子化対策などしても意味がないとWebmasterは思う。

そんな中,「はやぶさ」の小惑星イトカワへの到着は明るいニュース。サンプルリターンに無事成功することを心より祈っている。ちなみに「はやぶさ」にはWebmasterの名前も含む88万人の署名がターゲットマーカーに刻み込まれており,もうすぐイトカワに降り立つことになっている。

国産ロケットはなぜ墜ちるのか H-IIA開発と失敗の真相(松浦晋也)

2005年08月30日

●ノンフィクション読了 スペースシャトルの落日

「スペースシャトルの落日 失われた24年間の真実」(松浦晋也)読了。久しぶりのノンフィクション。ハードカバーは置き場所がないので図書館からレンタルである。

Webmasterはアポロ後に生まれたので,宇宙船といえばスペースシャトルという世代だ。子供の頃は学研ひみつシリーズの「スペースシャトルのひみつ」を読んで「なんて素晴らしい技術なんだろう!これで将来は誰でも宇宙に行ける時代になる!」と感動したものだが,その後の停滞は周知の通りである。本書はスペースシャトルを,世界の宇宙開発関連の貴重な時間と金を浪費させただけの大失敗作だと断じている。この話はそれ系のWebなどでは有名で,大人になったWebmasterも先日のディスカバリー号飛行再開のニュースを複雑な心境で見ていた。野口宇宙飛行士は9年辛抱してようやく宇宙に行くことが出来た。しかしスペースシャトルの高コストと低信頼性のおかげで,いつになったら宇宙に行けるのかわからない宇宙飛行士が日本にも世界にも大勢いるのである。

滑空して飛行場に着陸する姿は確かにカッコいいかもしれない。しかし現実にはパラシュートで海に降りるソユーズの方が,不恰好かもしれないが信頼性が高く安い。宇宙往還機という概念は魅力的だが,地球の重力と,水素-酸素系エンジンの効率,人類が生み出せる材料の強度という限界が克服できない限り,大変な非効率となるというお話。

アポロの後の開発が純粋に技術的な観点で進められていれば,今頃は有人月面基地くらい出来ていたかもしれないと思うと残念でならない。

スペースシャトルの落日 失われた24年間の真実(松浦晋也)

2005年08月29日

●日立市のプラネタリウム

日立市のプラネタリウムに行ってみた。Webmasterの通っていた新潟市の新潟県立自然科学館のプラネタリウムとは設備が結構違うので驚いた。それぞれの諸元は次のようになっている。

日立シビックセンター新潟県立自然科学博物館
メーカーミノルタプラネタリウム五藤光学研究所
型式INFINIUMαGN-AT
ドーム直径22.0m18.0m
座席数248210
座席配列一方向傾斜式扇形
開設1990/12/71981/11/1

一方向傾斜式は見上げたり首をひねったりしなくても天球の大部分が見えるし,映画を上映したりするには好都合だと思うが,「星空を見上げる」という感覚がないので少し調子が狂う。

上映中はフラッシュ撮影が禁止だが,デジカメを発光禁止にしてノーファインダーで膝に固定して撮れば星空が写るかと思って試してみたら,緑のAF補助光が発光してしまい大失敗。怒られないかとヒヤヒヤしてしまった。次に行くときはマニュアルフォーカスにしておかなくては。

プラネタリウムの星空で不満なのは天の川の描写である。Webmasterの目が霞んでいるのかメガネが汚れているのかと思ったら,普通のプラネタリウムでは天の川を「一つ一つの星の集まり」として再現する性能がないため,ぼんやりした霞のようなものを投影して誤魔化しているのだそうだ。最近話題のメガスターでは数百万もの星を描写することが可能(従来はせいぜい1~2万個)だそうで,いったいどんな星空になるのか一度観てみたいものである。本当は本物の星空が美しければ一番いいのだが...。

日立シビックセンターのプラネタリウム投影器

2005年08月02日

●素人として

スペースシャトルのこととか,第10番惑星のこととか,書きたいネタはいろいろあるのだが,科学系の時事ネタに言及するのはけっこう勇気が要る。ちょっと検索すればSF系のページなどで専門的な議論がされているので,中途半端なことを書くのは恥ずかしい気がするのだ。素人は素人なりに思ったことを書けばいいとも思うのだが,いろいろ考えているうちに結局書けなくなってしまう。

最近は読書といえばフィクション(SF)ばかりで,ちょっと前まではニュートン誌を職場の有志でシェアして購読していたのだが最近は「ネタがマンネリで飽きてきた」という意見に逆らえず購読を止めてしまっている。より高尚そうな(?)日経サイエンス誌に切り替えましょうというWebmasterの提案は「絵が少なくて疲れそうだから」という理由で却下されてしまった...。

とりとめのない話になってしまったが,要するにネタがない言い訳である。

2005年07月26日

●今日の工作 フルレンジスピーカーユニット

大人の科学マガジンで作った棒テンプ式機械時計がなかなか楽しかったので気を良くして,特別編集 まるごと手作りスピーカーの本も買ってしまった。

大人の科学マガジン特別編集 丸ごと手作りスピーカーの本

普通スピーカーの自作というと,ユニットは市販品を買ってきてエンクロージャを手作りすることを指すが,この付録ではユニットそのものの組み立てを体験できる。ユニットの仕組みを学びながらスピーカーを作ることにより,普段聴いているオーディオの音もまた一味違って聴こえる(かもしれない)。

付録のユニットはFOSTEX製7cmフルレンジ。小口径だが磁気回路は重量感があり(74グラム),なかなか本格的だ。磁気回路にはGakkenのロゴがある。

写真:手作りスピーカーキット一式 写真:磁気回路

磁気回路にフレームを取り付けたところ。中央にボイスコイルが入るギャップがある。接着剤がハミ出ていて恥ずかしい

写真:磁気回路にフレームを取付け

ボイスコイルとダンパーは一体になっている。ギャップゲージ使ってボイスコイルを磁気回路に挿入し,ダンパーの周囲とフレームを接着する。

写真:ボイスコイルとダンパー 写真:ダンパーをフレームに接着

コーン紙を取り付けて,周辺をフレームに,中央をボイスコイルにそれぞれ接着する。ボンドが乾いたらギャップゲージを取り除く。このようにユニット製作の各過程においてボンドによる接着が必要で,接着が不充分だと音のビビリが発生したりするらしい。なんというか,工業製品なのに伝統工芸のような感覚である。一台一台微妙に特性が異なるというのも実にアナログだ。

写真:コーン紙を接着

最後にキャップを接着して完成。長年このコーン型スピーカーのキャップがどのような役割を果たすのか疑問を抱いていたが,ボイスコイルとコーンの接着を補助し,磁気回路内にホコリなど異物が入るのを防ぐのが主要な機能という理解でいいのだろうか。詳しい方がおられたらご教示いただければと思う。

写真:キャップの接着 写真:ユニットを横から見たところ

付録の入っていたダンボール箱はそのまま簡易的な密閉型エンクロージャになる。1時間ほど接着剤が乾くのを待ってから取り付けて早速試聴だ。アンプにはPLS-1510を使い,スピーカ出力の片系を自作ユニットにつなぐ。仮にユニットがちゃんと出来ていてもヘニャヘニャのダンボール箱エンクロージャで果たしてまともな音が出るのか不安だったが,意外にもちゃんと聴ける音が鳴るではないか。触るとエンクロージャごと盛大に震えているが,小口径ユニットらしく解像度の高い疲れない音だと思う。自作派が小口径ユニットにバックロードホーンを組み合わせる気持ちが解る気がした。

写真:付録のダンボール箱に取付け

小音量で聴く分には125に劣らず心地いい(もちろん自分で作ったという満足感もあって)ので,しばらくこのままエイジングしていこうと思う。またヒマがあったらキチンとしたエンクロージャの自作にもチャレンジしたいと思うWebmasterであった。

【ご参考】「今日の工作ネタ」一覧

2005年07月03日

●今日の工作 棒テンプ式機械時計

頂きものの図書券を握りしめて書店を物色していると「大人の科学マガジン」(学研)が目に入る。6月30日号の付録は「棒テンプ式機械時計」だ。Webmasterは機械式時計が好きなので勉強とレジャーを兼ねて図書券はこれに投資することにした。

この機械式時計の動力源は巻きヒモと錘で,得られた動力を棒テンプとガンギ車で調速する機構だ。

大人の科学マガジン パッケージ内容

棒テンプにウェイトを取り付けたところ。赤い二つのツメ状の部品が旗型脱進機。1秒毎に交互にガンギ車の歯に噛み合うことにより速度を制御する。ウェイトの位置でテンプの速度を調整できる。

棒テンプ

糸巻きドラムに固定された一番車。ネジを巻いたときに逆回転しないように逆回転防止用の歯車が付いている。

一番車

一番車,二番車,三番車,ガンギ車,筒車までを組み付けたところ。時針は筒車につながっており,一番カナで駆動される。この時計は簡略化のため針は時針一本のみ(12時間で1回転)となっている。機構を確認しながら組み立てる。

組み付け状況

棒テンプと時針を組み付けてほぼ完成。横から見ると動力の伝わり方がよくわかる。

ほぼ完成 横から見たところ

壁に取り付けて錘を吊るす。錘はジャムの空き瓶に水を入れて300グラムほどにした。棒テンプの吊り位置を微調整してから,ウェイトの位置を変えて時間を合わせていく・・・のだが,最初は組み付けが甘くてガンギ車が空回りしてしまった。その後ネジを締め直したらとりあえず動くようになった。精度の追い込みは面倒なのでかなりアバウト。

動作確認と調整

参考までに動いている動画も公開

ゆっくり組み立てて1時間ほどかかっただろうか。調整はテンプの動きにムラがあるのでかなり難しい。機械式の腕時計も円形テンプと棒テンプ,複雑さの違いはあるが基本原理は同じである。高い機械式時計をバラさずに機構を勉強できるいい教材だと思う。ブログのネタにもなって一石三鳥であった。

【ご参考】「今日の工作ネタ」一覧

2005年06月23日

●オール電化の宣伝文句に疑問

仕事で都市ガス(13A)の発熱量やらCO2排出量原単位を調べていた。この程度の情報ならGoogleで一発で答えがわかる。便利な時代だ。検索結果で「失敗しない住まいの設備選び」というオール電化のメリットを紹介した大手メーカーのサイトが出てきた。確かに下の方に都市ガスのCO2排出量原単位が載っている。

しかし,よく見ると何かおかしい。

■電気と都市ガスのCO2排出原単位
エネルギー 排出原単位 出典
電気 0.436
(kg-CO2/kWh)
「電気事業における 環境行動計画」
2003年度実績より
都市ガス
(13A)
2.28
(kg-CO2/m3)
東京ガス
「環境報告書2004」より

この表はおそらく電気なら炭酸ガスが0.436kgしか出ないけど,都市ガスだと2.28kgも出るのか,やっぱりオール電化は環境にも優しいね!と,消費者に思わせることが狙いだろう。だが,普通に義務教育を受けた方なら一発で気付くと思うがこれは単位が違うものを比較している。電気の方はkg-CO2/kWh(つまり,1kWhの電気を使うと0.435kgの炭酸ガスが出ますよ,ということ)だが,都市ガスの方はkg-CO2/m3(つまり,1立方メートルの都市ガスを燃やすと2.28kgの炭酸ガスが出ますよ,ということ)になっている。

これだけでもこのサイトに問題があることがわかるが,さらにマズいことに単位を揃えると関係が逆転してしまうのだ。

単位を揃える計算はこうだ。まず都市ガスを1m3燃やすと46.04655MJの熱が出る(出典)。1MJ=0.277778kWhなので,46.04655×0.277778=12.7907kWh の熱が出るということだ。従って1kWhあたりのCO2排出量は,2.28 ÷ 12.7907 = 0.178 kg-CO2/kWh になる。同じ単位で比較すると,電気は約2.4倍も多く炭酸ガスを出すことになる??

実際には電気を使うIHヒーターと,都市ガスのガスコンロでは熱が鍋に伝わる効率が違うので単純な比較は難しい。それならそう書いてくれれば納得するものを,

オール電化住宅の特徴は、二酸化炭素排出量をガス電気併用の場合よりも削減できることです。地球温暖化を防止するには、家庭からの二酸化炭素の排出量を削減する必要がありますが、オール電化住宅では必要なエネルギーを使いながら、二酸化炭素排出量を抑えるのです。太陽光発電や高効率給湯器エコキュートなどを使えば、さらに効率的に光熱暖房費をまかなうことができます。

とヘンな比較表を持ち出して断定してしまうから話がおかしくなる。Webmasterはオール電化を否定するものではないが,こういう宣伝のされ方をしてしまうと疑いの目で見てしまう。オール電化のセールスに限らないが,皆さんも宣伝文句を鵜呑みにせず,自分でもよく考えてみることをオススメしたい。

ちなみになぜこういう結果になってしまうかというと,一般家庭に来ている電気というのは,燃料(石油やウラン)を燃やしてお湯を沸かし,蒸気でタービンを回してその動力を発電機に伝えて電気を起こし,それを変電所や送電線を通じて遠路はるばる届くのである。その各過程である程度の損失が発生してしまうため,たくさんの段階を経る電気よりも,ガスをそのまま燃やして熱にする方が損失が少ない結果になる。そういう意味では天然ガスも採掘,液化,輸送の各過程でエネルギー損失とCO2排出があるわけで,比較は大変ややこしいことになる。そういうことも含めて「オール電化は環境に優しい」と書いているのかもしれないが,その書き方に問題があるのでは,というお話。どうせ一般人は難しい話をしてもわからんから,この表でも出しとけという判断があったとしたら,あまりにも消費者をバカにした態度ではないか。

2005年04月19日

●路線バスの観察

通勤にバスを使うのは長いことためらっていた。時刻表通りにバス停に行っても渋滞で大幅に遅れたり,どうせ遅れるだろうと思っていると時間通りに来て乗り遅れたりする。バス停に着いたとき,狙いのバスがまだ来ていないのか,もう行ってしまったかの判断も難しい。鉄道ならそんなリスクも少なくなるので欧州などでは環境性の面からも路面電車が見直されているという。にも関わらずWebmasterの住んでいる地域では乗る人が少なくて廃線になってしまった鉄道がある。おかげで自家用車通勤する人がますます増え,渋滞に拍車がかかる。人が乗らないから廃線にするのではなく,たくさんの人に使ってもらい,環境にもやさしくなるようにと市街地まで路線を延長するくらいの心意気が行政にも欲しかった。バスに話を戻そう。駅の近所に住んでみると,駅始発のバスに乗れるので時間が狂う心配は少ない。渋滞も時間と路線を選べば気になるほどではないということが解ったので,最近はバスで通勤することもあるWebmasterである。バスに乗ったら運転席や運転操作を観察することを子供の頃からの楽しみにしている。ずいぶんボロく見える路線バスだが,たいていはフィンガーシフトというハイテクを装備している。これはシフトレバーとトランスミッションを電気的に結び(バイワイヤ),文字通り指先でも軽くシフトチェンジできるようにした機構である。しかも単純なスイッチではなく,回転数差によって「ギアが入りにくい」といったアナログ的な情報を反力として手元のレバーにフィードバックする仕掛けまで付いている(らしい)。昔のように床からニョキっと生えている長いシフトレバーを見かけることはほとんどなくなった。フィンガーシフトはクラッチペダルもあるマニュアル(MT)車だが,最近はAT(オートマ)のバスまで見かけるようになった。バスのAT機構は昔のAT乗用車のように変速ショックが大きく,熟練した運転手が操るMTバスのスムーズな乗り心地にはまだ及ばない。徐々にハイテク化が進む路線バスであるが,今朝はバスカードの読み取り装置がエラーを起こし,40円得したWebmasterであった。
バスカード

2005年04月08日

●Suica実験

引っ越してJR通勤になったので,早速Suicaを手に入れた。定期入れに入れたままでもタッチすれば無線通信で清算されるのだが,他のSuica・ICテレカなど他の非接触ICカードとは干渉する場合があるので離して使えと書いてある。さっそく実験だ。Webmasterの定期入れには自宅の鍵として使う非接触ICカードが入っている。これをSuicaと一緒に入れたまま改札を通ったらどうなるだろう。できるだけ人のいないタイミングを見計らって緊張しながら読み取り部にタッチ。するとどうだろう。ピピっという認証音がしてあっさり通ることができた。Suicaの読み取り機能はなかなか優秀なようだ。
Suicaのペンギン

2005年02月26日

●H2A 7号機打ち上げ成功

H2Aロケット7号機の打ち上げが成功。運輸多目的衛星(MTSAT)が静止軌道に乗ってデータを取り始めるまで関係者の方々は落ち着かないと思うが,ロケットとしては成功だったようでよかったよかった。ロケットの打ち上げも一生に一度くらい見に行ってみたいと思っているが,種子島もフロリダも遠いなぁ。とりあえず筑波宇宙センターはそう遠くないのでヒマなときに行こうと思っている。

2005年02月25日

●国立科学博物館

実家に住んでいた頃,あるいはたまに帰省した折にも近所にあった新潟県立自然科学館が好きで足繁く通っていた。上野には日本における唯一の国立の総合的な科学博物館として国立科学博物館があると聞いて,いったいどれだけ素晴らしい展示があるのか一度は行って観てみたいと長年思っていた。今回それがついに実現したので達成感に酔いしれているWebmasterである。ちょうど2004年11月に新館がオープンしたばかりであり,タイミングとしてもちょうど良かった。ボランティアの方が一通り案内してくれるガイドツアーに参加した後,1時間ほど見て回ったが2時間程度ではまったく足りない。余裕があればもっと詳しく見てきたかったのだが,今回は株主総会の帰りで疲れていたので断念した。科学と聞いて「え~っ」と拒否反応を示す方もおられると思うが,入館料も安く(大人\420,子供\70)デートコースとしてもオススメできる。それにしても「揺籃の星」を読んで以来,恐竜の化石を見るたびにヘンな妄想をしてしまうのは困ったものである。ボランティアの人に妙な質問をしなくて良かった・・・。
写真:国立科学博物館(上野)

2005年02月11日

●万博会場レポート

愛・地球博の開幕まで残すところ1ヶ月あまり。会場の工事もいよいよ大詰めという感じである。年末に行ったときは骨組みだけだった観覧車にもカゴが取り付けられ,藤ヶ丘から万博会場を結ぶリニアモーターカー「リニモ」も3月6日の運転開始を目指して試運転が続けられている。写真は無人運転のロボットバス(IMTS)を試運転中に写したもの。職場のコンパクトデジカメはシャッタータイムラグが大きい上,置きピンが出来ないのでブレてしまっているが,運転席は無人でモリゾーのぬいぐるみが座っていた。専用レーンを走るのだが,路肩とタイヤの隙間がご覧いただけるだろうか。専用レーン自体とても狭くて,路肩とタイヤの隙間はほんのわずか。人間が運転したら脱輪してしまいそうである。
写真:試運転中のロボットバス(IMTS)

2005年01月21日

●NC工作機械

学校の実習でNC工作機械を使ったのはもうずいぶん昔のことだ。ただ,昔とは言ってもパソコンはPC9800シリーズが全盛で,数十MBのHDDを内蔵するモデルも(高価ではあったが)珍しくはなくなっていた頃の話である。データの記録媒体はFDが主流で,サイズは5インチから徐々に3.5インチに置き換わりつつあった時代だ。ところが,実習先で使ったNC工作機械のデータ入力メディアはなんとテープだったのである。テープといっても磁気テープではない。紙の穿孔テープだ。音楽用カセットテープにラジカセでデータを「録音」する時代からパソコンを使っていたWebmasterだが,穿孔テープのメディアを見て使うのはさすがにこのときが初めてだった。おそらく当時も最新型のNCならば端末からネットワーク経由やFD経由での入力が可能な機械が存在したのだろうが(),なにぶん高価な機械であろうから,そうそう買い換えるというわけにもいかなかったのだろう。あるいは新機種を学生のイタズラで壊されるのが嫌だったのかもしれない。実習で作成した穿孔テープはしばらく記念に取っておいたのだが,いつしか紛失してしまった。惜しいことをしたものである。紙の質にもよるだろうが,パンチカードや穿孔テープは適切に保管すれば半永久的に情報を記録しておけるのではないだろうか。もっとも記録密度(1cm2あたり数ビット?)からすればソースコードを紙に印刷して取っておく方が遥かに場所をとらずに済むな・・・。

メモ:KT法(Kepner-Tregoe)に対して,従来手法はKKD法(経験・勘・度胸)またはKDD法(勘・度胸・出たとこ勝負)。

ネットで調べてみると,一部のNCでは穿孔テープがまだ現役で使われているらしい。金属屑が散らばるような環境は最新の精密ITメディアには過酷ということなのだろうか。

2005年01月20日

●インドア派のアウトドア道具好き

Webmasterは基本的に出不精のインドア派だ。パジェロに乗っていた頃はキャンプやバーベキューにも何度か参加してみたものの,テントの設営や食事の準備,後片付けなどではまったく使い物にならず,水汲み係専門だった苦い経験がある。しかしながら,どういうわけかアウトドア用品には憧れを感じるのである。ホームセンターのアウトドア用品コーナーに行くと,使う予定もないのにいろいろなモノが欲しくなる。思うに装飾などは二の次といった無骨な機能美に惹かれるのだろう。ホワイトガソリンを使うバーナーやら十徳ナイフなどは実際に買ってしまった。なんで取扱いの容易なガスバーナーでなく,ホワイトガソリンにしたかというと,使ったことがある人は解るだろうがあのタンク内の気圧を上げるポンピング操作がなんだかカッコよく見えたからである。せっかく買ってはみたものの,インドア派のWebmasterは外で使う機会がないので,自炊設備のない寮の玄関でせっせとバーナーで火を炊いてラーメンを作って食ったのだった。当然電気ポットでお湯を沸かした方が何倍も簡単で早いのだが・・・。

 同じように工具も大好きだ。日曜大工などほとんどしないのに,工具売り場の前を通ると心をときめかせるのである。工具箱は割と大きいサイズのものを持っていて,たいていの作業には事足りるハズであるが,威力を発揮する機会がない。半田ごてとトルクレンチが無いのが不満だが,「ただのコレクション」という理由ではKinoppyは購入を許可してくれまい。会社では安全上の理由とかでせいぜいボール盤くらいしか使わせてもらえないが,某工業大学にインチキ学生としてお世話になっていたときは,勉強などほとんどやらずに日がな一日旋盤を回して実験に使う治具を作っていたものである。おかげで旋盤の扱いにはちょっと自信がある。(ちなみにフライス盤の使い方を覚える時間はなかった。残念!)


 日常生活でも,いつ何時「このネジゆるめて」と頼まれてもいいように十徳ナイフを,「5839の立方根が知りたいんだけど」と聞かれても困らないように関数電卓を,「このラインの導通チェックして」と依頼された場合に備えてポケットテスターを常時持ち歩いていたのだが,最近「もしかしてそんな機会はないのでわ・・・」と考え直し,自宅に保管しているWebmasterである。

 旋盤・フライスと書いていたらNCのことを思い出した。長くなったので明日に続く。